シンタローが総帥室で忙しく執務をこなしていると、コンコンとドアをノックする音がし、「失礼します」と言ってアラシヤマが入ってきた。
「この前の任務の報告どす。シンタローはん、ここに置いときますえ?」
そう言いながらアラシヤマは総帥机の上に報告書の束を置いたが、シンタローは、
「おう」
と一言返事をすると、アラシヤマの方を見もせず、眉間に皺を寄せて、今読んでいる書類に書かれてあった内容について考え込んでいた。傍からみると、アラシヤマが来ていることを認識しているのかどうかさえも、定かではなかった。
「シンタローはん。わてが今、ここに来とること、わかってはります?」
「ああ」
「・・・コタローはんとマジック前総帥のどっちが好きどすか?」
「ああ」
「―――わてのこと、好」
アラシヤマは何か言おうとしたが、突然、シンタローは読んでいた書類を机に置き、
「さっきから、ゴチャゴチャとうるせえッツ!眼魔砲!!」
と言って、アラシヤマに向けて眼魔砲を撃った。
その後、
「あれ?アラシヤマ、オマエいつから居たんだ?ったく、一言挨拶ぐらいしろよナ!」
と、床に倒れているアラシヤマに向けてそう言った。
しばらく倒れていたアラシヤマであったが、眼魔砲のダメージから回復すると、
「シンタローはーん!非道うおす~!!やっぱり、ずっとわての存在に気づいてなかったんどすかぁ!?あんさん、最近、仕事中毒気味とちゃいますの?働きすぎは体に毒どすッツ!!」
起き上がって、抗議した。
シンタローは、かなりムッとしたようであったが、色々と思い当たる節もあったようで、
「―――んなこと、オマエに言われるまでもねェし」
そう、すねたように返事をした。
「あんさん、ほんまに分かってはります?」
と、アラシヤマは疑り深げな様子であったが、急に何か思いついたようであり、笑顔で、
「ほな、ここはひとつ、今からわてと息抜きしまへんか」
と言った。
「・・・何すんだヨ?」
シンタローが、非常に胡散臭げにアラシヤマの方を見ると、
「ファースト・エイドの復習どす~!!(この前は、もうちょっとのところで変態ドクターに邪魔されましたさかいナ!)」
アラシヤマはそう言いい、対するシンタローは、
「ヤダ」
―――即答であった。
「・・・そうそう、シンタローはん。この前の遠征の時、わてとやった賭け将棋で大負けしましたやろ?その分の掛け金、まだ支払ってもらってまへんでしたな」
「全く、覚えがねぇナ!」
「踏み倒そうったって、そうはいきまへんえ?いくらシンタローはんといえども、わてはきっちり取り立てますさかいに!」
「・・・ファースト・エイドつっても、色々あんだろ?何すんだヨ」
「今回は、やっぱり基本中の基本の人工呼吸どす~!!」
シンタローは、しばらく考えていたが、急に何かを思いついたようであり、笑顔で、
「いいゼ」
と言った。
(やっぱり、シンタローはんも、なんだかんだいいつつ実は待っとったんどすな!!)
そう、アラシヤマは自分に都合のいいように解釈してニヤニヤしていたが、シンタローは机のほうに戻ると引き出しを開け、
「ホラ、これ使え」
と、何かをアラシヤマの方に投げた。
「・・・何どすか?コレ」
何かゴムのようなものでできた物体を受け取ったアラシヤマが、不思議そうに尋ねると、
「人工呼吸の補助器具。これを使うと、マウス・トゥ・マウスじゃなくても大丈夫だ!最近は、血液感染の問題とかいろいろうるせェしな」
と言った。それを聞いたアラシヤマが、
「えぇ~ッツ!?こんなん使いますと、応急手当にかこつけて、シンタローはんにキスできまへんやんッツ!!せっかく、それ以外のことも色々しようかと楽しみにしとりましたのに――!!」
思わず本音をもらすと、
「・・・テメェ、そんなこと考えてやがったのか?出て行きやがれ――ッツ!!眼魔砲ッツ!!」
先程よりも威力の大きい眼魔砲をシンタローは撃った。
「シンタローはーん!!わては、あきらめまへんえ~~・・・」
アラシヤマは、眼魔砲の衝撃で部屋の外に飛ばされ、姿が見えなくなった。
シンタローはドアを閉めると、
「・・・マァ、一応、息抜き程度にはなったナ」
と言って溜息をつき、再び書類に目を落とした。
「この前の任務の報告どす。シンタローはん、ここに置いときますえ?」
そう言いながらアラシヤマは総帥机の上に報告書の束を置いたが、シンタローは、
「おう」
と一言返事をすると、アラシヤマの方を見もせず、眉間に皺を寄せて、今読んでいる書類に書かれてあった内容について考え込んでいた。傍からみると、アラシヤマが来ていることを認識しているのかどうかさえも、定かではなかった。
「シンタローはん。わてが今、ここに来とること、わかってはります?」
「ああ」
「・・・コタローはんとマジック前総帥のどっちが好きどすか?」
「ああ」
「―――わてのこと、好」
アラシヤマは何か言おうとしたが、突然、シンタローは読んでいた書類を机に置き、
「さっきから、ゴチャゴチャとうるせえッツ!眼魔砲!!」
と言って、アラシヤマに向けて眼魔砲を撃った。
その後、
「あれ?アラシヤマ、オマエいつから居たんだ?ったく、一言挨拶ぐらいしろよナ!」
と、床に倒れているアラシヤマに向けてそう言った。
しばらく倒れていたアラシヤマであったが、眼魔砲のダメージから回復すると、
「シンタローはーん!非道うおす~!!やっぱり、ずっとわての存在に気づいてなかったんどすかぁ!?あんさん、最近、仕事中毒気味とちゃいますの?働きすぎは体に毒どすッツ!!」
起き上がって、抗議した。
シンタローは、かなりムッとしたようであったが、色々と思い当たる節もあったようで、
「―――んなこと、オマエに言われるまでもねェし」
そう、すねたように返事をした。
「あんさん、ほんまに分かってはります?」
と、アラシヤマは疑り深げな様子であったが、急に何か思いついたようであり、笑顔で、
「ほな、ここはひとつ、今からわてと息抜きしまへんか」
と言った。
「・・・何すんだヨ?」
シンタローが、非常に胡散臭げにアラシヤマの方を見ると、
「ファースト・エイドの復習どす~!!(この前は、もうちょっとのところで変態ドクターに邪魔されましたさかいナ!)」
アラシヤマはそう言いい、対するシンタローは、
「ヤダ」
―――即答であった。
「・・・そうそう、シンタローはん。この前の遠征の時、わてとやった賭け将棋で大負けしましたやろ?その分の掛け金、まだ支払ってもらってまへんでしたな」
「全く、覚えがねぇナ!」
「踏み倒そうったって、そうはいきまへんえ?いくらシンタローはんといえども、わてはきっちり取り立てますさかいに!」
「・・・ファースト・エイドつっても、色々あんだろ?何すんだヨ」
「今回は、やっぱり基本中の基本の人工呼吸どす~!!」
シンタローは、しばらく考えていたが、急に何かを思いついたようであり、笑顔で、
「いいゼ」
と言った。
(やっぱり、シンタローはんも、なんだかんだいいつつ実は待っとったんどすな!!)
そう、アラシヤマは自分に都合のいいように解釈してニヤニヤしていたが、シンタローは机のほうに戻ると引き出しを開け、
「ホラ、これ使え」
と、何かをアラシヤマの方に投げた。
「・・・何どすか?コレ」
何かゴムのようなものでできた物体を受け取ったアラシヤマが、不思議そうに尋ねると、
「人工呼吸の補助器具。これを使うと、マウス・トゥ・マウスじゃなくても大丈夫だ!最近は、血液感染の問題とかいろいろうるせェしな」
と言った。それを聞いたアラシヤマが、
「えぇ~ッツ!?こんなん使いますと、応急手当にかこつけて、シンタローはんにキスできまへんやんッツ!!せっかく、それ以外のことも色々しようかと楽しみにしとりましたのに――!!」
思わず本音をもらすと、
「・・・テメェ、そんなこと考えてやがったのか?出て行きやがれ――ッツ!!眼魔砲ッツ!!」
先程よりも威力の大きい眼魔砲をシンタローは撃った。
「シンタローはーん!!わては、あきらめまへんえ~~・・・」
アラシヤマは、眼魔砲の衝撃で部屋の外に飛ばされ、姿が見えなくなった。
シンタローはドアを閉めると、
「・・・マァ、一応、息抜き程度にはなったナ」
と言って溜息をつき、再び書類に目を落とした。
PR