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【理想と現実】

あぁ、この顔。
コタローの父親である顔。
きっと幼少の頃は自分好みの美少年だったろうに。
行為の後、乱れたシーツの上で 傍らで眠る父親の顔をまじまじと見つめる。
もし外見が10代そこそこの少年で、中身が今のマジックであったなら
もしかしたら最高かもしれない。
普段なら鬱陶しいと感じるスキンシップも受け入れてしまいそうな気がする。
それどころか、鼻血まで垂らす勢いだ。・・・いや、さすがにそれは無いか。
何を馬鹿な事を考えているんだ、と頭を軽く振る。
すると、後ろから華奢な両腕が生えてきて自身の身体を強く抱き締めた。

そんなに若い子が良いの?

ボーイソプラノが耳元で言葉を紡ぐ。
どくどくと心臓の音が五月蝿い。
相手の唇が触れた耳が、とても熱くて・・・
「どうなの?」
振り向いて息が止まる気がした。驚いて、眼を見開く。
長い睫毛、白い肌。金色の髪、美しい群青色の瞳。
思わず、見とれた。
少しだけ前を肌蹴させた白いシャツから覗く細い首と鎖骨に喉が鳴る。
今 自分がどんな顔をしてるか、解かってる?
まるで獲物を捕らえる前の飢えた狼みたいだよ、シンタロー。
変態・・・と静かに付け加え、少年は目を細めて唇の端を吊り上げる。
その表情に、シンタローは事後だと言うのに自分が興奮していくのが解かった。
既に露わになっている胸に手を置かれる。
そこにあるものを指で挟まれたり、嬲られたり、口で咥えられたりするとたまらなくて
目尻に涙が浮かんだ。感じる。凄く。
「くれぐれも犯罪者にならないようにね、シンちゃん。」
カッとなり、馬鹿を言うな、と大声を上げそうになったが思い留まった。
そんな事をしたら、隣で寝息を立てている男を起こしてしまうかもしれない。
しかし隣で眠っているのはマジックで、じゃあ目の前にいるこの少年は一体誰なのか。
シンタローの心の内を見透かしたように、少年は言った。

僕が誰だろうって?オマエのパパだろう、と。

同じ空間に同じ人間が二人もいるなんて、有り得ない。
しかも、一人は自分好みの美少年。
以前、マジックが言っていた『コタローはパパ似だよ』の言葉が頭の中を過ぎった。
見れば見る程綺麗だとため息を打ちそうになる。
シンタローがぼんやり見惚れていると、マジックと名乗る少年は肩を揺らして笑った。
それにむっとして、シンタローが「何だよ」と口を尖らせるとマジックは素直にゴメン、と謝った。
マジックの両手がシンタローの手首をさらい、ベッドに縫い付ける。
薄い胸板がシンタローの視界を遮った。
オマエがいつも可愛いから今日はちょっとしたサービスだよ、と告げられてしまう。
こんなサービスだったら毎日だって受けたい。シンタローは思った。
肩に顔を埋められた瞬間、名前を呼ぶ。

――――――どんな夢見てるの?

マジックに声をかけられ、目が 覚めた。
半身を起こして自分の顔を眺めている男の顔を、凝視する。
シンタローは全て夢だったのだと気付き、羞恥でかぁーっと顔が赤く染まると同時に
良い所で起こされた事に腹を立て、マジックの足を蹴った。
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