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その行為は、不思議なものだった。

お互い、ずっと相手を見つめたまま、体に熱を与え、そして開き、受け入れ、果てた。

何故、目を閉じなかったなど、分からなかった。

ただ、あの人が見つめていて、俺が見つめ返していた。

冷たい瞳が、だんだんと熱を帯びていく様は、とても綺麗だったから。



「はぁ・・・んあ!」

「力を、抜きなさい」

厚い手が折れの太ももに触れるその感触だけで、自身を解放してしまいそうな快楽が俺を襲う。

それを何とかやり過ごしながらも、あの人の瞳を見つめ、そしてゆっくりと息を吐きながら力を抜いていった。

あの人が、俺の中に入りやすいようにと。

「いい子だ・・・・」

「そんな風・・・・に、言わないで・・・・下さい。私は、よい人ではあり・・・・ませ、ん・・・んぁっ!」

奥深く差し込まれる杭に、体を震わせながら受け入れる喜びに酔いしれながらも、何とか“シロガネ”を保つ努力をする。

一年前体をあわしていた時を、身体は覚えていた。

そして、口が発する声はあの人をある固有名詞で呼びそうになる。

気を抜けば、呼んでしまう。

だから、俺は・・・・己の手をあの人の背には回さず、己が指にその爪を食い込ませながら意識を保っている。

「何故、君はそんな嘘をつく・・・」

「さあ、何故・・・・で、しょ・・・・ああぅ」

何とか笑うように、頬の筋肉に力を込め、あの人の瞳を見つめる。

そこには、何も映っていないよいうに見えた。




「では、私はこれから夕食を作るから、君は少し寝ていなさい」

今日は疲れただろうと、やっとあの暖かい笑みが向けられ、ほっと安堵の息を小さく吐いた。

「ええ、お言葉に甘えてそうさせていただきます」

ベッドの上で軽くお辞儀をしながら、御礼の言葉もあわせて言えばあの人は、笑みをよりいっそう深めてくれた。

「できたら、呼ぶよ」

「承知しました」

節々が痛む身体を起こし、脱がされた服を羽織る。

正直、久しぶりに長時間歩いたせいで、足がだるく感じていたというのに、あの人とことが運び身体のあちらこちらから、悲鳴が上がっている。

運動不足と言っていいのだろうか。

まあ、それだというのなら自分にとってとても嫌なことだが、それも仕方が無いことだ。

シャとのボタンを全て留め終え、そして下もはきながらふと気づく。

中に出されたままだということを・・・・。

「腰が痛いし・・・・まぁ、後でシャワーを浴びればいいか・・・」


「ダメだよ、シロガネ君。私が中に出したんだから、洗ってあげるよ」

バンと開いたドアに、監視されていることを思い出した。

というより、聞き耳を立てこの言葉を待っていた可能性もある。

これでは、休めたものではない。

「マジック様、お腹がペコペコで死にそうなんです。できれば、さっさと作っていただきたいのですが」

にっこり微笑んでお願いを伝えると、あの人は何故か鼻血を垂らしながら微笑んだ。

「まっかせなさい!超特急で作ってあげるから。ふふ・・・、お腹ペコペコ・・・いいよ。すっごく!」

おっそろしい言葉を残し、あの人は部屋から出て行った。



ここは身体の悲鳴に従い、ゆっくり養生しようと身体を横にしながら息を吐く。

「ああ、今日はつか・・・・」

ちょっとまて、俺!!

そんなこと言ったら、またあの人が来るじゃないか。

ここで疲れたと声に出せば、あの人の耳筒抜け。

自分が監視対象に置かれているということを忘れ、つい口に出してしまおうとするなんて、なんて愚かでバカなのだろう。

もしも口に出してしまえば最後、それを聞きつけたあの人はマッサージをすると提案をしてきて、いまだ痛みが治まらない胃痛を酷くさせるんだ。

どんなに言っていないと訴えても、先ほどの勢いでは「証拠はこれだ!!」と、盗聴器の意味を全く消してしまう行動にでるだろう。

面倒には巻き込まれたくない。

「つかれた」と、そんな簡単な一言でさえあの人に聞かれたくは無かった。

つうか、もう色々疲れ要素を増やしたくないし。

ただ、体は疲れていても、心は疲れていない。

充実している感じはある。

だが、ストレスのせいか胃はキリキリ痛む一方だが・・・・。

今は俺の発する一言で、あの人に気を使って欲しくはない気持ちがある。

自分を守るためというわけではあるが、それでもあの人にはジャンがいるわけで、常に俺のことを気にさせるのは、ただ邪魔をしているだけだ。

でも、何も言葉を発さないのは、些か怪しすぎる。

ここを自分の家だと思って、何か言葉を出さなければ。

『あんのクソ親父、俺を散々振り回しやがって。

んだよ、あの旗は!!

どっかの老人会の浅草旅行ご一行様か?

だけどよ。まあ、いい息抜きだったな』

そんな言葉しか出てこない。

それはシンタローとして、よく使い慣れた言葉でそんな言葉を使ってしまうことが、いやだ。

自分は、シロガネなのだから。

確かに突っ込みどころ満載の一日だったが、だからと言ってあの口調をそのまま使うということは今の俺として、あってはならないと心の声が叫んでいる。

シンタローとしてではなく、あの人が名づけてくれたシロガネという人物として、あの人に接したい、支えたい、傍にいたいと、そう願う自分がいる。

そして、シロガネという人物を、演じようと考えている愚かな自分がここにいる。

考えろ、

演じろ、

そして、言葉に出せ。

あの人の望むシロガネは、どんな奴だ?

シンタローは自分の中から消し去れ。

シロガネになれ。



程なくして、シロガネとしての言葉が見つかった。

頭の中でその言葉が浮かんだと同時に、口から自然と出ていた。

「マジック様、本日はありがとうございました。できれば、胃薬の量を減らしたいので過剰なスキンシップや、本日私の部屋でおこなったことは今後一切しないで下さい」

それは、シロガネを作り上げるために必要な要素。

感情を殺し、自分の立場をわきまえる。

それは、シロガネにとって真実(あたりまえ)で。

シンタローにとって、嘘(いつわり)だった。

「って、なにそれ!シロガネ君、私はね!!」

お玉を持って、ドアを開けたあの人ににっこりと微笑み「お腹がすきました。早くしていただけませんか?」と、冷たく言い放ち追い出した。

少しだけ悲しそうな表情をしていたが、もう心が痛いとは思わなかった。

自然に出たその言葉に、やっと自分の中からシンタローが消えた気がした。

だから、正直嬉しかったのだ。

この瞬間が。

やっと、シロガネを形にできたこの瞬間が。



続く




反省
ああああああ、だめ。

可笑しなほうこうに進んでる。

軌道修正がかけにくい・・・。


原文は以下の通りでした-----
部屋の前であの人と別れ、俺は自室に入ると一つ軽く溜息をつき、そのまま自分のベッドへダイブした。

「・・・・つか・・・・」

そこであることを思い出し、声を出すことを止めた。

なんて愚かなのだろう。

自分が監視体制に置かれているということを、思い出してしまうとは。

ここで疲れたと声に出せば、あの人の耳にはいってしまう。

何故だろう。

「つかれた」と、そんな簡単な一言でさえあの人に聞かれたくは無かった。

体は疲れていても、心は疲れていない。

だから、あの人に気を使って欲しくはない。

でも、自室に入らず何も言葉を発さないのは、些か怪しすぎる。

ここを自分の家だと思って、何か言葉を出さなければ。

『あんの親父、俺を振り回して』

『んだよ、あの旗は』

『まあ、いい息抜きだったな』

そんな言葉しか出てこない。

それはシンタローとして、よく使い慣れた言葉。

そんな言葉を使ってしまうことが、いやだ。

確かに突っ込みどころ満載の一日だったが、だからと言ってあの口調をそのまま使うということは俺として、あってはならないと心の声が叫んでいる。

シンタローとしてではなく、あの人が名づけてくれたシロガネという人物として、あの人に接したい、支えたい、傍にいたいと、そう願う自分がいる。

そして、シロガネという人物を、演じようと考えている愚かな自分がここにいる。

考えろ、

演じろ、

そして、言葉に出せ。

あの人の中のシロガネは、どんな奴だ?

シンタローは自分の中から消し去れ。

シロガネになれ。



程なくして、シロガネとしての言葉が見つかった。

頭の中でその言葉が浮かんだと同時に、口から自然と出ていた。

「マジック様、本日はありがとうございました。ああ、頭の中が渦を巻いてしまっている。覚えることがたくさんありますね」

それは、シロガネにとって真実で。

シンタローにとって、嘘だった。

もう、心が痛いとは思わなかった。

自然に出たその言葉に、やっと自分の中からシンタローが消えた気がした。

だから、正直嬉しかったのだ。

この瞬間が。

やっと、シロガネが生まれたこの瞬間が。


「さ、シロガネ君。お待たせしたね」

その声に、まず先に動いたのは聴覚で、その次が収穫だった。

部屋の芳香剤として置かれていたアップル系ハーブのほのかな香りではなく、食欲をそそる美味しそうな匂いが頭の覚醒を促した。

そして、ゆっくりと瞼を上げればそこには、眩しいほどの太陽が・・・・・

「マジック様・・・・・顔、近すぎです」

覚醒し始めた頭が、考えることもなく自然とその言葉を出したことに、心中少々驚きながらも目の前の、ニコニコスマイルで花を飛び散らかしているあの人に対し、わざとらしく小さな溜息を一つ吐いた。

「溜息吐くと、幸せが逃げちゃうよ」

頬を少し膨らませながら、まるで小さな子供に言い聞かせるように話す声色はとても優しく、睡魔を呼び寄せる音に感じられた。

「溜息を吐いたくらいで、マジック様が作ったカレーが逃げてしまうのですか?」

再び瞼が閉じてしまったことは自分でも分かっていたが、この仲良し瞼を引き離す方法など俺は知らない。

「ああ、逃げるよ。そりゃ、もんのすっごく速く」

寝ぼけた人に対して、まじめに返事を返すことをせず、少し面白おかしく脚色してそれは返ってきた。

「じゃあ、見てみたいものですね。お鍋に足の生えたその、生き物・・・・・んん・・・」

一瞬タンノの姿が垣間見えたその瞬間、唇に当てられた冷たいものに眠気が一気に吹き飛んだ。

「・・・・・それは、とても面白いかもしれないね」

小さな笑い声に、仲良し瞼を引き剥がす。

「そうですね、ああ、それじゃそれも幸せになってしまいますね」

目の前には先ほどと変わらない眩しい太陽があり、とても温かい笑顔で俺を見ていた。

その隙間、約5センチ・・・・

「ああ、そうだね」

あの人を見つめていると、だんだん目が痛くなりかけたので、再び仲良し瞼を戻してやった。

そして、また唇にあたる冷たい感触。

今度は、口の中にぬるりとした物が入ってくる。

それに、舌で応える。

「んんん・・・・ふんぅ・・・・、じゃ、いったい何が逃げるんでしょうね?」

口付けをしながら、一体何の会話をしているのか、自分でも段々分からなくなってきてしまった。

溜息から逃げる幸せの種類討論なんて、今までしたことがない。

親が子供の質問に答えているような、そんな暖かいもののように感じられるそれが、とても新鮮だった。



「そうだね、それは・・・・君かもしれない」



「逃げませんよ」

この人は、俺を“幸せ”そのものだという。

それは全くの逆だ。

「ああ、逃げないことだ」

命令口調ではあるが、それは冷たくない。

「私の幸せは、マジック様、貴方なのですから。だから、溜息を吐いたくらいで貴方に逃げられてしまうことが、私にとって“不幸”そのものです」

これは、ただの『願望』だ。

当たり前のものが無くなったあの瞬間、俺は本当の“不幸”を知った。

“幸せ”があの人だったから、それを失ってしまうと自然と“不幸”になった俺。

だから、あの人を『溜息』ぐらいで失いたくない。

まるで、子供だ。

親がいなくなって欲しくないから、色々な質問をして対策をとろうとする、小さな子供そのものだ。

「では、二人で逃げよう。誰もいない、どこかに」

額になにかやわらかく少し冷たいものが触れ、そしてすぐに離れていった。

それは、懐かしい感覚。

あの人に、子供のころよくしてもらったもの。



「子ども扱いですか?」

「ふふ、さあね?」

「どういうおつもりで?」

「さあ?」

額の口付けに対し、不満げに理由を聞いてみたが肩をすくめながらはぐらかすあの人に、俺は小さく溜息を吐いた。

眠気など当の昔に消えてしまったことに対し、図られたことを確信した。

「もう、眠くないだろう?」

確定付けるその言葉に、俺は頷き身体を起こした。

「おかげさまで」

嫌味のつもりで吐き出した言葉に、あの人は嬉しそうに笑い返してきた。

「そうかい、それはよかったね」

たまにはこんな目覚めもいいのかもしれない、そんな考えが頭の中を過ぎる。


『ほら、起きなさい』

『るせー、寝かせろ』

『ふふ・・・、かわいいね。私の愛しい人』

『うお、こら!くすぐって!!』

『おはようのキスは、お気に召さなかったかい?』


「シロガネ君?」

名前を呼ばれ、シロガネとしての意識が戻ってきたとき、自分があの人の服の袖を力いっぱい握り締めていたことに気がついた。

これはシンタローだったころ、あの人が毎朝口付けで俺を起こしてくれるときに、無意識にしていた甘えの行動。

シンタローを消し、シロガネで生きると覚悟を決めた今でも無意識のうちにしてしまった自分の未練がましさに、少々あきれながらも「すいません」と小さな声で謝罪し、その手を離した。

「いや、いいよ」

少しつらそうな笑顔になってしまったあの人が、俺が袖を掴んでいたほうの手で頭を軽く撫でてきた。

「すがりつくような、そんな君の行動がとても悲しく思ってしまったよ」

その言葉に首を傾げると、あの人は撫でていた手を後頭部に回し、そのまま俺を自分のほうへ少々強引ながらも引き寄せてきた。

何の抵抗もできないまま、もう片方の手が俺の背中に回り、あの人の胸の中にすっぽりと納まるように抱きしめられた。

「え?」

「大丈夫だよ。私が、いるよ」

頭上から落ちてくるあの人の声。

「私がいるよ」

どこか悲しさを含んだその声。

「私では、ダメなのかい?」

話が読めず、俺は顔を上げあの人の顔を間近で見つめた。

「意味が、わかりません」

俺が何とか絞り出した声に対し、「ごめん」と謝罪の声が返ってきた。

少々驚きながらも、あの人に抱きしめられたままその続きを聞くため、何も言わなかった。

「君は、親の愛情が足りていないんだろう。だから、すがるような、離れて欲しくないから袖を握って離れないようにする行動をとったんだろう」

いっている意味はなんとなく分かるが、それが何故俺に当てはまるのかわからない。

眉間に皺を寄せた瞬間、何故かそこに口付けを落とされた。

「っ!!」

「ほら、そんなところに皺を寄せると、幸せが逃げてしまうよ」

また、幸せ討論か?

「ふふふふ・・・・。まったく、ああ、何故なのだろうね」

俺が目をぱちくりさせながら、不思議そうにあの人の顔をみていると、笑われてしまった。

からかっているのだと思い、恨めしそうにその課を見上げれば、あの人はとても愛おしいものを見つめるかのように、俺を見る。

その目は、良く知っている。

ジャンに向けていた、あの目だ。

「君が愛しい。ジャンよりも・・・・、君を愛している。こんなに愛した人を見つけたのは、生まれて始めてだよ」

これは、愛の告白?

「ああ、恥ずかしいね。もういい大人が、こんな子供のような告白だなんて・・・・」

苦笑する姿も、どこか幸せそうに微笑んでいて・・・・かっこいい・・・・。

いや、そうじゃなくて。

俺が今、考えるべきことは?

そう、現状の把握だ。

今、何をされた?

愛の告白だ。

・・・・・それって、マジ?

冗談・・・だろ?

「ご冗談を・・・・」

口に出せば、あの人はとても悲しい表情になってしまった。

「本当だよ、こんなに愛しく思うのに。どうしたら、お前は信じてくれる?宝石かい?それとも町かい?もしかして、世界?」

つらつたとあげられた、恋人に贈るプレゼントにしては大きなものに、首を大きく横に振りながら「いりません!」と断った。

「じゃあ、どうしたら信じてくれる?」

そう聞かれても、何も答えが出てこない。

どうしたらいいのか聞きたいのは、こっちのほうなのに。


昔のように、何も疑いを持たずこの言葉を信じていたときのように、このままあの人の言葉を信じ暮らしていくことが、幸せだと思う。

温かい胸に抱きしめられ、あの人と共にシロガネとして同じ道を共に歩き、生きていくことが俺の望む幸せだろう。

でも、あいつがいる。

ジャンがいる。

今、あの人の横にはジャンがいる。

俺がどんなに努力しても、到底敵うことのできないあいつがいる。

だから、俺は“オリジナル”負けた過去をどんなにしても、拭うことができない。

恐いんだ。

もう、負けることも、裏切られることも、そして自分を見失うことが。

「その感情は、もしかしたら、勘違いかもしれませんよ?」

わざと俯き、自分の表情が見えないようにする。

「どういう、意味かね?」

少しだけこわばった様子の声に、静かに眼を閉じた。

「その感情は、“父性感情”ではないのでしょうか?」

お願いだ、もう傷つきたくないんだ。

「疑っているのかい?」

その質問に頷いた。

「バカだね」

身体に回された腕に力がこめられる。

「愚か過ぎるよ・・・・・・・君も、私も」

頭に暖かい感触。

ああ、口付けられている。

「ジャンに顔が似ているから、私が君を愛したというのかい? それは違う。全く違う。私は君の中身を愛したんだ、君にそんな勘違いをさせてしまうなんて・・・・・なんて私は、愚かなんだろう」

反則だ。

そんなことすんな。

そんなこと言うな。

もう、喋るなよ。

「愛してる、君だけを。これまでも、そしてこれからも」

そんな言葉を聴いてしまったら、もう首を横に振ることなんてできない。

「それでも、私を疑うかい?」

俺に選択肢なんて残されていない。

もう、あの人の描いた道の上を進むしかない。

だから、俺は小さく首を左右に振る。

「ありがとう、私を信じてくれて。本当にありがとう」

目頭が、熱くなってくる。

睫毛をじわりと濡らしていく雫が、ゆっくりと頬を伝い始める。

「さあ、私の告白の返事をくれないかい?」

頬に大きな暖かい手が触れ、促されるように顔を上げると、俺の視界に広がる幸せそうに頬えもあの人。

もう、答えなんて緒分かりきっているのに、俺にそれを催促する悪い奴。

だから、俺は答えてあげる。

「一生、マジック様にお供させていただきます」

「ああ、君の全ては私のものだよ」

「はい」

あの人は満足そうに頷くと、その顔をゆっくりと近づけてきた。

そして、俺は静かに瞼を閉じた。

唇に重ねられた、少し冷たくそして熱い唇が啄ばむような口付けを繰り返す。

その熱と、甘さに、酔いしれながらあの人の背に腕を回した。


頭のどこかで、冷めてしまっただろうカレーに対して少し罪悪感にとらわれながら。


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