忍者ブログ
* admin *
[170]  [169]  [168]  [167]  [166]  [165]  [164]  [163]  [162]  [161]  [160
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

10 【眩暈がするほど愛してる】


いやだ、と途切れる吐息に掠れた声が上がる。
その身体を組み敷き貪りながら、「何が嫌なの、シンちゃん?」と問えば、答えは無くただ首を横に振るだけだ。
……じゃあ、当ててあげようか。
パパに抱かれるのが嫌かな?
それとも私の存在そのものが?
そしてそんな相手に快楽を感じる事が…?
そんな言葉を囁けば、固く閉ざされていた瞼が上がり、黒い瞳が私に向けられた。
睨みつけているつもりだろうが、その歪められた表情は泣きそうなものにしか見えない。


この問いには、否定されたい思いと、それとは逆に肯定されたい思いが両方存在している。

───これ以上傷つけないように手放したい。だから肯定して、この手から逃れて欲しい。
───この腕に閉じ込めて手放したくない。だから否定して、この手を離さないで欲しい。

己の中にある相反する想いに、歪んだ愛情に、眩暈すら覚える。
私はこの子をどうしたいのだろう。
こんなに傷つけてまで、どうしたいと思っているのだろう。


ただ、愛している。誰よりも。
それだけは真実なのに。


お題は溺愛なのに、何かダークになってしまいました、すみません…;
PR
BACK HOME NEXT
カレンダー
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事
as
(06/27)
p
(02/26)
pp
(02/26)
mm
(02/26)
s2
(02/26)
ブログ内検索
忍者ブログ // [PR]

template ゆきぱんだ  //  Copyright: ふらいんぐ All Rights Reserved