忍者ブログ
* admin *
[1286]  [1285]  [1284]  [1283]  [1282]  [1281]  [1280]  [1279]  [1278]  [1277]  [1276
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。




「あ」な感情7つのお題





あーっ!!(驚き)


ころりと寝返りを打ち、ふとんの中でもぞもぞ。
寝ぼけ眼でベッドヘッドの時計を見れば
「寝過ごした!」
慌てて飛び起きて、わたわたと身支度を整える。

「シンちゃん、起きたの?」
「テメェっっいたなら起こせよ!」
たまたま顔を出したマジックに八つ当たりをしながら、大急ぎでブレザーを…
「あれ?」
ない。どこにもない。
昨晩ちゃんとクローゼットにかけておいたはずなのに。

「最近シンちゃん働きすぎだからね。
今日はパパがお休み指令を団全体に出しておきましたッ!」
「勝手なことしてんじゃねぇよ!」

今に始まったことじゃないし、もういいや…
本当はマジックが自分の身を案じてくれたことが
すごく嬉しかったりしたのだけれど、そんなこと素直に言葉にできやしないし。

もうなんだか諦めモードの新総帥は二度寝(不貞寝)することを決めた。
もぞもぞと隣に入ってきた父親に大人しく身を任せていることが彼の精一杯の「ありがとう」。




ああ。(肯定)


朝食はいつも父親の手作り。それは物心ついた時からの習慣。
箸できれいに焼き魚の身をほぐしながら、家族と共に朝ごはん。
ぼんやりとニュースを見ていると、隣に座るマジックが話しかけてきた。

「朝はごはんとお味噌汁だよね?」
「ああ」
「でも食後はコーヒーでしょ?」
「ああ」
「お砂糖もミルクも入れないよね?」
「ああ」
「パパのこと好きだよね?」
「ああ………って! お前!!」

はめられたことに気づいても、口から飛び出た言葉は消せはしない。
怒りに震えるシンタローをなだめるのはキンタローとグンマの役目となっていた。

「怒らないでシンちゃん! まだお食事中でしょ! 眼魔砲で全部吹き飛ばすつもり!?」
「俺の出汁巻き玉子をどうするつもりだ!?
お前が暴れるせいで俺は何度も食べ損ねているんだぞ!!」
止める目的の如何に関わらず、従兄弟たちは今日も必死。




あっ、(思い出した)


「あっ」
せっせとコタロー専用アルバムを編集していて気づいた。
デジカメに入れたままのSDカード。現像に出し忘れていたのだ。
思い出すなりいてもたってもいられなくなり、大至急秘書を呼び出した。

息を切らせて総帥室に駆け込んできた、ティラミスとチョコレートロマンスに
「急いでこれを現像してきてくれ!!」とカードを手渡す。
その剣幕に押され気味のチョコレートロマンスは慌ててそれを受け取り、総帥室を出て行く。
しかしティラミスは「これはコタロー様関連の何かだ」と見当をつけていた。
マジックも以前、シンタローと同じことをしていたからだ。

夜中に呼び出されたかと思えば
「シンちゃんの写真、現像できてないのがあったんだ! 今すぐ現像してきて!」
明日でいいじゃないですか、と言っても聞く耳を持たない。
血は繋がってないくせにこういうところは親子だな、とあきれ返る苦労症の秘書。

彼の中に総帥の秘密がまたひとつ刻まれた。




あーぁ…(残念)


夕飯はシンタローの好きなカレーだった。
だが、鍋の中は空。
マジックのことだから別の容器に取り分けてくれていると思うのだが見つからない。
時計は深夜2時を指している。
傍若無人、究極俺様人間のシンタローでも、起こすのはちょっと…と思う時間帯だ。

楽しみにしてたのに。食べられないとなるとどうしても食べたい。
自分で作っても全然構わないけれど、マジックと同じ味は出せない。
レシピを知りたいと思っているのだが父親は頑として教えてくれないし。
戦闘能力ならまだしも、カレーの味ひとつとってもマジックに敵わないなんて。

「あーぁ…」
余計なことを考えるのは疲れている証拠だ。
もう寝よう。キッチンの電源を落として寝室へと下がった。




あぁ?(ガンたれ)


「シーンちゃんッ!」
「あんだよ」
不機嫌を装って返される声には慣れている。
こうやって格好つけるのがシンタローの癖。

「いいもの作ったんだー! これ、使って!」
グンマが差し出したのは小さな……
「何だこれは。アヒル型のレーダーか?」
「そうだよぉ。でもただのレーダーじゃないんだよッ!」

意気揚々とグンマはレーダー(でもアヒル型)を手に取り、スイッチON。
「これはねぇ、おとーさま発見器なんだよー」
画面を見れば、なにかぴこぴこと点滅している。恐らくこれがマジックの現在地。
「でかしたグンマ。たまにはお前の発明も役に立つな!」
ご褒美にケーキを作ってあげる約束をして、グンマを総帥室から追い出した。

シンタローはまだ知らない。
こんなものがあっても、マジックはどこへだって追いかけてくることに。




あれっ(不思議)


総帥服の胸ポケットに何か違和感。
調べてみれば、中から出てきたのは一枚の紙切れ。

こんなもん入れといたっけ? 裏返してみれば。
『お仕事終わったらパパとデートしようね。午後7時に地下駐車場で待ってるよ』
と走り書き。気づかなかったらどうするつもりだったんだ、この親父は。

有無を言わせない傍若無人ぶりに失笑がこぼれた。
早めに仕事を切り上げて、今日の夕食はマジックに奢らせてやろう。




あ…(不意打ち)


眠りと覚醒の狭間でふと唇に触れた柔らかい何か。
うっすらと開いた目の前。至近距離にある、怜悧な輝きを秘めた青い両眼。

「お休み、シンタロー」
掠れた声にもう一度煽られる。けれどこれ以上は体がもたないから。

「……ん」
代わりに頬に音をたててキスをした。

目を見張るマジックに満足して、自分より少し冷たい体に両腕を回して眠りにつく。
明日もこんなふうに、抱き合えたらいいなあ。なんて。







ニセモノ?10題でお借りしました。



戻る


広告 ★人生を変えたくて始めた副業で、夢が現実に!! 通販 花 無料 チャットレディ ブログ blog

PR
BACK HOME NEXT
カレンダー
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事
as
(06/27)
p
(02/26)
pp
(02/26)
mm
(02/26)
s2
(02/26)
ブログ内検索
忍者ブログ // [PR]

template ゆきぱんだ  //  Copyright: ふらいんぐ All Rights Reserved