リビングで暴れる猛獣が二匹いる。真っ黒な獣が言うことを聞かないのか何なのか、金色の獣がその上に乗り上がって相手の動きを封じ込めようとしていた。
「だーかーら、味見でもいいっつってんだろ?」
「ふざけんなッ何の味見だッオッサンは味見じゃすまねぇーだろッ」
「んー…じゃぁ、一発やらせろ?」
「死ねッ」
しばらく見ない内に、予想外の方向へ傾いた甥っ子に少々興味を覚えた叔父は、とんでもない要求をしながら陽気にじゃれついていた。ハーレムとしては叔父として甥っ子とじゃれているつもりなのだが、シンタローの方はそう暢気にも構えていられなかった。この叔父の冗談は冗談で済まされないほどぶっ飛んでいるからだ。まず「一般的に」と言う言葉が最初から辞書にない。
「とにかく退けェーッ」
「いーじゃねぇーかよ、一発や二発、三発…変わんねぇーだろ?」
「三ぱ…増えてんじゃねぇーかッ!!俺はやんねぇー、やらせねぇー、借金返せオッサン」
「最後の一言は余計ェだろ、コラ」
自分の下で暴れるシンタローを面白そうに眺めながら唇を指でなぞる。すると当然のように相手は噛みついてきた。本気で歯を立ててきた痛みで一瞬顔を蹙めたハーレムだが、直ぐに悪戯心を起こして仕返しと言わんばかりにシンタローの首筋に噛みつく。少し跡がつく程度に歯を立てると、シンタローの体がその刺激でビクリと跳ねた。その反応が非常にお気に召したハーレムが調子に乗って「いーい反応だなぁ…誰に慣らされちゃったんだろうなぁ~?」とからかうと、拳が飛んできた。現状が気に入るはずのないシンタローはとても攻撃的で全身を震わせ怒りを顕わにしている。そこでハーレムも一歩引けばいいのだが、この叔父にその様な対応が出来るはずもなく、堂々とシンタローの着衣に手を掛けた。
「止めろっつってんだろ!!獅子舞ッ退けッ!!」
「んだとぉ?誰が獅子舞だ」
「オメェだオッサン!!一発ヨロシクは女ンとこ行けェーッ!!」
シンタローに女と言われてハーレムの動きが止まった。上に乗ったままイキナリ天を仰ぐ。
「そーだよ…この間、スゲェイイ女がいたんだよ…」
「…オッサン?」
「すこぶるふるいつきたくなるような女だったんだけどよぉ」
いきなり変わった話題に疑問符が飛んだシンタローだったが、ハーレムから女の話なんて珍しいと思い、自分の危機も忘れて思わず「ふるいついたのか?」と問い返した。
「オメェが仕事で遠くの地まで飛ばしてくれたもんだから終了した。責任とれシンタロー」
色話にはつい耳を傾けてしまうシンタローは、そんなこんなであっさり上半身を剥かれる。
「…ッ止めろっつってんだろッ!!後でヒデェ目に遭うだろッ」
俺が、と続けるシンタローと「俺は気にしねぇ」というハーレムの言葉が重なった。
シンタローは自分の失言に直ぐ気付いたのだが、時は既に遅く、ハーレムがニヤニヤしながら上から見つめてくる。意地の悪さがよく表れた青い眼が真上で笑っていた。
「ふーん。誰にどうヒデェ目に遭わされンのか叔父さんに話してみろや」
この台詞に真っ赤な顔をして涙目になっているシンタローを見ながら『やっぱコイツはからかうと面白ェや』などとハーレムは上機嫌に笑った。
「だーかーら、味見でもいいっつってんだろ?」
「ふざけんなッ何の味見だッオッサンは味見じゃすまねぇーだろッ」
「んー…じゃぁ、一発やらせろ?」
「死ねッ」
しばらく見ない内に、予想外の方向へ傾いた甥っ子に少々興味を覚えた叔父は、とんでもない要求をしながら陽気にじゃれついていた。ハーレムとしては叔父として甥っ子とじゃれているつもりなのだが、シンタローの方はそう暢気にも構えていられなかった。この叔父の冗談は冗談で済まされないほどぶっ飛んでいるからだ。まず「一般的に」と言う言葉が最初から辞書にない。
「とにかく退けェーッ」
「いーじゃねぇーかよ、一発や二発、三発…変わんねぇーだろ?」
「三ぱ…増えてんじゃねぇーかッ!!俺はやんねぇー、やらせねぇー、借金返せオッサン」
「最後の一言は余計ェだろ、コラ」
自分の下で暴れるシンタローを面白そうに眺めながら唇を指でなぞる。すると当然のように相手は噛みついてきた。本気で歯を立ててきた痛みで一瞬顔を蹙めたハーレムだが、直ぐに悪戯心を起こして仕返しと言わんばかりにシンタローの首筋に噛みつく。少し跡がつく程度に歯を立てると、シンタローの体がその刺激でビクリと跳ねた。その反応が非常にお気に召したハーレムが調子に乗って「いーい反応だなぁ…誰に慣らされちゃったんだろうなぁ~?」とからかうと、拳が飛んできた。現状が気に入るはずのないシンタローはとても攻撃的で全身を震わせ怒りを顕わにしている。そこでハーレムも一歩引けばいいのだが、この叔父にその様な対応が出来るはずもなく、堂々とシンタローの着衣に手を掛けた。
「止めろっつってんだろ!!獅子舞ッ退けッ!!」
「んだとぉ?誰が獅子舞だ」
「オメェだオッサン!!一発ヨロシクは女ンとこ行けェーッ!!」
シンタローに女と言われてハーレムの動きが止まった。上に乗ったままイキナリ天を仰ぐ。
「そーだよ…この間、スゲェイイ女がいたんだよ…」
「…オッサン?」
「すこぶるふるいつきたくなるような女だったんだけどよぉ」
いきなり変わった話題に疑問符が飛んだシンタローだったが、ハーレムから女の話なんて珍しいと思い、自分の危機も忘れて思わず「ふるいついたのか?」と問い返した。
「オメェが仕事で遠くの地まで飛ばしてくれたもんだから終了した。責任とれシンタロー」
色話にはつい耳を傾けてしまうシンタローは、そんなこんなであっさり上半身を剥かれる。
「…ッ止めろっつってんだろッ!!後でヒデェ目に遭うだろッ」
俺が、と続けるシンタローと「俺は気にしねぇ」というハーレムの言葉が重なった。
シンタローは自分の失言に直ぐ気付いたのだが、時は既に遅く、ハーレムがニヤニヤしながら上から見つめてくる。意地の悪さがよく表れた青い眼が真上で笑っていた。
「ふーん。誰にどうヒデェ目に遭わされンのか叔父さんに話してみろや」
この台詞に真っ赤な顔をして涙目になっているシンタローを見ながら『やっぱコイツはからかうと面白ェや』などとハーレムは上機嫌に笑った。
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