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「逆やのうて?」
「逆じゃねぇよ」
アラシヤマが俺のことを好きだなんてぬかす理由は、至って簡単。
〝俺がアラシヤマのことを多少なりとも好いていると思っているから。〟
つまりは、こいつは臆病なんだ。自分のことを好いてくれてると確信のある相手じゃなければ、好きになれない。
まぁ、こいつのこの思い込みは、俺が言った嘘を信じ込んでいるからのもので、あの時、あの島で俺が言った嘘は、自分の首も締めている。

だからこそ、互いに任務の無いときを狙って俺にくっついてくるアラシヤマに向かって俺は口を開いた。
「お前の気持ちは愛でも何でもねーんだ」
自分で告げた言葉が、諸刃となって胸をえぐる感覚がある。
──そう、俺は別に愛されてなんかいない。それは、とっくに知っていたはずだ。
「…でも、わてはシンタローはんのことを」
「お前は愛したいんじゃない、愛されたいだけなんだよ」
「シンタローはん、わての話聞いて」
「聞く必要なんかねェよ」
そんな悲しそうな顔されたって、困る。
だって、誰かが言ってやらなきゃ、お前は気がつかないだろ?

「愛してますえ?」

お前が俺に求めているものと、俺がお前に求めているものは違うんだ。

俺の気持ちはお前には届かないし、お前の気持ちは俺に届かない。

(04/06/08)

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