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あいつとの、この距離感が心地良かった。親兄弟より近くはなく、他人より離れてもいない。
それならば麗しのサービス叔父様も、全くそうは見えないが一応双子なんだから俺にとって同じ立場の存在だったはずだ。けれど『叔父様』と呼んではいても、世界中を飛び回っていたあいつとは違って常に傍に居たから、兄のような存在だった。グンマもそうだ。傍に居すぎて、手の掛かる弟のような感覚で接していた。


――あいつは、一所にじっとしている事が出来ない人間だった。
殆ど『家』、つまりガンマ団の本部には滅多に帰ってこなかった。俺の世話や遊び相手になってくれた親父の部下の方がよっぽど身近だったと思う。

なのに。

ごくたまに―まぁ、大抵は金をせびりにだったけれど―帰ってくると、何の違和感も無くすんなりと俺達と同じ枠の中に納まった。他人がどれだけ努力してもけして入れない枠だ。家族―そう、つまりは『家族』なんだろう。血の繋がりというのは偉大だ。


父親のように頼れる相手ではなく、兄のように導いてくれる相手ではなく、弟達のように護る相手でもなく、友人や部下のように信頼できる相手でもない。


実際に言い争いどころか肉弾戦すっ飛ばしてガンマ砲の応酬をしあったことも間々ある。ちなみに俺は本気で殺すつもりだったし、相手もそれは同様だろう。顔にはニヤニヤと下らない笑いを貼り付けてこそいたが、その眼は限りなく真剣だった。それでも俺はあいつに殺されると思った事は無いし、あいつも俺を殺せない。不本意ながら逆もまた然り、だ。


父親のように頼れる相手ではなく、兄のように導いてくれる相手ではなく、弟達のように護る相手でもなく、友人や部下のように信頼できる相手でもない。

――隣に、並び立つ相手だ。

結局のところ、同類なんだろう。俺とあいつは。
だから。……こんなにも、惹かれるのだろうか。



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