ヘリコプターがバラバラと派手に音を立ててパプワ島に上陸する。
真っ赤な薔薇の花束を両手いっぱいに抱えて
『シンタロー!迎えに来たよ!さぁ、パパと一緒に帰ろう?』と親父。
そしてオレは親父が来る度に何度も同じ台詞を言う。
絶対に帰らないし、秘石も返さない。と。
だけどマジックは絶対に諦めないで、
刺客を送ってはまたやって来て
同じ事の繰り返し。エンドレスだ。
『そんなにオレが好きか』と聞いたら
『はい』と即座に答えが返って来る。
『例えオマエがこのパプワ島を出て、また別の場所に姿を晦まそうと
パパは何処までだって追いかけて シンちゃんを連れて帰るよ』
なんて言われてしまった。
厄介な相手に惚れ込まれたもんだ。
だけど絶対『参りました』なんて言ってやるもんか。
逃げて、逃げて、逃げまくって
アンタに余所見する暇も与えてやらねぇから覚悟しろよ、父さん。
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