2005年 バレンタインデー小説 マジック×シンタロー
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去年はシンちゃんから手作りのチョコレートをもらった。
なんでもキンちゃんから渡せとせかされたらしい。
今年はどうなるのだろうと心弾ませていたら、キンちゃんから思いもよらない言葉を聞いた。
「今年は、去年以上に余裕がない」
・・・・・・うわぉう。
シンタローとは毎日食事で顔をあわせるし、
職場=家のようなものだから何かにつけて会いに行ったりするが、
最近どうにも仕事がうまくいっていないようだ。
いや、国境を越えたテロリスト達に、
同じく国境を持たない我々が対抗している。という点においては成果を挙げている。
世界平和を無視した軍事政策を執っている国に対しての制裁も同様。
ただ、なるべく身内に・・・あるいは敵にも被害を出したくない。そういうコンセプトの基に建てられる計画は、
兵を大量投入した大規模な軍事作戦ではなく、少数精鋭で敵の頭を叩く。そういうものになっているのだ。
その少数精鋭に、総帥自らが含まれる事も多々ある。
シンタローが自分から参加しているのだが。
そして敵国から凱旋して来たシンタローを迎えるのは、
たった今時分がしてきた事を書類にまとめ、広報部に報告する作業。
一体いつ休んでいるのやら。
・・・・・・・・・・私もあのくらいのときはそうだったろうか?
説明が長引いたな。
つまり、毎日食事で顔をあわせるたびに、シンちゃんの顔に疲れがたまっているのが分るのだ。
やれやれ。私だってまだまだ現役なのだから、シンちゃんの代わりに戦場へ行ったっていいのに。
・・・・・・いっそのことガンマ団に新兵として入団試験受けちゃおうかなー。
「ごちそうさまでした。」
『ごちそうさまでした。』
せめてシンちゃんの励ましになれば良いとたくさんの具を煮込んだカレーを作る。
食べ応えもあり栄養満点。
今夜のカレーはちょっぴり甘め。
グンちゃん以外は辛いほうが好みだが、胃を荒らしても困るので、おなかに優しく作ったのだ。
「んじゃ、俺は部屋に戻ってソッコー寝る。」
「おやすみー」
「おやすみなさーい♪」
「おやすみ」
シンちゃんはあぁ言ったけれど、実際はそうじゃない。
この後も部屋に持ち込んだ仕事を片付けるのだ。
・・・・・・なんで知っているのかって?
・・・ふ。理由は詳しくいえないが、ヒントを出すとしたら
『シンちゃんのベッドの下や、机の引き出しの陰、ソレとすべてのコンセント差込口を調べてみると良い』
───といったところか。
何はともあれ、シンタローは今日も寝るのが明日になりそうだ。
・・・・・・うーん・・・
2月14日 23:30
シンタローの部屋の前。
ココアとチョコケーキを持って中の様子を窺う・・・
手にしたグンちゃん特製『ペン型受信機』で。
30秒ほど窺っていたが、ときおり「くそっ」とか「うっし」とか聞こえるということは、
まだまだ仕事の真っ最中なのだろう。
しかしここでじっとしているわけにもいかない。
廊下は寒いからココアが冷めちゃう。
コンコンコンッ
「シンちゃん? 起きてるんだろう?」
『起きてるけど・・・何かあったのか?』
入れとは言われてないが、すぐに返事が返ってきたので、ドアを開けて顔を覗かせる。
「お夜食の差し入れだよv
チョコレートケーキとミルクココアv 」
どちらも2人前♪
「チョコケーキとココア・・・か?」
うーん。ソコだけ聞くとなんとも凶悪な組み合わせだねぇ。
「ケーキはブランデーをたっぷり使いつつほろ苦い大人の味だよ。
ココアは甘いけどね。さ。召し上がれw」
パソコンラックから椅子を借りてシンちゃんの横に座る。
「チョコづくめってコトは・・・バレンタインデーか?」
「その通り! いつもパパがもらっているからね。
男同士は女役があげなきゃいけないって不文律があるけれど、
あくまで不文律でしかなんぶっ!」
「そーゆー事は思ってても言うんじゃねぇ・・・」
ティッシュボックスを人に向かって投げるんじゃありません。
至近距離だったにもかかわらず、悦に入っていてかわせなかった私も私だけど。
「仕事しながらで良いから一緒に食べようね♪
はいwあーん♪」
「・・・自分で食える。」
そう言うと思ったよ。
「いいの。シンちゃんはお仕事していなさい。ギリギリなんだろう?」
だったら持ってくるなといつものシンちゃんなら言い返しているだろう。
そう言って来ないということは、やはり小腹がすいていたようだ。
では改めて。
「はいあーんv」
「・・・んあ」
しばらくの逡巡の後、可愛らしい唇が開かれ(マジック美ジョン)差し出したケーキを口に含む。
・・・・・・・・・・・・幸せ・・・。
「どう?」
「悪くはないな」
つまり美味しいということらしい。
シンちゃんがお仕事している横で私が待機。
飲み込むのを見計らって一口サイズにきったケーキを差し出す。
噛んでいる最中、カップに手を伸ばしたら、ココアを一口飲んでから。の合図。
ふ。戦闘で鍛えた観察眼がこんな所で役に立つとは思わなかったよ。
気がついたらシンちゃんの分のケーキは終わっていた。
「もっと食べられるかい?」
そう聞くと、シンちゃんの顔がこちらを向く。
私のは食べる暇がなかったから、まだ口をつけないまま残っているのだ。
「こっちも食べられるかな?」
「・・・それアンタのだろ?」
「そうだけど、シンちゃんのために作ったんだからね。
君が満足できるのが一番だよ。
それに、1ホール作ったんだし、まだ残ってるから。」
だから私の分は気にしなくていいよ。と言うと、シンちゃんは少し考えた後、
「じゃぁ・・・お言葉に甘えさせてもらおうかな」
「はい。たーんとめしあがれv」
ココアのお代わりもあるよ。
2月15日 0:45
「ごちそうさまでした」
「おそまつさまでしたv」
食べている間にもシンちゃんの手は安まず動き、
パソコンの中身は正面からじゃないと見えないよう保護フィルムが貼ってあるから、
私にはどうなっているのか分からないけれど、
プリンターが動いたということは、何かの仕事がひと段落ついたという所だろう。
サイバーテロというか、ハッカー対策のため、
本当に重要な書類はサーバーや個人のパソコンなどを含むコンピューターの中には長期間保存しないようにしている。
印刷した後封筒にまとめて金庫の中に保存しておくのだ。不要になったら燃やして処分。
この時代には原始的だが、だからこそ確実なのだ。
「まだケーキあるけど?」
あと1ホールの6分の4ほど残っている。
「いや、いい。これ以上食ったら眠くなる。」
「そう? でもポットは一応置いておくよ。まだ入ってるから」
「あんがとよ。
・・・アンタはまだ寝ないのか?」
できることならずっとシンちゃんの横で見ていたいけれど、そういうわけにもいかないだろう。
「いや、これを片付けたら寝るよ」
「のこしときゃ俺洗っとくぜ?」
忙しい人にソコまで任せられるわけないだろう?
「大丈夫。そんな暇があったら君はゆっくり休むことだ
───それじゃ、おやすみ」
「おやすみ」
椅子から立ち上がると、シンちゃんも立ちかけたが、それを制して肩に手を置く。
「見送りは結構。
体を壊さない程度に頑張るんだよ?」
シンタローの額に軽く唇を落として立ち上がる。
「ホワイトデーのお返し楽しみにしているからね~♪」
真っ赤になっているシンタローを残して、私は部屋から出て行った。
・・・久々のスキンシップだったからなぁ。
私も妙に気分が高まっている。
・・・・・・・・・・・・・・・暴走しないでよかった。
今暴走したらシンちゃんの体を壊す上にキンちゃんに怒られるからね。
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3月13日───
「シンタロー。まだ礼の品が決まらないのか?」
「るっせーな! 今までとは勝手が違うから困ってんだよ!!」
「他の女の子達と同じでいいんじゃないかな?」
「いやだ!」
「なんで?」
「ここで既製品を買ってみろ!
俺の負けだろうが!」
「・・・・・・そうなのかなぁ?」
「さぁな」
「畜生手作りの飴ってベッコウ飴か!?
アイツがチョコケーキだったからキャンディケーキか!?」
「・・・僕そんなの聞いたことないよ?」
「こうなったら鍋いっぱいのベッコウ飴作って俺の気持ちだと送りつけてやろうか。」
「それって感謝の気持ちのほかに対抗心とか色々混ざってるよね
───あ、僕いいコト考えた♪」
「・・・期待はしてねーが一応言ってみろ」
「水あめと一緒にリボン巻いたシンちゃんをプレゼントw」
「なるほど。「かけて食べろ」か? 楽だな」
「うん!」
スパーンッ! ばしぃ!
「・・・なんで俺まで」
「やかましい」
「お父様一番喜んでくれると思うんだけどなぁ。」
「俺がうれしくねーよ!」
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去年はシンちゃんから手作りのチョコレートをもらった。
なんでもキンちゃんから渡せとせかされたらしい。
今年はどうなるのだろうと心弾ませていたら、キンちゃんから思いもよらない言葉を聞いた。
「今年は、去年以上に余裕がない」
・・・・・・うわぉう。
シンタローとは毎日食事で顔をあわせるし、
職場=家のようなものだから何かにつけて会いに行ったりするが、
最近どうにも仕事がうまくいっていないようだ。
いや、国境を越えたテロリスト達に、
同じく国境を持たない我々が対抗している。という点においては成果を挙げている。
世界平和を無視した軍事政策を執っている国に対しての制裁も同様。
ただ、なるべく身内に・・・あるいは敵にも被害を出したくない。そういうコンセプトの基に建てられる計画は、
兵を大量投入した大規模な軍事作戦ではなく、少数精鋭で敵の頭を叩く。そういうものになっているのだ。
その少数精鋭に、総帥自らが含まれる事も多々ある。
シンタローが自分から参加しているのだが。
そして敵国から凱旋して来たシンタローを迎えるのは、
たった今時分がしてきた事を書類にまとめ、広報部に報告する作業。
一体いつ休んでいるのやら。
・・・・・・・・・・私もあのくらいのときはそうだったろうか?
説明が長引いたな。
つまり、毎日食事で顔をあわせるたびに、シンちゃんの顔に疲れがたまっているのが分るのだ。
やれやれ。私だってまだまだ現役なのだから、シンちゃんの代わりに戦場へ行ったっていいのに。
・・・・・・いっそのことガンマ団に新兵として入団試験受けちゃおうかなー。
「ごちそうさまでした。」
『ごちそうさまでした。』
せめてシンちゃんの励ましになれば良いとたくさんの具を煮込んだカレーを作る。
食べ応えもあり栄養満点。
今夜のカレーはちょっぴり甘め。
グンちゃん以外は辛いほうが好みだが、胃を荒らしても困るので、おなかに優しく作ったのだ。
「んじゃ、俺は部屋に戻ってソッコー寝る。」
「おやすみー」
「おやすみなさーい♪」
「おやすみ」
シンちゃんはあぁ言ったけれど、実際はそうじゃない。
この後も部屋に持ち込んだ仕事を片付けるのだ。
・・・・・・なんで知っているのかって?
・・・ふ。理由は詳しくいえないが、ヒントを出すとしたら
『シンちゃんのベッドの下や、机の引き出しの陰、ソレとすべてのコンセント差込口を調べてみると良い』
───といったところか。
何はともあれ、シンタローは今日も寝るのが明日になりそうだ。
・・・・・・うーん・・・
2月14日 23:30
シンタローの部屋の前。
ココアとチョコケーキを持って中の様子を窺う・・・
手にしたグンちゃん特製『ペン型受信機』で。
30秒ほど窺っていたが、ときおり「くそっ」とか「うっし」とか聞こえるということは、
まだまだ仕事の真っ最中なのだろう。
しかしここでじっとしているわけにもいかない。
廊下は寒いからココアが冷めちゃう。
コンコンコンッ
「シンちゃん? 起きてるんだろう?」
『起きてるけど・・・何かあったのか?』
入れとは言われてないが、すぐに返事が返ってきたので、ドアを開けて顔を覗かせる。
「お夜食の差し入れだよv
チョコレートケーキとミルクココアv 」
どちらも2人前♪
「チョコケーキとココア・・・か?」
うーん。ソコだけ聞くとなんとも凶悪な組み合わせだねぇ。
「ケーキはブランデーをたっぷり使いつつほろ苦い大人の味だよ。
ココアは甘いけどね。さ。召し上がれw」
パソコンラックから椅子を借りてシンちゃんの横に座る。
「チョコづくめってコトは・・・バレンタインデーか?」
「その通り! いつもパパがもらっているからね。
男同士は女役があげなきゃいけないって不文律があるけれど、
あくまで不文律でしかなんぶっ!」
「そーゆー事は思ってても言うんじゃねぇ・・・」
ティッシュボックスを人に向かって投げるんじゃありません。
至近距離だったにもかかわらず、悦に入っていてかわせなかった私も私だけど。
「仕事しながらで良いから一緒に食べようね♪
はいwあーん♪」
「・・・自分で食える。」
そう言うと思ったよ。
「いいの。シンちゃんはお仕事していなさい。ギリギリなんだろう?」
だったら持ってくるなといつものシンちゃんなら言い返しているだろう。
そう言って来ないということは、やはり小腹がすいていたようだ。
では改めて。
「はいあーんv」
「・・・んあ」
しばらくの逡巡の後、可愛らしい唇が開かれ(マジック美ジョン)差し出したケーキを口に含む。
・・・・・・・・・・・・幸せ・・・。
「どう?」
「悪くはないな」
つまり美味しいということらしい。
シンちゃんがお仕事している横で私が待機。
飲み込むのを見計らって一口サイズにきったケーキを差し出す。
噛んでいる最中、カップに手を伸ばしたら、ココアを一口飲んでから。の合図。
ふ。戦闘で鍛えた観察眼がこんな所で役に立つとは思わなかったよ。
気がついたらシンちゃんの分のケーキは終わっていた。
「もっと食べられるかい?」
そう聞くと、シンちゃんの顔がこちらを向く。
私のは食べる暇がなかったから、まだ口をつけないまま残っているのだ。
「こっちも食べられるかな?」
「・・・それアンタのだろ?」
「そうだけど、シンちゃんのために作ったんだからね。
君が満足できるのが一番だよ。
それに、1ホール作ったんだし、まだ残ってるから。」
だから私の分は気にしなくていいよ。と言うと、シンちゃんは少し考えた後、
「じゃぁ・・・お言葉に甘えさせてもらおうかな」
「はい。たーんとめしあがれv」
ココアのお代わりもあるよ。
2月15日 0:45
「ごちそうさまでした」
「おそまつさまでしたv」
食べている間にもシンちゃんの手は安まず動き、
パソコンの中身は正面からじゃないと見えないよう保護フィルムが貼ってあるから、
私にはどうなっているのか分からないけれど、
プリンターが動いたということは、何かの仕事がひと段落ついたという所だろう。
サイバーテロというか、ハッカー対策のため、
本当に重要な書類はサーバーや個人のパソコンなどを含むコンピューターの中には長期間保存しないようにしている。
印刷した後封筒にまとめて金庫の中に保存しておくのだ。不要になったら燃やして処分。
この時代には原始的だが、だからこそ確実なのだ。
「まだケーキあるけど?」
あと1ホールの6分の4ほど残っている。
「いや、いい。これ以上食ったら眠くなる。」
「そう? でもポットは一応置いておくよ。まだ入ってるから」
「あんがとよ。
・・・アンタはまだ寝ないのか?」
できることならずっとシンちゃんの横で見ていたいけれど、そういうわけにもいかないだろう。
「いや、これを片付けたら寝るよ」
「のこしときゃ俺洗っとくぜ?」
忙しい人にソコまで任せられるわけないだろう?
「大丈夫。そんな暇があったら君はゆっくり休むことだ
───それじゃ、おやすみ」
「おやすみ」
椅子から立ち上がると、シンちゃんも立ちかけたが、それを制して肩に手を置く。
「見送りは結構。
体を壊さない程度に頑張るんだよ?」
シンタローの額に軽く唇を落として立ち上がる。
「ホワイトデーのお返し楽しみにしているからね~♪」
真っ赤になっているシンタローを残して、私は部屋から出て行った。
・・・久々のスキンシップだったからなぁ。
私も妙に気分が高まっている。
・・・・・・・・・・・・・・・暴走しないでよかった。
今暴走したらシンちゃんの体を壊す上にキンちゃんに怒られるからね。
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3月13日───
「シンタロー。まだ礼の品が決まらないのか?」
「るっせーな! 今までとは勝手が違うから困ってんだよ!!」
「他の女の子達と同じでいいんじゃないかな?」
「いやだ!」
「なんで?」
「ここで既製品を買ってみろ!
俺の負けだろうが!」
「・・・・・・そうなのかなぁ?」
「さぁな」
「畜生手作りの飴ってベッコウ飴か!?
アイツがチョコケーキだったからキャンディケーキか!?」
「・・・僕そんなの聞いたことないよ?」
「こうなったら鍋いっぱいのベッコウ飴作って俺の気持ちだと送りつけてやろうか。」
「それって感謝の気持ちのほかに対抗心とか色々混ざってるよね
───あ、僕いいコト考えた♪」
「・・・期待はしてねーが一応言ってみろ」
「水あめと一緒にリボン巻いたシンちゃんをプレゼントw」
「なるほど。「かけて食べろ」か? 楽だな」
「うん!」
スパーンッ! ばしぃ!
「・・・なんで俺まで」
「やかましい」
「お父様一番喜んでくれると思うんだけどなぁ。」
「俺がうれしくねーよ!」
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