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mm




一年に一度、離れ離れになってしまった天の恋人達が出会える日。
それが、七夕。
好きな人と会うことが、一年で一回しかできなかったら、貴方はどうしますか。




IF…




「シンちゃん、もしもね大好きな恋人と一年に一回しか、会えないとしたらたらどうする?」
夏の暑い昼下がり、何時もならクーラーの効いた部屋にいるのだが、夏の風物を食べるのに暑さを感じないと味気ないと駄々をこねるマジックの我儘を聞くために、渋々暑いテラスに出てかき氷を食べていると、頭の中までこの暑さで腐ってしまったのか、マジックが変なことを言い出してきた。
「何だよ、それ」
「だからね、シンちゃんは一年で一回しか好きな人と会えなかったらどうする?」
そういえば、今日は7月7日。
彦星とおり姫の出会える日。
そんなことで、聞いてきたのかと溜め息を吐くと、暑さで少々思考回路が鈍っている頭をフル回転し、質問の答えを考えだす。
「別れる」
それが、シンタローが出した答え。
マジックが望んでいない答えであることは、シンタローも重々承知のうえ。
どんなに愛し合った男女でも、一年も会えなかったり、お互いの目先の欲望に走るに決まっている。
それが当たり前だろうと、シンタローが出した答えなのだが、マジックはそんな答えを望んでいないので、頬を河豚のように膨らませながら不機嫌だと、自己主張してきた。
「不満か?」
ぶんぶんと音が出るくらいに、頭を縦に振る。
こういう仕草をするところは、やっぱりグンマとこいつは親子なんだなと、改めて考えるというか、感心してしまう。
似すぎだろ。
気持ち悪いくらい、似すぎだ。
育ての親がこいつだったが、こんな仕草まで似なくてよかったと、シンタローは自分自身に感謝した。
「シンちゃん、パパと一年間会えなかったら…悲しい?」
「は?」
勘違いしている。
一体、何時、俺とあんたが恋人になったっていうんだ。
心の中で叫びながらも、じりじりと照り続ける太陽に少し頭の中まで焼かれているのか、シンタローは立ち上がり大声で後々後悔するような事を叫んでしまった。
「何考えているかは知らねぇが、俺が親父と別れることがあるって考えたこともねぇよッ!!何時も、しけぇくらいにくっついてきたんだろ、もしとか考えるくらい頭に暇があるんだったら、もう少し傍にいようとか、一緒にいれる時間を大切にしようとか考えやがれッ!!俺はな、折角一緒にいれる時間を、あんたの変てこ話で終わらしたくないんだよッ!!」
一気に言いおわると、シンタローはそのまま後ろに倒れてしまった。
「シンちゃんッ!!」
間一髪のところで、マジックがシンタローの腕をひっぱり自分に引き寄せたので、地面に激突することは防げた。
「シンちゃん?」
悪態も吐くことなく、腕のなかに収まったままの物静かなシンタローに首を傾げながら、何度か名前を呼んでみるが返事が返ってこない。
どうしたものかと、照れているであろう表情を見るために、顎に手を掛け自分の方に向かせてみると、眉間に深くしわを寄せて少し青ざめている顔が、そこにあった。
「シンちゃんッ!?」






額に何か冷たい感触を感じ、目を開けるとそこには心配そうに自分の顔を覗き込む親父がいた。
「親父?」
「よかった、目が覚めたんだね」
辺りを見回すと、そこは先程までいたテラスではなく、マジックの寝室だった。
と言うことは、今自分が寝ているのはベッドの上と認識すると、シンタローは自分の身につけているものを手探りで確認した。
「シンちゃん、さすがに気絶したシンちゃんを食べたりはしないよ」
信用できないと、心なのかで悪態を吐きながら、体に情事の後のいつもの気怠さを感じないことから、まだやられていないんだと安堵した。
「あ…、親父今何時だ?」
体を起こし、午後からのスケジュールを少し痛む頭で思い出す。
今日はあの書類を仕上げて、そして明日の朝に入っている会議の…っ、何だったっけ?
「シンちゃん、今日のお仕事は全てキャンセルしたよ」
色々思い出しているときに、マジックからストップがかかった。何故といった顔で、マジックを睨み付ける。
「シンちゃんね、テラスで日射病を起こしちゃったんだよ。そんなに体が弱っているんだから、今日くらいはゆっくりお休みしなさい」
促されて、渋々起こした体をベッドに沈めた。
あれくらいの短時間で、日射病を起こすなんてそんなに自分の体は弱まっていたのかと、頭の隅で考えながら、目を閉じた。
今日くらい親父の言うことを聞いて、休むのもいいかな…。







次に目が覚めたのは、夜空に星の川が流れ始めてだいぶ経ってからだった。
「親父?」
暗くなった部屋を見渡し、ベッドの横に置いてある椅子の上で眠る父親を見つけた。
「父さん…」





恋人が一年に一度しか逢えなくなってしまったのなら、無理矢理にでも見つけだし、そしてどんなに暴れようが縛り付けて手元に置く。
それがマジックの答えなら、自分の答えは『別れる』で十分なのだ。
親父が俺を愛する限り、俺を追い掛けてくれるから。
追い掛けてくれる限り、自分が愛されていると実感できるから。
だから、俺はあんたの質問から逃げるよ。
そして、追い掛けてこいよ。
それが俺とあんたとの、愛し合い方だろ?








次の朝、マジックは笹の葉を片付けようと、笹を縛っている紐を外そうとした。
その時、昨日はついていなかった真っ青な短冊が一枚、目に入った。
誰が付けたのだろうと短冊を捲ると、そこに書いてあった願いことに、マジックは一人顔を綻ばせた。




『大好きな人が、ずっと自分を追い掛けてきますように』





終わり







反省
読んでて、文章がいつもと違うと感じた方がいらっしゃるでしょう。
一回、ワープロで打って、次にちょこちょこ携帯のキーを打ちました。
大変だけど、自分が納得できる文章ができるので、この作業でUPしていこうと思います。
しかし昨日、半分が消えたときはショックだったけど、ワープロに残っていたから助かりました。遅くなりましたが、これが七夕小説です!



記憶のなかの親父は、いつも優しい眼で俺を視ていてくれた。




赤い秘石が泣いた。

青い秘石も悲しんだ。

俺に残された時間が、あと一日だったから。

アルバムの写真を処分しよう。

残された奴が、いつまでも悲しまないように。

親父のコレクションも処分しよう。

いつまでも、心を痛めて欲しくないから。

全て俺の記録を、物を処分しよう。

跡形も無いように。





「シンちゃん、どうしたの?」
「今夜、一緒に寝てもいいか?」
「いいよ。おいで」

優しい父さん。

「シンタロー?」
「色々迷惑かけて、ごめん。赤の他人の俺を息子といってくれて、ありがとう。そして…」
「シンタロー、私を置いていかないでおくれ」
「…さようならだよ」
「シンタロー」
「じゃ、俺逝くから。コタローとグンマ、キンタローを愛してくれよな…」
「…シンタロー」
「あんたの腕なのかで逝くから」


「俺のこと、記憶の片隅にでも置いててくれよな」





最後に見たのは、優しい父さんの眼。





お休み、父さん。


そして、さようなら。






終わり



反省
暗い話でごめんなさい。突発的に思い付きでかきました。



探偵ナイトスクープ見て思い付きで、かきあげました。
※福岡は一週間遅れで放送されるから、悲しいよう。




日本映画を観て、感動したあまり自分も映画のように、愛している人に愛を叫んで欲しいと、向かった先が総帥室。
ノックもなしに入ると、珍しく一人で総帥室にいるシンタロー。
いつもいる秘書は、どうやら不在のようだ。
早速、シンタローにお願いしてみるマジック。
「シンちゃん、パパに愛してるよっていってごらん」
しかし、当のシンタローはうわの空。
何か考え事をしていた様で、マジックが無断で入ってきたことに怒りもしない。
「シンちゃん?」
何回か名前を呼んで、マジックの存在に気が付いたシンタローは、その顔を観て小さくため息を吐いた。
「…なぁ、親父」
いつになく、どこか辛そうにも見えるその表情のシンタローが、マジックの瞳を見つめる。
「どうしたの、シンちゃん?」
何か悩みごとでもあるのかと、ちょっと父親に呈して聞いてあげようとマジックは鼻血を垂らしながら、シンタローの言葉を待った。
少し時間を置いて、シンタローが口を開けた。
「俺の父親って、いないんだよなって、今、考えてたんだよ」
「何言ってるの、シンちゃん。パパはここにいるよ」
ちゃんと見えてるのか、確認するようにシンタローの目の前で手を振るマジック。
シンタローは苦笑いをしながら、そんなマジックをみつめる。
「母さんも、俺にはいないんだよ」
マジックは、なんとなくではあるが、シンタローが言いたいことが分かってきた。
「シンタロー」
名前を呼ぶと、シンタローの黒い瞳に涙が溢れてきた。
「世界中探したって、俺の親はいないんだぜ。昔描いた、親の絵なんて本当は描けないのに…。俺、俺、本当の親に会ってみたいんだよ。目や髪が黒くて、俺に似た親に…」
ゆっくりとシンタローの傍に寄る。
「私では、役不足かい?」
辛そうに自分を見るマジックに、シンタローは涙を流した。
「父さん、…ごめん。本当に苦しいのは、父さんなのに…」
マジックに抱きつき、何度も謝るシンタロー。
そんな彼の頭を撫でながら、マジックは己の腕のなかにいる息子への愛が、体の奥からあふれ出ることを感じていた。
「愛してるよ、父さん。父親として、愛してるよ」
「シンタロー、私もだよ。息子としてお前を、愛している」
二人の愛の告白。
シンタローは、マジックの懐の中でにやりと笑った。
「それじゃ、もうHはできねぇよな。何たって、親父は俺を息子として愛してるんだからよ」
はめられたと気が付いたときは、すでに遅く、総帥室から追い出されたマジック。
「シンちゃんッ!!」
どんどんとドアを叩いても、その頑丈な扉が開くことはなかった。
渋々、マジックは帰ろうと歩きだした。
どんなに、何度も振り返っても、シンタローは姿を現わしてはくれなかった。





「ひどいよ、シンちゃん」





当初の目的を達成したことを、すっかり忘れているマジックでした。







終わり




反省
題名が長いよ。
しかし、シンちゃんの設定は美味しいよねッ!!
DO本買ったけど、パパ若い頃、かっこいいよ。マジで。
しかし、若くして総帥になったパパはどうしてあんな変態に?
疑問だ。








今日はシンちゃんの大好きなカレー。
玉葱はカラメル色になるまで炒めたし、愛情は溢れる程入れ込んだ。
ご飯は、サフランの花びらとレーズンを入れて、辛さのなかに引き立つ甘さ。
完璧だ。
後は、シンちゃんが帰ってくるのを待つだけ。













「帰ってこない」
遅いよ、シンちゃんッ!!何でパパの元に帰ってこないんだい?
もう、お仕事終わっている時間じゃないかい。
ティラミス、チョコレートロマンスにも、今日は早く終わらせるように言っていたのに。
「シンちゃーん、シクシクシクシク…」


小さい頃はいつもパパの傍にいて、大きなお目めをいつもキラキラさせて……。


シンちゃん。









「ただいま~」
仕事が終わり、家族専用フロアに帰ってきたというのに、いつもそこにいるはずなのにあのくそ親父はいなかった。
「ったく、どこに行ったんだよ」
他の部屋を見ても、いない。
ということは、寝室か…。
「おや…ッ!!」
俺は開けたドアを閉めた。
今、とてつもなく見てはいけないものを見てしまった。
寝室に以前からついていた、液晶大画面(あれは何インチっていうんだ?)の前で俺の人形に囲まれた親父が、等身大の人形を抱き締め、俺が6歳の頃のビデオを真っ暗な部屋のなかで見ていた。しかも、ドアを開けた俺を恨めしそうに睨んでいた。
恐い。
マジで恐いぞ。
今日は、ミヤギ達の部屋にでも泊まろうかと考えたとき、寝室の扉がゆっくりと開き始めた。
出てくる。
嫌なものが出てくる。
ここは、三十六計逃げるが勝ちだ。
「おかえり、シンちゃん」
思いもよらない優しい声に、俺は気が抜けた。
「た、ただいま」






「今日はね、ちょっとこってみたんだよ」
そう言いながら、俺の夕食を準備した親父。
言うだけあって、今日のカレーはこっていた。
「いただきます」
「はい、どうぞ」






「ふう、ご馳走様」
食後のバナナラッシーを飲む。
「美味しかった?」
「ああ、美味かった」
今日のカレーは、親父が今まで作った中で一番美味かった。
やっぱ、カレーはいいな。
「そうか、よかった」
急に部屋の空気が変わった。
なんかこの空気、久しぶりだなって、まさか。
「ティラミスとチョコレートロマンスは、私との約束を破ってシンタローを拘束して…。役にたたないから、消してあげようか。ねぇ、シンタロー?」
怒ってる。
すげー、怒っている。
見ると、現役時の親父がそこにいた。
カッコイイかも…。
はッ!!やばいって俺ッ!!
「私も、美味しいものを食べたいんだがね」
俺の右手をとり、その甲にキスをする。
やっぱ、カッコイイ。
はッ!!だから、やばいって俺。
「さぁ、行こうか」
いつもとは違う、総帥モードの気品漂う親父にエスコートされる。
ダメだ。
あんた、カッコイイよ。マジで。
「シンタロー?」
何だよ。
見んなよ。
今、顔真っ赤なんだからよ。
「行こうか」
「うん」






「マジック様、お許しを」
「ははは、逃げなくていいよ」
「ヒィィッ」





「腰いてぇ…」
今日の仕事、休みでよかった。
ああ、遠くで爆発音が。グンマだろうな。
また、修理費かかっちゃうなぁ。







終わり




反省
シンちゃん、シンちゃんじゃなくなっているよう。
いいのかにゃ、こんなので。
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