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 昨日は、夢見が悪かった。
 もう、何の夢を見たか忘れたが、とにかく嫌な夢だったことだけは分かる。
 気が乗らないまま、総帥室で書類を眺めていると、アラシヤマが部屋に入ってきた。
 「シンタローはーん!あんさんのアラシヤマが来ましたえ~vvって、どないしはったんどすか?なんや顔色が悪うおますえ?」
 アラシヤマは机に書類を置くと、机越しに心配そうに俺の顔をのぞきこんだ。
 「何でもねぇヨ」
 面倒だったが、俺が少し笑って見せると
 「それは嘘ですな。あんさん、今明らかに作り笑いしてはりますし」
 深刻そうな顔でアラシヤマはそう言うなり、いきなり俺の両頬をつまんで引っ張った。
 「ホラ、シンタローはん。スマイル、スマイル。やっぱり、あんさんには笑った顔が似合いますわ!」
 俺は、アラシヤマの手を振り払い、
 「・・・てっめぇ、ソレ、本気で言ってんのかヨ!?眼魔砲ッツ!!」
アラシヤマに向けて眼魔砲を撃った。
 「い、痛うおす~」
 アラシヤマは丈夫なのかなんなのか、しばらくすると、立ち直ったみたいだ。
 「ほんまに、シンタローはんは容赦おまへんなぁ・・・。普通の人やったら死んでましたえ?まぁ、わてはガンマ団№2やさかい、なんとか大丈夫どすけど。そんなことより、元気出はりました?あぁ、その顔を見ますと、もう大丈夫そうどすな」
 アラシヤマが苦笑しながらそう言うので、俺は、
 「何で、オマエにそんなことが分かんだヨ?」
 と聞くと、
 「そりゃぁ、わてはいつもシンタローはんを見てますさかいな。例え、あんさんが逃げようと、地の果てまでも追っかけていきますえ~vvv」
 それを聞いた俺は、
 (怖ぇ。このストーカー)
 と思ったが、少しだけ嬉しいような安心したような気持ちも確かにあった。
 確かに、コイツなら、やりそうだと思った。
 「俺、いつ消えるかもわかんねぇゼ?一回死んでるし」
 俺がそう言うと、
 「なんや。あんさん、そんなこと心配してましたんか」
 アラシヤマは、机を回り込み、椅子に腰掛けている俺を包み込むように抱きしめた。
 俺は、不意をつかれたせいか、どうしてもその腕を振り払うことが出来なかった。
 頭を抱えられて、目の前のアラシヤマの服しか見えない俺の頭上で、アラシヤマが言った。
 「大丈夫どす。ほら、日本の神話で夫婦の神様がおりましたやろ?神様やいうても死にはるんで、女神の方が死んでしまったんですわ。それをたいそう嘆いた男神は、愛する妻を取り戻そうと黄泉の国、マァ、死後の世界どすな、に出かけました。結局、彼は妻に会えたものの逃げ帰って来たんどすが、わてやったらそうはしまへん。必ずシンタローはんを見つけて、例えどんなあんさんであっても、絶対連れて帰ってきます。あんさんもご存知のとおり、わては不可能を可能にする男どすえ?」
 俺は、何か言うべきだろうと思ったが、涙しか出てこなかったので、誤魔化すようにアラシヤマの服に顔を押し付けた。
 アラシヤマの腕に力が込められ、少し苦しかった。
 俺は、叶わない願いだと何処かあきらめつつも、どんな形であれ、この腕がずっと俺の傍に在り続ければいいと思った。







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