長い髪に力強く、それでもそっと静かにタオルを押し当てる。
たっぷり水分を吸って、普段よりもさらに黒を深くした髪は、艶やか。
布越しにもしっとりと肌に、馴染む。
「ドライヤー、そこにあるだろ」
温風を当ててさっさと乾かしてしまうのは、少し。
いや、かなり、もったいないことだと思う。
断る理由を言ったら間違いなく殴られるだろうから、断れるはずもないけれど。
(晒されたうなじに噛みついてしまおうか)
一通り水分を受け取ったタオル適当に投げて、衝動のままに指に力を入れる。
絡んだ髪から新たに搾られた水が、手首まで濡らした。
かすかに息を呑む音。
「アラシヤマ」
非難の声色には気付かないふりで、軽く微笑んで。
白々しく、名を呼び返してみたり。
「なんどすか、シンタローはん」
「痛ぇよ」
ようやく交わる視線が嬉しくて、乱暴に口唇を合わせた。
たっぷり水分を吸って、普段よりもさらに黒を深くした髪は、艶やか。
布越しにもしっとりと肌に、馴染む。
「ドライヤー、そこにあるだろ」
温風を当ててさっさと乾かしてしまうのは、少し。
いや、かなり、もったいないことだと思う。
断る理由を言ったら間違いなく殴られるだろうから、断れるはずもないけれど。
(晒されたうなじに噛みついてしまおうか)
一通り水分を受け取ったタオル適当に投げて、衝動のままに指に力を入れる。
絡んだ髪から新たに搾られた水が、手首まで濡らした。
かすかに息を呑む音。
「アラシヤマ」
非難の声色には気付かないふりで、軽く微笑んで。
白々しく、名を呼び返してみたり。
「なんどすか、シンタローはん」
「痛ぇよ」
ようやく交わる視線が嬉しくて、乱暴に口唇を合わせた。
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