「シンタローはん、好きどす…」
毎日のように、愛の言葉を囁き続けられ。
「愛してますえ、シンタローはん」
冗談だろ、と切り返したくても奴の目はマジで。
「ああ、愛しゅうてたまりまへんわ!」
鳥肌が立つようなその告白に、いつのまにか、
なんだかどきりとしてしまう自分がいた訳で。
「わては、シンタローはんの全てを愛する自信がありますえ」
いつもの用に、廊下ですれ違っただけの俺の後をついて来て、無視を決め込む俺の後ろでいつもの愛の告白が始まった。
「シンタローはんの強いとこも、隠し持った弱さも、全部を愛します」
お前がおかしな奴とか他人に思われるのは別に構わないが、俺まで巻き込むな。
ほら、通りすがりの名も知らぬ団員が何事かって目でこっち見てやがる!
睨みを利かしてやると、姿勢を整えて頭を下げる。
「シンタローはん、わての気持ちは誰にも負けまへんえ」
すっかり怯えきったあの団員は、何を考えているんだろうか
『あれが噂の新総帥と新総帥に夢中なホモか』?
『新総帥に男の恋人がいるって噂は本当だったのか』??
考えるだけで、腹が立ってくる!
「誰よりも、誰よりもシンタローはんのことを好いとります」
プラス、早まる自分の鼓動にもムカついて、長く辛い道のりの果てに辿り着いた総帥の執務室の扉を力一杯閉める。
当然の様に、アラシヤマは部屋の中に入ってきてるわけで。
ギッ、とアラシヤマを睨み付けてやると、一瞬怯んだのか、やっとうざったい『告白』を止めた。
「あのなァ…」
「はい?」
俺が怒ってるって事は、十分伝わっている筈だろ?
俺のこの顔が見えないか?
俺の怒りに震える声が聞こえないか?
…なんで、そんなに嬉しそうなんだよ!
「お前さ、そこまで言うんだったら」
一瞬、口を噤むが、一度言いかけたのだからもう言うしかない。
「俺のこと、好きにしてみろよ!そんな勇気もねェのか!?」
勢いのまま、言葉を投げかける。
目を合わせてられなくて、視線を落として。
きっと耳まで真っ赤なんだろうと思うと、余計に恥ずかしくて。
「……」
何で、何で黙るんだよ!さっきまで煩く喋ってただろ!?
沈黙が痛ぇンだよ!
「…シンタロー、はん」
暫くの静けさを打ち破って、ぽつりとアラシヤマが喋りだした。
「シンタローはんが、そないな事言うなんて」
少し、視線を上げて、アラシヤマの口元を見る。
小さく震えた唇が、次の言葉を紡ぐのを待って。
「…嬉しゅおすーッ!!」
勢いよく、広い俺の机に上半身を押し倒されて、積んであった書類が数枚、床に散らばった。
「てめ、何して…!」
「シンタローはんが好きにしてええ言いましたんえ?」
至福、と言わんばかりの笑みを顔面いっぱいに浮かべて、総帥服のボタンを外し始めたアラシヤマの身体を両手で軽く押し返そうとする。
「だからって今!ここで!!何を!!!するつもりなんだよ!」
「今ここでナニをするつもりどす」
「ナニって…」
「一緒に寝るに決まってますやろ」
あっさりと言い返され、俺は諦めて両の瞳を瞑った。
毎日のように、愛の言葉を囁き続けられ。
「愛してますえ、シンタローはん」
冗談だろ、と切り返したくても奴の目はマジで。
「ああ、愛しゅうてたまりまへんわ!」
鳥肌が立つようなその告白に、いつのまにか、
なんだかどきりとしてしまう自分がいた訳で。
「わては、シンタローはんの全てを愛する自信がありますえ」
いつもの用に、廊下ですれ違っただけの俺の後をついて来て、無視を決め込む俺の後ろでいつもの愛の告白が始まった。
「シンタローはんの強いとこも、隠し持った弱さも、全部を愛します」
お前がおかしな奴とか他人に思われるのは別に構わないが、俺まで巻き込むな。
ほら、通りすがりの名も知らぬ団員が何事かって目でこっち見てやがる!
睨みを利かしてやると、姿勢を整えて頭を下げる。
「シンタローはん、わての気持ちは誰にも負けまへんえ」
すっかり怯えきったあの団員は、何を考えているんだろうか
『あれが噂の新総帥と新総帥に夢中なホモか』?
『新総帥に男の恋人がいるって噂は本当だったのか』??
考えるだけで、腹が立ってくる!
「誰よりも、誰よりもシンタローはんのことを好いとります」
プラス、早まる自分の鼓動にもムカついて、長く辛い道のりの果てに辿り着いた総帥の執務室の扉を力一杯閉める。
当然の様に、アラシヤマは部屋の中に入ってきてるわけで。
ギッ、とアラシヤマを睨み付けてやると、一瞬怯んだのか、やっとうざったい『告白』を止めた。
「あのなァ…」
「はい?」
俺が怒ってるって事は、十分伝わっている筈だろ?
俺のこの顔が見えないか?
俺の怒りに震える声が聞こえないか?
…なんで、そんなに嬉しそうなんだよ!
「お前さ、そこまで言うんだったら」
一瞬、口を噤むが、一度言いかけたのだからもう言うしかない。
「俺のこと、好きにしてみろよ!そんな勇気もねェのか!?」
勢いのまま、言葉を投げかける。
目を合わせてられなくて、視線を落として。
きっと耳まで真っ赤なんだろうと思うと、余計に恥ずかしくて。
「……」
何で、何で黙るんだよ!さっきまで煩く喋ってただろ!?
沈黙が痛ぇンだよ!
「…シンタロー、はん」
暫くの静けさを打ち破って、ぽつりとアラシヤマが喋りだした。
「シンタローはんが、そないな事言うなんて」
少し、視線を上げて、アラシヤマの口元を見る。
小さく震えた唇が、次の言葉を紡ぐのを待って。
「…嬉しゅおすーッ!!」
勢いよく、広い俺の机に上半身を押し倒されて、積んであった書類が数枚、床に散らばった。
「てめ、何して…!」
「シンタローはんが好きにしてええ言いましたんえ?」
至福、と言わんばかりの笑みを顔面いっぱいに浮かべて、総帥服のボタンを外し始めたアラシヤマの身体を両手で軽く押し返そうとする。
「だからって今!ここで!!何を!!!するつもりなんだよ!」
「今ここでナニをするつもりどす」
「ナニって…」
「一緒に寝るに決まってますやろ」
あっさりと言い返され、俺は諦めて両の瞳を瞑った。
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