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シンちゃんって、痛いの好きでしょう?

と言われて、こいつってホント・自分勝手で、自分に都合の良いように解釈するバカなんだなと
オレは思った。

痛いの好きって。
じゃあ、オレはマゾかよと文句をつけたら
オヤ、違うの?なんて。

違うに決まってんだろーがッ!

怒鳴りつけてやったら、じゃあ、優しくされたいんだね、と笑いやがる。
何なんだこの男は。
幾つになってもテンション高すぎて、おかげで、コイツより若いオレの方がどっと疲れる。
かと思いきや、不気味なぐらいテンションが低い時もあるし...
もう、ワケわかんね。

「でもオマエ、優しくされると嫌がるじゃない。」

だから、痛いのが好きなんだと思った。

ムカつく笑顔でそんな事をほざくのでオレはまた怒りで頭に血が昇る。
このクソ親父、と口を開こうとしたら相手の指が静かにオレの唇をなぞった。
その指をきつく噛んでやると「パパはね」と呟いた。

「シンちゃんだったら 苛められるのも良いな、と思う」

咥えていたマジックの指を離すと、奴はまた、目を細めて笑った。

「けど、オマエは本当に可愛いから
やっぱりパパはシンちゃんに苛められるよりもシンちゃんを苛める方が楽しくて好きだな」



オレはぎゅっとシーツを握り締める。
―――今、髪の毛ボサボサなんだろうな。



マジックがじっとオレを見つめる。
こういう時、オレはどうしたら良いか解からなくなって途端に金縛りに合う。
だから、頭の中では抵抗しよう抵抗しようとちゃんと考えているのに体は動かなくて
それが本当に嫌でたまらなくなる。



何でだよ。

何で動かないんだよ。
オレの体。



オレの体は動かないままなのに、マジックはどんどんオレとの距離を縮めていく。

唇がつく頃には、いつも

オレはもう、コイツの胸の中だ。
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