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ワールドナイスミドル大会だか何だか知らんが、くだらないもんに出やがって・・・。
奴のファンとやらから送られてきたワインの入った箱から数本あけて、グンマとキンタローとオレの3人で乾杯する。
元々酒に強いオレとキンタローはちっとも酔えなかったのだが、代わりに超お子様体質のグンマがおもしろい程酔ってくれたんで
退屈は免れた。
グンマの口から次々と高松やキンタローの話が飛び上がる。
キンタローは眉間に皺を寄せて‘もう寄せ’としきりに言っていたが完全に他人事のオレはグンマの話を興味深く聞いていた。
高松の意気地なし、とか
オレも知らなかったキンタローの恋愛観なんぞを知ることができて顔のニヤニヤが止まらない。
キンタローは居心地が悪いのか、コップに水を注いでくるとか何とか言ってその場を立ち去った。
ざまぁみろ。このオレに秘密なんか持った罰だ、と笑っているとグンマが据わった目でオレの方を向いた。
・・・まずい。キンタローが消えたせいで矛先がオレに向いたか。

「シンちゃんは何でもっとおとー様に甘えないの?」

は?

意味がわからない事言ってるよこのコ!と失笑するとグンマは口を尖らせる。
こんな酔っ払いを相手にする位なら退屈の方がマシだったかもしれない・・・
そんなオレの気持ちを綺麗に無視してグンマはお喋りをつづけた。

冷めたりしてるオレ、格好良いとか
わざとだるそうにしてみたりとか、ちょっとダサいよ。
わかってる?シンちゃん。
わかってないよね~シンちゃん。
シンちゃんはそーゆートコがちょっとねぇ~~~~~

なんて、眠そうな目で次々と説教をされる。
こいつ・・・酔いが醒めたら一発殴ってやらねぇと気がすまん・・・。

「昔みたいに、パパ~って抱きついちゃえば良いのに。
今だってそうしたいと思ってるくせにさぁ~」

「思ってね・ぇ・よ!あのなぁオマエ・・・それ位にしねぇと蹴飛ばすぞ?」

「野蛮だな~シンちゃんは。すぐキレるし。
何?わざと可愛くなくしてるのは嫌われたいからなの?マゾ?」

・・・まるで親父に絡まれてるような感覚に一瞬陥り、さすがマジックの実の息子だと痛感した。
頭が痛い。
大体、わざと可愛くなくしてるって別に、そんなつもりはない。
勝手に身体と口が動いちまうんだからしょうがないだろうが。
それにマジックもグンマも、‘小さい頃はあんなに素直だったのに’なんて言うが
ガキの頃のオレだって今ほどじゃないかもしれないが結構捻くれてたと思う。
昔、親父がオレと夜、晩御飯を食べに外出しようって約束したのに親父は仕事で
だけど一緒にご飯を食べたかったから、オレはずっと待ってて
やっとアイツが帰って来た頃はもう夜中で
オレが律儀に晩飯も食わずに待ってたっつーのにアイツは外で済ませて来たんだ。
それが凄いショックで夜中だって言うのにオレは大声で泣いちまって
オレを泣かした親父は困った顔をして何度も謝りながらオレを抱きしめてくれた。
オレはわざと声を抑えないで、ずっと泣き続けた。
そうすると親父はもっと腕に力を込めて

オレはそれがとても心地よくて

もう、悲しくなんかないのに
いつまでも泣いていたんだ。

・・・何だ。
今と全然、変わらないじゃねぇか。
無性に照れくさくなって頬を掻いてみたりした。
聞いてるの?シンちゃん!と怒るグンマの声も心なしか遠くに感じる。
今度アイツに飯でも奢ってやるのも、悪くないな。

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