部屋の中では、仕事が一段落ついたシンタローが椅子に座ったまま、「うーん」と伸びをしていた。
「そろそろ、晩飯でも作っかな」
シンタローが椅子から立ち上がろうとすると、不意に、ドンドンとドアをノックする音がした。
「シンタローはーん!祇園仮面アラシヤマ、ただいま参上いたしましたえ~!!」
という台詞と共に、バンッツ、といきなりドアが開き、祇園仮面の格好をしたアラシヤマが総帥室に入ろうと一歩踏み出した瞬間、
「眼魔砲。」
ドウッツ!!と音がし、アラシヤマは眼魔砲の衝撃で吹き飛ばされた。
しばらく間が空き、
「な、なんで、いきなり眼魔砲ですのん~??」
と言いながら、ボロボロになったアラシヤマが床をズリズリと這いながら総帥室に入ってくると、
「イヤ、だって。変なものが来たと思ったから、つい。」
と、シンタローは答えた。それを聞いたアラシヤマは、
「変なものって、ひょっとすると、もしかして、わてのことどすかぁ??あっ、今の言葉でダメージ倍増ですわ。わてってデリケートやさかい・・・」
彼が、力尽きてバタリと倒れようとすると、シンタローは、
「ここで倒れてんじゃねぇヨ!後始末が面倒だろーが。どうでもいいけど、とりあえず着替えてくれば?」
アラシヤマの近くまで歩いて行き、そう言った。
アラシヤマはヨロヨロと起き上がると、
「へぇ。ほな、もう一回出直してきますわ」
部屋から出て行った。
アラシヤマが部屋から出て行くとシンタローは部屋に1人取り残されたが、何故か部屋の床にはカボチャが、丸々1つ、転がっていた。それは、何処からどう見ても、ただのカボチャであった。
「何だ、コレ?まさか、アラシヤマが持ってきたのかな?」
シンタローは、カボチャを手にとって眺めてみたが、何のために彼がカボチャを持ってきたのか、その意図が全く分からなかった。
彼はしばらく悩んでいたが、そのうちコンコンとドアをノックする音がし、ドアを開けるとそこには団服に着替えたアラシヤマが立っていた。
シンタローが部屋に入るように促すとアラシヤマは部屋に入って来たので、シンタローは疑問に思っていた事を聞いた。
「なんで、あんな格好してたんだ?それに、このカボチャ、オマエが持ってきたのか?」
「そうどす。だって、シンタローはん、今日は外国のカボチャのお祭りの日で、みんなで仮装するんですやろ?この前コージはんから聞きましたえ?この南瓜はわてからシンタローはんへのプレゼントどすえ~vvvなんや、南瓜のお祭りって、冬至みたいどすな!」
「・・・アラシヤマ。ハロウィンって知ってるか?」
「なんどすか?ソレ??」
「―――イヤ、もういい。しょーがねーから、このカボチャ、煮物にでもすっか・・・。責任とって、オマエも食えヨ!!」
「えッツ?わても一緒に食べてええんどすか??シンタローはんの手料理、嬉しおす~vvv」
「簡単なものしか作んねぇからナ!」
「南瓜祭りって、ええもんどすなぁ・・・」
「・・・もういいから、カボチャ祭りのことは忘れろ。」
嬉しそうなアラシヤマとは対照的に、シンタローは溜息をつきながら、そう言った。
ひょっとすると、もしかして、アラシヤマが「ア、イタタ!な人」すぎでしょうか・・・??
ハル様~!私も、ハロウィンが何であるかを、よく理解しておりませんです。すみませ
ん・・・(大汗)。も、もし、こんな話でよろしければ、ハル様に捧げますのでー!!
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