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kkk
会議を終えて総帥室に帰って来ると、何やら先客がいた。
「・・・なにやってんだ、キンタロー」
何やら黙々と書き物をしているキンタローは、どこか人を寄せ付けないオーラをまとっていた。ちらりと見えた万年筆の先端は、何やら難しい記号や指揮を羅列していて、少し見ただけでも目をそらしたくなった。
「分析だ」
何を今更、とまでに一言言って退けて、キンタローは「分析」とやらを再開した。
「それは別にいいんだけどよ、そこじゃなくちゃ駄目か?」
キンタローは、床に立て膝を付き、総帥用のデスクでひたすらに万年筆を走らせていた。格好を気にしないはずがないキンタローがこんな変な姿でしているからには相当急ぐものだったんだろうが、それにしても自分が帰って来たからにはどいて欲しいというのがシンタローの一番の気持ちだった。
「あと少しだ」
キンタローは小さくそう言って、紙を裏返しさらにペンを走らせる。どうやら待つしか無くなったシンタローは、近くの来客用のソファに腰掛けキンタローの様子を見守る。さらさらとペンの音だけが、部屋の中に在った。
不意にキンタローは、トン、と最後に紙をペンで叩いて、立ち上がる。
「終わったか?」
「ああ」
満足したのか、キンタローは笑顔で答える。
「そりゃよかった」
これから山積みの仕事を片付けなくちゃならないんだ、と、キンタローとは反対に苦笑いを浮かべて、シンタローは言う。それに答えるようにキンタローは微笑んで、インクで黒くなった紙に視線を落とした。
「シンタロー」
「ん?」
それは告白とも呼べないような、独り言のようなものだった。
「・・・好きだ」
迷いも無く、キンタローは言う。まるで天気の話でもするみたいに。
「・・・は?」
聞き慣れない言葉に、シンタローは立ち止まる。しばらくして、思い出したようにシンタローは喋り出す。
「・・・なに言ってんだ?キンタロー」
「俺はお前が好きだと言っている」
まるでさっきと変わらぬ様子で、キンタローは少しだけ長くなった言葉で、もう一度「告白」をした。
・・・ああ、なるほど。
「ふざけてんな、キンタロー」
どうやらこの男は自分が世間知らずなのをいいことに、ふざけて周りのひとで遊ぼうとしているらしい。その手には乗らないと、シンタローはキンタローの言葉を笑い飛ばす。
「ふざけてはいない。本心だ」
言って、キンタローは紙を差し出す。見たって分からないとは思ったが、シンタローは一応受け取る。いくつもの長い式をざっと目でなぞって、次にキンタローを見る。
「これが何だ?」
「分析の結果だ。どうやら俺はお前が好きらしい」
裏返してみれば、そこには”=0”の文字。それが、式の答えらしい。
「俺はお前が好きだ、シンタロー」

図らずもシンタローは頭を抱えることになる。
ただ、受け流すにはもったいない言葉だと、思った。


キン×シンの告白はこんなんだったろうなと想像してます
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