02. 花言葉
とりあえず、己の耐久性には感謝した。
全身と自分が入っていたらしきカプセルの焦げ具合からすれば、
考えられる原因はただ一つ。
否、考えずとも、その感覚はもう十二分に身に染み付いている。
「相変わらず厳しいお人どすなあ……。どこどすの、ここ……」
軽い火傷を負っているらしい全身を押さえながら周囲を見渡す。
ほとんど原形を留めていない、白銀の飛空艦の中だった。
目に映るのは、破壊された合金の山。
壊れた天井の上は、降るような星空…というより、異常なまでに近い宇宙。
「パプワ島…ではあるんでっしゃろか。なんやいつも以上に暑い気ぃもしますけど…」
呟いてから、ハッ、と気づいて、慌てて周囲を探る。
幸運なことに、目的の物、ならぬ人はすぐ見つかった。
多少、自分と同様に煤けてはいたが。
「トージ君も無事どすな。よかったどす~。―――ん?」
人形の脇、石礫に紛れて、
けれど確かに、その色彩をもって存在を主張していたのは一輪の花。
手にとって、まじまじと眺める。
既にもう大分しおれているし、花弁も数枚散ってはいるが。
「ま……っまさかシンタローはんが……ッ?」
淡い期待にも、恨むべきは冷静な思考。
「―――な、わけないでっしゃろなあ……」
ふっ飛ばしておいて、花を供える人間もいまい。
献花をイヤガラセととることもできるが、
順当に考えれば、あのファンシーヤンキーあたりの仕業だろう。
「ま、ええどすわ」
覚えのありすぎる全身の痛みは、そう遠くない場所に彼がいることを教えてくれる。
まずはそれだけで十分だ。
この花、花言葉はなんでっしゃろなあ。
友情とか愛とかそういうもんやったらええんどすけど。
大体、花言葉ってそないなモンばっかどすしな。
人差し指と親指でくるくると花の茎を廻しながら、また彼を追って歩き出す。
とりあえず、己の耐久性には感謝した。
全身と自分が入っていたらしきカプセルの焦げ具合からすれば、
考えられる原因はただ一つ。
否、考えずとも、その感覚はもう十二分に身に染み付いている。
「相変わらず厳しいお人どすなあ……。どこどすの、ここ……」
軽い火傷を負っているらしい全身を押さえながら周囲を見渡す。
ほとんど原形を留めていない、白銀の飛空艦の中だった。
目に映るのは、破壊された合金の山。
壊れた天井の上は、降るような星空…というより、異常なまでに近い宇宙。
「パプワ島…ではあるんでっしゃろか。なんやいつも以上に暑い気ぃもしますけど…」
呟いてから、ハッ、と気づいて、慌てて周囲を探る。
幸運なことに、目的の物、ならぬ人はすぐ見つかった。
多少、自分と同様に煤けてはいたが。
「トージ君も無事どすな。よかったどす~。―――ん?」
人形の脇、石礫に紛れて、
けれど確かに、その色彩をもって存在を主張していたのは一輪の花。
手にとって、まじまじと眺める。
既にもう大分しおれているし、花弁も数枚散ってはいるが。
「ま……っまさかシンタローはんが……ッ?」
淡い期待にも、恨むべきは冷静な思考。
「―――な、わけないでっしゃろなあ……」
ふっ飛ばしておいて、花を供える人間もいまい。
献花をイヤガラセととることもできるが、
順当に考えれば、あのファンシーヤンキーあたりの仕業だろう。
「ま、ええどすわ」
覚えのありすぎる全身の痛みは、そう遠くない場所に彼がいることを教えてくれる。
まずはそれだけで十分だ。
この花、花言葉はなんでっしゃろなあ。
友情とか愛とかそういうもんやったらええんどすけど。
大体、花言葉ってそないなモンばっかどすしな。
人差し指と親指でくるくると花の茎を廻しながら、また彼を追って歩き出す。
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