【後ろから】
今夜は一緒に寝ようね、と言われ
シンタローは目の前の男を殴り飛ばした。
まったく相変わらず、フザけた事を・・・。
しかし就寝する際、寝室の鍵はかけずベッドへと身を投げ出した。
だが、深夜を回っても一向にドアが開く気配はない。
シンタローは枕に顔を埋めながら、一人悶々としていた。
来る、つっといて来ないのは何事だ!
今すぐ跳ね起きてあの男の元へ飛び出して行きたい気持ちでいっぱいなのだが
それだとまるで自分が夜這いされるのを期待していたかのように見えて
そう思うと文句など言えるわけもなく、シンタローは起き上がれずにいた。
期待していたかのように、と言うが実際期待していたのだろう。
何せ風呂に入る時間も今夜はやけに長かった。
心の準備もあったろうに、それを、踏み躙るような真似をするなんて
寝たくても怒りが激し過ぎてシンタローはちっとも寝付けなかった。
どれくらいの時が経っただろうか、
身体を横向きに倒してやっと睡魔が訪れた頃に、ドアがギィ・・・と静かに音を立てて開いた。
ドクン、と一気に心臓が早鐘のように胸の中で鳴り響く。
全ての神経が耳と、背中に集まる気がした。
自分以外の者の重みでベッドが軋む。
気配だけであの男だと解かった。
眠気など、とうに覚めている。
しかし、ここで目を開ければ、自分が、マジックを待っていたのだと
そう思われても仕方が無い故に、シンタローはぎゅっと目を瞑り狸寝入りを決め込んだ。
マジックの呼吸が近づけば近づくほど、動悸は激しくなり
舌が喉の奥にはりついて・・・額に汗が滲む気がした。
すると、足と足の間に膝を割り入れられて
敷布団についていない方の腕の隙間から手を差し込まれる。
胸を触られ、それでも寝たふりを続けるがマジックの舌が耳に触れた瞬間、
ついに耐え切れずシンタローは声を漏らした。
「起きた?」
耳元で囁かれ、シンタローの顔がかぁっと熱くなる。
「とっくに気付いてただろ・・・」
枕に顔を押し付けるようにして言う。
マジックは正直に、‘うん’と答えた。
「でもちょっと触れただけで、シンタローはすぐ反応しちゃうんだね。
・・・そう言う所が好きだよ」
腰を抱かれながら言われたその言葉に首にぞくぞくとしたものが走り抜ける。
吐き出す吐息にはもう熱がこもっていて、
それを見透かされるのが嫌で顔が上げられないでいた。
自分の背中を抱きしめるその胸の広さに、もう欲情していたのを知られたくなかったのだ。
着ていた寝巻きの前ボタンを、マジックは一つ一つ丁寧に脱がしていく。
肌に触れるか触れないかの、ぎりぎりの距離の指先に、呼吸が乱れる。上手く息ができない。
まだ、ちゃんと触られてもいないのに。
そんなシンタローがマジックは愛しくてたまらず、彼の後ろ首に
いつもより濃い 紅い痕を残したのだった。
今夜は一緒に寝ようね、と言われ
シンタローは目の前の男を殴り飛ばした。
まったく相変わらず、フザけた事を・・・。
しかし就寝する際、寝室の鍵はかけずベッドへと身を投げ出した。
だが、深夜を回っても一向にドアが開く気配はない。
シンタローは枕に顔を埋めながら、一人悶々としていた。
来る、つっといて来ないのは何事だ!
今すぐ跳ね起きてあの男の元へ飛び出して行きたい気持ちでいっぱいなのだが
それだとまるで自分が夜這いされるのを期待していたかのように見えて
そう思うと文句など言えるわけもなく、シンタローは起き上がれずにいた。
期待していたかのように、と言うが実際期待していたのだろう。
何せ風呂に入る時間も今夜はやけに長かった。
心の準備もあったろうに、それを、踏み躙るような真似をするなんて
寝たくても怒りが激し過ぎてシンタローはちっとも寝付けなかった。
どれくらいの時が経っただろうか、
身体を横向きに倒してやっと睡魔が訪れた頃に、ドアがギィ・・・と静かに音を立てて開いた。
ドクン、と一気に心臓が早鐘のように胸の中で鳴り響く。
全ての神経が耳と、背中に集まる気がした。
自分以外の者の重みでベッドが軋む。
気配だけであの男だと解かった。
眠気など、とうに覚めている。
しかし、ここで目を開ければ、自分が、マジックを待っていたのだと
そう思われても仕方が無い故に、シンタローはぎゅっと目を瞑り狸寝入りを決め込んだ。
マジックの呼吸が近づけば近づくほど、動悸は激しくなり
舌が喉の奥にはりついて・・・額に汗が滲む気がした。
すると、足と足の間に膝を割り入れられて
敷布団についていない方の腕の隙間から手を差し込まれる。
胸を触られ、それでも寝たふりを続けるがマジックの舌が耳に触れた瞬間、
ついに耐え切れずシンタローは声を漏らした。
「起きた?」
耳元で囁かれ、シンタローの顔がかぁっと熱くなる。
「とっくに気付いてただろ・・・」
枕に顔を押し付けるようにして言う。
マジックは正直に、‘うん’と答えた。
「でもちょっと触れただけで、シンタローはすぐ反応しちゃうんだね。
・・・そう言う所が好きだよ」
腰を抱かれながら言われたその言葉に首にぞくぞくとしたものが走り抜ける。
吐き出す吐息にはもう熱がこもっていて、
それを見透かされるのが嫌で顔が上げられないでいた。
自分の背中を抱きしめるその胸の広さに、もう欲情していたのを知られたくなかったのだ。
着ていた寝巻きの前ボタンを、マジックは一つ一つ丁寧に脱がしていく。
肌に触れるか触れないかの、ぎりぎりの距離の指先に、呼吸が乱れる。上手く息ができない。
まだ、ちゃんと触られてもいないのに。
そんなシンタローがマジックは愛しくてたまらず、彼の後ろ首に
いつもより濃い 紅い痕を残したのだった。
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