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PRESENT


ずっともらってばかりだった俺が、
 はじめて誰かにあげたプレゼントは、
  肩たたき券 だった。
あいつは、バカみたいに喜んでた。

手作りのプレゼントが恥ずかしくなったころ
 小遣いをためてはじめて買ったプレゼントは
  なべつかみ だった。
あいつは、それを使ってカレー作ってくれた。


いつだったか、プレゼントを渡す相手からもらった金で
その本人にプレゼントを買うことに疑問を感じた。
どっかの獅子舞にもバカにされた。
それで、高松に頼んで、備品室の整理とか手伝ってこっそり稼いだ。
たいした額にはならなかったから、結局小遣いも足したけど
「俺の」金も入ったプレゼントが、なんか、ちょっと嬉しかった。


学校卒業して、小遣いは無しにした。
軍の、給料があるからだ。
これからは、あいつの世話にならなくても稼げるんだ。




だけど。
自分で給料をもらうことになっても
それは結局、あいつからもらう金。

あいつ個人の金じゃないのはわかってるけど、
何人もの苦労があるのもわかってるけど。
そう、考えちまった。


なんか、ちょっとくやしかった。


だから、その年、俺はあいつにプレゼントを
買わなかった。

だけど。
一度も顔をあわせもしない日々が来ることを
俺は、考えてもいなかった。


それから、いろいろ。
何だか、本当に、いろいろあったんだ。


いろいろあって、俺は、総帥になった。


そうして、やっと
俺は、本当に、
あいつへのプレゼントを買うことが出来た。
俺が手にした…俺だけの、本当に、俺からのプレゼント。

くだらないって言うなよ。…男の意地ってヤツだ。



久しぶりに渡すプレゼント。
特別な、プレゼント。
そう思ったら、何買っていいか、わかんなくなって。
何で俺があいつへのプレゼントのために悩んでるんだよ、とか。
俺が稼いだ金を、何であいつのために使わなきゃいけないんだ、とか。
考えてたら腹が立ってきたから。
次に話しかけてきた店員の勧められたものを買って帰ろうと思ったころ、
店のヤツに勧められるままに買ったのは
 薔薇の花束 だった。

俺からあいつに薔薇の花束もどうなのかって、思ったけど
相手が父親だとも言えず、
きれいだから、良しとした。
後は、いつもよりちょっと気合の入った夕飯とケーキ。



俺が、俺の金で買ったプレゼント。
男として、これでやっと対等になれた気がする。
なんだかんだと、一族全員そろっての誕生パーティー。

あいつは、
バカみたいに喜んでた。


俺の気持ちなんか、気付くわけが無い。
(気付かれるわけにもいかねぇ)
だけど、あんたがあんまりバカみたいに喜ぶから
仕方ないけど、来年からもまた、祝ってやるよ。
俺の、金だしな。





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