捕われたまま
「シンタロー」
名前を呼ばれるだけで。
彼の声を認識するだけで。
彼という存在を認識するだけで、泣きたくなってしまう。
「何?」
「少し背が伸びたな…髪も、伸びた」
穏やかに微笑む綺麗な貴方。
でも、時折とてつもなく冷たく見える隻眼の笑み。
貴方に嫌われたくないから、ただ笑顔を振りまく。
上辺っ面だけの、汚い笑顔。
「うん。髪伸ばしてるんだ。短いと余計ガキに見えるから」
「そうか…よく似合う」
「ありがとう、叔父さん」
貴方は俺によく似た人を知っていて。
俺は俺によく似たその人を知らない。
俺がそいつに似てるのか。
そいつが俺に似すぎていたのか。
「又すぐにどこかへ行くの?」
「いや、今回は少し滞在するつもりだ」
「そっか。又いろいろ話聞かせてよ」
「あぁ」
いつまでこんな腫れ物にでも触るかのような態度で接するんだろう。
いつまで俺は貴方のご機嫌伺いすれば良いんだろう。
「叔父さん」
それでも。
「好きだよ」
俺はあなたから離れられない。
「シンタロー」
名前を呼ばれるだけで。
彼の声を認識するだけで。
彼という存在を認識するだけで、泣きたくなってしまう。
「何?」
「少し背が伸びたな…髪も、伸びた」
穏やかに微笑む綺麗な貴方。
でも、時折とてつもなく冷たく見える隻眼の笑み。
貴方に嫌われたくないから、ただ笑顔を振りまく。
上辺っ面だけの、汚い笑顔。
「うん。髪伸ばしてるんだ。短いと余計ガキに見えるから」
「そうか…よく似合う」
「ありがとう、叔父さん」
貴方は俺によく似た人を知っていて。
俺は俺によく似たその人を知らない。
俺がそいつに似てるのか。
そいつが俺に似すぎていたのか。
「又すぐにどこかへ行くの?」
「いや、今回は少し滞在するつもりだ」
「そっか。又いろいろ話聞かせてよ」
「あぁ」
いつまでこんな腫れ物にでも触るかのような態度で接するんだろう。
いつまで俺は貴方のご機嫌伺いすれば良いんだろう。
「叔父さん」
それでも。
「好きだよ」
俺はあなたから離れられない。
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