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「真紅のバラの花言葉って知ってる?」

渋面になった顔を見上げながら尋ねる。

「・・・。」

むっつりと黙ったまま答えてくれない。

「大事な人だったの?」

さらに問いを重ねる。

「お子ちゃまには関係ねぇ~だろ。」

心なしか頬を赤くした顔で答えてくる。

(素直に大事な人だって答えればいいのに)

少しむっとした私は、ちょっとした悪戯を思いつき実行した。

「そんな奴僕が忘れさせてやるからな!」

(無理だよ、きっとお前は忘れはしない)

「なっ!!」

触れるだけのキスをしてその場から一目散に逃げる。
光で満ちた墓地を後にした。

 

****

 

仄暗い廊下を進む。
遥か昔に打ち捨てられたはずの研究棟。
破棄されたはずの施設は秘密裏に今も存続している。

「経過は良好のようですね」

施設の一室、白い蛍光灯の光の下で白衣の男と顔を合わせる。
定期的な検査だ。

「あぁ。おかげであの子と楽しい日々を送っているよ。」

少年にしては大人びた口調。
これが本来の私だ。

「それもこれもお前が研究を成功させたおかげだ。」

目を細め白衣の男を見る。

「興味深かったからですよ。不死は我々科学者にとっては永遠のテーマですから。」

そう言う男も今や不死者だ。

「だが、これで終わりではないのだろう?高松。」

我々は、今やありあまる時間を手にしたのだ。

「ええ。今度は他のテーマで研究を進めて行こうと思っています。」
「他のテーマ?」
「物質の根源。惑星の持つ力。遺伝子。特異な能力。」
「・・・テーマはつきないようだね。」
「探究心がなくなれば研究者は終わりですよ。」

口元を歪めて男は笑う。

「・・・そろそろ、戻る。」
「そうですね。あまり長くここにいるのは良くないでしょう。」

ここには狂気が淀んでいる。

「マジック様。忘れてはいけませんよ。我々は共犯者だ。」

「共犯者?永遠を望むのはいけない事かい?」

「いいえ。神をも恐れない貴方様らしいお答えです。」

さらに口元を歪め男は嗤う。

見据えた瞳に狂気が見えた。

 

はたしてそれは、その男の物なのか、男の瞳に映る私の物なのかー

 


◇あとのあがき◇
19-不死身を読んでから読まないと意味不明だと思われます・汗
読んでも意味不明かもですが・滝汗
ほんのりチャンネル5をにおわせてみたりなんかして・・・
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