忍者ブログ
* admin *
[1032]  [1031]  [1030]  [1029]  [1028]  [1027]  [1026]  [1025]  [1024]  [1023]  [1022
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

as
少々開きすぎの胸元から手を差し込んで、汗ばんだ素肌をそろりと撫でる。

一瞬にして耳まで赤く染めた彼の、なにごとか怒鳴ろうと開きかけた口唇、を、もう片手で塞いで。

「しー」

口付けに近い距離まで顔を寄せ、小さく囁く。

「誰かに気付かれて困るんは、シンタローはんどすえ」

ぐっと息を呑む表情が可愛らしくて、悔しい。

いつも近付きたくてしょうがなくて、焦がれて、けれど近付けば近付くほど、互いの距離を思い知らされて、また焦がれる。

その繰り返しをどれだけ続けてきただろう。

(わては世界中の誰に見られたって構へんのに)

と、胸に浮かんだ素直な本音につい笑いながら、しなやかな首筋に顔を埋めた。

真っ赤な布地と、漆黒の髪と、薄く灼けた肌と、彼を構成するすべてに身体も心も急激に高まっていく。

「シンタローはんの匂いがする・・」

ほしいな。

舌の上でそっと転がした言葉が、我ながらおかしい。

(この人が、すごくほしい)

とっくに奪われてしまった己と引き換えに、この人を奪ってしまえればいいのに。

耳を打つ、戸惑いを含んだ声。

それが決して拒否を表していないのをいいことに、自分より幾分高めの体温を手繰り寄せた。
PR
BACK HOME NEXT
カレンダー
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事
as
(06/27)
p
(02/26)
pp
(02/26)
mm
(02/26)
s2
(02/26)
ブログ内検索
忍者ブログ // [PR]

template ゆきぱんだ  //  Copyright: ふらいんぐ All Rights Reserved