(―――間に合わへんッツ!!)
河童のキムラが設計した“特攻☆殺死亜夢”とかいう、ふざけた名前の突貫ステージが崩れ、シンタローはんが燃え滾っている油の海へ今にも落ちそうになっていた時、不覚にも、わては一瞬体が動かへんかった。
シンタローはんが、死んでしまうんやないかという恐怖に、思考が停止し、体が凍りついた。
その非常に長くも短くも思える一瞬、呆然としていたわての横を、何者かの影が走り抜け、シンタローはんの手を掴んだ。
それは、リキッドだった。
・・・わてのみたところ、リキッドは、シンタローはんに特に恋心を抱いているとかいうわけではないようどすが、シンタローはんを兄貴分として認めている。
そして、シンタローはんも、リキッドの恋愛的なものを含まない純粋な好意を、なんだかんだいいつつも嬉しそうに受け入れてはる。
わてが思うに、シンタローはんは、あんな弟が欲しかったんやないやろか。
―――コタローはんは、どっちかというと、もう自分の子供に近いものがあって、兄弟喧嘩とかできるようなものやおまへんしな。
わては、今回の事で、リキッドに1本も2本も取られたような気がした。
リキッドは、頭は大変悪うおますけど、ガムシャラさがある。
それは、わてが、若い頃に持っていたもので、今はもう持っていないものかもしれへん。
「シンタローはん、ご無事どしたかぁ~~~~♡」
と、わてはシンタローはんの方に駆け寄りながら、
(わても、うかうかしてられまへんな。シンタローはんのことに関しては今以上に全力で取り組まへんと!)
と、決意を新たにした。
久々に短め&アラ視点1人称ですが、私の考え方がバリバリ出ていますです・・・。
そして、これって、アラシンと言ってええものでせうか??すんまへん。
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