03. しょーがない奴
それはただ単に腹が立つよりも数倍タチが悪い。
どうでもいい、にもかかわらずムカつく。
どうでもいいやつに、どうでもいいことにムカつかせられていることにさらにムカつく。
いっそ殺るしかねーか、とも思うのだが、
アイツごときに、それほどのアクションをとってやることすら、惜しい。
「シンタローはんっ!わてのこともデコパッチンして、しょーがない奴言うておくれやす!!」
―――フザけんな、と思った。
いくら親父の命令だからって。
俺に一言も、何にも言わず、のこのことこの島に来るたあ、いい根性してんじゃねーか。
黙って、コタローきちんと連れ帰して、何もかもをいつもどおりに戻した上で、
恩着せがましく苦労話をして、そうすれば俺に褒められる、だなんて。
本気で、そんなことを考えていたのだろうか?
だとすれば、馬鹿だと思う。本っ当に、救いがたい馬鹿だ。
ああ、違うな。
親父の命令だから言えなかったんじゃない。
言わなかったんだ。
アイツは。
しょーがない奴、なんて、そんな言葉で済ませられるアホ度合いじゃない。
それはただ単に腹が立つよりも数倍タチが悪い。
どうでもいい、にもかかわらずムカつく。
どうでもいいやつに、どうでもいいことにムカつかせられていることにさらにムカつく。
いっそ殺るしかねーか、とも思うのだが、
アイツごときに、それほどのアクションをとってやることすら、惜しい。
「シンタローはんっ!わてのこともデコパッチンして、しょーがない奴言うておくれやす!!」
―――フザけんな、と思った。
いくら親父の命令だからって。
俺に一言も、何にも言わず、のこのことこの島に来るたあ、いい根性してんじゃねーか。
黙って、コタローきちんと連れ帰して、何もかもをいつもどおりに戻した上で、
恩着せがましく苦労話をして、そうすれば俺に褒められる、だなんて。
本気で、そんなことを考えていたのだろうか?
だとすれば、馬鹿だと思う。本っ当に、救いがたい馬鹿だ。
ああ、違うな。
親父の命令だから言えなかったんじゃない。
言わなかったんだ。
アイツは。
しょーがない奴、なんて、そんな言葉で済ませられるアホ度合いじゃない。
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