アラシヤマはわずかに震えたような手のひらを伸ばし、静かすぎるほど静かに俺のむき出しの腹に乗せた。
冷静に観察しながら、部屋の照明をすべて落とす。
こいつはまったく妙に人のことを神聖視してやがるのはわかっていたから、ここまでは予想通りだとぼんやり思って、すぐに、予想なんてしていたのか俺は、と羞恥と呆れに顔が赤く染まることを耐えるのは困難になった。
そして急に、些か乱暴に腕を引かれ体を押され口唇を奪われ脚の自由も奪われる。
熱い荒い息。
首の皮膚に柔らかく引き裂くような痛み。
がっつくな、と呟いた言葉は小さすぎて、濃い闇に呑まれて消えた。
PR