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ass

 「ハァ・・・」 
 アラシヤマの持ってきた報告書を読み終わると、思わず口から溜め息が出た。
 「し、シンタローはんッツ!!何か書類に不備や不明な点がありました!?いや、絶対にコレ、完璧なはずなんどすが・・・」
 「別に、オマエの報告書に不備があったわけじゃねぇ」
 そう俺が面倒げに言うと、アラシヤマはあからさまに安堵した顔をしたが、すぐに心配そうに
 「ほな、どないされたんどすか?」
 と聞いてきた。一瞬、どうしようかと思ったが、特に隠すことじゃねーしな。
 「明日、オヤジが一緒にパーティーに出ろって言ってきやがった」
 「明日、と言いいますと、各国のお歴々が来るやつどすな」
 「ああ。それはまぁいいとして、何でそこで俺が社交ダンスを踊らなきゃなんねーんだヨ!」
 「あんさん、ダンス苦手なんどすかぁ?」
 さも意外そうに言ったので(馬鹿にしてんのか!?この野郎・・・!!)と思い、睨みつけると、
 「ほな、今からわてと練習してみます?」
 と、とんでもねーことを言い出しやがった。(男と踊るなんて嫌だし、そもそもコイツにダンスなんて踊れんのか・・・?)とアラシヤマの顔を見上げていると、
 「そないに、不審そうな目で見はらんでも・・・」
 アラシヤマは情けなそうな表情を浮かべたが、気を取り直したように、
 「どうか、わてとワルツを。総帥」
 と、かしこまって手を差し伸べてきた。


 とりあえず、俺が男性パートでアラシヤマが女性パートで数曲踊ってみたが、俺はアラシヤマの足を何度も踏みまくった。別にわざとじゃねぇけど、コイツが、「もっとこう、相手に恋をするように!」とかわけのわかんねぇことを言って体を寄せてきたり、「シンタローはん!ここどす!ここで傾斜をつけず、後ろ足の引き寄せとタイミングを計りながら、相手をボディで回転させるんどすえー!!」とか踊っている最中に色々言いやがるもんだから、頭ではなんとなく理解できても、どうしてもタイミングがズレちまう。
 「あー、もう、止めだ、ヤメッツ!!」
 俺がドサッとソファに座り込むと、立ったまましばらく考え込んでいたアラシヤマは、
 「最後に一曲、踊ってみてもかまいまへんか?今度はあんさんが女性パートで踊ってみてください。その方が分かりやすいかもしれまへん」
 と言った。近づいてきたアラシヤマが、
 「シンタローはん」
 俺の片手をとった。そのままなんとなく立ち上がったが、いきなり腰に手を回され、互いの息がかかるほどの至近距離まで引き寄せられた。思わずアラシヤマを睨みつけると、
 「本来、社交ダンスとはこーいうもんどすえ?ほな、始めましょか」
 と、嬉しそうな顔をして、ぬけぬけとそう言ったのでムカついた。
 最初は密着しすぎな気がしてかなり嫌だったが、アラシヤマは特に変なことをするわけでもゴチャゴチャ言うわけでもなく黙って踊っていたので、俺もただ踊ることに専念できた。女性側の立ち位置や、男性側のリードの仕方がさっきよりも百倍分かりやすかったので、嬉しかった。一通りの流れを踊り終えた後、まぁ、一応礼を言っとくかと思い、
 「オマエのおかげで少しは分かったぜ。一応、ありがとナ」
 そう言ってアラシヤマの肩に添えていた手を離し、ヤツから離れようとしたが、何故か腰を抱いた腕も絡ませた片手も離しやがらない。
 「シンタローはん。ほんまやったら、もと居たソファまでエスコートするのが本筋やけど・・・。そこまで待てまへんわ。これも、あんさんがおぼこすぎるからどすえ?」
 わけのわかんねぇことを言って一歩前に踏み出してきたので、仕方なく俺が後ずさると、背に壁が当たった。
 「離せよ」
 後ろはもちろん、前にも横にも避けられず、前に立つアラシヤマが視界を占領している状況下でヤツを睨みつけると、
 「レッスン料、いただきます」
 唐突に、キスされた。
 ・・・別にコイツのキスが上手いというわけじゃなく、酸素不足のせいか俺の膝の力が抜けるとアラシヤマはキスするのをやめたが、ますます俺を強く抱き寄せ、
 「わて、これでも妬いているんどす」
 と、耳元で囁いた。
 「何にだよ?」
 そう俺が聞き返すと、はぐらかすように笑い、
 「―――そうどすなぁ、例えば、あんさんが無理矢理な結婚をさせられそうになったら、『異議あり!』って叫んで、あんさんを攫って逃げてあげますさかい」
 そう、冗談のように言った。
 「スッゲー、迷惑!それに、攫われんのは普通、花嫁の方じゃねーの?」
 アラシヤマを見ずにそう言うと、
 「いや、わては、シンタローはんがわてのために花嫁衣裳を着てくれるんやったら全然それでもかまへんのやけど・・・!」
 とかボソボソと答えやがったので、空いた手で
 「眼魔砲」
 とアラシヤマに向かって超至近距離から眼魔砲を撃っておいた。部屋の隅で伸びていたが、・・・コイツのことだし、ま、これぐらいじゃ死にゃしねーだろ?
 アラシヤマを中に放置したまま、総帥室を出て、
 「う―――ん!」
 と思いっきり伸びをすると、さっきよりもいくらか気分が軽くなっているような気がした。
 ―――でもまぁ、とりあえず、俺にワルツは向いてねぇ。










ロックさまー!素敵サイト2周年おめでとうございますvvvv
そして、素敵萌えアラシンフリー絵もUPさせていただきましてありがとうございまし
た・・・!(土下座)もう、素敵絵を観たときから、とんでもなく萌えで、思わずイメー
ジ文を書きたくなっちゃいまして、このようなSSを・・・(泣土下座)。
ご、ご迷惑かとおもいますが、ロックさまに捧げさせていただきたく思います☆
いつもほんまに色々とありがとうございますです・・・!(涙)


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