生まれてきてくれて、ありがとう
「生まれてきてくれて、ありがとう」
不意に真面目にそんなことを言う。
折角丁寧に煎れていた紅茶は俺の手元でダバダバと零れ。
振り返った先のあんたはそれでも穏やかに笑っている。
なんで俺の誕生日なのに俺がお茶を用意しているのだろうかとか。
折角焼きたてのパンケーキは紅茶が染みてぐっしょりだとか。
どうでも良いと思うくらい、あんたは満ち足りた顔で笑ってる。
「……なんで、いきなりそう言うこと言うかね」
「だってシンちゃんとお誕生日過ごせないって思ってたし、色々あったしねぇ……。奇跡なんて信じないけど今私がシンちゃんと一緒にいるのってすごい確率だと思ったから言っておこうかと」
なんとか言葉を口にすれば、そんな俺の心境など知らぬと言わぬばかりにさらりと更なる言葉を紡いだ。
確かに遠征先での揉め事が一気に片が付いて。
グンマと高松の恐ろしい帰れコールに急いで帰ってきて。
一族幹部入り交じっての誕生会は凄かった。
シャンパンシャワーを死ぬほど浴びせられた俺とアイツは風呂行きを余儀なくされ。
あがってくれば全員潰れている始末。
主役なのに今日の片づけをしてようやく一息ついたのがこの時刻だ。
誕生日の終わる30分前。
カモミールのミルクティーでなぜかこの男と二人きり。
アイツは高松に連れられていったが大丈夫なのだろうか。
そんな取り留めのないことをぼんやりと考えていれば、ポットから出るお茶は全て無くなっていた。
その様に、声を上げて笑う男。
「なにシンちゃん、そんなに私にドキドキした?やー嬉しいなぁ、やっぱりシンちゃんは私のことがだいす「……ちっげーよ!!」
ちゅどんと。
右手から飛ばす眼魔砲。
壁がガレキと化して男は埋まった。
ああそれでもあんたは笑っているんだろう。
次の瞬間には酷いだのなんだのいつものペースで起きあがって。
だから聞こえないうちに言ってやろう。
「生まれてきたのがあんたのところで、ほんと」
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シンちゃん誕生日おめでとう!
と、いうことでハピバ作品をお題で消化してみようと思います。
全部かけるか分かりませんが。
途中で原稿にはいるかも知れませんが。
キンちゃんもちゃんと祝うぞ~。
出来ればグンちゃんも。(すまんかったグンちゃん…!)
今回はマジシンでした。
パプワ島でのことを考えると生まれてきてくれてありがとうってかなり重いよなぁとか思ったので。
06/05/24
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