啄ばむような優しいキスを何度も何度も繰り返して
ちゅ・と音を立てて唇が離れては名を呼ばれ、両腕でしっかりと抱き締められる。
そうされる事に嬉しいと感じてしまう自分がいて、
本当に悔しくてしょうがない。
「気持ち良い?」
耳元で尋ねられてオレは無言に徹する。
頭の中を様々な文句が駆け巡った。
何でいちいちそんな事を聞いてくるのかとか、言わせようとするのかとか。
じゃあ『気持ち良くない』って言ったらお前、やめられるのかよ?
マジックの肩に埋めていた顔を上げるとそれは楽しそうにオレを眺めていて
こいつの考えてる事が解かってしまったオレは恥ずかしさで打ちひしがれそうだった。
この親父はどうして、こう…。
気持ち良くなかったら、大人しくこんな事されてねぇっつーのを知ってる上で
あえて聞いてくるその神経がオレは信じられない。
アンタって本当にムカつく男だよな。
至近距離でそう呟くと、マジックは満面の笑みを顔に浮かべて
「シンちゃんって本当に可愛いね」
もう一度キスをして、…舌を入れられた。
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