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日記に書き散らした物をサルベージ。
下に行くほど新しいです。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆

サービス×シンタロー


『おじさん…』
私の腕の中のこの子供は、怯える動物のように身体を震わせる。
『何も怖がることはないんだよ…』
出来る限り優しくその耳元に囁くと、おずおずと私に視線を合わせた。
深く艶やかな漆黒の瞳。
それは“彼”にとても似ているけど、似て非なる色。
私はこの瞳を見ると、どうにも心落ち着かない。
『おじさん、俺…』
尚も言い募る彼の唇をそっと指先で封じる。
指先を掠める吐息。
甘い甘い、これは毒だ。
『何も言わなくていい』
不安と期待が綯い交ぜになった瞳を覗き込み微笑む。
『私はお前を愛しているよ』

――そう、孤独に苛まれるお前を受け入れてあげよう。
  異端のその髪も、瞳も、身体も。

『だから、私だけを愛しておくれ』


◆ ◆ ◆ ◆ ◆

シンタロー_不機嫌


気に喰わねぇ!!
俺は誰だ?
ガンマ団総帥のシンタローだ!
それも、イキナリ据え置かれたお飾り総帥じゃねぇ。
…まぁ、流石にオヤジと比べられると見劣りするかもしれねぇが、
自他共に実力を認められて総帥になったんだ!
確固たる信念、ってやつもある。
だのに、やれ二言目には
『無茶はするな』だの
『少しは休め』だの
『お前を守る』云々…。

いや…、あいつの気持ちも分かるんだ。
でもよ、そうやって俺を甘やかすあいつこそ無理してるんだよ。
ちったぁ肩の力抜いて、俺にも甘やかされろよ。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆

シンタロー&キンタロー_エスケープ


「シンタロー!!一体何処に居る?!」
普段は決して取り乱すことの無い従兄弟が、必死に俺を呼ばわっている。
その声はどこか必死で、ちらりと悪い気もするがそれに気付かぬ振りをして歩を早める。
大体、何処に居ると問われて素直に答える奴はほとんど居ないだろう。
逃げている身であるなら尚更だ。
俺は此処にくる途中見つけた裏道に滑り込むと、後ろも見ずに駆け出した。
夕暮れ時の街中を軽やかに走る。
方々で夕餉の食材を商う声が聞こえてくる。
人々の声、熱気。
ああ、なんて“生きて”いるんだ。
走りながら目にした顔は、男も女も皆、生を謳歌していた。
この国が根底にどんなに渦巻くものを隠しているか、彼らは知らないのだろうか。

そして、そのどろどろとしたものを一掃するために、俺が、俺たちが何をしようとしているか。

気が付けば、街のはずれに立っていた。
古代の城壁を思わせる重厚な壁が途切れ、舗装されていない剥き出しの道へと続く。
そこは活気に満ち溢れた人々を守る街への入り口であると同時に、
まるで彼らが隠しているものを暗示するような鬱蒼とした森の入り口でもあった。

「…こんな所に居たのか」
やれやれと、これ以上ないくらいに聞きなれた溜息が背に掛けられた。
「今夜は一旦、艦に戻るぞ」
彼は俺を咎めない。
俯き押し黙った俺の肩に触れ、軽く促す。
彼は嘗て俺であった所為だろうか、何も言葉に出さずとも俺の気持ちを察す。
それは時に俺を苛つかせたが、慣れてしまえばこれ以上無いほどの心地良さを与えてくれた。
けれど、その心地良さが今はかえって辛い。

「…シンタロー。夕食の後、一杯付き合えよ」
「…ああ」

俺は短く息を吐き出すようにそれだけ応えると、重い足取りで元来た道を引き返す。
2.3歩歩き、思い出したように振り返る。
やけに綺麗な夕日がその身を暗い森に沈める間際、俺の目を射た。



◆ ◆ ◆ ◆ ◆

S&S_馨


その日、一日の激務を終えて自室に戻ると、ふと嗅ぎ慣れない匂いが鼻先を掠めた。
およそシンタローの生活とは程遠いこれは…。

香水。

シンタローにその名は分からぬが、それでもどこか記憶の端に掛かる香り。
それは紛れも無く、彼の人が好んだものに間違いない。

あの島での出来事以来、彼は意識的にシンタローを避けている節があった。
お互い新しい生活の多忙さもあったが、それでも時間を作ろうと思えば不可能ではなかった。
彼が抱えていた過去、そして複雑な想い。
全てが明らかになって、そして新たな現実が、道が彼の前に開かれた。
シンタローがそうであったように、彼もまたその道を自ら受け入れ歩みだした。

それでも、彼はシンタローの事を忘れた訳では無かった。
その証拠に、こうして時たま彼の不在を狙ったように部屋を訪れては数時間を過ごして行くようだった。
残り香が残る程に。

彼が何を思い、シンタローの部屋を訪れるのか。
それはシンタローには解らない。
けれどだからといって、彼を問い詰める気にもならなかった。

上着をソファーに投げ捨て、勢い良くベッドに倒れ込む。
「あ…」

柔らかな香りが、一層強くシンタローを包み込んだ。




◆ ◆ ◆ ◆ ◆


2004.3~
copyright;三朗

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聖 戦





その日、朝から嫌な視線が付きまとっていることにシンタローは気付かない振りをしていた。
毎年この時期になると感じる視線。
突き刺さるような、纏わり付くような、とにかく落ち着かない不快な視線だ。
しかもそれは年を追う毎に数を増やし、かつ濃さを増している気がする。
一戦闘員の頃から似たような視線は感じていたが、この日だけは特に瘴気が濃いのだ。
そう、今日は2月14日。
世に言うバレンタインデーである。
シンタローは確かにモテる。
友情から愛情まで、男女問わず想いを寄せられることは多い。
けれど、どこか人を寄せ付けぬ雰囲気からか、面と向って彼に想いを告げることは滅多に無い。
そんなシンタローファン達にとって、世界公認の告白チャンスであるバレンタインデーは、
決してはずすことの出来ない大切な日の一つである。
団内のテンションが高まるのも無理は無い。
しかし、実際にそんな秋波を一身に受けるシンタローにとっては楽しいものではなく、
凛々しい眉は常に寄せられて益々人を遠ざける。
その様子にまた、一層熱を上げるファンが増えることをシンタローは気付かない。

一進一退の心理戦が繰り広げられていること知らないのか、または知っていて気付かぬ振りをしているのか、
今年は思わぬ伏兵が彼らをざわめかせた。


「シンタロー、これは俺の気持ちだ」
目の前に差し出されたベルベット・ローズの花束。
ご丁寧に金の縁取り模様のついたカード付き。
差し出しているのは、僅かにはにかむように微笑んでいるキンタロー。
暦の上では春とはいえ、まだ寒さ残る2月の午後。
日当たりの良いラウンジで紅茶の香りを楽しんでいたシンタローは、
突然の出来事にうまく対処できずに居た。
「…え、えっと…」
「どうした?…受け取っては貰えないのだろうか?」
カップを手にしたまま固まっているシンタローの姿を拒否ととったのか、
キンタローは形のよい眉をひそめる。
しかし、すぐさま何かに思い至ったような顔つきになると、シンタローの前の椅子に腰を下ろし話始めた。
「グンマから今日はバレンタインデーだと聞いた。
バレンタインデーと言えば西暦270年2月14日に処刑された聖バレンチノを起源とする…」
「い、いや!そうじゃなくてな!!」
シンタローは、滔々と語り始めたキンタローの口を慌てて塞ぐ。
そう、シンタローもバレンタインデーの起源くらいは知っている。
日本ではチョコレートを贈るが、実際は普段の感謝や親愛の意味を込め、
家族や恋人同士でカードや花束、菓子を贈りあう日だ。

キンタローにバレンタインの情報を吹き込んだのはグンマだというのは分かった。
どのように話したかは分からないが、ほぼ正確に情報は伝わったらしい。
二人が分離してから、紆余曲折の末に互いが互いを支えあい、必要とし合うほどに大切な存在になった。
特にキンタローにとってシンタローは、生きていく上での指針様な存在である。
まるで親鳥に付いて回る雛鳥の様に、公私共にキンタローがシンタローと共に居たがっていることも分かる。
子に慕われて嬉しくない親は居ない。
感情が未だ未分化のキンタローが、必死にシンタローに気持ちを伝えようとする姿は、
シンタローにとって嬉しいものであるが、同時にくすぐったくもあった。
今回のことは、そんな二人の姿を見たグンマの心遣いであろう。
では何が問題か?

それまで全くの無音だった空間に、徐々にざわめきが広まってゆく。
ひそひそと交わされる声に、シンタローやキンタローの名が含まれているのは、嫌でも聴こえてくる。
日当たりの良いラウンジ。
そう、ここはガンマ団内本部塔に設えら得た喫茶室である。
肩書きの有無に係わらず、すべての団員が自由に使えるようにと開放されたそのスペースの真っ只中で、
キンタローはシンタローにバラの花束を差し出したのだ。

キンタローに他意が無いのは分かる。
分かるのだが、如何せん場所とタイミングが悪かった。
今まで高嶺の花と近寄りがたかったシンタローに、臆することなく告白するキンタロー。
そう他の団員達の目には映った。

そして団員達は思った。
確かにキンタローはシンタローの副官と言う立場にあり、一団員の自分達とはスタートラインが違う。
しかし、シンタローを慕う気持ちは誰にも負けない。
気持ちを受け入れては貰えないかもしれないが、気持ちを伝える事は誰にも禁止されていない。
いや、この想いを止める事は誰にも出来ない。
そうだ、想いを伝えたい!
ぶつけたい!!

ふつ…っと何かが切れたような気配。
途端にシンタローの背筋を、禍々しい何かが撫で上げる。
「…総帥」
ポツリと誰かが呟く。
きっとダムが決壊する瞬間はこんな感じなのだろう。
一瞬の沈黙の後、
「総帥ーーっ!!お慕い申し上げておりますっ!!!」
「総帥ーーっ!!自分は何処までも総帥に着いて行きますっ!!!」
凄まじい勢いでその場にいた団員達がシンタロー目掛けて一斉に駆け寄る。
口々に告白とも宣誓とも着かぬ言葉を叫びながら。
「シンタロー様ーっ!!愛してますーーっ!!!」



それから暫くの間、救護室は負傷者で溢れかえった。
しかし、どの顔も酷く幸せそうな顔をしていて、救護係を気味悪がらせたとか。

e n d
copyright;三朗


◇ ◇ ◇

シンタローアイドル伝説。
ガンマ砲で撃たれても幸せな皆さん。

ひたすら「バレンタインバレンタイン…」と念じながら打ったらこのようなことに。
ちなみに、キン×シンではありません(笑)
あくまでもキンタはシンちゃんを親鳥のように慕っているということで…。

ちなみに、シンタローは毎年この日は手料理や手作りの菓子をパパやグンマに振る舞います。
何時もより手の掛かった料理です。
上座にいるのはサービスなので、パパは悔し泣きします。


20050214
copyright;三朗







devilment





「総帥なんてご大層な立場になってから、鍛錬怠ってるんじゃないかと心配してるんすよ」
へらへらと笑うロッドに、シンタローのこめかみがピクリと跳ねた。

     ◇  ◇  ◇

それは偶然だった。
ロッドは上司の命令で報告書を本部へと提出した帰り、
ふと士官学校時代を思い出し立ち寄った先で意外な人物と鉢合わせした。
グラウンドの端の、ちょうど何処からも死角になるその木蔭で横たわる人影に嫌でも覚えがあった。
いや、人影というよりその色彩。
真っ赤なブレザーを丸め枕にし、気持ち良さそうに眠っているのは現総帥のシンタローだった。
「…シンタロー様?」
思わずロッドはその名を口にする。

シンタローが自分の気配に気付き、すでに起きていることは判っている。
だから態と間近に膝を付き、真上からその顔を覗き込んで瞳を開けるのを待った。
寝返りを打つ振りをして視線をかわそうとするシンタローの動きを封じることも忘れない。
暫らくそのままでいたが、シンタローが起きるまでロッドにその場を離れる意思はない、
と悟ったシンタローは渋々と目を開けた。
そして開口一番がこれである。
「総帥にお手合わせ頂けると嬉しいんすけど?」
ロッドは悪戯っぽく笑った。
お誂え向きに、すぐその先に訓練施設がある。
銃火器の使用も可能な其処は普段は厳重にロックされているが、
総帥の持つパスコードなら何処にでも入り込めるだろう。
それに、手馴れた相手との組み手よりは予測がつかない分緊張感もあり、また楽しめる筈だ。
しかし忘れてはならないが、あの叔父の部下なのだ、この男は。
簡単に気を許す事は出来ない。
「そんなに警戒しなくっても大丈夫っすよ?」
シンタローの内心を察したのか、ロッドは身を屈めると顔を寄せ、更にニィと笑う。
暫らく考え、溜息混じりにシンタローは緩々と頭を振った。
「…そうだな、あんまり深く考えるのは止しとくよ」
「そう来なくっちゃ!」

元々ふらりと立ち寄っただけの訓練スペースだ。
二人は上着を脱ぎ捨てただけの格好で対峙する。
「じゃあ、一つだけルールを。
お互いに“特技”は無しってことで」
手首を解しながら声を掛けるロッドに、シンタローは「構わない」と軽くストレッチをしながら答えた。
特技とは、ロッドは風を操る能力に、シンタローは秘石一族の人間だけが使う事の出来る眼魔砲のことだ。
特殊能力者を多く集めたガンマ団において、上位の能力を有する二人の人間が、
組み手とは言え手合わせするのだ。
力をセーブしなければ互いどころか、周囲にも多大な被害を与えることになる。
「純粋に体術のみで。言っときますけど、俺ってば結構強いっすから」
相変わらずのニヤニヤ笑いだが、瞳から笑みが消えている。
静かにスイッチが切り替わった瞬間、それまでの笑みが薄ら寒いものに感じた。

ロッドの言葉は決してハッタリではない。
それはシンタロー自身、ロッドの能力を目の当たりにしたことで知っている。
だからこそ、彼ら特戦部隊の存在を危惧しているのだ。
彼等はあまりにも危険すぎる。
しかし、シンタローもただ手を拱いているだけではなかった。
統制を乱すものに容赦する気は更々無い。
本意では無いが、力を持ってしか解決出来ぬ問題なら、それ相応の対処をするまでだ。
先ずは手始めにこの男から。
沸々と身の内に湧き上がる高揚感に、自己嫌悪を覚えつつシンタローは唇を歪ませた。
「せいぜい俺を楽しませてくれよ」


東洋の武術に倣い、互いに軽く礼を交わすと構えを取る。
シンタローの体術のベースは空手だが、ロッドの構えはボクサーのそれに似ていた。
利き腕側を後ろに引き、軽く跳ねる。
突き出された反対の拳は、正確にシンタローへと照準を定めていた。
ジリジリと互いに間合いを計り、先手を繰り出す瞬間を狙っている。
先に動いたのはロッドだった。
一気に間合いを詰めると、鋭いストレートがシンタローの顔面を襲う。
しかしシンタローは左上段から迫る拳を右腕で受け流し、そのまま手首を掴まえロッドの右腕を封じると、
空いた左で肘打ちを叩き込み、更にその反動で下段払いを見舞う。
シンタローはよろめいたロッドの隙を見逃さず、半歩身体を引くと中段突きを放った。
その間僅か数秒。
流れるような動きに、シンタローの黒髪が僅かに揺れた。
ロッドはそのまま後方に数歩後退り上体を折る。
「…あんだけでかい口きいてこれだけか?」
些か期待はずれな幕切れに、シンタローが口を開く。
そして用は済んだとばかりにくるりと背を向けると、ロッドの声が背後から追ってきた。
「…流石は総帥。伊達じゃないってことっすね」
口振りは軽率だが、底知れぬものを潜ませた声にシンタローが振り向く。
「俺達の手綱を握ろうってんなら、こうじゃなくっちゃ面白くねぇよな」
「何だって…」
シンタローが言い切るより早く、再びロッドの拳が迫る。
下から突き上げるそれはシンタローの右脇を掠めた。
紙一重でロッドの拳をかわすと、反対から腹を狙ってくる。
中段で防御の型を取れば空かさず上段に攻撃の手は移り、軸足を狙い足払いをかけるとスイッチバックで逃げる。
重量級の見掛けながら、その動きは素早く反応は鋭い。
防御の合間に繰り出されるシンタローの突きを無駄なく受け流す。
ロッドこそ伊達に特戦部隊の一員という訳ではない。
彼ならば、例え特殊能力が無くとも一流の暗殺者として何処でも通用する技量を持っている。

シンタローは体術においてロッドに引けを取るとは思っていないが、如何せんスタミナの差があるように思えた。
体格にしてもそうだ。
身長こそ大して違わないが、ウェイトは敵わない。
素早い動きに対応出来る様シェイプされたシンタローの肉体に、無駄な筋肉は一切無かった。
それに対しロッドの身体は肉厚の筋肉に覆われ、強烈にアピールしてくる。
常に他者の目を意識し鍛えられた筋肉は、そもすれば単なる飾りにしか成らないが、
ロッドの場合は実益も兼ねていたということだ。

このまま打ち合いを続けていれば、必ずシンタローはスタミナ切れを起こす。
それだけはどうしても嫌だった。
(一気に片を付けるか…)
シンタローは静かに息を吐き切ると、再び構えを取る。
その時、シュンッという扉が開く音と同時に、二人の間に聞き慣れた声が割って入った。
「お前等、俺様を抜きにして何楽しいことやってやがんだっ!」


「…ハーレム!」
「…隊長!」
シンタローとロッドは構えのまま同時に声を上げる。
「おら、何時まで遊んでやがるんだ」
ハーレムはずかずかと近寄ってくると、続けざまに二人を殴った。
「おい!ロッド!手前は遣い一つまともにやれねぇのか!」
「ああ、すんませんっす!」
そもそも、ロッドは報告書を提出に来ただけだったのだ。
それはシンタローもロッドから聞いていた。
ハーレムはロッドの首をガッシリと掴まえ、こめかみにグリグリと拳を押し付けている。
「シンタロー!手前もあんまりこいつを焚き付けんなよ」
投げられた言葉は、すでにシンタローの耳には入っていなかった。

殺気さえ漂う緊張感は完全に吹き飛んでしまった。
急に気合の抜けてしまった間抜けな空間に、シンタローはこれ以上居たくは無かった。
尚じゃれ合う叔父とその部下を残し、シンタローは上着を手に取るとさっさと歩き出す。
しかし、完全に放出出来なかった欲求が、シンタローの胸のうちをぐるぐると駆け回る。
逃げ場を無くした衝動に唇を噛む。

――そして、自ら孕む破壊への衝動に再び嫌悪する。


「何時か続きやりましょうねー」

扉を抜ける間際聞こえた、妙に明るい声ロッドの声に、シンタローは気付かぬ振りをした。


e n d
copyright;三朗



◇ ◇ ◇

ロッドとシンタロー。

密かにロド→シン萌えなんで一つSSでも…なんて思ったんですが。

あ、あれ?全然色っぽくならない(笑)


20040419
copyright;三朗









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