構想は前からあったやつ。やっと日の目をみることができました。
「…魔法使いになりたいッ!!」
私の可愛い息子シンタローが、最近流行のハリー・ポッターを読んで影響を受けたらしく、棒を振り回しながら呪文を唱えていた。
当たり前なことだが、魔法など非科学的なものが使えるわけがなく、魔法を使いたいと私にお願いをしてきた。
「パパ、僕、魔法使いになりたいんだ」
ああ、可愛いよシンちゃん!
「魔法をつかって、何をしたいんだい?」
魔法を使わなくても、パパにできることなら何でもしてあげるよ。
「え、えっと…、ん~ん~」
魔法でしたいことが無いのに、非現実的のことを欲求するのは子供ならではだ。
にしても、可愛い。
「いまんとこないや」
そんな可愛い眼でパパを見て、食べちゃいたいよ!
「そうかい。じゃ、何か魔法を使ってしたいことが見つかったら、パパって呼ぶんだよ」
「なんで?」
こ首を傾げて、可愛いッ!!
「いいかい。これはシンちゃんだけが使える、召喚魔法なんだよ」
「召喚魔法ッ!!?」
キラキラお目めが、股間を擽るよッ!!
「そうだよ」
ぴょんぴょん跳ねて、シンちゃんのお顔がパパのちょっと元気な息子に、当たちゃっているよ。
「すごいや。僕、高等魔法の召喚魔法が使えるんだッ!!早速、試してくるねッ!!」
可愛い私の天使が、去っていくよ。
「獅子舞ッ!!」
「お。カネヅル!金貸せよ」
「もう、お前なんかには負けないぞ」
「あ?何だよ、やる気か?」
「食らえ、召喚魔法ッ!!」
「へいへい、金出してみせろよ」
「パパぁッ!!」
「え?」
「パパ」
「兄貴?」
「眼魔砲ッ!!」
「パパ、召喚できちゃったッ!!」
「すごいね、シンちゃん」
終わり
反省
書きたかったのは、パパを召喚するシンちゃんと、被害を被るハーレムでした。
「シンちゃーんッ!!」
「うわっ、汚ねぇだろッ!!」
総帥室でいつもどおり仕事をしていたら、親父が鼻血を垂らしながら部屋に入ってきた。
しかも、大事な書類に血痕を付けやがって。
「何のようだよッ!!」
「あのね…」
どうやら、俺のベッドで昼寝をしていたら夢の中に俺が出てきて、裸で、親父にまたがって、「して」と誘ってきたらしい。
鼻血を流しながらそんなことを言われても、俺には関係ねぇんだよ。
「シンちゃん、正夢になったら、パパどうしようッ!!??」
なるわけねぇだろッ!!
「安心しろ、そんなこと絶対にな…」
ビリビリビリ…
って、それは重要書類じゃねぇかッ!!
「親父、何してるんだよッ!!」
「ん?シンちゃん、正夢になると思うかい?」
眼がマジだ。
怪しく光を放っているその両眼は、何時この部屋を吹き飛ばしてもおかしくない。
ここにはまだ片付けていない書類が山積みだ。
たかが変態親父の夢に振り回されたくはないが、ここは少し大人になって譲歩しよう。
「人類が滅亡するときぐらいは、なるかもしれねぇな」
「シンちゃんVv!じゃ、パパ今から、全人類を抹殺してくるねッ!!」
ちょっと待てーッ!!
たかが夢に人類抹殺されたら、パプワに一生会わす顔がねぇッ!!
「待てよ、親父ッ!!」
「だって、シンちゃん。人類滅亡しないと正夢にならないんでしょ?」
人のあげ足をとるなーッ!!
ここは話題を変えようッ!!
「親父…」
「なんだい?」
なるべく可愛らしく、笑えんで俺ッ!!
「シンちゃん、可愛い…」
上目遣いで…
「う…鼻血が…」
甘えた声で…
「パパぁ、僕、お腹ペコペコぉ」
「任してシンちゃん!パパ、ご飯作ってあげるからッ!!」
鼻血の池地獄を作って、親父は去っていった。
「よかった。人類は救われた」
「これを料理に仕込んだら…正夢になるだろうねVv」
一族専用フロアにある、マジック専用キッチンでマジックはお鍋のなかの美味しそうなカレーに、小瓶のなかの怪しげな液体を入れていた。
小瓶には『高松特性媚薬 ※キンタロー様には使用禁止』と書かれてあった。
「マジで、腹減ってきたな…」
「シンちゃんお待たせッ!!パパ特性カレーだよッ!!」
「お、美味そうッ!!」
ご愁傷さま
おしまい
反省
無性に鼻血が書きたかったのでした。
「シンちゃん、パパと旅行に行かない?」
「やだ」
「シンちゃん、パパとドライブ行かない?」
「嫌だ」
「シンちゃん、パパと遊ばない?」
「いやだ」
「シンちゃん…」
「いやだ」
「パパ、まだ何も言ってないよ…シクシク」
ここ最近、シンタローが私に冷たい。
私と何をするにも、誘うのも『いやだ』の一点張り。
昔はあんなに、私の後を追い掛けてきたというのに。
昔を懐かしんでも、その時間が戻ってくるはずもない。
昔のシンタローも確かに可愛かったが、今のシンタローは可愛さと美しさを兼ね備えて、私の心を乱れさす。
「今の方がいい…」
そうだ。
今のシンタローが一番性欲的なのだから。
大切な私の、シンタロー。
暫らく、誘うのをやめてみようかな。
ティラミス達からも、仕事が遅れる原因は私のそれだと言うしね。
数日後
「親父」
「なんだい?」
仕事中のはずのシンタローが、わざわざ私の執務室までやってきた。
気のせいなのだろうか、どこか淋し気なシンタロー。
「最近、誘ってくれねぇんだな」
「え?」
「別に、いいよ。無理しなくても」
そう言い残して、シンタローは部屋から出ていった。
「もしかして…」
それに気が付いたとき、正直、私は驚いてしまっていた。
いつも誘うと、あんなに嫌がるのに、あれはシンタローにとって、私との大切なコミュニケーションだったのだ。
そして、急に誘われなくなったことに、シンタローは不安を覚えたのだろう。
自分のことが嫌いになったのだ、とでも思ったのかもしれない。
だったら、私は何をするべきなのか。
答えはもうでている。
「マジック様、総帥でしたら自室にお戻りになりました。」
総帥室に行こうと、自分の執務室から少し歩いたところで、ティラミスとチョコレートロマンスに出会った。
「マジック様が総帥を構わないおかげで、仕事が倍以上遅れてしまいました」
「総帥は、今日は使えそうになかったので、自室に戻しました」
使えないって、ひどいよ。
「マジック様も、そうそうに総帥の自室に行かれることを、お願い申し上げます」
まったく、この二人はよくできた秘書だよ。
「わかった」
深々と頭を下げる二人に手を振って、私はシンタローの自室に向った。
「シンちゃん?」
自室を覗いたが、シンタローはそこにはいなかった。
もしやと思い、私の寝室に行ってみると、案の定シンタローは私の寝室のベッドの上で、身を小さくして寝ていた。
「シンタロー」
声を掛けるが、返事が返ってこない。
近づくと、小さな寝息が聞こえる。
「…シンタロー」
目元を、少し赤く腫らして眠っている。
ああ、お前はそんなにも悩み、苦しんでいたんだね。
それに気付いてやれなくて、ごめんよ。
息子の額に、口付けをする。
私はこんなにも、お前を愛しているんだよ。
「シンタロー」
ごめんよ。
勝手に勘違いをして。
「シンちゃん、パパとブティックホテル行かないッ!!??」
「却下だッ!!」
「じゃ、エス★エムしない?」
「拒否するッ!!」
「じゃ、じゃ、パパここにいてもいい?」
「それぐらいなら、許可するぜ」
「うん。パパ、部屋の隅っこでシンちゃん人形を作るから、気にしなくていいよッ!!」
「気になるわッ!!…ったく、親父、少し手伝えよ」
あれから、私は以前と同じようにシンタローに毎日お誘いをしている。
シンタローも、少し素直になったみたいで、前みたいに邪険しなくなった。
「シンちゃんッ!!!!」
「ギャーッ!!抱きつくなーッ!!」
終わり
反省
中途半端だね。
しかも、初英語の題名ッ!!
わーい、わーい。
これは、親父と結婚から抜粋しました。何で?って言われると、いい部分なのに編集したら不要になってしまったからです。
勿体ない!
(パプワ島から帰ってきてはいますが、まだ総帥をついでいないとき)
きっかけは些細なことだった。
ある日、俺がちょっとしたかすり傷を手の甲に作ってしまった。
簡単な肩慣らし程度の柔道の組み手で、俺が誤って壁に手を打ち付けた、ただそれだけ。
なのに、俺とペアを組んでいたミヤギは大騒ぎして「総帥に殺される!」と泣き叫び始めた。
俺が大丈夫だと、一生懸命あやしてやっているそんな中、ミヤギの大声に野次馬が集まり理由を俺に聞いてくる。
そして、遡上効果なのか段々とその人数が増え、俺から直接理由を聞けない奴は俺に近い奴から話を聞きだそうとし始め、烏合の衆と化してしまった。
そして、この些細な騒ぎが大きな騒ぎになろうとは、このとき俺も親父に懲罰を受けることを想像していたミヤギさえも知る由もなかった。
この話は、周りのやつから話を聞いた連中が、ほかの連中に伝え、伝言ゲーム特有のありもしない話へと代わって言った。
それが、「シンタローが、殺された。最後を看取ったのはミヤギだ」って、何で最前線にも行っていないのにそんな話に変わるんだ?
そして、それを鵜呑みにしたのがあの親父。
まず、医務室の高松に事実確認をしたらしい。
そしたら、「治療しました」だけの返事。
その次に、ミヤギに出頭要請をし内容の確認。
それで、ミヤギは自分が悪いんですの謝罪とあとは、号泣して言葉にはならなかったらしい。
そして最後に、霊安室に行ったあのあほ。
面白いから、高松とぐるになって死んだ振りをしていたら、本当に親父は涙を流しながら・・・いつも垂らしているのは省く。
『シンちゃんがいなくなったら、世界なんてどうでもいい。いっそのこと、壊しちゃおうかな・・・。そのほうがいい。そして、私は一人お前の骸片手に毎日なき続けるよ。お前が迎えに来てくれるまで・・・・』
俺って、簡単に死なせてもらえないんだとちょっと感動。
だから、「ごめん」と謝って起きたら大変なことになった。
高松、ミヤギ、そして伝言ゲームの最後のティラミスが半殺しにあっていた。
ミヤギのせいで、後の説明が大変だった。
何故あんなことしたのか、毎日質問攻めだ。
ま、おかげで父さんのあの言葉が聞けたから、よしとするか。
俺のいない世界は、くずみたいなんだろ?
最高のプロポーズじゃん。
「シンちゃんッ!!結婚しようッ!!」
「いいよ」
「……」
あり?
黙ったぞ?
「本当に、シンちゃん?」
何言ってんだよ。
俺が、偽物といいたいのか?
「本物だよ」
「じゃ、じゃぁッ!!何でそんなに、素直で優しいんだいッ!!」
ああ、そこかよ。
「あれ以来、眼魔砲も撃ってこない、飛び付いても殴らない、蹴らない。夜なんか…夜なんか…あんなことや、こんなことしてくれるし…」
ああ、そういえば口淫や愛撫って、この前までしたことねぇな。
「それにそれに、常にパパの傍にいるし…」
居て悪いのかよ。
「パパのこと、『父さん』って呼ぶし」
「父さんって、呼んじゃダメなのか?」
「できれば、あの時に言ってもらえると、ね」
いつも父さんって呼んでいる時って、性行為の時だもんな…。
慣れてくれないか。
「あそこがね、元気になっちゃうから…」
パブロフ犬…
「パパのこと、パパって呼んでほしいなッVv」
「分かった、パパ」
何、涙流してんだよ。
「そうじゃなくてね、シンちゃん」
なんだよ。
「好きだから、一緒にいたい。好きだから、その人が望むことを、喜ぶことをしたいじゃ、ダメなのか?」
「シンちゃん…」
「俺は、前みたいに弱くはない。もう、逃げたりなんか、しないよ」
パプワ島に行く前の俺は弱かった。
あのころはすぐ、逃げていた。
けど、今は違う。
だって、あなたは血のつながっていない俺を必要としてくれるから。
目を開けて、現実を見れば道は開ける。
だから、待つだけでは何も変わらない。
だから…
「父さん、俺と結婚しよう」
「シンちゃん!」
「そんで、遺産をたっぷり俺だけに残して死ね」
貴方が、好きだから。
今から始まる、未来がここにある。
終わり
反省
ふふ、ダミー君消しました。
ああ、もう、だるいわ。
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