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 「なんつーか、狭いよナ・・・」
 シンタローは、自室に置かれた色とりどりのラッピングがほどこされたたくさんのプレゼントの山を見て、思わずそう呟いた。決して狭い部屋ではないはずだが、それにしてもプレゼントの量が多すぎた。
 (ったく。昨日から色んなヤツラと飲みすぎたせいか、頭も痛ぇし・・・)
 少しウンザリとした気分でプレゼントの山を一瞥した。ここに置いてある物は全て身近な人達からの贈り物であったが、それ以外の物はまた別の場所に保管されていた。
 (そういやアイツ、ここしばらく姿を見せねーけど遠征中かな。―――別に、どうでもいいけど)
 酒の酔いが残っているせいか、うまく働かない頭でぼんやりと考えながら、シンタローがなんとなく壁に掛けられた時計を見ると、既に時刻は12時前であった。
 (もう、寝るか)
 と、寝室に足を向けたところ、
 ドンドンドンッツと、部屋の扉を叩く音がした。
 そして、
 「シンタローはーん!開けておくれやすぅ~」
 と叫ぶ、情けない声が聞こえた。
 しばらく放っておいても中々諦めそうになかったので、仕方なくシンタローが、
 「うっせーナ!でかい声を出されると頭に響くんだヨ!!」
 そう言いながらドアを開けると、そこには血や土や木の葉が付着したままの迷彩服姿のアラシヤマが居た。シンタローは、眼魔砲を撃とうと思っていたが、アラシヤマの服に着いた血を見て撃つのを止めた。
 アラシヤマが、
 「シンタローはんッツ!今何時どすか??12時過ぎてまへんかっ!?」
 と、ものすごく焦った様子で部屋に入ってきたので、
 「12時1分前だけど・・・」
 シンタローがアラシヤマの勢いに少し引き気味になりつつ、時計を振り返って時刻を答えると、彼はホッとしたようにシンタローに、
 「シンタローはん、お誕生日おめでとうございます」
 と言った。
 「なんとか、間に合いましたわ」
 アラシヤマが嬉しそうに話すのを聞きながら、シンタローが
 「まさかオマエ、わざわざそれを言うために来たのか?別に、そんなのいつでもいいじゃねーか」
 呆れたようにそう言うと、
 「ちょっと待っておくんなはれ。あんさんが生まれた日は、わてにとって一番大事な日どす。ほんまやったら、一番にオメデトウを言いたかったんどすえ?でも今回、シンタローはんの誕生日前から急に個人任務が入ったんで、何とか今日中に還ってきてあんさんに伝えたかったんどす」
 と真剣な顔で言った。
 続けてアラシヤマが、「これは絶対誰かの嫌がらせや」とか「呪ってやりますえ~」とかブツブツ言っていたのをシンタローは遮り、
 「オマエ、怪我してんのか?大丈夫なのかヨ?」
 と訊いた。
 「あ、コレ?わての血やあらしまへんわ。あっ、いうときますが、一応今回は殺してまへんえ?」
 アラシヤマが慌てたように弁解するのを聞きながら、
 「あっそ。もう寝る」
 シンタローがアラシヤマの背を向け、寝室の方に歩いていこうとしたところ、手首を掴まれ、
 「わての部屋に来まへんか?」
 アラシヤマがそう言った。シンタローがアラシヤマを見ると、彼は慌てて手を離し、下を向いた。
 「―――ま、いいけど。とにかく眠いし、寝るだけだからナ!」
 「えっ?寝るだけ?!し、シンタローはんッツ!あんさんが積極的で嬉しおすー!!」
 アラシヤマはシンタローに抱きつこうとしたが、
 「眼魔砲」
 酒に酔っているせいか、いつもより威力は弱かったものの、眼魔砲を撃たれた。
 

 アラシヤマの部屋に着くと、アラシヤマはまず風呂に入ろうとし、
 「シンタローはんも一緒に・・」
 シンタローに声を掛けたが、
 「嫌だ」
 0.1秒で却下された。
 「ええんどす、ええんどす。どうせわてなんて・・・」
 アラシヤマが落ち込んでいると、
 「とっとと、行ってこいッツ!テメー、ウゼェんだヨ!!」
 と、枕を投げられた。
 アラシヤマは、風呂からあがると、
 「お待たせしました、シンタローはんッツ!ハッピー☆バースデーどす~!そして、プレゼントはもちろん、わ・てvvv」
 返事が無かったので、アラシヤマがベッドの近くまで行ってみると、シンタローは枕を抱えて目を閉じていた。
 「シンタローはーん、寝たふりせんといておくんなはれ・・・。いくらわてでも傷つきますえー?ちゃんと今の聞いてはりました?」
 「―――超いらねぇ。どーせなら、金目のもん寄こせ」
 「あっ、あんさんがそう言うと思って、用意しておきましたえ~vvvわての給料3ヶ月分どす」
 アラシヤマは小さい箱を差し出したが、
 「・・・やっぱし、いらねェ。どーせ、俺は着けないし」
 シンタローは寝返りを打ち、向こうを向いてしまった。
 アラシヤマは苦笑いし、
 「そう言わはると、思ってましたわ」
 そう言って、ベッドサイドに座ると、向こうを向いたままのシンタローの髪を撫でた。
 「―――例えば形見分けやったら、受け取ってくれはります?」
 髪を撫でながら、アラシヤマは戯言のように話しかけたが、返事は無かった。
 「冗談どす。そうなると、シンタローはんにいつまで経っても受け取ってもらえまへんやろ?」
 シンタローがこちらに向き直ると、何か言おうとする前にアラシヤマはキスをした。
 「ほな、もう寝ますか」
 そう言うと、ベッドサイドのライトを消した。
 しばらくするとシンタローの微かな寝息が聞こえてきたが、アラシヤマはまだ寝ていなかったらしく、
 「シンタローはん。生まれてきてくれて、ありがとうございます」
 と噛み締めるように、言った。







なんだか、シンちゃんを祝えているかどうかイマイチ不安です。
・・・風呂あがりアラシヤマは、一応服を着ているということでお
願いします(着ていなかったら、非常にマヌケな気が・・・/汗)


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