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「どーしたッグンマ!!」


悲鳴の聞こえて来た部屋の扉を勢いよく開け、悲鳴の主────元従兄弟、現兄弟のグンマの姿を探す。
机の向こうに、見慣れた金髪を見つけた。どうやら床に尻餅をついているらしい。



「し…シンちゃんッツ!?」

「どうしたんだ、いきなり叫んで。何かあった────…」




シンタローの台詞が途中で止まる。動きも止まる。
何やらサイズの違いすぎる服に身を包んだ子供が視界に入ったのである。

─────目が、合った。


「あわわわわわわわわッツ!!し、シンちゃんッ!何でも無いからッ!!お仕事まだ残ってるんでしょッ!?」


グンマが慌ててその子供をシンタローから見えない様にと背に隠す。
その子供はシンタローと目を合わせたまま固まっている。



「……誰の子だ?この子供…なーンか親父に似てるよーな…」


「え゛ッ!!!?」



呟かれた言葉に、グンマとその後ろに居る子供が思いきり体を震わせ青ざめる。シンタローから子供の様子は見えなかったが、気配で分かる。
しばらく考え込むような素振りを見せ、やがてポムっと手を打ち顔を上げる。
そしてこう言った。


「まさか、お前の隠し子かッツ!?」




ずごしッ


グンマと子供が一斉にコケた。


「おー!動きまでそっくりだナ。お前何時の間に子供なんて作ってたんだ?」


「違うよッツ!ボクには昔から心を決めた人が居るんだからッ!!」



物凄い剣幕で詰め寄られ、シンタローは少々仰け反りながらカクカクと頷く。


「そ…そォか。…まさか、心に決めた奴って…ドクターとかか?」

「何で高松なのさッ!!!シンちゃんのバカー!!」

「いや何で俺に八つ当たり…て、グンマの子でも無いとすると…」


未だギャーギャーと喚いているグンマを押しのけ、突っ伏したままの子供をひょいと抱き上げる。
何故か顔を赤らめる子供の顔を見つめ、渋い顔でこう宣った。



「…マジックの隠し子か。」


ぶ───ッ!!!


子供が盛大に吹き出した。


「うわ汚ッ」

「違うよシンちゃんッ!パパはシンちゃん一筋だよッツ!!」






──────────間。



その子供…が、慌てて自分の口を塞ぐ。───が、遅かった。

手が戦慄く。目が霞む。腹の底から何かが込み上げてくる。
シンタローは、ひっくり返った声で思い切り叫んだ。


「オヤジィッツ!!!?」

「やは。」


その子供───マジックは、とりあえず笑って挨拶をした。























「うわーッ!シンちゃん落ち着いてヨッ!」

「だまらっしゃいッツ!こーいう妙な事になると全ッ部俺に厄災が降りかかってくるんだッ!
とっととこの馬鹿オヤジを元に戻さねぇと…!」



頭にでっかいたんこぶ付けたグンマと、小脇に抱えられた己の父親を連れて、この父親がちみッこくなった原因───マッドサイエンティストのドクター高松の所に───医務室である。兎に角、其処へと向かう。


「うぅ…嬉しいけど、どーせならパパがシンちゃんを抱き抱えたい…」

この戯けたオヤジ───…今は子供だが、中身はそのまんまである。
『最近おとーさまが疲れてるだ』とグンマが高松に相談すると、『それじゃあ此の栄養剤を。』と渡されたらしい。それを持って自分の研究室へと戻ると丁度様子を見に来たマジックが居り、早速飲ませたらこーなったと。


─────────実験台だろ。ソレ。



話を聞いたシンタローはサクリと突っ込んだ。




「ドクターッ!!」

医務室のドアを殆ど蹴り破るような勢いで開け、其処に居る筈の人物の名を呼ぶ───が。






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