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Sg


うん?なぁに?突然。
もちろん。大事な従兄弟だもん。
あ、今は兄弟になるのかな?
どうなんだろう。まぁいっか。シンちゃんはシンちゃんだし。
で、ええと、何だっけ。あーそっか、そうだったね。
改めて考えたことなかったなぁ。
ちっちゃい頃からいっつも二人で遊んでて、当たり前みたいに近くにいたから。
良く泣かされてたなぁ、懐かしい。
あの頃の僕の日記、9割はシンちゃんのことが書いてあったんだよ。
仕官学校に入る前は、お互いに同年代の友達って、あんまりいなかったから。
ううん、淋しくはなかった。シンちゃんがいればそれで満足してたよ。泣かされてもね。
何回泣かされても、シンちゃんと遊ぶのをやめなかったのは、やっぱりシンちゃんといると楽しかったからかなぁ。
そばにいたら何か凄いことをしてくれそうで、いっつもわくわくしてた。
大きくなっても、その魅力は相変わらずだけどね。総帥になってから、ますます強まったみたい。
嬉しいんだけど、ちょっと複雑かな。

それだけ?ううん、それだけじゃないような気がする。
どう言ったら良いんだろう。
僕達の一族ってさ、皆性格ばらばらだけど、根本は同じなんだよね。
その人の本質って言うか、根っこの部分をじっと見た時に、受ける印象が同じなの。同じ色なんだ。
昔から何となくそう思ってた。
いや、思ってた、じゃなくて本能的に察してた、って言った方が正しいかな。はっきり分かったのって最近だから。
でも、シンちゃんは違った。同じ色のようで、対照的な色で、かと思うとぜんぜん別の色なの。
不安定なようで、きっちり決まってるようで。
わかんないって?
うーん、僕もはっきり説明出来ないんだけど。
ほら、シンちゃんってさ、強いんだけど、弱いんだ。
昔から外面は良いし、何でもそつなくこなすし、全然弱みなんかなさそうだったし。って言うか見せようとしなかったんだけど。
僕にもあんまり見せなかった。お父様にもじゃないかな。弱さを見せるの嫌がるの。
特に二十歳過ぎたころからひどくなって、いっつもバリヤー張ってるみたいだった。
何でもかんでも一人で背負っちゃって。悪い癖だよね。
ここ最近はちょっとずつ見せてくれるようになったから、まぁ良いんだけど。
でも、従兄弟なんだし今は家族なんだから、もう少し頼ってくれたって良いのに。
何て言うか、俺様だし、意地っ張りだし、強情だけど、脆いの。
自分勝手で我侭なくせに、いざとなったら自分より他人を優先するような人なんだ。ややこしいよね。
あはは、だてに二十年以上一緒にいたわけじゃないよー。

…シンちゃんってね、僕達が絶対手に入らないものを、元々持ってるような人だったから。
僕達が回り道して、散々迷って、結局見つけられなかった答えを、生まれつき知ってるような人。
シンちゃんからして見れば、持ってるのは僕達の方だったのかもしれないけど。
でも、僕から見れば、どう考えてもシンちゃんが持ってるものの方が、ずっとキレイなんだ。
羨ましい、とはちょっと違うかな?
執着心はあるけどね。僕らの一族は特に執着心が強いから。
執着って言っても、手に入れたい、とは違うんだけど。
ああ、やっぱり上手く言えないや。
とにかく、当たり前みたいに隣にいて、軽口叩き合って、一緒にご飯食べて、時々喧嘩して、それで十分なの。
僕にとってシンちゃんって、そういう存在なんだ。


(2006.5.12)

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