夜、島にて
アオザワシンたろー
「あ!見てイトウちゃん、ほらシンタローさんよ!」
「ほんとだわ。シンタローさーん!こんな時間にどこいくのー?」
島は、もう住民がそれぞれねぐらに戻っている時刻。
一人で艦を降りたシンタローは、背後から迫り来る気配に眉をひそめた。
「あらシンタローさん、あの赤い服脱いだのね!」
「じゃあこれからパプワくんちに行くんでしょ!だったら私たちも一緒に…」
南国モードに戻ったシンタローはひとまず、溜め無しガンマ砲でナマモノを吹き飛ばした。
手馴れたもので、周囲の木の一本にも、被害を与えていない。
自分の仕事に満足しながらシンタローは、血を流しながら痛みにうち震える二匹を見下ろした。
その口元が、意識せずほころぶ。
「…まぁ有る意味、懐かしいって言やぁ懐かしいぞ、オメェらでも」
「そのわりには愛が痛いんですけど」
のたうつ殻をひと蹴りして、シンタローは歩を進めた。
「ついてくんじゃねぇぞ。来たらもう一発ぶちかます」
その声はどこか楽しげで、だからつい二人組のナマモノは、四年前に戻ったような幸福な錯覚を起こして見送ってしまった。
彼はやっと、等身大の自分で弟に会いにゆくのだ。
そんなことが、声だけでわかってしまった。
「ねぇタンノちゃん」
「なあにイトウちゃん」
二人は、転がったまま目線を合わせた。
「シンタローさんって、…なんだかすごく格好良くなってない?」
「アタシもそう思ってたのよ!以前のシンタローさんも格好良かったけど、今のシンタローさんはもっと素敵!」
誰も聞いていないのに、二人は声を潜めて熱弁を振るう。
「以前のシンタローさんには母性本能をくすぐられちゃってたけど、今はもう、『アタシをどうにでもしてッ』て感じ」
「いやーんもー!イトウちゃんたら!それじゃアタシはねッ、『愛人にしてッ』!」
「ヒワイわよヒワイわよタンノちゃんッ!」
ぎゃーとかキャーとか、その後暫らく森は騒がしかったとか。
おわるん♪
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アオザワシンたろー
「あ!見てイトウちゃん、ほらシンタローさんよ!」
「ほんとだわ。シンタローさーん!こんな時間にどこいくのー?」
島は、もう住民がそれぞれねぐらに戻っている時刻。
一人で艦を降りたシンタローは、背後から迫り来る気配に眉をひそめた。
「あらシンタローさん、あの赤い服脱いだのね!」
「じゃあこれからパプワくんちに行くんでしょ!だったら私たちも一緒に…」
南国モードに戻ったシンタローはひとまず、溜め無しガンマ砲でナマモノを吹き飛ばした。
手馴れたもので、周囲の木の一本にも、被害を与えていない。
自分の仕事に満足しながらシンタローは、血を流しながら痛みにうち震える二匹を見下ろした。
その口元が、意識せずほころぶ。
「…まぁ有る意味、懐かしいって言やぁ懐かしいぞ、オメェらでも」
「そのわりには愛が痛いんですけど」
のたうつ殻をひと蹴りして、シンタローは歩を進めた。
「ついてくんじゃねぇぞ。来たらもう一発ぶちかます」
その声はどこか楽しげで、だからつい二人組のナマモノは、四年前に戻ったような幸福な錯覚を起こして見送ってしまった。
彼はやっと、等身大の自分で弟に会いにゆくのだ。
そんなことが、声だけでわかってしまった。
「ねぇタンノちゃん」
「なあにイトウちゃん」
二人は、転がったまま目線を合わせた。
「シンタローさんって、…なんだかすごく格好良くなってない?」
「アタシもそう思ってたのよ!以前のシンタローさんも格好良かったけど、今のシンタローさんはもっと素敵!」
誰も聞いていないのに、二人は声を潜めて熱弁を振るう。
「以前のシンタローさんには母性本能をくすぐられちゃってたけど、今はもう、『アタシをどうにでもしてッ』て感じ」
「いやーんもー!イトウちゃんたら!それじゃアタシはねッ、『愛人にしてッ』!」
「ヒワイわよヒワイわよタンノちゃんッ!」
ぎゃーとかキャーとか、その後暫らく森は騒がしかったとか。
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