早く言え!
某日―PM10:14、シンタローは所用で叔父であるハーレムの部屋を訪ねた。
「俺だ、入るぞ。」
ドアをノックし、返事を待たずに入って行くと、派手なわりにきれいに整頓された部屋。というかこの部屋にはベッドと、テレビくらいしか主だった家具はない。この何もない部屋に一番存在感のあるバカでかいベッドにハーレムは転がっていた。
「おい、おっさん。」
ベッドまで行き、シンタローは寝ているハーレムの顔を覗き込んだ。
「ん``ー」
シンタローが見たものは叔父の綺麗な寝顔だった。シンタローは思わず、
「きっれェー・・」
不意に声に出してしまったことにシンタロー自身が驚いたが、考えてみればハーレムはビボーの叔父様と双子なのだから当たり前といえばそうであろう。
「でも、似てねぇ兄弟だよなぁ。」
性格もおじさんと比べたら天と地ほど違うしなぁ。顔も獅子舞だし。髪の色もおじさんは色素の薄い金色だけど、ハーレムはもっと濃い太陽みたいな金色の髪だ。そんなことを考えながらベッドの端に座りシンタローはハーレムの髪を撫でた。その髪は意外にも指通りが良くてとても心地よかった。その時、触られてさすがに気づいたのかハーレムが目を覚ました。
「んー?何だぁー?シンタローか?」
まだ、半分寝ているらしかった。シンタローは寝ているハーレムの髪を撫でていたことをハーレムに悟られたくなかったので、早く部屋を出て行くことに決めた。
「何か用か?」
ハーレムが起き上がって尋ねる。
「いや、大した用じゃないんだ。あんたがぶっとばしてお釈迦にした軍艦の始末書とその他もろもろの書類を渡しに来ただけだ。」
今までのことを悟られないよう嫌みを交えながら言い捨てて、部屋をでようと立ち上がろうとした時、ハーレムはシンタローの腕を掴んだ。
「まぁ待てや。お前、仕事の方はもう終わったんだろ?」
「あぁ、今日のところは一応な。」
「なら、ちょっとだべっていけや。」
「はぁ?」
次の瞬間、ハーレムの腕が伸び、シンタローの頭を引き寄せたかと思うとそのままハーレムの唇が重なった。シンタローは自分に何が起きているのか中々理解できなかった。
「ん``っー???」
どうして自分がこんな状態になってしまったのか、シンタローは必死に脳をフル活動させて考えたが、答えは出てこない。その間にもキスはどんどん深くなっていく。抵抗しようにも両手を捕らえられているので、どうにもならない。そしてやっと長いキスから解放された。
「なっ、てめぇ何しやがる!!」
シンタローは酸素を取り込もうと肩で息をしながら、ハーレムに食ってかかった。
「何って、キスだろ?」
へらへらと笑いながらハーレムは答える。
「そーじゃなくって、何でそんなことするのかって聞いてるんだよ!」
シンタローがハーレムを怒鳴りつける。
「だぁー、一々うるせぇやつだなぁ。じゃあ俺も質問していいか?なぁーんでシンちゃんはわざわざ俺の部屋に来たわけ?」
「だからぁ、さっきも言っただろ、書類届けに来たんだよ。」
シンタローの体に緊張が走った。やばい。
「そんなの他のやつにやらせればいいだろ?お前は総帥なんだから。なのに総帥自ら来たってことは・・・俺に会いたかったからだろ?」
すべて知っているかの様にハーレムは微笑って見せる。やばい。きっとこいつはすべてわかっている。俺の気持ちも全部。
「そんなこと・・」
シンタローは本心を言い当てられて、真っ赤になった。
「そんなこと・・あるだろ?」
ハーレムはシンタローの表情を楽しんでいるかのように聞いてきた。もう相手に気づかれているのならいっその事自分が思っていること全部言ってしまおうとシンタローは決心した。
「あぁ、そうだよ。」
言ってしまった。もう後には引けない。絶対に笑われる・・。そう思った。だけど違った。ハーレムは笑ったりはせず、シンタローを抱きしめた。
「やぁっと言ったか、おせぇんだよ。そういうことはもっと早く言えよな。」
???一体何を言っているんだ?早く言え?それじゃあまるで、俺が告白するのを待ってたみてぇじゃんか。何がどうなっているのかがシンタローにはさっぱり理解ができなかった。ただわかっているのは、ここがハーレムの腕の中っていうことだけだった。抱きしめられてとても心地よかったが、真意を聞くべくシンタローはハーレムに尋ねた。
「それどう言うことだよ?」
「お前、結構鈍いのな。」
「は?鈍い?」
シンタローはぽかんと口を開けている。(ここまで言われて気づかないのも不思議だ。byハーレム)
「ん``ー・・ん。」
また唇が重なる。それはとても優しいくちづけ。愛が広がって流れ込んでくる。自分が大切に思われていることが伝わって、伝えたい。自分も目の前にいるやつのことが大切だということを。唇が離れても、優しい空気が二人を包み込む。
「わかったか?」
「あぁ。」
シンタローは素直に頷く。
「なぁ、いつから知ってたんだ?知ってたんだろう、全部。」
「知ってた。でも教えてやんねぇ。」
ハーレムははぐらかすような言い方をした。
「教えろよ。」
「ずっと前からだよ、しかしまぁ長かったなー」
ハーレムが天井を見上げながら話す。
「でもまさか、お前が俺を綺麗って言ってくれるとはなぁー。叔父さん嬉しかったぜぇ。」
「なっ、何で知って・・まさか、起きてたのか?!」
「当然だろ。俺一応、特戦部隊の隊長だし~」
「嘘だろ?」
「ホント。」
ハーレムはにっこりと笑った。
「さっ、最悪だぁー」
「んなこと言うなって、これから楽しくなるんだからよぉ!」
そうだ。俺たちはこれからなんだ。こいつと一緒だと色々と大変そうだけど、細かいことはどうでもいいか。シンタローはそんな気持ちになった。
「あぁ。そうだな。」
はじまり-完
とりあえず第一章が終了ってとこです。ここまで読んでいただきありがとうございます。なんかよくわからない話ですみません(泣)ハレシン初めての作品でございます。といいますか・・小説、初めてです。なのでおかしい所が沢山ありますが許してください。(逃げ)この話はきっと続きます。はい。良い作品になりますよう頑張りますので、これからもこんな私を宜しくお願いします。
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某日―PM10:14、シンタローは所用で叔父であるハーレムの部屋を訪ねた。
「俺だ、入るぞ。」
ドアをノックし、返事を待たずに入って行くと、派手なわりにきれいに整頓された部屋。というかこの部屋にはベッドと、テレビくらいしか主だった家具はない。この何もない部屋に一番存在感のあるバカでかいベッドにハーレムは転がっていた。
「おい、おっさん。」
ベッドまで行き、シンタローは寝ているハーレムの顔を覗き込んだ。
「ん``ー」
シンタローが見たものは叔父の綺麗な寝顔だった。シンタローは思わず、
「きっれェー・・」
不意に声に出してしまったことにシンタロー自身が驚いたが、考えてみればハーレムはビボーの叔父様と双子なのだから当たり前といえばそうであろう。
「でも、似てねぇ兄弟だよなぁ。」
性格もおじさんと比べたら天と地ほど違うしなぁ。顔も獅子舞だし。髪の色もおじさんは色素の薄い金色だけど、ハーレムはもっと濃い太陽みたいな金色の髪だ。そんなことを考えながらベッドの端に座りシンタローはハーレムの髪を撫でた。その髪は意外にも指通りが良くてとても心地よかった。その時、触られてさすがに気づいたのかハーレムが目を覚ました。
「んー?何だぁー?シンタローか?」
まだ、半分寝ているらしかった。シンタローは寝ているハーレムの髪を撫でていたことをハーレムに悟られたくなかったので、早く部屋を出て行くことに決めた。
「何か用か?」
ハーレムが起き上がって尋ねる。
「いや、大した用じゃないんだ。あんたがぶっとばしてお釈迦にした軍艦の始末書とその他もろもろの書類を渡しに来ただけだ。」
今までのことを悟られないよう嫌みを交えながら言い捨てて、部屋をでようと立ち上がろうとした時、ハーレムはシンタローの腕を掴んだ。
「まぁ待てや。お前、仕事の方はもう終わったんだろ?」
「あぁ、今日のところは一応な。」
「なら、ちょっとだべっていけや。」
「はぁ?」
次の瞬間、ハーレムの腕が伸び、シンタローの頭を引き寄せたかと思うとそのままハーレムの唇が重なった。シンタローは自分に何が起きているのか中々理解できなかった。
「ん``っー???」
どうして自分がこんな状態になってしまったのか、シンタローは必死に脳をフル活動させて考えたが、答えは出てこない。その間にもキスはどんどん深くなっていく。抵抗しようにも両手を捕らえられているので、どうにもならない。そしてやっと長いキスから解放された。
「なっ、てめぇ何しやがる!!」
シンタローは酸素を取り込もうと肩で息をしながら、ハーレムに食ってかかった。
「何って、キスだろ?」
へらへらと笑いながらハーレムは答える。
「そーじゃなくって、何でそんなことするのかって聞いてるんだよ!」
シンタローがハーレムを怒鳴りつける。
「だぁー、一々うるせぇやつだなぁ。じゃあ俺も質問していいか?なぁーんでシンちゃんはわざわざ俺の部屋に来たわけ?」
「だからぁ、さっきも言っただろ、書類届けに来たんだよ。」
シンタローの体に緊張が走った。やばい。
「そんなの他のやつにやらせればいいだろ?お前は総帥なんだから。なのに総帥自ら来たってことは・・・俺に会いたかったからだろ?」
すべて知っているかの様にハーレムは微笑って見せる。やばい。きっとこいつはすべてわかっている。俺の気持ちも全部。
「そんなこと・・」
シンタローは本心を言い当てられて、真っ赤になった。
「そんなこと・・あるだろ?」
ハーレムはシンタローの表情を楽しんでいるかのように聞いてきた。もう相手に気づかれているのならいっその事自分が思っていること全部言ってしまおうとシンタローは決心した。
「あぁ、そうだよ。」
言ってしまった。もう後には引けない。絶対に笑われる・・。そう思った。だけど違った。ハーレムは笑ったりはせず、シンタローを抱きしめた。
「やぁっと言ったか、おせぇんだよ。そういうことはもっと早く言えよな。」
???一体何を言っているんだ?早く言え?それじゃあまるで、俺が告白するのを待ってたみてぇじゃんか。何がどうなっているのかがシンタローにはさっぱり理解ができなかった。ただわかっているのは、ここがハーレムの腕の中っていうことだけだった。抱きしめられてとても心地よかったが、真意を聞くべくシンタローはハーレムに尋ねた。
「それどう言うことだよ?」
「お前、結構鈍いのな。」
「は?鈍い?」
シンタローはぽかんと口を開けている。(ここまで言われて気づかないのも不思議だ。byハーレム)
「ん``ー・・ん。」
また唇が重なる。それはとても優しいくちづけ。愛が広がって流れ込んでくる。自分が大切に思われていることが伝わって、伝えたい。自分も目の前にいるやつのことが大切だということを。唇が離れても、優しい空気が二人を包み込む。
「わかったか?」
「あぁ。」
シンタローは素直に頷く。
「なぁ、いつから知ってたんだ?知ってたんだろう、全部。」
「知ってた。でも教えてやんねぇ。」
ハーレムははぐらかすような言い方をした。
「教えろよ。」
「ずっと前からだよ、しかしまぁ長かったなー」
ハーレムが天井を見上げながら話す。
「でもまさか、お前が俺を綺麗って言ってくれるとはなぁー。叔父さん嬉しかったぜぇ。」
「なっ、何で知って・・まさか、起きてたのか?!」
「当然だろ。俺一応、特戦部隊の隊長だし~」
「嘘だろ?」
「ホント。」
ハーレムはにっこりと笑った。
「さっ、最悪だぁー」
「んなこと言うなって、これから楽しくなるんだからよぉ!」
そうだ。俺たちはこれからなんだ。こいつと一緒だと色々と大変そうだけど、細かいことはどうでもいいか。シンタローはそんな気持ちになった。
「あぁ。そうだな。」
はじまり-完
とりあえず第一章が終了ってとこです。ここまで読んでいただきありがとうございます。なんかよくわからない話ですみません(泣)ハレシン初めての作品でございます。といいますか・・小説、初めてです。なのでおかしい所が沢山ありますが許してください。(逃げ)この話はきっと続きます。はい。良い作品になりますよう頑張りますので、これからもこんな私を宜しくお願いします。
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