作・斯波
まあわてにも覚えはあるけどなあ。
恋してる奴らにはついていかれへんわ。
あいつら、周り見えてへん。
KISS OR KISS
総帥室へ続く秘書室に居るのは普段は事務官一人。
有能な秘書二人は大抵総帥室で一緒に書類仕事を手伝わされているからだ。
だがアラシヤマが扉を開けると、今日は珍しく二人揃ってパソコンに向かっていた。
「あ、アラシヤマさん」
チョコレートロマンスが立ち上がるのを手で制して、
「総帥はいてはる?」
と訊いた。チョコレートロマンスは肯いたが、
「今は休憩中です。あと三十分ほど待って頂ければ」
「でもいてるんどすやろ」
「ええ、しかし―――」
全く忠実な秘書だ。めったに休憩も取れない忙しいボスを思い遣っているらしい。
しかしこちらにも都合というものがある。
「悪いけど急ぎなんどす。すぐ済みますさかい、通りますえ」
「あ、ちょっとアラシヤマさん!」
制止するのを無視して、総帥室の扉を開いた。
音もなく扉を閉めて足を踏み入れると、靴の半ばまでふかふかの絨緞に沈みこむ。
ここに来るたびにいいなあ、と思うのはアラシヤマ自身が人の足音が行き交う自分の執務室が気に入らないからだ。本来人が大勢いるところが大嫌いなアラシヤマは、許されるなら一人きりで仕事がしたいくらいだったが、そうもいかない。なので、広くて静かな総帥室の雰囲気にいつも憧れているのだった。
だが今日ばかりは勝手が違った。
普段はシンタローと秘書しかいないから、仕事をしていても休憩していても静かなこの部屋に、聞こえているのはひそやかな衣擦れの音と喘ぎ声だった。
反射的に、気配を殺した。
そっと足を運んで衝立の向こうへ出る。
高価そうなソファの向こうに、大きなマホガニーのデスクがある。そのデスクに向かった椅子の上でキスを交わしているのは総帥とその従兄弟である補佐官だった。
アラシヤマはげっそりした。
―――いくら休憩時間やからって。
仕事は停滞していないし、誰に迷惑をかけている訳でもない。
確かに責められる筋合いはないのだが、しかし。
―――夜になるまで待たれへんのんかい、このバカップル!
「は・・あっ・・・」
キンタローの右手はシンタローの胸元深く忍び入っている。
さすがに昼日中から行為に及ぶつもりはなさそうだが、どこをどう触られているのか、その手が動くたびにシンタローは切ない吐息を洩らす。
キンタローの顔が離れると、シンタローはすぐに手を伸ばして頭を引き寄せまた唇を重ねた。
二人ともキスに夢中になっていてアラシヤマには気づく様子もない。
最初こそ呆れ果てたものの、めったに見られるものではない光景に興味を覚えて、アラシヤマは暫く見物することにした。
「・・あっ、あ、―――んんっ・・・」
角度を変えて何度も繰り返される口づけに、次第にシンタローの息が上がってゆく。
―――エロいキスやなあ・・・何処で覚えてくるんやろ、あんなん。
シンタローとは士官学校からのつきあいだし、長い寮生活の間にはお互い一人で処理している姿を見たことも見られたこともある。
だがそのアラシヤマも、これほど色っぽい表情をするシンタローを見たことはなかった。
―――ええ顔しはりますやんか、シンタローはん。
それはシンタローが大人になったからだろうか。
それとも、相手がキンタローだからだろうか。
どっちにしろ心友にとっては喜ばしいことだろう。それに普段は冷徹な紳士の仮面を被っているキンタローの意外な一面を見られたのも面白かった。
優しいが濃厚なキスを恋人に与えているキンタローの眼差しには雄の欲望がはっきり表れていて、不思議なことにそれがアラシヤマに親近感を抱かせる。
―――こいつも普通の男っちゅうことか。
まあ、そうでなければ一緒に仕事など出来るものではない。
思わずくすりと洩れた忍び笑いに、総帥と補佐官がぱっと顔を上げた。
「―――・・なっ・・!!」
シンタローの端整な顔にみるみる血が昇ってくるのを、アラシヤマは冷静に眺めている。
「シンタローはん、これ急ぎの書類やさかいすぐ決裁しておくれやす」
「てめェいつからいやがったァ!」
「いつからて訊かれても・・ちょっと前どす」
狼狽しきっているシンタローに較べ、身体を離したキンタローは小憎らしいほど悠然としている。アラシヤマが渡した書類に眼を通し、
「すぐ処理して後でティラミスに持っていかせる。執務室にいるのか?」
「へえ、午後はずっといてます」
「分かった」
「ちょっと待てアラシヤマァ!」
真っ赤な顔で怒鳴る総帥の唇を、アラシヤマは笑って指で押さえた。
「てめ―――」
「大声出したら、ティラミスとチョコロマが吃驚して飛んできますえ。今は顔見られへん方がええんちゃいますのん?」
「何で!」
「そんなフェロモンだだ漏れの顔」
「はあ!?」
「エロすぎどす、今のシンタローはん」
あっさりとまとめられ、シンタローはもう言葉も出ない。
そんな従兄弟を見てキンタローがニッと笑う。
「確かにな」
「そやろ? 何て表現したらええかなあ、こーゆうの」
「・・・濡れ濡れ、とでも?」
「あっそれ! それどすわ!」
「てめーアラシヤマさっさと出てけエェェ!」
あまりといえばあまりな会話にぶち切れた総帥の眼魔砲が炸裂する前に、アラシヤマは笑いながら総帥室を逃げ出した。
肩で息をしているシンタローにキンタローは落ち着き払って書類を渡した。
「決裁。―――」
「キンタロー、おまえなあ!」
「そんな顔は誰にも見せない」
強く抱きしめられて息が止まりそうになる。
「ちょ、キンタ・・・」
「感じている時のおまえの顔を知っているのは、俺だけでいい」
「・・ったく・・・おまえ以外の誰が見るっつーんだよ、馬鹿」
―――当分アラシヤマの顔はまともに見られそうにねえ。
面の皮の厚い恋人の背に腕を回して、シンタローはがっくりと溜息をついた。
何か問題でも、と心配する秘書の洋菓子コンビに手を振って廊下に出たアラシヤマは、笑いを噛み殺しながらさっきのシンタローの顔を思い出していた。
(あんな狼狽えたシンタローはん、久しぶりやなあ)
まあ仕方おへんなあ。
恋に落ちたら周りなんか見えへん。
好きなお方しか目に入らへん、それが恋人同士の特権やものね。
―――今は遠い戦場にいてるあの人に、あんなキスをして貰えるんはいつのことやろか。
「そやけどあの顔は反則やろ・・」
(濡れ濡れ)
「・・・あっ来た、ツボに来た―――ッ!!」
決裁済みの書類を持ってガチャリと扉を開いたティラミスの目に映ったのは、膝を折って笑い転げるアラシヤマという悪夢のような光景だった。
日頃人魂を背負って歩いている陰気な№2が総帥室の前で爆笑していたという不吉な噂はその日のうちにガンマ団中に広がり、原因を煩く聞きにくる親戚連中と側近に悩まされた新総帥は、二度と執務中にいちゃつくことはしまいと固く決心したのだった。
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作・斯波
まあアレだ、世の中不条理なことは多々あるが。
恋してる奴らほどタチの悪ぃもんはねェ。
―――分かってたはずなのにな。
KISS AND KISS
「―――は!?・・・キスの仕方!?」
開けかけた壜を片手に持ったまま、ハーレムはまじまじと目の前の甥っ子を眺めた。
久しぶりに本部に帰還し、現総帥であるシンタローに任務報告を提出してその晩は恒例の酒盛りとなった。仕事では衝突が絶えないものの、いつまで経っても大人になりきれない不良中年の叔父をシンタローも内心では兄のように慕っていて、酒を持って訪ねていくと向こうも大抵酒に合う肴を用意して待っているのが常だった。
留守中の出来事を聞いているうちにシンタローは大分酔ってきて、だからこそ話してくれたのだろうが、総帥室でのキンタローとのキスの一部始終をアラシヤマに見られたという話はネタとしては最高の出来だった。
「それでキンタローの奴はどうしたんだよ」
「あいつは憎たらしいくらい落ち着いてやがったよ。俺の顔を濡れ濡れだとか抜かしやがった」
ハーレムはもう笑って笑って笑い転げた。
その時のシンタローの狼狽と、対照的に悠然としたキンタローの顔が眼に見えるようだ。
「いいねえ若いってのは・・・」
「若いって、あいつはまだ実質四歳じゃねえか。なのに―――」
「あん? なのに何だ?」
激しかけて急に消えた言葉の先を促してみる。
「・・・あいつに、おまえはキスが下手だって言われたんだよ」
消え入るような声に、ハーレムは再び声も出ないくらい笑い転げたのだった。
「俺はこの年齢までキスが下手だなんて誰にも言われたことはねェのに」
「まあアレだ。あいつも別に悪気があって言ったんじゃねえだろ」
気のない慰めにシンタローは長い黒髪を振り払って溜息をついた。
「・・・だけどあいつは確かに上手いんだ」
「惚気か? 結局惚気なのかオイ!」
「あいつにキスされると気持ち良過ぎて息も出来なくなる。何もかもどうでもよくなっちまう」
「はいはい、御馳走サン」
―――やってらんねえよ、もう。
ハーレムは嘆息して酒壜を傾けた。
だが酔った甥っ子の話はこれからが大事なところらしかった。拳を握りしめて、
「ここはやっぱ男としては負けてらんねえだろ、なあ!?」
「何滾ってんだよオマエは・・・」
「だからさ、ハーレム! 俺にキスの仕方を教えてくれ!!」
そこで話は冒頭に戻るというわけなのだ。
「おまえ酔いすぎだ」
「酔ってたって頭はちゃんとしてる!」
「そーいうことは俺に訊くな」
「だって他に頼める奴いないだろ」
断固と言われて言葉に詰まる。確かにグンマはあてにならないし、サービスは今不在だ。
ではマジック兄貴―――そんなことを頼もうものなら部屋中が血の海になるだけではなくキンタローをハーフ殺しにしかねない。他には、と考えてハーレムは指を鳴らした。
「あいつがいんじゃねーか、アラシヤマ! ああ見えてあいつは昔っから諜報活動と暗殺のために男をたらしこむ技術を仕込まれてたからな、めちゃくちゃ上手いんだぜ。あいつに頼めよ。友情餌にすんのはテメーの得意技だろうが」
そう言うと、意外なことにシンタローはしゅんとした顔になった。
言われるまでもなくそれはもう考えたのだという。
しかし、部下でありしかもこの間あんな現場を見られてしまったアラシヤマに直接頼むのはプライドが許さない俺様総帥が考えた挙句に取った行動はといえば、これがまた最悪で。
「・・・マーカーのとこへ行ったんだ」
―――ブーッ!
これはハーレムが酒を噴き出した音である。
「何だよ、汚えな」
「おまえ今何つった!」
「だってマーカーはあいつの師匠なんだろ。あいつから言って貰えばアラシヤマも言うこと聞いてくれるかなって思って」
「思って、じゃねえよ! おまえあいつらのこと知らねえの!?」
「え、何を?」
きょとんとしたシンタローにハーレムは額を押さえて呻いた。
―――決定。俺の甥っ子は3バカトリオだ。
しかしよりによってマーカーにねえ、と考えるとまた笑いがこみあげてきた。
大事な愛弟子へのとんでもない命令を頼まれたときのマーカーの顔を想像すると、可笑しくて仕方が無い。
「で、マーカーは何て?」
「駄目です、ときやがった。それも0.2秒でだぜ! オッサン、てめえどんな教育してんだ!」
―――それは俺がマジック兄貴に言いたいことだよ。
「だからって俺んとこくるか普通・・・」
「だっておまえ爛れた恋愛してそうだし、碌でもない経験も豊富だろ。キスの上手な淫売ともヤッてそうじゃん。そこを見込んで頼んでんだよ」
「・・・褒めてるつもりなら間違ってんぞ、坊主」
乱暴に酒を飲み干し、壜をドンとテーブルに置く。
その仕草を目で追っているシンタローは、確実にいつもより悪酔いしているようだった。
とろんとした瞳には、男をふらりとさせる刹那的な魅力がある。
(あーもう、勢いでいっちまうか?)
シンタローのことは前から気に入っているし、これは明らかに据え膳といっていいだろう。
そもそも血族同士だという倫理観は青の一族に最も欠けている観念なのだ。
しかしそれでもハーレムが躊躇っているのは、事がキンタローに露見したときの面倒な事態をつい考えてしまうからだった。
―――・・何しろあいつはルーザーの息子だからなあ。
かつて恐怖でハーレムの上に君臨した次兄の血は、紛れもなくあの甥の中にも流れている。
「なあ、ハーレム・・・」
切ない吐息を一つついて瞳を見上げてくるシンタローの眼差しに、ハーレムは地団駄を踏んだ。
心の中では理性という名の獅子舞が必死に踊り続けている。
「お願いだってば・・あいつを落とせるようなキスを、俺に教えて?」
(ハイィ獅子舞さん退場―――!!)
「・・・てめェわざとやってんのかコラ」
ハーレムの声も掠れていた。
「ったく、後で文句言っても聞かねえぞ」
乱暴に顎をすくいあげると黒髪がさらさらと流れ落ちた。
「・・・ん」
こくりと肯いてシンタローがゆっくり瞼を閉じる。
半開きになった唇を奪いかけた寸前―――黒い頭がすとんとハーレムの肩に落ちた。
「・・・はあ?」
ハーレムの手がわなわなと震えだす。
「―――なんだこのお約束どおりのベタなオチはアァ!」
シンタローは、すやすやと気持ち良さそうな寝息をたてていた。
翌日がんがんする頭を抱えて部屋から出てきたハーレムを待っていたのは、お気遣いの紳士の仮面をかぶった恐怖の甥っ子だった。
「あん? 何か用か」
「シンタローはキスが下手だっただろう?」
いきなり斬りこまれて一気に酔いが醒めた。
「―――下手も何もやってねえっての」
真実だから仕方がない。さすがに眠ってしまった相手に手を出すほどは飢えていないのだ。
ハーレムはだるそうに見事な金髪をぐしゃぐしゃとかき回した。
「何であいつにんな事言ったんだよ? あの性格だからムキになんのは見えてたろ?」
「俺のせいでムキになるあいつを見てるのが楽しいから。―――」
死んだ兄そっくりの整った顔がほころぶ。
「俺の言葉に一喜一憂するシンタローが、可愛くてたまらないんだ」
「あそこで俺が退かなかったらテメーどうするつもりだった」
「ふん、シンタローが俺以外の男のキスで感じる筈が無い」
―――こいつァ見てくれだけじゃなくて性格までルーザー譲りだな。
ハーレムは昨日からもう何度目なのかも分からなくなった溜息を吐いた。
「ほんと、テメーはタチが悪いぜ」
「あんたほどじゃないさ、叔父貴」
ハーレムの教訓。
―――恋に落ちてる奴らにはもう絶対関わらないでおこう。
特に、それにルーザーの忘れ形見が絡んでいる場合には。
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作・斯波
幸せそうな人を見るとこっちまで嬉しくなる。
恋をしなくちゃと思う。
恋を知らなければ、人はギリギリの生き方しか出来ない。
KISS OF KISS
「・・頭痛ェ・・・」
目覚めは最悪。
だけど、昨日見た夢はまるで総天然色の映画のように鮮やかだった。
夢の中でキンタローとキスをしていた。
何度も何度も、繰り返し繰り返し。
おまえは相変わらずキスが下手だな、と耳許で囁かれた。下手で悪かったな、と言い返そうとしたけれどあんまりあいつの唇が熱いからうまく呼吸も出来なくてただ吐息だけが零れた。
このまま一つになって溶けてしまいたいと、そうねだったような気がする。
シンタローは暫くぼうっとベッドの上に座り込んでいた。
「―――・・何だコレ」
テーブルの上には酒壜や皿がそのままになっている。
(そういや昨日はハーレムがやってきたっけ)
随分飲んだ気がする。何だかキンタローの話もしたような覚えがあるが定かではない。
割れるように頭が痛いのは酒のせいか、とやっと理解してベッドを降りた。
ふと、唇に指を当ててみた。
目を閉じると鮮やかに記憶が巻き戻される。
昨夜のことは覚えていないのに、夢の中のことは全部覚えていた。
忍び入るような甘い声も、淫らで執拗なキスも。
(―――シンタロー)
不意にキンタローが本当に囁いたような気がしてぱっと眼を開いた。
びりびりと、身体中に電流が走った。
「おはよー、シンちゃん」
シンタローは吃驚して振り返った。もう着替えを済ませたグンマが顔を覗かせている。
「あ・・グンマか」
「大丈夫~? 昨日は随分飲んでたみたいだったけど」
「ああ・・ハーレムは?」
「自分の部屋で寝てるよ。何だか荒れてたけど、叔父様と喧嘩でもしたの?」
「―――覚えてねェ」
「・・・ふーん」
呆れたことにグンマは朝からアイスクリームを食べている。
棒つきのアイスを舐めながらまじまじとシンタローの顔を眺めている従兄弟に、眉根を寄せた。
「何だよ? てゆーか何ソレ」
「えー、アイス。当たりが出たらもう一本貰えるのv」
「気持ち悪・・・朝からそんなもん食うなよ」
「いいじゃん、美味しいんだから」
溶けかけたそれを口から離して、グンマがニッと笑った。
「シンちゃん、どんな夢見てたの?」
「え?」
「何か、そんな顔されたら襲いたくなっちゃうんだけど。―――」
何言って―――といいかけた口に思い切りアイスを突っ込まれた。
「ぐふ・・っ!」
顎を伝う甘い液体を、グンマがぺろりと舐め上げる。
「うーん、非常にやらしくていい感じー」
無邪気な笑顔でにこりと微笑まれて、絶句した。
「どうせまたキンちゃんの夢でも見てたんでしょ~?」
「―――おま・・おまえなあアァ!」
「はいはい、怒らない怒らない。おとーさまがご飯作って待ってるよ♪」
早く来てねェ冷めちゃうから、と言ってひらひら手を振って背を向けたグンマを見送ったシンタローの背筋にぞくりと寒気が走る。
(・・・そういやあいつは青の一族の直系も直系だった)
血の繋がり、というものをしみじみと考えさせられる羽目になった総帥を残して、ドアは軽やかな音を立てて閉まったのだった。
「ご機嫌ですね、グンマ様」
上に馬鹿がつくほど過保護なドクターに紅茶を淹れながらグンマはにっこり笑った。
「うん。何だか幸せな気分なんだ~」
「・・・それはそれは」
「ねえ高松」
「はい?」
「やっぱり人間恋をしなくちゃ駄目だよね。僕も綺麗な恋がしたいな―――って高松!? 高松しっかりして! もお鼻血出しすぎだよーッ!!」
夢中になって恋をしている二人の従兄弟を見てるとこっちまで嬉しくなる。
あんなにもただ一人の相手を想う力が、人間にはあるのかと感心する。
―――全くどうしようもないくらい人騒がせなカップルだけど。
(それでも恋をしてる二人を見てるのはとても面白いから)
当分僕は、退屈しそうにない。
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以上、キンシン・キスシリーズ三連弾でした。
加えてアラシンでハレシンでグンシンぽいあたりを感じで下さると、
シン受けサイトらしくて非常に嬉しいです。
キンシン一覧に戻る
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