少々開きすぎの胸元から手を差し込んで、汗ばんだ素肌をそろりと撫でる。
一瞬にして耳まで赤く染めた彼の、なにごとか怒鳴ろうと開きかけた口唇、を、もう片手で塞いで。
「しー」
口付けに近い距離まで顔を寄せ、小さく囁く。
「誰かに気付かれて困るんは、シンタローはんどすえ」
ぐっと息を呑む表情が可愛らしくて、悔しい。
いつも近付きたくてしょうがなくて、焦がれて、けれど近付けば近付くほど、互いの距離を思い知らされて、また焦がれる。
その繰り返しをどれだけ続けてきただろう。
(わては世界中の誰に見られたって構へんのに)
と、胸に浮かんだ素直な本音につい笑いながら、しなやかな首筋に顔を埋めた。
真っ赤な布地と、漆黒の髪と、薄く灼けた肌と、彼を構成するすべてに身体も心も急激に高まっていく。
「シンタローはんの匂いがする・・」
ほしいな。
舌の上でそっと転がした言葉が、我ながらおかしい。
(この人が、すごくほしい)
とっくに奪われてしまった己と引き換えに、この人を奪ってしまえればいいのに。
耳を打つ、戸惑いを含んだ声。
それが決して拒否を表していないのをいいことに、自分より幾分高めの体温を手繰り寄せた。
一瞬にして耳まで赤く染めた彼の、なにごとか怒鳴ろうと開きかけた口唇、を、もう片手で塞いで。
「しー」
口付けに近い距離まで顔を寄せ、小さく囁く。
「誰かに気付かれて困るんは、シンタローはんどすえ」
ぐっと息を呑む表情が可愛らしくて、悔しい。
いつも近付きたくてしょうがなくて、焦がれて、けれど近付けば近付くほど、互いの距離を思い知らされて、また焦がれる。
その繰り返しをどれだけ続けてきただろう。
(わては世界中の誰に見られたって構へんのに)
と、胸に浮かんだ素直な本音につい笑いながら、しなやかな首筋に顔を埋めた。
真っ赤な布地と、漆黒の髪と、薄く灼けた肌と、彼を構成するすべてに身体も心も急激に高まっていく。
「シンタローはんの匂いがする・・」
ほしいな。
舌の上でそっと転がした言葉が、我ながらおかしい。
(この人が、すごくほしい)
とっくに奪われてしまった己と引き換えに、この人を奪ってしまえればいいのに。
耳を打つ、戸惑いを含んだ声。
それが決して拒否を表していないのをいいことに、自分より幾分高めの体温を手繰り寄せた。
PR