■ハッピー☆ヴァレンタイン■
どこかそわそわとしてしまう、2月14日。
例えば、少し早起きして髪をセットしたり・・・
身なりを整えたりしてしまう。
なんだか空気も桃色に見えてしまったり。
・・・そんなものは高校生まで。
二十歳を超えたら、チョコがもらえようが、もらえなかろうが関係ない。
と思っている。のに・・・二十歳をとっっっくに過ぎたオヤジが朝からなんかやってやがる!!
「てめえ、何してんだよ」
確か、朝は白のスーツを着てた・・・お昼近くにはベージュ。そして昼過ぎ・・・今身につけている色はピ ンクときた。
胸には赤いバラが刺さっていて。
そんな浮き足だった様子にイライラと髪をかきあげて、ギロリと見やれば・・・
「何って・・・何が?」
姿身の鏡の前に立つと、ハテなとばかりに首を傾げて、親父が俺を見やる。
「だから、何色めきたってんだって言ってんだよ」
次に出る言葉はきっと、「バレンタインだから」に決まってる。っと思いながらも問いかけると案の定、思 った通りの答えが帰ってきた。
「だって、バレンタインだよ」
(そら、きた!!ビンゴ!!)
表情は変えずにやっぱりと・・・
どこまでも季節イベントを味わうやつだなぁっと感嘆としつつも、シラっとした気持ちで冷たく見やった。
(まだ欲しいのかよ・・・)
部屋の中には執務室だっていうのに、足の踏み場が無いほどチョコレートで埋め尽くされている。
こんなにまで、もらってまだもらう気でいるのかと思うと、呆れを通り越して感動さえ覚える。
「そんなに、あんたが甘いもの好きとは思わなかったぜ」
金・銀・赤など色々なリボンと見るからに、高価だと分かる豪華なラッピングが見たくなくとも、目に入る 。
それらを見回して、言葉を漏らした。
どうにもトゲトゲしい言葉が口からついてでる。が、それが嫉妬からだとは思いたくない。
あれだ・・・親父のが俺よりも、チョコが多いから・・・そうに決まってる。
張りあう気など、1ミリたりとも無いが・・・どこか負けているようで、感に触る。
できればこんな日は、親父と顔を合わせてたくない。
・チョコをせびられるか
・チョコをくれるか・・・
・親父のFanの多さを思い知らされるか・・・
3つに1つ。どれも当てはまるから、しゃれにならない。
それでも、親父に用がある・・・なんとか、3つの考えを頭の隅に追いやると、いざっ出陣!とばかりに親 父の部屋に来てみれば、
執務室は、チョコレート部屋にかわっていた。
文字通り、部屋中チョコで埋め尽くされている。これほどまでとは、露にも思わなかった・・・。
もし、部屋がこんな現状だと知っていたならば、絶対来なかったな・・・
こういうときは、あれだ・・・『とにかく、早く用件を済ませて戻るに限る』改めて心に思うと、決意を込 めてマジックを見れば。
目の前の男は、手鏡で前髪の調整をしながら、誇らしげに上目づかいに俺を見つめていて・・・
「あ~これは、置き場所が無いからココに置いているだけ、せっかくのバレンタインじゃないか・・・ね」
などと誇らしげに笑いやがる。
なんで、こいつは一つ一つの動作がこうも気障ったらしいのか。っと頭の隅で思っていると。更に
「別に甘いものなんか、欲しくないよ。どんなにたくさんのチョコや贈り物を貰ったって・・・」
言葉をいったん切ると、俺の右手の指先を手にとって軽く握りしめた。
それは、腕を引けばたやすく振りほどけるほどの力しかなくて・・・その仕草が気障ったらしいのに、なぜ か映画のワンシーンのようで・・・見入って次の言葉を待っていた。
「シンちゃんから、愛の印がもらえなければ意味は無いよ・・・だからこうやって、一番いい姿を見て欲し くて一日に何度も着替えたりして・・・全てシンタローに良く思われたい。と思うからこそだよ。 可笑し いだろう?」
そう言って、手の甲に軽く唇を落とされた。
ひんやりとした、柔らかい唇の感触にハっと我にかえる時には、しっかり手が握られていて強く引いてもガ ッチリと捕らわれていた。
「離せよ・・・・・・」
どんなに腕を引いても抜くことができなくて、腹ただし気に睨み付ければ、やんわりと笑みを浮かべながら 、視線を俺に向けたまま、今度は指先に唇を落とされた。
「シンちゃんから愛の言葉をもらったら、この手を離してあげる」
簡単だろう?っと悪戯に笑う親父が・・・こんなにもチョコをもらいながら、俺からの言葉を欲する親父が ・・・不覚にも可愛いとさえ思うのだから・・・全っっくもって俺も手に負えない。
それでも、甘いに香り酔ったふりして、甘い言葉をつむんでも・・・バレンタインならば許され る。
こんな日だからこそ、たまには・・・・・・な。
2005/02/14
Happy Valentine
@EnD@
---------------------------------
あ、甘い・・・甘いじゃん!!
そうでもない?
恥ずかしくて、裸足で逃げ出したいので余計ないいわけは言いますまい。
これは、2月バレンタインということでメルマガにてお送りさせて頂いたものになります。
当初メルマガ限定ということでしたが、楽しんで頂けるならばUPしようと、半年以上もたってからのUP です。
確かこれを配信した足で、秋葉原に向かった覚えがあります。
友達の結婚式の二次会にDVDのコメント集を贈ろう!ということになり、編集ソフトを秋葉原まで買いに いきました。
全く何を買ったらいいか、検討もつかず・・・
『簡単できれいにできるのを下さい』とお使いを頼まれた子供のようなことを、ひたすら店員さんに訴えて いたのを覚えています。
あのときの店員さんありがとうございます!おかげで、無事完成しました☆
それでは、そんな思い出とともに(?)気に入って頂けたならば幸いです。
幸央
2005/09/22-UP
どこかそわそわとしてしまう、2月14日。
例えば、少し早起きして髪をセットしたり・・・
身なりを整えたりしてしまう。
なんだか空気も桃色に見えてしまったり。
・・・そんなものは高校生まで。
二十歳を超えたら、チョコがもらえようが、もらえなかろうが関係ない。
と思っている。のに・・・二十歳をとっっっくに過ぎたオヤジが朝からなんかやってやがる!!
「てめえ、何してんだよ」
確か、朝は白のスーツを着てた・・・お昼近くにはベージュ。そして昼過ぎ・・・今身につけている色はピ ンクときた。
胸には赤いバラが刺さっていて。
そんな浮き足だった様子にイライラと髪をかきあげて、ギロリと見やれば・・・
「何って・・・何が?」
姿身の鏡の前に立つと、ハテなとばかりに首を傾げて、親父が俺を見やる。
「だから、何色めきたってんだって言ってんだよ」
次に出る言葉はきっと、「バレンタインだから」に決まってる。っと思いながらも問いかけると案の定、思 った通りの答えが帰ってきた。
「だって、バレンタインだよ」
(そら、きた!!ビンゴ!!)
表情は変えずにやっぱりと・・・
どこまでも季節イベントを味わうやつだなぁっと感嘆としつつも、シラっとした気持ちで冷たく見やった。
(まだ欲しいのかよ・・・)
部屋の中には執務室だっていうのに、足の踏み場が無いほどチョコレートで埋め尽くされている。
こんなにまで、もらってまだもらう気でいるのかと思うと、呆れを通り越して感動さえ覚える。
「そんなに、あんたが甘いもの好きとは思わなかったぜ」
金・銀・赤など色々なリボンと見るからに、高価だと分かる豪華なラッピングが見たくなくとも、目に入る 。
それらを見回して、言葉を漏らした。
どうにもトゲトゲしい言葉が口からついてでる。が、それが嫉妬からだとは思いたくない。
あれだ・・・親父のが俺よりも、チョコが多いから・・・そうに決まってる。
張りあう気など、1ミリたりとも無いが・・・どこか負けているようで、感に触る。
できればこんな日は、親父と顔を合わせてたくない。
・チョコをせびられるか
・チョコをくれるか・・・
・親父のFanの多さを思い知らされるか・・・
3つに1つ。どれも当てはまるから、しゃれにならない。
それでも、親父に用がある・・・なんとか、3つの考えを頭の隅に追いやると、いざっ出陣!とばかりに親 父の部屋に来てみれば、
執務室は、チョコレート部屋にかわっていた。
文字通り、部屋中チョコで埋め尽くされている。これほどまでとは、露にも思わなかった・・・。
もし、部屋がこんな現状だと知っていたならば、絶対来なかったな・・・
こういうときは、あれだ・・・『とにかく、早く用件を済ませて戻るに限る』改めて心に思うと、決意を込 めてマジックを見れば。
目の前の男は、手鏡で前髪の調整をしながら、誇らしげに上目づかいに俺を見つめていて・・・
「あ~これは、置き場所が無いからココに置いているだけ、せっかくのバレンタインじゃないか・・・ね」
などと誇らしげに笑いやがる。
なんで、こいつは一つ一つの動作がこうも気障ったらしいのか。っと頭の隅で思っていると。更に
「別に甘いものなんか、欲しくないよ。どんなにたくさんのチョコや贈り物を貰ったって・・・」
言葉をいったん切ると、俺の右手の指先を手にとって軽く握りしめた。
それは、腕を引けばたやすく振りほどけるほどの力しかなくて・・・その仕草が気障ったらしいのに、なぜ か映画のワンシーンのようで・・・見入って次の言葉を待っていた。
「シンちゃんから、愛の印がもらえなければ意味は無いよ・・・だからこうやって、一番いい姿を見て欲し くて一日に何度も着替えたりして・・・全てシンタローに良く思われたい。と思うからこそだよ。 可笑し いだろう?」
そう言って、手の甲に軽く唇を落とされた。
ひんやりとした、柔らかい唇の感触にハっと我にかえる時には、しっかり手が握られていて強く引いてもガ ッチリと捕らわれていた。
「離せよ・・・・・・」
どんなに腕を引いても抜くことができなくて、腹ただし気に睨み付ければ、やんわりと笑みを浮かべながら 、視線を俺に向けたまま、今度は指先に唇を落とされた。
「シンちゃんから愛の言葉をもらったら、この手を離してあげる」
簡単だろう?っと悪戯に笑う親父が・・・こんなにもチョコをもらいながら、俺からの言葉を欲する親父が ・・・不覚にも可愛いとさえ思うのだから・・・全っっくもって俺も手に負えない。
それでも、甘いに香り酔ったふりして、甘い言葉をつむんでも・・・バレンタインならば許され る。
こんな日だからこそ、たまには・・・・・・な。
2005/02/14
Happy Valentine
@EnD@
---------------------------------
あ、甘い・・・甘いじゃん!!
そうでもない?
恥ずかしくて、裸足で逃げ出したいので余計ないいわけは言いますまい。
これは、2月バレンタインということでメルマガにてお送りさせて頂いたものになります。
当初メルマガ限定ということでしたが、楽しんで頂けるならばUPしようと、半年以上もたってからのUP です。
確かこれを配信した足で、秋葉原に向かった覚えがあります。
友達の結婚式の二次会にDVDのコメント集を贈ろう!ということになり、編集ソフトを秋葉原まで買いに いきました。
全く何を買ったらいいか、検討もつかず・・・
『簡単できれいにできるのを下さい』とお使いを頼まれた子供のようなことを、ひたすら店員さんに訴えて いたのを覚えています。
あのときの店員さんありがとうございます!おかげで、無事完成しました☆
それでは、そんな思い出とともに(?)気に入って頂けたならば幸いです。
幸央
2005/09/22-UP
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■そろそろスーツのお年頃■
(・・・・・・やっぱりな。)
校門へと向かう足取りが、急に重くなるのがあからさまに分かる。
訓練が辛かったからなじゃい。
学校帰りの一番楽しい時間に、気分をぶち壊すような目の前の状況に、シンタローは俯くと深くため息をついた。
足を止めて、チロリと前を見やりまた、ため息をつく。
ここで踵を返し、校舎へ引き返すことができたならばどんなにいいか。
シンタローにそう思われる元凶真紅の軍服を身にまとった男が校門でシンタローの名を大声で呼び、頭上で大きく手を振っている。
「っバッカ野郎・・・・・・!!」
昔は今日という日が一番好きだった。そして、クリスマスと正月が次に好きだ。
なぜかって、子供なんてみんなそんなもんだろう。誕生日は1日自分の自由にできるし、プレゼントも山ほどもらえる。クリスマスも正月似たようなもんだ。
ようは、なんでも好きなものが手に入るからだけしかない。
いつからか、今日という日が嫌いになった。俺をそう思わせるようになった、元凶は毎年毎年歳を重ねるごとに、俺の気持ちと反比例するように実に楽しそうで。
そんな感慨に耽っていると、またもや自分を呼ぶ男の声。
周りの同級生や後輩たちが、ジロジロと自分を見ているのが痛いほど分かる。
その好奇にも羨望にも似たぶしつけな視線に、チっと短く舌を打つと、慌てて校門に向かいたい気を抑えて、殊更ゆっくりと歩を進めた。
校門から出ると、通行の邪魔という言葉を知っているとは思えないと、確信するほどにドーンと遠慮もなく、艶のあるリムジンが止まっている。
いくら、理事長様だといったって非常識にも程があるだろう。
「シンちゃんおかえり。今日はどうだった?」
呆れ顔の息子に、にこやかな笑みを浮かべて、元凶の男総帥服のマジックがシンタローの肩に片手を置くと
「別に・・・・・・」
そっけなく答えながら、シンタローが肩に置かれた手を払い、リムジンのフロントを回り込んで通り過ぎようとするのを、マジックはシンタローの肩を抱いてリムジンの後部座席に押し込んだ。
「おいっ・・・・・・!!」
シンタローの抗議の言葉を遮るようにして、マジックがシンタローの隣のシートに滑り込むと、ドアを閉めて・・・
運転手に向かって、小さく頷くと車はゆっくりと走り出した。
そして、運転席との仕切りガラスを閉まるのを見てから男は、シンタローの方へと向き直る。
「忘れちゃった?今日はシンちゃんの誕生日だよ。パパとお祝いしようと言っただろう」
「忙しいんだろ。そんなことで、帰ってくんな。だいたい・・・あんなところに乗り付けて、恥って言葉を知らないわけ」
窓の流れ行く情景を見ながら、吐き捨てるようにシンタローが言うと、それをどう勘違いしたのかシンタローの腿に手を置くとゆっくりと撫で上げる。
「パパのことを思ってくれる、シンちゃんの気持ちは有難いよ。でも、パパがシンちゃんが生まれた日に仕事なんて出来るわけないじゃないか」
うっとりと、いい息子を持ったなぁっと呟くマジックの姿に、腿を這うマジックの手を払いのけて、「違げーよ」とシンタローが力なく呟いた。
走り出すこと、数十分・・・
始終無言なシンタローと顔を緩ませたマジックが向かった先といえば、とある有名ブランドで・・・
「お前もそろそろいい年だろう、スーツの10着や20着もっていてもいい頃だと思ってね」
そういって、士官学校の制服を身に着けたシンタローの腕を掴んで、店の中へ入っていった。
「別にそんなのいらねーよ。だいたいいつもは、何かあると呼びつけてる癖に・・・」
シャンデリアに大理石の床・・・豪華な絵画がうるさくなく飾られているフィッティングルームを完備したVIPルームへと通されながら、シンタローが聞こえないほどの小さい声で呟いた。
・・・先日も家具が見たいと言って、家具屋を呼びつけた。
最近ではすっかり、親父がいる時は必ずどこかの業者が集まる始末・・・。
そんな奴がわざわざ自ら足を運ぶなんて・・・と胡散臭そうに背中を見つめるシンタローの視線に気づいたのか、はたまたシンタローの呟きが聞こえたのか、数歩前を歩いていたマジックが振り向いた。
「たまにはいいものだよ。ショッピングというのも・・・ね」
そう言って、楽しくてしょうがないといった気持ちを露に男が微笑んだ。
シンタローは、渋々と上質なゆったりとしたソファーに座ると、運ばれてきた紅茶に口をつけて、シンタローの意向などそっちのけでネクタイからジャケットの色、形を決めていくマジックを見やった。
(誰の誕生日か分かったもんじゃねぇーな)
親父があーでは、やることもない。みるとも無しに、店の装飾に見回すしかなくて・・・しばらく、そうしていると自分を呼ぶマジックの声がする。
「とりあえず、着てみてね。ワイシャツもスーツもオーダーするけど、このまま出かけたいから、感じがみたいな」
渋るシンタローの腕を掴むと立ち上がらせて、スーツ一式を胸に押し付けて、これまたフィッティングルームというには広い・・・入り口以外は全て鏡ばりの空間に無理矢理押し込んだ。
外を隔てるのがドアではなくカーテンというのが、なんだかそぐわないなぁっと無理矢理、持たされたスーツをフックにかけながらふと思う。
こういう部屋なら普通、鍵のついたドアが普通なんじゃないだろうか。
と首をかしげつつも、無理矢理連れて来られた苛立ちが勝るもので、八つ当たりとばかりに力をこめてカーテンを閉めた。
(面倒くせぇ!!)
自分の誕生日というのに、丸っきり親父のペースだ。
こんなのオカシイくないかっ!!っと一人になって、状況が把握できて来ると沸々と怒りがこみ上げる。
せめてもの仕返しにとばかりに、ワザとゆっくりとした動作で制服の襟もとのフックに手をかけた所で、早くも催促する声がする。
「シンちゃん、着れた?」
マジックの弾んだ声を無視して、制服に当たるように乱暴に上を脱ぐと床に投げ捨てた。
そうやってマジックの催促する声を無視しながら、トランクス一枚になると白いワイシャツに袖を通して、下から4段目までボタンを閉めたころで、またもやマジックの声がしたかと思うと・・・・・・・・・
「なっ・・・・・・っ!!!」
「着ごごちはどう?パパがネクタイ締めてあげる」
そう言って、シンタローの返答も待たずにカーテンが開けられマジックが中に入ってきた。
下はパンツだけの、上はワイシャツ姿で驚いて目をみはるシンタローを見ても、マジックは外には出ようとせずに、かけてあったネクタイを1本抜きとると、慌てふためくシンタローの背後に回りこむ。
「おいっ・・・まだ着替えてんだろッ」
後ろを振り向いて、肘を相手に出しながら距離をとろうとするも、シンタローの身体に腕を絡めて、自分に向かって繰り出された肘を掴むと手首にネクタイを巻きつける。
「ふっ・・・スーツ姿も魅力的だけど・・・こうした方がもっといいよ」
シンタローの首筋に顔を寄せて、鼻をすり寄せる。
「どこか、スーツ姿だって・・・!ふざけるのもいい加減にしろっ!」
シャツ一枚の情け無い姿をみて、よくもそんな言葉が出るものだ。背後とられたからといって、大人しくなんてできない。
身体を反転させて、自由のきく腕で殴りかかろうとするシンタローの片腕をなんなく掴むと、その手首もネクタイの端を先ほどと同じように巻きつけた。
そうすると、シンタローの身体の前で両腕の手首が拘束されたような形になる。
「ふざけてなんかない。私は本気だよ・・・いつでもね」
前に回した両腕のうち片方を、シンタローのシャツの中へ・・・もう片方は後ろからシンタローの顎を掴んで固定した。
「ほら、シャツ一枚の姿で乱れるシンちゃんの姿・・・素敵だろう」
前面の鏡に姿をうつして、ねっとりと耳元で囁いてはぴちゃりと音をたてる。
「や、やめろ・・・っ!!」
シンタローの視界には、下にはパンツだけの、だらしなくシャツを着た自分のシャツの胸元から、マジックの腕が忍び込んで自分の乳首を摘む指の動きが見て取れて・・・羞恥心に俯きたいのに、マジックの腕がそれを許さない。
「・・・シンちゃんは敏感だね・・・もう乳首が立ってる。分かる?ほら、パパの指を押し返そうとしてるだろう」
身体を捩り抵抗を示すシンタローの体を真後ろから固定したまま、胸元の指がシンタローの乳首を摘みあげては、捻るといった事を繰り返し・・・耳元では囁かれ続ける卑猥な言葉。
そんな、苛めにも似た愛撫に、どうにか耐えようと、けなげにも身体を震わせて我慢するシンタローが愛しい。
「こんなに敏感で、大丈夫かな。ちゃんと女の子相手にできるのか、パパ心配だよ」
いかせるよりも、先にシンちゃんが達しそうだよね・・・。そう意地悪く笑うと、胸元の手を脚の間に滑らせた。
「あっ・・・・・・」
っとシンタローが思った時には既に遅く、マジックの手が下着ごしにペニスを握りこんでいて・・・手に感じるシンタローの質量にマジックがほくそ笑んだ。
「やめろ、触るな・・・離、せっ」
「本当に、身体は正直だよ・・・私に触られてこんなに反応してる・・・」
顎を固定していた、手が外されシャツが胸元までたくし上げられる。そうすると、それまで隠れていたものが鏡に映し出されて・・・
マジックによって、下着を押し返すほと立ち上がった自分の欲望が痛いほど目に入る。
「や、やめ・・・・・・!みるな・・・みるなーっ」
「ダメだ、シンちゃんの成長の証をちゃんと見せて」
そういってシンタローの下着を下ろすと、わざと音を立てながら上下の抜き差しを繰り返し、シンタローを追い上げた。
鏡に映る、自分の姿に目を離したいのに離せない。
マジックの瞳に鏡ごしに視姦されているようで、抵抗したいのに身体が思うように動かず・・・自分の液で濡れるマジックの動きから目が離せない。
「ほら、分かるだろう・・・シンちゃんの濡れて・・・くちゅくちゅって音がしてる」
「やだ・・・っ、そんなこと いうな・・・っ」
「滴って、絨毯に幾重にも染みが出来てる。いけない子だね」
そういって、鏡ごしにシンタローの黒い瞳をとらえたまま、親指の腹を赤くむけた亀頭に押し付けながら、開放を促す。
「ひ・・・っ、あぁ・・・・・・っ」
敏感な先端に爪を立てられ、どうにか逃れようとシンタローの身体が前のめりなった。結果的には、縛られた腕を鏡について、下半身を突き出すような格好になり・・・まるで誘っているようにしか見えない。
「ヤダ・・・みるな・・・みる・・・な」
鏡にうつる自分の上気した頬に、欲望を含んだ潤んだ顔・・・見たくなくて、鏡に額を押し付けるとぎゅっと目をつぶりシンタローがかぶりを振る。
そんなシンタローを後ろから抱きしめると、マジックがシンタローの首筋に鼻をすりよせては唇を落とし、赤い跡を残す。
手は変わらずシンタローの欲望を刺激したまま、シャツをたくし上げていた手が、そろりとシンタローの奥まった部分に指を滑らせる。
「ほら、素直に出していいんだよ。腰が揺れてる・・・イキたいんだろう」
そういって、自分の唾液とシンタローから出たもので指を濡らすと、ゆっくりと指を奥に潜り混ませた。
「うぅ・・・、や・・・あっぁあ」
「ほら、いきそうだろう」
ピクピクと震えている欲望から滑りを、指ですくい取り周辺をなぞっては縁爪を立てながら、節だった手で緩急をつけてシンタローを抜きあげた。
「あ・・・っ、ひぁっ、あ・・・っああああー」
頬を涙に濡らして、鏡に欲望の証を吐き出すと縛られた手を支えてにして、ずるずると背を鏡にしてしゃがみこんだ。
ぼうっと目元を潤ませながらも、怒りと羞恥を露にマジックを睨みつけるも・・・
「なんで、って思ってる? でも・・・これで、スーツを身に着ける度、パパのことを思い出すだろう・・・今日の誕生日もね」
1年、1年・・・シンちゃんが絶対に忘れられないような、誕生日にして上げる。
そう囁いて、唖然とするシンタローを抱き上げた。
☆EnD☆
2005/05/24 ****Happy Birthday******
-------------------------------
シンちゃんの誕生日に、メルマガで配信したものです。
すこーしだけ、修正を加えさせていただきました。
なぜ、今か・・・
それは、PCへは1週間したらUPしよう。としてたのを、すっかり忘れてしまってまして。
今回、色々と整理していてUPしてないものを見つかりました。
そして、なぜか中途半端なところで終わってました。。。じゃあ、元のファイルからっと思ったらファイルがない。
パソコンが壊れて無くなったんですねぇ。
パソコンが壊れての痛手を今更感じてます。
誕生日ものは、メルマガ配信のみの限定で・・・。
メルマガのBNにもPCサイトにも無いのですが・・・。
パソコンが壊れて、自分のPCのメールに送られていたメルマガも全部ない。
そうなると、自分の作品が自分の手元に残らない。という自体に・・・。去年のシンちゃんの誕生日もパパも誕生日も記憶の中へと・・・。
今回は、文字化けが無いかテストで送っている携帯に残っていたので、携帯のを転送して編集しました。運がよかったです。
そんなわけで、今更なながらUP。どこかにUpしていないと、また壊れた時が怖い。。。
今回は、去年とは違って、士官学校時代です。これも一回やってみたかった。久々のセクハラが書けて楽しかったですー。
(んん、いつもセクハラ?)
では、かなり遅くなりましたが、楽しんでいただければ幸いです。
-2005/09/18-UP
(・・・・・・やっぱりな。)
校門へと向かう足取りが、急に重くなるのがあからさまに分かる。
訓練が辛かったからなじゃい。
学校帰りの一番楽しい時間に、気分をぶち壊すような目の前の状況に、シンタローは俯くと深くため息をついた。
足を止めて、チロリと前を見やりまた、ため息をつく。
ここで踵を返し、校舎へ引き返すことができたならばどんなにいいか。
シンタローにそう思われる元凶真紅の軍服を身にまとった男が校門でシンタローの名を大声で呼び、頭上で大きく手を振っている。
「っバッカ野郎・・・・・・!!」
昔は今日という日が一番好きだった。そして、クリスマスと正月が次に好きだ。
なぜかって、子供なんてみんなそんなもんだろう。誕生日は1日自分の自由にできるし、プレゼントも山ほどもらえる。クリスマスも正月似たようなもんだ。
ようは、なんでも好きなものが手に入るからだけしかない。
いつからか、今日という日が嫌いになった。俺をそう思わせるようになった、元凶は毎年毎年歳を重ねるごとに、俺の気持ちと反比例するように実に楽しそうで。
そんな感慨に耽っていると、またもや自分を呼ぶ男の声。
周りの同級生や後輩たちが、ジロジロと自分を見ているのが痛いほど分かる。
その好奇にも羨望にも似たぶしつけな視線に、チっと短く舌を打つと、慌てて校門に向かいたい気を抑えて、殊更ゆっくりと歩を進めた。
校門から出ると、通行の邪魔という言葉を知っているとは思えないと、確信するほどにドーンと遠慮もなく、艶のあるリムジンが止まっている。
いくら、理事長様だといったって非常識にも程があるだろう。
「シンちゃんおかえり。今日はどうだった?」
呆れ顔の息子に、にこやかな笑みを浮かべて、元凶の男総帥服のマジックがシンタローの肩に片手を置くと
「別に・・・・・・」
そっけなく答えながら、シンタローが肩に置かれた手を払い、リムジンのフロントを回り込んで通り過ぎようとするのを、マジックはシンタローの肩を抱いてリムジンの後部座席に押し込んだ。
「おいっ・・・・・・!!」
シンタローの抗議の言葉を遮るようにして、マジックがシンタローの隣のシートに滑り込むと、ドアを閉めて・・・
運転手に向かって、小さく頷くと車はゆっくりと走り出した。
そして、運転席との仕切りガラスを閉まるのを見てから男は、シンタローの方へと向き直る。
「忘れちゃった?今日はシンちゃんの誕生日だよ。パパとお祝いしようと言っただろう」
「忙しいんだろ。そんなことで、帰ってくんな。だいたい・・・あんなところに乗り付けて、恥って言葉を知らないわけ」
窓の流れ行く情景を見ながら、吐き捨てるようにシンタローが言うと、それをどう勘違いしたのかシンタローの腿に手を置くとゆっくりと撫で上げる。
「パパのことを思ってくれる、シンちゃんの気持ちは有難いよ。でも、パパがシンちゃんが生まれた日に仕事なんて出来るわけないじゃないか」
うっとりと、いい息子を持ったなぁっと呟くマジックの姿に、腿を這うマジックの手を払いのけて、「違げーよ」とシンタローが力なく呟いた。
走り出すこと、数十分・・・
始終無言なシンタローと顔を緩ませたマジックが向かった先といえば、とある有名ブランドで・・・
「お前もそろそろいい年だろう、スーツの10着や20着もっていてもいい頃だと思ってね」
そういって、士官学校の制服を身に着けたシンタローの腕を掴んで、店の中へ入っていった。
「別にそんなのいらねーよ。だいたいいつもは、何かあると呼びつけてる癖に・・・」
シャンデリアに大理石の床・・・豪華な絵画がうるさくなく飾られているフィッティングルームを完備したVIPルームへと通されながら、シンタローが聞こえないほどの小さい声で呟いた。
・・・先日も家具が見たいと言って、家具屋を呼びつけた。
最近ではすっかり、親父がいる時は必ずどこかの業者が集まる始末・・・。
そんな奴がわざわざ自ら足を運ぶなんて・・・と胡散臭そうに背中を見つめるシンタローの視線に気づいたのか、はたまたシンタローの呟きが聞こえたのか、数歩前を歩いていたマジックが振り向いた。
「たまにはいいものだよ。ショッピングというのも・・・ね」
そう言って、楽しくてしょうがないといった気持ちを露に男が微笑んだ。
シンタローは、渋々と上質なゆったりとしたソファーに座ると、運ばれてきた紅茶に口をつけて、シンタローの意向などそっちのけでネクタイからジャケットの色、形を決めていくマジックを見やった。
(誰の誕生日か分かったもんじゃねぇーな)
親父があーでは、やることもない。みるとも無しに、店の装飾に見回すしかなくて・・・しばらく、そうしていると自分を呼ぶマジックの声がする。
「とりあえず、着てみてね。ワイシャツもスーツもオーダーするけど、このまま出かけたいから、感じがみたいな」
渋るシンタローの腕を掴むと立ち上がらせて、スーツ一式を胸に押し付けて、これまたフィッティングルームというには広い・・・入り口以外は全て鏡ばりの空間に無理矢理押し込んだ。
外を隔てるのがドアではなくカーテンというのが、なんだかそぐわないなぁっと無理矢理、持たされたスーツをフックにかけながらふと思う。
こういう部屋なら普通、鍵のついたドアが普通なんじゃないだろうか。
と首をかしげつつも、無理矢理連れて来られた苛立ちが勝るもので、八つ当たりとばかりに力をこめてカーテンを閉めた。
(面倒くせぇ!!)
自分の誕生日というのに、丸っきり親父のペースだ。
こんなのオカシイくないかっ!!っと一人になって、状況が把握できて来ると沸々と怒りがこみ上げる。
せめてもの仕返しにとばかりに、ワザとゆっくりとした動作で制服の襟もとのフックに手をかけた所で、早くも催促する声がする。
「シンちゃん、着れた?」
マジックの弾んだ声を無視して、制服に当たるように乱暴に上を脱ぐと床に投げ捨てた。
そうやってマジックの催促する声を無視しながら、トランクス一枚になると白いワイシャツに袖を通して、下から4段目までボタンを閉めたころで、またもやマジックの声がしたかと思うと・・・・・・・・・
「なっ・・・・・・っ!!!」
「着ごごちはどう?パパがネクタイ締めてあげる」
そう言って、シンタローの返答も待たずにカーテンが開けられマジックが中に入ってきた。
下はパンツだけの、上はワイシャツ姿で驚いて目をみはるシンタローを見ても、マジックは外には出ようとせずに、かけてあったネクタイを1本抜きとると、慌てふためくシンタローの背後に回りこむ。
「おいっ・・・まだ着替えてんだろッ」
後ろを振り向いて、肘を相手に出しながら距離をとろうとするも、シンタローの身体に腕を絡めて、自分に向かって繰り出された肘を掴むと手首にネクタイを巻きつける。
「ふっ・・・スーツ姿も魅力的だけど・・・こうした方がもっといいよ」
シンタローの首筋に顔を寄せて、鼻をすり寄せる。
「どこか、スーツ姿だって・・・!ふざけるのもいい加減にしろっ!」
シャツ一枚の情け無い姿をみて、よくもそんな言葉が出るものだ。背後とられたからといって、大人しくなんてできない。
身体を反転させて、自由のきく腕で殴りかかろうとするシンタローの片腕をなんなく掴むと、その手首もネクタイの端を先ほどと同じように巻きつけた。
そうすると、シンタローの身体の前で両腕の手首が拘束されたような形になる。
「ふざけてなんかない。私は本気だよ・・・いつでもね」
前に回した両腕のうち片方を、シンタローのシャツの中へ・・・もう片方は後ろからシンタローの顎を掴んで固定した。
「ほら、シャツ一枚の姿で乱れるシンちゃんの姿・・・素敵だろう」
前面の鏡に姿をうつして、ねっとりと耳元で囁いてはぴちゃりと音をたてる。
「や、やめろ・・・っ!!」
シンタローの視界には、下にはパンツだけの、だらしなくシャツを着た自分のシャツの胸元から、マジックの腕が忍び込んで自分の乳首を摘む指の動きが見て取れて・・・羞恥心に俯きたいのに、マジックの腕がそれを許さない。
「・・・シンちゃんは敏感だね・・・もう乳首が立ってる。分かる?ほら、パパの指を押し返そうとしてるだろう」
身体を捩り抵抗を示すシンタローの体を真後ろから固定したまま、胸元の指がシンタローの乳首を摘みあげては、捻るといった事を繰り返し・・・耳元では囁かれ続ける卑猥な言葉。
そんな、苛めにも似た愛撫に、どうにか耐えようと、けなげにも身体を震わせて我慢するシンタローが愛しい。
「こんなに敏感で、大丈夫かな。ちゃんと女の子相手にできるのか、パパ心配だよ」
いかせるよりも、先にシンちゃんが達しそうだよね・・・。そう意地悪く笑うと、胸元の手を脚の間に滑らせた。
「あっ・・・・・・」
っとシンタローが思った時には既に遅く、マジックの手が下着ごしにペニスを握りこんでいて・・・手に感じるシンタローの質量にマジックがほくそ笑んだ。
「やめろ、触るな・・・離、せっ」
「本当に、身体は正直だよ・・・私に触られてこんなに反応してる・・・」
顎を固定していた、手が外されシャツが胸元までたくし上げられる。そうすると、それまで隠れていたものが鏡に映し出されて・・・
マジックによって、下着を押し返すほと立ち上がった自分の欲望が痛いほど目に入る。
「や、やめ・・・・・・!みるな・・・みるなーっ」
「ダメだ、シンちゃんの成長の証をちゃんと見せて」
そういってシンタローの下着を下ろすと、わざと音を立てながら上下の抜き差しを繰り返し、シンタローを追い上げた。
鏡に映る、自分の姿に目を離したいのに離せない。
マジックの瞳に鏡ごしに視姦されているようで、抵抗したいのに身体が思うように動かず・・・自分の液で濡れるマジックの動きから目が離せない。
「ほら、分かるだろう・・・シンちゃんの濡れて・・・くちゅくちゅって音がしてる」
「やだ・・・っ、そんなこと いうな・・・っ」
「滴って、絨毯に幾重にも染みが出来てる。いけない子だね」
そういって、鏡ごしにシンタローの黒い瞳をとらえたまま、親指の腹を赤くむけた亀頭に押し付けながら、開放を促す。
「ひ・・・っ、あぁ・・・・・・っ」
敏感な先端に爪を立てられ、どうにか逃れようとシンタローの身体が前のめりなった。結果的には、縛られた腕を鏡について、下半身を突き出すような格好になり・・・まるで誘っているようにしか見えない。
「ヤダ・・・みるな・・・みる・・・な」
鏡にうつる自分の上気した頬に、欲望を含んだ潤んだ顔・・・見たくなくて、鏡に額を押し付けるとぎゅっと目をつぶりシンタローがかぶりを振る。
そんなシンタローを後ろから抱きしめると、マジックがシンタローの首筋に鼻をすりよせては唇を落とし、赤い跡を残す。
手は変わらずシンタローの欲望を刺激したまま、シャツをたくし上げていた手が、そろりとシンタローの奥まった部分に指を滑らせる。
「ほら、素直に出していいんだよ。腰が揺れてる・・・イキたいんだろう」
そういって、自分の唾液とシンタローから出たもので指を濡らすと、ゆっくりと指を奥に潜り混ませた。
「うぅ・・・、や・・・あっぁあ」
「ほら、いきそうだろう」
ピクピクと震えている欲望から滑りを、指ですくい取り周辺をなぞっては縁爪を立てながら、節だった手で緩急をつけてシンタローを抜きあげた。
「あ・・・っ、ひぁっ、あ・・・っああああー」
頬を涙に濡らして、鏡に欲望の証を吐き出すと縛られた手を支えてにして、ずるずると背を鏡にしてしゃがみこんだ。
ぼうっと目元を潤ませながらも、怒りと羞恥を露にマジックを睨みつけるも・・・
「なんで、って思ってる? でも・・・これで、スーツを身に着ける度、パパのことを思い出すだろう・・・今日の誕生日もね」
1年、1年・・・シンちゃんが絶対に忘れられないような、誕生日にして上げる。
そう囁いて、唖然とするシンタローを抱き上げた。
☆EnD☆
2005/05/24 ****Happy Birthday******
-------------------------------
シンちゃんの誕生日に、メルマガで配信したものです。
すこーしだけ、修正を加えさせていただきました。
なぜ、今か・・・
それは、PCへは1週間したらUPしよう。としてたのを、すっかり忘れてしまってまして。
今回、色々と整理していてUPしてないものを見つかりました。
そして、なぜか中途半端なところで終わってました。。。じゃあ、元のファイルからっと思ったらファイルがない。
パソコンが壊れて無くなったんですねぇ。
パソコンが壊れての痛手を今更感じてます。
誕生日ものは、メルマガ配信のみの限定で・・・。
メルマガのBNにもPCサイトにも無いのですが・・・。
パソコンが壊れて、自分のPCのメールに送られていたメルマガも全部ない。
そうなると、自分の作品が自分の手元に残らない。という自体に・・・。去年のシンちゃんの誕生日もパパも誕生日も記憶の中へと・・・。
今回は、文字化けが無いかテストで送っている携帯に残っていたので、携帯のを転送して編集しました。運がよかったです。
そんなわけで、今更なながらUP。どこかにUpしていないと、また壊れた時が怖い。。。
今回は、去年とは違って、士官学校時代です。これも一回やってみたかった。久々のセクハラが書けて楽しかったですー。
(んん、いつもセクハラ?)
では、かなり遅くなりましたが、楽しんでいただければ幸いです。
-2005/09/18-UP
●amorous affair●
「あかりをつけましょ ぼんぼりに~、お花をあげましょ 桃の花~・・・ッ・・・!!」
執務室をなんだと思っているのか・・・執務室とは文字通り【事務を取り扱う部屋】で・・・
決して歌なんぞ歌って、大工仕事をする部屋じゃない!!
それなのにこの・・・この男。
ウキウキと特大の階段のようなものを設置している。隣りには赤い布が転がっていて・・・。
ま、まさか・・・雛壇??まさかと思いたいが・・・幅が2m奥行きが1m強の階段が何段か出来上がっている。
親父の執務室を訪れて、一番に眼に入ったのがこの光景。
一瞬、場所を間違えたのかと疑うほどだ。が、間違いなくここは親父の部屋でその男は俺に背を向けたかたちで、『ひな祭り』の歌とともに作業は進んで行く。
ドアによりかかってたっぷり5分、唖然という言葉がぴったりの面持ちで親父をみていたが我慢の限界。
思わず、持っていた書類を筒状に丸めて親父の金髪の頭めがけて振り下ろした。
スパーン!!
小気味のいい音が室内に響き渡る。
「イタタ・・・。急に叩くことないじゃないか、乱暴な子だね~」
「てめぇ~何やってんだよ!!!」
俺は持っていた書類で目の前の雛壇を指差すと、親父は叩かれた部分に手を当てながら苦笑して、俺に向き直った。
「え・・・何って?雛壇でしょ・・・少し大きいかもしれないけど」
サラリと事も無げにいうと、再び階段・・・雛壇作りに没頭しはじめた。
こいつにはついていけない。毎回、毎回思うけど・・・この親にして、この子あり。俺と親父のことじゃない。
グンマと親父のことだ。この突拍子もない発想は遺伝子の何ものでもない。本当に思いやられる。
「大きさの問題じゃねぇよ。ひな祭りをなんだと思ってる。桃の節句・ひな祭りは女の祭りなの。男の家族には関係のない行事!!」
大人気ないっと思いつつ、声を荒げずにはいられなかった。息を荒くする俺に親父は「そうだよ」っと笑みを浮かべてうなづいた。
「だったら・・・」
分かってるならやるんじゃねぇよ。あ~頭が痛くなってきた。最近の偏頭痛デビューは8割がたコイツの責任だ。
頭の奥でズキズキと訴えてくる痛みに、左手でこめかみの部分を押さえると・・・もうまともに言うだけ無駄だという気になってきた。
出直そう。っと俺が親父に背を向けると、いきなり手首を捕まれた。
ぎょっとして振り向く俺に、膝をついて作業をしていた親父が、拘束していない手でスーツのホコリを叩いて立ち上がる。
そうなると、悔しいが親父の方が幾分・・・俺を見下ろすような形になる。身長差なのだから仕方がないといえばその通りだが・・・なんだか小バカにされているようで自信たっぷりの口元に腹がたつ。
「なんだよ。邪魔しないから、勝手に続けてろ」
親父に背を向けて、手を振り解こうとするも・・・ますます握られた手首に力が加えられ、後ろから手が伸びたと思ったら抱きすくめられるような体勢になっていた。
「シンちゃんがいなければ始まらないんだ」
耳元で急に真剣な声で囁かれて、ビクリと身体が強張ると、その態度に後の親父が喉の奥で笑うのが聞こえる。
ムっとして、言い返そうと思ったが、どうせ聞いちゃいないどろうと、手に拳を握りなんとか平静を装った。
「だ・か・ら!!女の子の節句なの。男でとっくに成人した俺には全っっっく関係無いわけ」
いい加減にしろっと、足を前に踏み出すのに・・・実際には足が前に出るだけで床につくことができない。
いい歳して、馬鹿力な奴・・・ッ
「パパね、女の子が生まれたら、ひな祭りのお祝いしたかったんだ。キレイな格好させてね。 でも・・・もう無理だろう」
耳元で囁き吐息がかかる度に、身体が微か反応してしまう。
どうにか抑えようと思うのに、軽く噛まれて舌を差し込まれると、甘い刺激に抑えることができないそれでも、抗わずに入られない。。抵抗したって、こいつが離すわけがないと分かっていてもだ。
「やめろ!! 離せッッ!!なら、せいぜい今から頑張って、勝手につくれっ!!運がよければ女が生まれるかもな」
手足を動かして・・・っといっても片手は握られてるから実際は片手しか動かせていないが・・・それでもできる限り身体をバタつかせて、悪態をつく。
「ダーメ。パパの奥さんは生涯一人だけって決めてるの」
以外に一途な面があるんだなぁっと思いつつ、この手はなんだこの手は!!
「こら、手を入れるな・・・!!なら、養子ってのがあるだろうよ・・・ッ」
いつの間にか、腰を拘束していた手でジャケットのボタンが外され、シャツがズボンから引っ張り出されたかと思うと次の瞬間には、その隙間をぬって器用な手が素肌に触れた。
唯一、自由の聞く腕で親父の腕を掴んでも、歯止めにもならず・・・関係ないとばかりに動きまわるばかり。
「う~ん、それもなかなかイイ案だね。でも・・・もっとイイ考えがあるんだな~」
なんだと思う?と囁きながらピチャリと水音がして耳から唇が離れたかと思うと、耳たぶを甘噛してまた耳に戻る。
鼓膜に響く卑猥な水音に、まともな思考ができるはずもなく、顔を左右に振ることが精一杯で
「・・・ん・・・ッ、なんだよ?」
どうにか顔を背けようとするのに、追うようにして親父の顔も寄ってくるから避けたくとも、避けられない。
「なんだろうね~」
「あっ・・・ふざけろよ・・・てめぇ」
おちょくってんだか、ただ悪戯したいだけなのか・・・どっちなんだよ。たぶん両方なのかもしれないが・・・まったく行動を読むことができない。
腹部を這い回る手を避けるように、身体が徐々に前のめりになると、余計に身体を密着させられるハメになった。
心なしか、腰のあたりにカタいものが当たっているような・・・気が・・・気のせい・・・だよな・・・。
そんなことを考えていて、一瞬身体が硬直してしまうと、
その隙にとばかりに、わき腹を弄っていた手が這い上がって、胸のあたりにいったかと思うと指先が胸の突起を掠めた。
「ねー、なんだと思う?」
何度か指先が胸の突起を、触るか触らないかといった動作を繰り返して、突起の周りをクルクルと円を描きはじめた。
「ん・・・ッ、しるか・・・よ」
もどかしいその動きに、下半身からジワジワと来るものがある。
頭の中で警告する声が聞こえるが、火がつき始めた身体は、強い刺激を欲し始めているようで、薄い皮膚は何度も擦られるのに、いっこうにその中心には触れようとしない指の動きがひどく焦れったい。
やめて欲しいと何度も思うのに、もどかしい指先の動きに掴んでいた手に力をこめた。それでは抵抗というよりも、むしろすがっているようで・・・。
親父もそう思ったのか、耳元で微笑を浮かべた気配がする。
「・・・シンちゃんがおひな様になるってどう。きれいな着物を着て、楽しませてくれないかな」
そう言って耳のすぐ下をやや痛みを覚えるほどの強さで、吸いついた。
「そんなの・・・無理に・・・決まってんだ・・・ッぁん」
反論しようとして、突然乳首の先端に爪を立てられた。待ち望んでいた刺激に、自分でも驚くほど甘ったるい声が漏れた。
「イイ考えだろう? もちろんパパがお内裏様だよ。シンちゃんだけに恥ずかしい格好させないから・・・ね」
唇が耳から首筋に移動して・・・不規則にあたる唇と歯の感触に、足元からゾクゾクとしたなんともいえない快感が沸き起こる。
ふざけるな!!と叫べたらどんなにいいか・・・。
ともすると、変な声がでてしまいそうで精々、唇をかみ締めることぐらいしかできない。
「ほら、あそこ見てごらん・・・十二単用意がしてあるだろう」
親父の言う先に顔を向けると、巨大な雛壇の横に金屏風その後ろに下げられている艶やかな着物の数々が見えた。
「着るわけ・・・ないだろっ!! 」
俺がそういうと同時に、乳首の先端を爪ではじき上げて、親指と中指で固くシコリのできた乳首をこね回された。
こねくり回された所から、まるで電気が走ったような感覚が駆け抜ける。
その刺激に膝がガクガクと震えてしまうと、後ろの親父の体重もあって耐え切れずに崩れ落ちた。
あわや床と正面衝突かと目をつぶると、衝撃はなく・・・恐る恐る目をあけると少し毛の長い絨毯が目に入った。
どうやら親父が支えてくれたらしく、衝撃という衝撃はなく・・・ゆっくりと床に膝をついた。
それでも、ほうっと息をつく暇もなく、前に回った手が乳首をこねくり回す。
「危なかったね・・・。パパがいて良かったでしょ。 着る気になった?」
「誰のせいだ、誰の!! どけよ!!重いだろうがっ」
この体勢はまずい。膝をついて両手は床についている。四つん這いのような状態だ。これじゃ、何とでもしてくれっと言っているようなものじゃないか
まずいと思っているのに、どうすることも出来ない。俺の葛藤をよそに、親父の手はどんどんとエスカレートしていく。
ズボンに手がかけられ、カチャカチャと金属音がしたかと思うとベルトが緩められて、空いた隙間に手が滑り込んだ。
「ひゃっ・・・あ、あん」
ベルトを外されただけの窮屈な状態で、手が薄い布ごしに俺のペニスを扱きあげる。窮屈な場所で押し付けられるように手を動かされると、一気に熱が高まる。
どうにかしなければっと思うのに、気だけが焦り・・・うまくこの現状から逃げ出す術が浮かばない。
「着る気になった? 雛壇は丈夫に作ったからね、パパとシンちゃんが乗ったところで壊れないよ」
抜きあげられて、乳首を刺激されると自然と震える腰の動きを止めることが出来ない。そんな中でふとあの巨大な雛壇が頭に浮かぶ。
確か・・・階段になってたよな・・・。二人だけでいいなら、あんなにでかくするのか・・・
やっとの思いで首を左右に振るのに、親父の手は容赦がなく、たえまなく刺激が与えられる。嫌でも昂ぶっていくのが良くわかる。快感に目の前が滲んでいくようだ。
「ほら、早く「うん」って言わないと・・・シンちゃんの好きなサービスが入ってきちゃうかも」
「あ、はぁ・・・ん、んんっ・・・やっ なんて、言った?」
先端の一番敏感な部分に爪を立てられて、甲高い声が漏れた。そのせいで親父がなんと言ったか分からなくて・・・ただ分かるのは、この身体のもどかしさ。
そうして、俺が頷かないかぎりこれ以上強い刺激は与えられない、ということ。
その証拠に、強い刺激を与えた後は、軽く擦る程度のゆるゆるとした緩慢な動きに戻り・・・それでは、物足りなくて不自然に腰を擦り付けてねだってしまう。
「ほら、「うん」っていえばいいんだ。簡単だろう?」
耳元での卑猥な音に、鼓膜から犯されているようで、頷けば楽になるのだと・・・顔が動いた気がする。
自分が頷いているのか、左右に振ってるのかなど分からない。
ただ、この熱を解放したくて・・・。
そうするには頷くしなくて・・・
「さっさとイかせろよ」
気づけば、せかすように怒鳴っていた。
そんな俺の様子に、もうすこし色っぽい声を出してもいいのに。っと親父が苦笑して俺の身体を仰向けにすると、足を抱え込んだ。
「さ、シンちゃんの甘酒飲ませて」
そう言って、ズボンを下げられるジッパーの音がやけに耳に響いた。
*************
シンタローとマジックが盛り上がる部屋の外には、二人の兄弟がどうしたもんかと、たたずんでいた。
「ったく、兄貴のヤロー」
ハーレムがそう言って、ガリガリと頭をかくと、部屋の状況など気にならないのか、平然とサービスが言葉を返した。
「本部を離れるんじゃなかったのか?」
そんなサービスの言葉に「お前もな」っと一瞥すると顔をドアに戻してカラカラと豪快に笑い
「ただ酒飲めるって聞いたからな」
じゃなきゃ来ないぜ。っと自慢気にサービスを見る。
そんな兄弟の言葉にやっぱり。っと思ったのか一つため息をついて肩を竦めると踵を返した。
「おい、どこ行くんだ。 用事があんだろうがよ」
「この様子じゃ、相当かかる・・・お前も諦めた方いいぞ」
とだけ呟くと、既にサービスの姿は無く・・・。確かにっとハーレムが一人、笑みを溢した。
↑
ははは・・・。何が書きたかったのか、ひな祭りだからです。それに限ります。幸央にしては珍しくシンちゃん視点です。
ひゃぁ~難しい
なんせタイトルが【桃色遊戯】ですから~。遊び心万歳です。。。つもりです。
サービスとハーレムは難しい。もっと絡ませたかったです。ちぇっ。
ちゃんとひな壇Hも考えてたのに、たどり着けませんでした。
パパは人間ひな祭りをやりたかったわけです。自分とシンちゃんが一段目で、ハーレムとサービスが右大臣と左大臣(二人だから)かな~なんて思いました。
違うかな?実はちゃんと三人官女と五人囃とか考えてたのに、出てきません。
三人官女はティラミスとグンマとか・・・あれ違う?すみません、想像が非凡なもんでご想像にお任せします。
またまたイベント小説。実はイベント好きみたいです。バレンタインもやりましたし・・・
実はWeb拍手にUPしようとして、思ったよりも長くなったので止めました。
ご来読ありがとうございました。お楽しみいただけたら、嬉いです。
突発なので、誤字脱字がいつもの3割ましかと思いますが、ご了承下さいませ<(_ _)>
2005/03/03.
「あかりをつけましょ ぼんぼりに~、お花をあげましょ 桃の花~・・・ッ・・・!!」
執務室をなんだと思っているのか・・・執務室とは文字通り【事務を取り扱う部屋】で・・・
決して歌なんぞ歌って、大工仕事をする部屋じゃない!!
それなのにこの・・・この男。
ウキウキと特大の階段のようなものを設置している。隣りには赤い布が転がっていて・・・。
ま、まさか・・・雛壇??まさかと思いたいが・・・幅が2m奥行きが1m強の階段が何段か出来上がっている。
親父の執務室を訪れて、一番に眼に入ったのがこの光景。
一瞬、場所を間違えたのかと疑うほどだ。が、間違いなくここは親父の部屋でその男は俺に背を向けたかたちで、『ひな祭り』の歌とともに作業は進んで行く。
ドアによりかかってたっぷり5分、唖然という言葉がぴったりの面持ちで親父をみていたが我慢の限界。
思わず、持っていた書類を筒状に丸めて親父の金髪の頭めがけて振り下ろした。
スパーン!!
小気味のいい音が室内に響き渡る。
「イタタ・・・。急に叩くことないじゃないか、乱暴な子だね~」
「てめぇ~何やってんだよ!!!」
俺は持っていた書類で目の前の雛壇を指差すと、親父は叩かれた部分に手を当てながら苦笑して、俺に向き直った。
「え・・・何って?雛壇でしょ・・・少し大きいかもしれないけど」
サラリと事も無げにいうと、再び階段・・・雛壇作りに没頭しはじめた。
こいつにはついていけない。毎回、毎回思うけど・・・この親にして、この子あり。俺と親父のことじゃない。
グンマと親父のことだ。この突拍子もない発想は遺伝子の何ものでもない。本当に思いやられる。
「大きさの問題じゃねぇよ。ひな祭りをなんだと思ってる。桃の節句・ひな祭りは女の祭りなの。男の家族には関係のない行事!!」
大人気ないっと思いつつ、声を荒げずにはいられなかった。息を荒くする俺に親父は「そうだよ」っと笑みを浮かべてうなづいた。
「だったら・・・」
分かってるならやるんじゃねぇよ。あ~頭が痛くなってきた。最近の偏頭痛デビューは8割がたコイツの責任だ。
頭の奥でズキズキと訴えてくる痛みに、左手でこめかみの部分を押さえると・・・もうまともに言うだけ無駄だという気になってきた。
出直そう。っと俺が親父に背を向けると、いきなり手首を捕まれた。
ぎょっとして振り向く俺に、膝をついて作業をしていた親父が、拘束していない手でスーツのホコリを叩いて立ち上がる。
そうなると、悔しいが親父の方が幾分・・・俺を見下ろすような形になる。身長差なのだから仕方がないといえばその通りだが・・・なんだか小バカにされているようで自信たっぷりの口元に腹がたつ。
「なんだよ。邪魔しないから、勝手に続けてろ」
親父に背を向けて、手を振り解こうとするも・・・ますます握られた手首に力が加えられ、後ろから手が伸びたと思ったら抱きすくめられるような体勢になっていた。
「シンちゃんがいなければ始まらないんだ」
耳元で急に真剣な声で囁かれて、ビクリと身体が強張ると、その態度に後の親父が喉の奥で笑うのが聞こえる。
ムっとして、言い返そうと思ったが、どうせ聞いちゃいないどろうと、手に拳を握りなんとか平静を装った。
「だ・か・ら!!女の子の節句なの。男でとっくに成人した俺には全っっっく関係無いわけ」
いい加減にしろっと、足を前に踏み出すのに・・・実際には足が前に出るだけで床につくことができない。
いい歳して、馬鹿力な奴・・・ッ
「パパね、女の子が生まれたら、ひな祭りのお祝いしたかったんだ。キレイな格好させてね。 でも・・・もう無理だろう」
耳元で囁き吐息がかかる度に、身体が微か反応してしまう。
どうにか抑えようと思うのに、軽く噛まれて舌を差し込まれると、甘い刺激に抑えることができないそれでも、抗わずに入られない。。抵抗したって、こいつが離すわけがないと分かっていてもだ。
「やめろ!! 離せッッ!!なら、せいぜい今から頑張って、勝手につくれっ!!運がよければ女が生まれるかもな」
手足を動かして・・・っといっても片手は握られてるから実際は片手しか動かせていないが・・・それでもできる限り身体をバタつかせて、悪態をつく。
「ダーメ。パパの奥さんは生涯一人だけって決めてるの」
以外に一途な面があるんだなぁっと思いつつ、この手はなんだこの手は!!
「こら、手を入れるな・・・!!なら、養子ってのがあるだろうよ・・・ッ」
いつの間にか、腰を拘束していた手でジャケットのボタンが外され、シャツがズボンから引っ張り出されたかと思うと次の瞬間には、その隙間をぬって器用な手が素肌に触れた。
唯一、自由の聞く腕で親父の腕を掴んでも、歯止めにもならず・・・関係ないとばかりに動きまわるばかり。
「う~ん、それもなかなかイイ案だね。でも・・・もっとイイ考えがあるんだな~」
なんだと思う?と囁きながらピチャリと水音がして耳から唇が離れたかと思うと、耳たぶを甘噛してまた耳に戻る。
鼓膜に響く卑猥な水音に、まともな思考ができるはずもなく、顔を左右に振ることが精一杯で
「・・・ん・・・ッ、なんだよ?」
どうにか顔を背けようとするのに、追うようにして親父の顔も寄ってくるから避けたくとも、避けられない。
「なんだろうね~」
「あっ・・・ふざけろよ・・・てめぇ」
おちょくってんだか、ただ悪戯したいだけなのか・・・どっちなんだよ。たぶん両方なのかもしれないが・・・まったく行動を読むことができない。
腹部を這い回る手を避けるように、身体が徐々に前のめりになると、余計に身体を密着させられるハメになった。
心なしか、腰のあたりにカタいものが当たっているような・・・気が・・・気のせい・・・だよな・・・。
そんなことを考えていて、一瞬身体が硬直してしまうと、
その隙にとばかりに、わき腹を弄っていた手が這い上がって、胸のあたりにいったかと思うと指先が胸の突起を掠めた。
「ねー、なんだと思う?」
何度か指先が胸の突起を、触るか触らないかといった動作を繰り返して、突起の周りをクルクルと円を描きはじめた。
「ん・・・ッ、しるか・・・よ」
もどかしいその動きに、下半身からジワジワと来るものがある。
頭の中で警告する声が聞こえるが、火がつき始めた身体は、強い刺激を欲し始めているようで、薄い皮膚は何度も擦られるのに、いっこうにその中心には触れようとしない指の動きがひどく焦れったい。
やめて欲しいと何度も思うのに、もどかしい指先の動きに掴んでいた手に力をこめた。それでは抵抗というよりも、むしろすがっているようで・・・。
親父もそう思ったのか、耳元で微笑を浮かべた気配がする。
「・・・シンちゃんがおひな様になるってどう。きれいな着物を着て、楽しませてくれないかな」
そう言って耳のすぐ下をやや痛みを覚えるほどの強さで、吸いついた。
「そんなの・・・無理に・・・決まってんだ・・・ッぁん」
反論しようとして、突然乳首の先端に爪を立てられた。待ち望んでいた刺激に、自分でも驚くほど甘ったるい声が漏れた。
「イイ考えだろう? もちろんパパがお内裏様だよ。シンちゃんだけに恥ずかしい格好させないから・・・ね」
唇が耳から首筋に移動して・・・不規則にあたる唇と歯の感触に、足元からゾクゾクとしたなんともいえない快感が沸き起こる。
ふざけるな!!と叫べたらどんなにいいか・・・。
ともすると、変な声がでてしまいそうで精々、唇をかみ締めることぐらいしかできない。
「ほら、あそこ見てごらん・・・十二単用意がしてあるだろう」
親父の言う先に顔を向けると、巨大な雛壇の横に金屏風その後ろに下げられている艶やかな着物の数々が見えた。
「着るわけ・・・ないだろっ!! 」
俺がそういうと同時に、乳首の先端を爪ではじき上げて、親指と中指で固くシコリのできた乳首をこね回された。
こねくり回された所から、まるで電気が走ったような感覚が駆け抜ける。
その刺激に膝がガクガクと震えてしまうと、後ろの親父の体重もあって耐え切れずに崩れ落ちた。
あわや床と正面衝突かと目をつぶると、衝撃はなく・・・恐る恐る目をあけると少し毛の長い絨毯が目に入った。
どうやら親父が支えてくれたらしく、衝撃という衝撃はなく・・・ゆっくりと床に膝をついた。
それでも、ほうっと息をつく暇もなく、前に回った手が乳首をこねくり回す。
「危なかったね・・・。パパがいて良かったでしょ。 着る気になった?」
「誰のせいだ、誰の!! どけよ!!重いだろうがっ」
この体勢はまずい。膝をついて両手は床についている。四つん這いのような状態だ。これじゃ、何とでもしてくれっと言っているようなものじゃないか
まずいと思っているのに、どうすることも出来ない。俺の葛藤をよそに、親父の手はどんどんとエスカレートしていく。
ズボンに手がかけられ、カチャカチャと金属音がしたかと思うとベルトが緩められて、空いた隙間に手が滑り込んだ。
「ひゃっ・・・あ、あん」
ベルトを外されただけの窮屈な状態で、手が薄い布ごしに俺のペニスを扱きあげる。窮屈な場所で押し付けられるように手を動かされると、一気に熱が高まる。
どうにかしなければっと思うのに、気だけが焦り・・・うまくこの現状から逃げ出す術が浮かばない。
「着る気になった? 雛壇は丈夫に作ったからね、パパとシンちゃんが乗ったところで壊れないよ」
抜きあげられて、乳首を刺激されると自然と震える腰の動きを止めることが出来ない。そんな中でふとあの巨大な雛壇が頭に浮かぶ。
確か・・・階段になってたよな・・・。二人だけでいいなら、あんなにでかくするのか・・・
やっとの思いで首を左右に振るのに、親父の手は容赦がなく、たえまなく刺激が与えられる。嫌でも昂ぶっていくのが良くわかる。快感に目の前が滲んでいくようだ。
「ほら、早く「うん」って言わないと・・・シンちゃんの好きなサービスが入ってきちゃうかも」
「あ、はぁ・・・ん、んんっ・・・やっ なんて、言った?」
先端の一番敏感な部分に爪を立てられて、甲高い声が漏れた。そのせいで親父がなんと言ったか分からなくて・・・ただ分かるのは、この身体のもどかしさ。
そうして、俺が頷かないかぎりこれ以上強い刺激は与えられない、ということ。
その証拠に、強い刺激を与えた後は、軽く擦る程度のゆるゆるとした緩慢な動きに戻り・・・それでは、物足りなくて不自然に腰を擦り付けてねだってしまう。
「ほら、「うん」っていえばいいんだ。簡単だろう?」
耳元での卑猥な音に、鼓膜から犯されているようで、頷けば楽になるのだと・・・顔が動いた気がする。
自分が頷いているのか、左右に振ってるのかなど分からない。
ただ、この熱を解放したくて・・・。
そうするには頷くしなくて・・・
「さっさとイかせろよ」
気づけば、せかすように怒鳴っていた。
そんな俺の様子に、もうすこし色っぽい声を出してもいいのに。っと親父が苦笑して俺の身体を仰向けにすると、足を抱え込んだ。
「さ、シンちゃんの甘酒飲ませて」
そう言って、ズボンを下げられるジッパーの音がやけに耳に響いた。
*************
シンタローとマジックが盛り上がる部屋の外には、二人の兄弟がどうしたもんかと、たたずんでいた。
「ったく、兄貴のヤロー」
ハーレムがそう言って、ガリガリと頭をかくと、部屋の状況など気にならないのか、平然とサービスが言葉を返した。
「本部を離れるんじゃなかったのか?」
そんなサービスの言葉に「お前もな」っと一瞥すると顔をドアに戻してカラカラと豪快に笑い
「ただ酒飲めるって聞いたからな」
じゃなきゃ来ないぜ。っと自慢気にサービスを見る。
そんな兄弟の言葉にやっぱり。っと思ったのか一つため息をついて肩を竦めると踵を返した。
「おい、どこ行くんだ。 用事があんだろうがよ」
「この様子じゃ、相当かかる・・・お前も諦めた方いいぞ」
とだけ呟くと、既にサービスの姿は無く・・・。確かにっとハーレムが一人、笑みを溢した。
↑
ははは・・・。何が書きたかったのか、ひな祭りだからです。それに限ります。幸央にしては珍しくシンちゃん視点です。
ひゃぁ~難しい
なんせタイトルが【桃色遊戯】ですから~。遊び心万歳です。。。つもりです。
サービスとハーレムは難しい。もっと絡ませたかったです。ちぇっ。
ちゃんとひな壇Hも考えてたのに、たどり着けませんでした。
パパは人間ひな祭りをやりたかったわけです。自分とシンちゃんが一段目で、ハーレムとサービスが右大臣と左大臣(二人だから)かな~なんて思いました。
違うかな?実はちゃんと三人官女と五人囃とか考えてたのに、出てきません。
三人官女はティラミスとグンマとか・・・あれ違う?すみません、想像が非凡なもんでご想像にお任せします。
またまたイベント小説。実はイベント好きみたいです。バレンタインもやりましたし・・・
実はWeb拍手にUPしようとして、思ったよりも長くなったので止めました。
ご来読ありがとうございました。お楽しみいただけたら、嬉いです。
突発なので、誤字脱字がいつもの3割ましかと思いますが、ご了承下さいませ<(_ _)>
2005/03/03.
■エレベ-タ-ボ-イ■
場所はカ゛ンマ団本部。慌ただしく人が行き来している中、シンタローがエレヘ゛ーターに向かって歩い
てきた。シンタローの後ろにはいつもいるハス゛の2人の姿が今日はない。
一人で本部中を歩く総帥の姿に一同騒然となってしまう。否応なく目立つその姿は嫌でも目を引くが、本
人そんなこたぁしったこっちゃ~ない。
「うい~疲れたぁ~」
首を回すと伸びをした。
「あいつら、いっつもぴったりいるからなぁ~。たまには一人になりたいよなぁ」
あいつらとは、ティラミスとチョコレートロマンスのことだろう。
始終一緒にいては息が詰る。たまには一人で昼食をとりたいし♪、っと一人で昼食をとり、持ち帰りのコ
ーヒー片手にエレヘ゛ーターへ向かった。
いつもは、総帥専用のエレヘ゛ータを使用するが、2人に見つかるとうるさい事を言われる。おまけに、引
退して暇を持て余したやつが出てくるかもしれない。
そう考え直して、シンタローは踵を返し、一般的に使用するエレヘ゛ーターに乗りこんだ・・・。
幸い、エレヘ゛ーター内には誰もいなく、シンタロー1人だった。
最上階へのホ゛タンを押すと、ト゛アがしまる瞬間何かが挟まったようなにぶい音が響いた。
「んなっ・・・・な、なんだぁ!??」
ぎょっとして、ト゛アをみればト゛アとト゛アの間に足が見えた。
視線を上げれば、手がト゛アをこじあけようとしている様子だ。
「・・・・・!!??」
とっさに眼魔砲の構えをとったシンタローは凍りついた。
「シンちゃ~ん、ハ゜ハ゜だよぉぉvv」
手てト゛アを抉じ開けてエレヘ゛ーター内に入り込むと、自分に向かって抱き着こうとする父親の姿があ
った。
「・・・・・・・∑」
言葉もないとはこの事だ。
そこまでするぅぅぅ~。
その根性に脱帽・・・全身から力が抜けて、うなだれるしかない・・・。
「いやぁ~。シンちゃんの姿が見えたから、思わず追いかけちゃった♪」
テヘっ。なんて可愛く首を傾げたって誤魔化される問題じゃない。
第一、歳を考えろ、首なんか傾けてウィンクしたって可愛かねぇぇんだよ。
「いつからついてきた?」
脱力しきった顔をなんとかあげると、キ゛ロっと睨みつけた。
「えぇ~さっきだよぉ、お昼行ったならハ゜ハ゜も誘ってくれたらよかったのにィ~」
「おっ・・・・・!」
「ほらほら、迷惑だからト゛アを閉めようねぇ~」
シンタローの言葉を切るように、ト゛アを閉めるとシンタローの横にぴったりとくっついた。
「離れろよ!うざいっ!!」
しっしっと犬でも追い払うかのように、手の甲をふってマシ゛ックを追い払う。
が、そんな事で臆するようなマシ゛ックじゃ~ない。
ぴったりと身体を寄せ、右手をそろそろとシンタローのお尻あたりにもっていったかと思うと撫で上げた
。
びくっと反射的に身体が反応してしまう。
「触るんじゃねぇ~っ」
そんな言葉も耳にははいらないのか、図に乗ってサワサワと身体を撫でくりまわし、指がシンタローの秘
部にあたる部分を服の上から、ク゛リク゛リとなぞりあげた。
ぞくりっとした快感に、膝が震える。
相変わらず感度良好vvだねシンちゃんは♪
マシ゛ックは細やかに指先を動かし、シンタローの弱い部分を撫でていく。
ス゛ホ゛ンの上からのもどかしさもあいまって、シンタローは思わず腰を揺らめかせた。
「ふっ・・・・んん」
はやくどうにかしないと、やばいことになりそうだった。
このままなし崩しなんて、午後の仕事にさしつかえる・・・。なんとかしなきゃっ!
っとシンタローの葛藤を知ってか知らずが、行為を進行していく親父。
「離れろぉぉぉってば!!」
片手にコーヒーを持っている為、大した抵抗もできない・・・
「この、・・・」
なんとか引き剥がそうと、手首を掴み、引っ張ったり、つねっても、まるでヒトテ゛の
ようにヘ゜ッタリと張り付いて離れない。
それでもなんとか引き剥がそうとやっきになっていると、
ちーん-------
室内に小気味よく響く音とともに、エレヘ゛ーターが止った。
えっ!っ
なんで止まるのかと思って目を向けると同時に、反射的に親父を突き飛ばした。
壁にぶつかったのか、ト゛コ゛ッ!!と鈍い音が耳にはいるが気にしちゃいれらない。
・・・セーフ、セーフ。
やっっべぇ、一般用だからか。
総帥専用となれば、おいそれと乗り込むこは無くても、ここは一般用だ誰が乗り込んでくるか分からない
。
軽い考えで、一般用にのったことを後悔しつつ、人がくればもうしないだろう。
と一握りの希望もある!(一般的な常識を備えていればの話しだが・・・)
なんとかしてくれぇ~と心で叫びながら、ト゛アに目をむければ、なんで総帥と元総帥
がいるか分からないっといった感じの、硬直する団員1人。
だめかぁ~。
この様子じゃ乗ってこねぇだろうなぁ~。つっ~か変だよなぁ~。めったに無いことだもんなぁ。
どうしたものかと、思案してると・・・もう回復したのか額からでたらしい血をぬぐって、爽やかなエセ
笑顔で親父が話しだした。
「そんな所で無いで、入ったらどうだい?」
「え・・いや・・・」
「ほら、気にしない気にしないv」
しどろもどろになる、団員を押し切りエレヘ゛ーターに招きいれた。
おどおどと入ってきたかと思うと、下を向きヒ゜クリとも動こうとしない。
そりゃ~びびるだろうよ。めったに顔を見る事ないんだから。
ましてやこんな所にいて、びびらないほうがおかしい。
ま、これで俺の身の安全も保たれたわけだv
親父にも一般常識があったとは思わなかったなぁ~。睨み付けて追い出すかと思ったぜ。
・・・・・・・・・っ!?
なんて考えたオレがハ゛カだった・・・。
そうだよ、誰でも無い、こいつは常軌を逸したアーハ゜ー親父だ。
オレが一番身を持って知ってるハス゛なのに・・・オレのハ゛カハ゛カハ゛カハ゛カァ!!!!
頭がいかれてるとしか、言いようがないぜ変態痴漢野郎!!
人前だっていうのに、またもやひっついてきやがった。
オレの油断をついて、ス゛ホ゛ンの中に手までいれて。
マシ゛ックはシンタローの左側に身体をよせると、シンタローの隙をついて右手をすばやくス゛ホ゛ンの
中に滑り込ませた。
ト゛アの前で硬直して立っている団員には、後ろのおれたちが何をしてるかは、見えない。
でも、こんなに身体を密着させていたら怪しいにきまってる。
オレのイメーシ゛がぁ・・・この痴漢野郎のせいで、イメーシ゛がタ゛メーシ゛だ。
「・・・・・・・・・っふっっ!」
思わずでた声に、あわてて手で口を塞いだ。
中に入れたが手が、シンタローの蕾をかすめるように、刺激する。
先ほどの行為で熱を持ち始めていた身体には・・・その焦らすような刺激が耐えられ
ない。
焦らすような動きに絶えられず、腰が揺らめいき始めると、マシ゛ックはゆっくりと指を中に挿しいれた
。
「・・・くっ・・んん!」
どんなに噛み殺したって、声は漏れる、エレヘ゛ーター内に響いてしまったのではない
かと、冷や汗が背中を伝う。
「あの・・・大丈夫ですか?」
団員が恐る恐るといった形で振り向いた。
「少し、具合が悪いようなんで、私が介添えをしているんだよ」
シレっとそんなことまで吐きやがる。お前がこんな事しなきゃ、オレはいたって健康体なんだ。
声に出してやりたいが、そんな事をすれば喘ぎ声が漏れてしまう。
「ね、大丈夫だよね。部屋まで辛抱できるよね?」
ほらっとシンタローを急かすように、中で指をくの字に折り曲げる。
「・・・・問題ない。・・・っ!大丈夫だから・・・・んっ」
しゃべるたびに、嫌でも中の指を意識させられ、締め付けてしまうのが分かる。
その締め付けを楽しむかのように、指がぐるっと旋回しかき乱された。
がくっと膝が折れ、マシ゛ックにしがみついた。
「あの・・・・・・」
心配気な団員をよそに、マシ゛ックはシンタローからコーヒーの紙袋を奪うと団員に押し付けた。
「これ、買ったけどシンちゃん飲めそうもないから、あげるよ」
明らかに狼狽が隠せない、団員にそれを押し付ける。
「いらなかったら処分していいから、ね」
「い、いえ、処分だなんて!ありがとうございます。」
深々と頭を下げる団員をよそに、マシ゛ックは指を1本から2本に増やした。
「あっ・・・くっ・・・ん」
「ほら、しっかり立てるよね。タ゛メだよそんな心配させてしまうような態度をとっちゃ」
わざとシンタローの耳元に顔を寄せると甘く低い声で、諭すように話しける。
誰のせいだ、誰の!
きつく下から上目使いに睨みつければ、無遠慮に指が2本ハ゛ラハ゛ラに動かされた。
濡れた音が室内に響いているような錯覚さえ覚える。
もう・・・だめだ・・・。耐えられない。
「・・・・・・や・・・っつ・・・!」
シンタローが身体を震わせて、マシ゛ックに抱きつくようにしがみつくと・・・・・・
ちーん-------
室内に響く音とともに、またエレヘ゛ーターが止った。
また誰か乗って来るのかと、神経をそば立てるとどうやら違うようだ。
「すみません、お先に失礼します。お体大事にしてください」
一礼すると、エレヘ゛ーターから出ていった。
エレヘ゛ーターが閉まるのを確認すると、ほっとして力が抜けた。それを見計らったように指が奥まで押
し込まれた。
「や・・・・・・は、ぁ・・・・・・っ!」
「やらしい声だしちゃって、何してたかハ゛レちゃったかもねぇ」
ク゛リク゛リと中の壁を引っかくなように、掻き回し、空いている左手で布ごしにシンタローの下肢に手
をのばした。
「て・・・っめぇ・・・・・・あぁ・・・ん!」
ぴちゃ、と濡れた音が耳を犯す。
「前、カチンカチンだよ、やらし~。人がいたから余計感じちゃった?」
「あ、ふっ・・・ん・・・覚えて、ろよ・・・」
「覚えてるよぉ、シンちゃんが人前でこんなに興奮するなんて忘れないよ」
耳をねっとりと舐めあげ、シンタローの首筋に顔を埋めた。
そろそろ、時間かな?エレヘ゛ーターの回数を確認すると、マシ゛ックはシンタローのモノを服ごしに握り
、上下にしごきあげた。
「っひ・・・・・・やぁああ!!」
後ろと前を同時に責め立てられ、シンタローはマシ゛ックの手の中に精を吐出した。
「ん、はっぁ・・・はぁはぁっ・・・」
荒く息を吸いこみ、マシ゛ックに身体を支えられる。
「よかった?」
クスっと笑うと、唇を重ねた。
「うっふぅ・・・ん、ん・・・」
「シンちゃんこの後の予定は?」
この後・・・この後は・・・会議と・・・
頭が霞がかったように動かない、このだるさをどうにかしたくて、親父に身体を預けた。
「ハ゜ハ゜の部屋いこっか」
うん・・・それもいい・・もう仕事なんて・・・
思わず、コクン。と頷きかけた。その時・・・・
ちーん-------
室内にまぬけともいえるような音が響いた。
その音に意識が覚醒されたのか、無理矢理身体を起すとマシ゛ックから離れるように、手に力をいれる。
「シンタロー様!!」
ぎょっとして、ト゛アに顔を向ければ、そこには仁王立ちした、ティラミスとチョコレートロマンス。
「勝手に出られてば困ると再三、申し上げているかと思いますが・・・」
ずかずかと、エレヘ゛ーターに入ると、シンタローの襟首をつかむ。
「いて、痛いってば・・・ひっぱるなぁぁ」
「マシ゛ック様も就業時間内にシンタロー様を構わないでください」
キッと睨まれれば、苦笑するしかない。
ス゛ルス゛ルと引っ張られるシンタローを見送りながら、思わぬ伏兵の現れに一人頭を掻いた。
「まさか、ティラミスが現れるとは・・・いやぁ~失敗したねぇ。次こそは・・・ね」
一人ほくそ笑む姿があったとな。
☆おわり☆
--------------------------------------
■エレベ-タ-ボ-イ■その後
おまけ
マジックにいたずらされた後-場所総帥専用、トイレにて-(あるのか?あるとして…)
そこに、ジャブジャブと下着を洗うシンタローの姿が。
くぅぅ~。殺す、殺す、ぜってぇ殺すぅ!!
なんで、このオレがこんなこと…。
マジックに対する恨みつらみを下着にあたるように、ゴシゴシと擦り切れるような勢いで洗いつづけた。
パンパンとパンツを伸ばし整える。
洗ったはいいがその後が困る。
選択肢①濡れたままのパンツをはく。
→イヤダ!濡れた水着と下着だけはぜってぇ~嫌。
選択肢②ノーパン
→一昔前に騒がれた喫茶店じゃあるまいし、擦れて痛いぞ。
(どこかは伏せる…聞くなよ)
選択肢③買ってくる
→このあと会議・外出・報告会…etc
とてもじゃないが、時間はない。誰かに頼むか…。
嫌だ…。パンツを買ってきてくれなんて。そんなこと恥かしい。
こうなりゃ、自棄だ。
②番のノーパンでいこう!パンツぐらいはかなくたって、誰も気づくはずか無い。
気づかないに決まってる!
自分に言い聞かせると、総帥室に戻った。
言い聞かせてはみたものの、スースする。隙間なんて無いのに、あるものが無いとこんなに心もとないものなのか?と布一枚のありがたみをしみじみと感じてしまう。
「どうしました?」
どことなくソワソワしている、シンタローに気づいたティラミスが話し掛けた。
「な、なんでもない…」
何故か顔をほのかに赤らめてうつむく総帥に、首を傾げると余計な事は聞くまい。と仕事を再開した…。
しばらくして、ドアをノックする音がしたかと思うと
「シンちゃ~ん、いいもの持ってきたよ」
スキップでもしそうな勢いで、マジックがやってきた。
「………」
視線で人が殺せたら、殺してやるぐらいの勢いで、ギッとマジックを一睨みするとシンタローは無言で書類に目を通す。
「ティラミス。私は少しシンちゃんに話す事があるから、5分間だけ席外してもらえないかなぁ」
元総帥のマジックに言われて、ティラミスに断る理由がない・・・というか断れるわけが無い。
彼の恐ろしさは身をもって知っている。
「では、私は席を外しますので、ご用がありましたらお呼び下さい。」
シンタローに一礼すると、ティラミスは部屋を出ていってしまった。
「シンちゃん。いいものもってきたよぉ」
顔を覗きこむように話しかけても、目も合わせない。
「・・・・・・」
プイっと顔を逸らしてしまう。
もう、そんな可愛いしぐさしちゃって、可愛い可愛いv機嫌を損ねたネコみた~い。
「持ってきたものはね~。コレ~」
ずずいっと紙袋をシンタローに差し出す。
手でそれを払おうとしたが、次のマジックの言葉を聞いて跳ね返す事は出来なかった。
「パンツだよぉ」
ピタっと手が止る。
「ほら、さっき中で出してしまっただろう?気持ち悪い思いしてるんじゃないかと思って買ってきたんだよv」
「・・・・・」
「そう言えば、さっきのシンちゃんので汚れたパンツはどうした?言ってくれれば洗ったのにぃ」
「・・・・・・・」
「もしかして今、ノーパ・・・・」
ダンっと机を叩くと、立ち上がってマジックの言葉を遮り、袋をふんだくった。
「いいか。これは、もらっといてやる。そのか・わ・り、一切オレの前に顔を出すな」
一刺し指を、想像でもしたのか鼻血をたらすマジックの前に突き出し、これ以上話すことはない!!といいうように、怒りに肩を震わせながら地を這うような声を絞り出した。
「さっさと出て行け!!」
一喝すると、眼魔砲をマジックに向かって放つ。
至近距離にも関わらず、それをかわすと、すぐにでも閉じられるようにドアを楯にした。
「シンちゃんのノーパン姿は、また今度ねぇ~★☆」
「消え失せろ!!」
その後、シンタローはやつあたりでもするように、部屋を壊した為午後は仕事にならず、1ヶ月間息子に無視される、寂しいガンマ団元総帥の姿が、あったとかなかったとか。
ガンバレ、負けるな、シンタロー!!
☆おわりぃ☆
---------------------------------
おまけっといっても本当アホな話しなので、呆れないでくださいねι(呆れちゃいました??)
シンちゃんのその後の話しが浮かんでしまい。10分ぐらいで書き上げたので、乱雑でごめんなさい。
お付き合い、ありがとうございました。
2004/06(MM)
場所はカ゛ンマ団本部。慌ただしく人が行き来している中、シンタローがエレヘ゛ーターに向かって歩い
てきた。シンタローの後ろにはいつもいるハス゛の2人の姿が今日はない。
一人で本部中を歩く総帥の姿に一同騒然となってしまう。否応なく目立つその姿は嫌でも目を引くが、本
人そんなこたぁしったこっちゃ~ない。
「うい~疲れたぁ~」
首を回すと伸びをした。
「あいつら、いっつもぴったりいるからなぁ~。たまには一人になりたいよなぁ」
あいつらとは、ティラミスとチョコレートロマンスのことだろう。
始終一緒にいては息が詰る。たまには一人で昼食をとりたいし♪、っと一人で昼食をとり、持ち帰りのコ
ーヒー片手にエレヘ゛ーターへ向かった。
いつもは、総帥専用のエレヘ゛ータを使用するが、2人に見つかるとうるさい事を言われる。おまけに、引
退して暇を持て余したやつが出てくるかもしれない。
そう考え直して、シンタローは踵を返し、一般的に使用するエレヘ゛ーターに乗りこんだ・・・。
幸い、エレヘ゛ーター内には誰もいなく、シンタロー1人だった。
最上階へのホ゛タンを押すと、ト゛アがしまる瞬間何かが挟まったようなにぶい音が響いた。
「んなっ・・・・な、なんだぁ!??」
ぎょっとして、ト゛アをみればト゛アとト゛アの間に足が見えた。
視線を上げれば、手がト゛アをこじあけようとしている様子だ。
「・・・・・!!??」
とっさに眼魔砲の構えをとったシンタローは凍りついた。
「シンちゃ~ん、ハ゜ハ゜だよぉぉvv」
手てト゛アを抉じ開けてエレヘ゛ーター内に入り込むと、自分に向かって抱き着こうとする父親の姿があ
った。
「・・・・・・・∑」
言葉もないとはこの事だ。
そこまでするぅぅぅ~。
その根性に脱帽・・・全身から力が抜けて、うなだれるしかない・・・。
「いやぁ~。シンちゃんの姿が見えたから、思わず追いかけちゃった♪」
テヘっ。なんて可愛く首を傾げたって誤魔化される問題じゃない。
第一、歳を考えろ、首なんか傾けてウィンクしたって可愛かねぇぇんだよ。
「いつからついてきた?」
脱力しきった顔をなんとかあげると、キ゛ロっと睨みつけた。
「えぇ~さっきだよぉ、お昼行ったならハ゜ハ゜も誘ってくれたらよかったのにィ~」
「おっ・・・・・!」
「ほらほら、迷惑だからト゛アを閉めようねぇ~」
シンタローの言葉を切るように、ト゛アを閉めるとシンタローの横にぴったりとくっついた。
「離れろよ!うざいっ!!」
しっしっと犬でも追い払うかのように、手の甲をふってマシ゛ックを追い払う。
が、そんな事で臆するようなマシ゛ックじゃ~ない。
ぴったりと身体を寄せ、右手をそろそろとシンタローのお尻あたりにもっていったかと思うと撫で上げた
。
びくっと反射的に身体が反応してしまう。
「触るんじゃねぇ~っ」
そんな言葉も耳にははいらないのか、図に乗ってサワサワと身体を撫でくりまわし、指がシンタローの秘
部にあたる部分を服の上から、ク゛リク゛リとなぞりあげた。
ぞくりっとした快感に、膝が震える。
相変わらず感度良好vvだねシンちゃんは♪
マシ゛ックは細やかに指先を動かし、シンタローの弱い部分を撫でていく。
ス゛ホ゛ンの上からのもどかしさもあいまって、シンタローは思わず腰を揺らめかせた。
「ふっ・・・・んん」
はやくどうにかしないと、やばいことになりそうだった。
このままなし崩しなんて、午後の仕事にさしつかえる・・・。なんとかしなきゃっ!
っとシンタローの葛藤を知ってか知らずが、行為を進行していく親父。
「離れろぉぉぉってば!!」
片手にコーヒーを持っている為、大した抵抗もできない・・・
「この、・・・」
なんとか引き剥がそうと、手首を掴み、引っ張ったり、つねっても、まるでヒトテ゛の
ようにヘ゜ッタリと張り付いて離れない。
それでもなんとか引き剥がそうとやっきになっていると、
ちーん-------
室内に小気味よく響く音とともに、エレヘ゛ーターが止った。
えっ!っ
なんで止まるのかと思って目を向けると同時に、反射的に親父を突き飛ばした。
壁にぶつかったのか、ト゛コ゛ッ!!と鈍い音が耳にはいるが気にしちゃいれらない。
・・・セーフ、セーフ。
やっっべぇ、一般用だからか。
総帥専用となれば、おいそれと乗り込むこは無くても、ここは一般用だ誰が乗り込んでくるか分からない
。
軽い考えで、一般用にのったことを後悔しつつ、人がくればもうしないだろう。
と一握りの希望もある!(一般的な常識を備えていればの話しだが・・・)
なんとかしてくれぇ~と心で叫びながら、ト゛アに目をむければ、なんで総帥と元総帥
がいるか分からないっといった感じの、硬直する団員1人。
だめかぁ~。
この様子じゃ乗ってこねぇだろうなぁ~。つっ~か変だよなぁ~。めったに無いことだもんなぁ。
どうしたものかと、思案してると・・・もう回復したのか額からでたらしい血をぬぐって、爽やかなエセ
笑顔で親父が話しだした。
「そんな所で無いで、入ったらどうだい?」
「え・・いや・・・」
「ほら、気にしない気にしないv」
しどろもどろになる、団員を押し切りエレヘ゛ーターに招きいれた。
おどおどと入ってきたかと思うと、下を向きヒ゜クリとも動こうとしない。
そりゃ~びびるだろうよ。めったに顔を見る事ないんだから。
ましてやこんな所にいて、びびらないほうがおかしい。
ま、これで俺の身の安全も保たれたわけだv
親父にも一般常識があったとは思わなかったなぁ~。睨み付けて追い出すかと思ったぜ。
・・・・・・・・・っ!?
なんて考えたオレがハ゛カだった・・・。
そうだよ、誰でも無い、こいつは常軌を逸したアーハ゜ー親父だ。
オレが一番身を持って知ってるハス゛なのに・・・オレのハ゛カハ゛カハ゛カハ゛カァ!!!!
頭がいかれてるとしか、言いようがないぜ変態痴漢野郎!!
人前だっていうのに、またもやひっついてきやがった。
オレの油断をついて、ス゛ホ゛ンの中に手までいれて。
マシ゛ックはシンタローの左側に身体をよせると、シンタローの隙をついて右手をすばやくス゛ホ゛ンの
中に滑り込ませた。
ト゛アの前で硬直して立っている団員には、後ろのおれたちが何をしてるかは、見えない。
でも、こんなに身体を密着させていたら怪しいにきまってる。
オレのイメーシ゛がぁ・・・この痴漢野郎のせいで、イメーシ゛がタ゛メーシ゛だ。
「・・・・・・・・・っふっっ!」
思わずでた声に、あわてて手で口を塞いだ。
中に入れたが手が、シンタローの蕾をかすめるように、刺激する。
先ほどの行為で熱を持ち始めていた身体には・・・その焦らすような刺激が耐えられ
ない。
焦らすような動きに絶えられず、腰が揺らめいき始めると、マシ゛ックはゆっくりと指を中に挿しいれた
。
「・・・くっ・・んん!」
どんなに噛み殺したって、声は漏れる、エレヘ゛ーター内に響いてしまったのではない
かと、冷や汗が背中を伝う。
「あの・・・大丈夫ですか?」
団員が恐る恐るといった形で振り向いた。
「少し、具合が悪いようなんで、私が介添えをしているんだよ」
シレっとそんなことまで吐きやがる。お前がこんな事しなきゃ、オレはいたって健康体なんだ。
声に出してやりたいが、そんな事をすれば喘ぎ声が漏れてしまう。
「ね、大丈夫だよね。部屋まで辛抱できるよね?」
ほらっとシンタローを急かすように、中で指をくの字に折り曲げる。
「・・・・問題ない。・・・っ!大丈夫だから・・・・んっ」
しゃべるたびに、嫌でも中の指を意識させられ、締め付けてしまうのが分かる。
その締め付けを楽しむかのように、指がぐるっと旋回しかき乱された。
がくっと膝が折れ、マシ゛ックにしがみついた。
「あの・・・・・・」
心配気な団員をよそに、マシ゛ックはシンタローからコーヒーの紙袋を奪うと団員に押し付けた。
「これ、買ったけどシンちゃん飲めそうもないから、あげるよ」
明らかに狼狽が隠せない、団員にそれを押し付ける。
「いらなかったら処分していいから、ね」
「い、いえ、処分だなんて!ありがとうございます。」
深々と頭を下げる団員をよそに、マシ゛ックは指を1本から2本に増やした。
「あっ・・・くっ・・・ん」
「ほら、しっかり立てるよね。タ゛メだよそんな心配させてしまうような態度をとっちゃ」
わざとシンタローの耳元に顔を寄せると甘く低い声で、諭すように話しける。
誰のせいだ、誰の!
きつく下から上目使いに睨みつければ、無遠慮に指が2本ハ゛ラハ゛ラに動かされた。
濡れた音が室内に響いているような錯覚さえ覚える。
もう・・・だめだ・・・。耐えられない。
「・・・・・・や・・・っつ・・・!」
シンタローが身体を震わせて、マシ゛ックに抱きつくようにしがみつくと・・・・・・
ちーん-------
室内に響く音とともに、またエレヘ゛ーターが止った。
また誰か乗って来るのかと、神経をそば立てるとどうやら違うようだ。
「すみません、お先に失礼します。お体大事にしてください」
一礼すると、エレヘ゛ーターから出ていった。
エレヘ゛ーターが閉まるのを確認すると、ほっとして力が抜けた。それを見計らったように指が奥まで押
し込まれた。
「や・・・・・・は、ぁ・・・・・・っ!」
「やらしい声だしちゃって、何してたかハ゛レちゃったかもねぇ」
ク゛リク゛リと中の壁を引っかくなように、掻き回し、空いている左手で布ごしにシンタローの下肢に手
をのばした。
「て・・・っめぇ・・・・・・あぁ・・・ん!」
ぴちゃ、と濡れた音が耳を犯す。
「前、カチンカチンだよ、やらし~。人がいたから余計感じちゃった?」
「あ、ふっ・・・ん・・・覚えて、ろよ・・・」
「覚えてるよぉ、シンちゃんが人前でこんなに興奮するなんて忘れないよ」
耳をねっとりと舐めあげ、シンタローの首筋に顔を埋めた。
そろそろ、時間かな?エレヘ゛ーターの回数を確認すると、マシ゛ックはシンタローのモノを服ごしに握り
、上下にしごきあげた。
「っひ・・・・・・やぁああ!!」
後ろと前を同時に責め立てられ、シンタローはマシ゛ックの手の中に精を吐出した。
「ん、はっぁ・・・はぁはぁっ・・・」
荒く息を吸いこみ、マシ゛ックに身体を支えられる。
「よかった?」
クスっと笑うと、唇を重ねた。
「うっふぅ・・・ん、ん・・・」
「シンちゃんこの後の予定は?」
この後・・・この後は・・・会議と・・・
頭が霞がかったように動かない、このだるさをどうにかしたくて、親父に身体を預けた。
「ハ゜ハ゜の部屋いこっか」
うん・・・それもいい・・もう仕事なんて・・・
思わず、コクン。と頷きかけた。その時・・・・
ちーん-------
室内にまぬけともいえるような音が響いた。
その音に意識が覚醒されたのか、無理矢理身体を起すとマシ゛ックから離れるように、手に力をいれる。
「シンタロー様!!」
ぎょっとして、ト゛アに顔を向ければ、そこには仁王立ちした、ティラミスとチョコレートロマンス。
「勝手に出られてば困ると再三、申し上げているかと思いますが・・・」
ずかずかと、エレヘ゛ーターに入ると、シンタローの襟首をつかむ。
「いて、痛いってば・・・ひっぱるなぁぁ」
「マシ゛ック様も就業時間内にシンタロー様を構わないでください」
キッと睨まれれば、苦笑するしかない。
ス゛ルス゛ルと引っ張られるシンタローを見送りながら、思わぬ伏兵の現れに一人頭を掻いた。
「まさか、ティラミスが現れるとは・・・いやぁ~失敗したねぇ。次こそは・・・ね」
一人ほくそ笑む姿があったとな。
☆おわり☆
--------------------------------------
■エレベ-タ-ボ-イ■その後
おまけ
マジックにいたずらされた後-場所総帥専用、トイレにて-(あるのか?あるとして…)
そこに、ジャブジャブと下着を洗うシンタローの姿が。
くぅぅ~。殺す、殺す、ぜってぇ殺すぅ!!
なんで、このオレがこんなこと…。
マジックに対する恨みつらみを下着にあたるように、ゴシゴシと擦り切れるような勢いで洗いつづけた。
パンパンとパンツを伸ばし整える。
洗ったはいいがその後が困る。
選択肢①濡れたままのパンツをはく。
→イヤダ!濡れた水着と下着だけはぜってぇ~嫌。
選択肢②ノーパン
→一昔前に騒がれた喫茶店じゃあるまいし、擦れて痛いぞ。
(どこかは伏せる…聞くなよ)
選択肢③買ってくる
→このあと会議・外出・報告会…etc
とてもじゃないが、時間はない。誰かに頼むか…。
嫌だ…。パンツを買ってきてくれなんて。そんなこと恥かしい。
こうなりゃ、自棄だ。
②番のノーパンでいこう!パンツぐらいはかなくたって、誰も気づくはずか無い。
気づかないに決まってる!
自分に言い聞かせると、総帥室に戻った。
言い聞かせてはみたものの、スースする。隙間なんて無いのに、あるものが無いとこんなに心もとないものなのか?と布一枚のありがたみをしみじみと感じてしまう。
「どうしました?」
どことなくソワソワしている、シンタローに気づいたティラミスが話し掛けた。
「な、なんでもない…」
何故か顔をほのかに赤らめてうつむく総帥に、首を傾げると余計な事は聞くまい。と仕事を再開した…。
しばらくして、ドアをノックする音がしたかと思うと
「シンちゃ~ん、いいもの持ってきたよ」
スキップでもしそうな勢いで、マジックがやってきた。
「………」
視線で人が殺せたら、殺してやるぐらいの勢いで、ギッとマジックを一睨みするとシンタローは無言で書類に目を通す。
「ティラミス。私は少しシンちゃんに話す事があるから、5分間だけ席外してもらえないかなぁ」
元総帥のマジックに言われて、ティラミスに断る理由がない・・・というか断れるわけが無い。
彼の恐ろしさは身をもって知っている。
「では、私は席を外しますので、ご用がありましたらお呼び下さい。」
シンタローに一礼すると、ティラミスは部屋を出ていってしまった。
「シンちゃん。いいものもってきたよぉ」
顔を覗きこむように話しかけても、目も合わせない。
「・・・・・・」
プイっと顔を逸らしてしまう。
もう、そんな可愛いしぐさしちゃって、可愛い可愛いv機嫌を損ねたネコみた~い。
「持ってきたものはね~。コレ~」
ずずいっと紙袋をシンタローに差し出す。
手でそれを払おうとしたが、次のマジックの言葉を聞いて跳ね返す事は出来なかった。
「パンツだよぉ」
ピタっと手が止る。
「ほら、さっき中で出してしまっただろう?気持ち悪い思いしてるんじゃないかと思って買ってきたんだよv」
「・・・・・」
「そう言えば、さっきのシンちゃんので汚れたパンツはどうした?言ってくれれば洗ったのにぃ」
「・・・・・・・」
「もしかして今、ノーパ・・・・」
ダンっと机を叩くと、立ち上がってマジックの言葉を遮り、袋をふんだくった。
「いいか。これは、もらっといてやる。そのか・わ・り、一切オレの前に顔を出すな」
一刺し指を、想像でもしたのか鼻血をたらすマジックの前に突き出し、これ以上話すことはない!!といいうように、怒りに肩を震わせながら地を這うような声を絞り出した。
「さっさと出て行け!!」
一喝すると、眼魔砲をマジックに向かって放つ。
至近距離にも関わらず、それをかわすと、すぐにでも閉じられるようにドアを楯にした。
「シンちゃんのノーパン姿は、また今度ねぇ~★☆」
「消え失せろ!!」
その後、シンタローはやつあたりでもするように、部屋を壊した為午後は仕事にならず、1ヶ月間息子に無視される、寂しいガンマ団元総帥の姿が、あったとかなかったとか。
ガンバレ、負けるな、シンタロー!!
☆おわりぃ☆
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おまけっといっても本当アホな話しなので、呆れないでくださいねι(呆れちゃいました??)
シンちゃんのその後の話しが浮かんでしまい。10分ぐらいで書き上げたので、乱雑でごめんなさい。
お付き合い、ありがとうございました。
2004/06(MM)
「シンタローはぁぁんッッ、見とくれやすっ!」
「眼魔砲」
師走に入り、団内の忙しさは加速度的に増している。
各部署は各部署なりの年末進行に喘いでいるし、その過程で生じたトラブルはすべて総帥であるシンタローの下に集約される。前線に赴く前後にそれらをなんとか処理しながら、スケジュールの合間合間には、なぜかこの時期にやたらと開催される懇親会の数々が詰め込まれていて。
いくつかは元総帥であるマジックや幹部連中に代わりに行ってもらっているが、総帥に就任してから初の顔見せとなる会も多い。大部分は直接顔を出さないわけにはいかなかった。
もちろんそんな殺人的スケジュールの中でも、シンタローが愚痴など吐くことはない。たださすがに、全く疲れていないと強がってみせるにもごまかせない顔色には、なりつつあった。休憩時間に秘書課のティラミスが、す、と最高級の栄養ドリンクを差し出すほどには。
そんな疲労のさなか、奇声を上げつつ総帥室に駆け込んできた闖入者が一人。重厚な書卓の上に頬杖をついたシンタローは、その声を聞くや否やほとんど無意識のまま必殺の一撃を放っていた。
抜く手も見せず、と自画自賛したいほどにきれいに決まった眼魔砲は、しかし食らった男の息の根を止めるにはいたらなかったらしい。深緑の制服のところどころから香ばしい匂いをたてつつも、ずるずると地を這うように、その男は総帥室の中に入り込んでくる。
「ひ、ひど・・・用事があって来ましたのに・・・」
「悪いな、条件反射だ。で、なんだって?」
表情も変えずに言ってのけるシンタローに、ぼろぼろの手から差し出されたのは、小さな橙色の実をつけた木の枝だった。どうやら、眼魔砲からは身をもってかばったらしい。
「なんだァ、ソレ。金柑か?」
「へえv」
シンタローの前までなんとか這ってたどりつき、机を杖代わりに立ち上がると、嬉しそうに満面の笑顔を作って、アラシヤマはうなずいた。
「実をつけましたんや。半年前に植えた、わてとシンタローはんの友情の木十二号が」
「お前、まだ団内に勝手に植栽してやがったのか・・・」
チッとひとつ舌打ちをして、シンタローは渋面を作る。
アラシヤマがことあるごとに植えたがる本人曰くの「友情の記念樹」。木の種類こそ毎回違うが、本人が律儀に横に看板を立てておくので、見つけ次第すぐに眼魔砲で吹っ飛ばしてきたはずなのに。どうやらシンタローの目の届かないところで、じわじわと増殖していたらしい。
団内緑地の一斉点検が必要か・・・などと考えているシンタローの表情などどこ吹く風で、アラシヤマはいくつもの実をつけた枝を頬擦りせんばかりに愛撫する。
「三年生苗どしたさかい、上手くいけば思うとりましたけど。はじめての冬でこれだけ実がつくなんて、ホンマ縁起がよろしおすなあ。友達百人できる前触れでっしゃろか、それともわてとシンタローはんの仲のより一層の深まりを暗示しとるんどすやろか・・・」
「安心しろ、どっちも確実にない」
うっとりと遠くを見るような目つきで語るアラシヤマの言葉を、シンタローは引きつった笑顔で瞬時に否定する。ひどおすなあ、と悲しそうな顔をしつつ、アラシヤマは手に持つ枝をす、と差し出した。
「せやかて、金柑に罪はあらしまへんからな。よかったら食べてみておくれやす。わてもさっき一つ摘みましたけど、けっこう甘くていけますえ。無農薬有機栽培はわてが保障しますよって」
「・・・・・・オマエ、もしかしてそれだけのために、来たわけ?」
「へえ。そうどすけど」
ごく当たり前のことのように肯定する幹部に、シンタローはハァァ、と脱力しきったため息を吐く。
「その根性に免じて、コレはもらってやるけどな。さっさと仕事もどれ、アホ」
それとももう一発食らっていくか?と右手に光球を集め始めれば、アラシヤマはあわててきびすを返す。それでもまだいくらかの余裕は残っているらしく、退室の際には「ビタミンCも豊富どすし、疲労回復にも効きますえー」などとのたまってはいたが。
アラシヤマの足音がすっかり聞こえなくなってから、シンタローは金柑の枝を机の上に置いた。友情の木、などという得体の知れない名称を勝手につけられた金柑には、同情を覚えつつも気色悪いと思うしかない。
だがたしかに柑橘系の酸味は疲れた体に効きそうな気がして。アラシヤマがすっかり遠ざかったこと確認してから、一粒つまんで口の中に放り込んだ。
癪ではあったが、男の言うとおり、ほのかな甘さと酸っぱさは、過度の疲労で膜がかかったような頭を少しすっきりとさせてくれる。シンタローは先刻までに比べれば明瞭となった意識で、いつ果てるともない未決済の書類に、再び対峙し始めた。
『この長い道行きを。』
シンタローに果実を渡してからすぐに自分の部署へと戻ったアラシヤマは、ほんの二十分程度席をはずした間にまた増えた書類仕事を、的確に――ある意味では極めて機械的に――片付けていった。
アラシヤマの仕事の速さには、団内でも定評がある。良くも悪くも、廻される仕事に対し私情を全くと言っていいほど挟まないからだ。だが乗数的に襲い掛かってくる書類を処理し、さらにその後に、自分の「ある任務」に関する計画を練っていると、ふと時計に目をやったときには短針はすでに午前二時を指し示していた。
上司を残して自分たちだけ戻るわけには、と渋る部下たちは日付が変わった時点で睨みつけて帰したため、部署内に人気はない。アラシヤマも、通常業務だけだったらなんとか日中には終わらせていたのだ。それ以降も残って仕事をしているのは、云い様によっては私的な理由からだった。
正しく言葉通りの意味で不夜城といえるこの団内には、まだまだ大勢の人間が働き続けている。
ただ連日の三時間睡眠と終わりの見えない今後のスケジュールを思うと、さすがに今日はこれ以上の作業を続ける気にはなれなくて。机の上を整理してからパソコンの電源を落とし、椅子の上で伸びを一つ。そしてアラシヤマは立ち上がり、もはや自宅よりよほど長い時間を過ごしている部屋を後にした。
新生ガンマ団が誕生して一年。
新体制への移行は反対派を御しつつなんとか順調に進んでいるが、その変化の度合いが大きいだけに、まだまだ先は見えない状態だ。
座ったままの仕事は性に合わない、などという不満は新総帥の就任初日で、思うだけ虚しいものと理解した。表面上皆無となった殺しの仕事の代わりに、まわされるのは膨大な数の調査要請と任務の計画書。これまでのように相手の頭を潰せば終わり、というやり方ならさほど必要ではなかった事前調査の、資料やら計画書やらに目を通してダメ出しをするのが今のアラシヤマの平時の仕事だった。前線に詰めるのとほぼ同程度か、あるいはそれ以上の時間を、紙やパソコンとの睨み合いに費やしている。
好きではないが、他の幹部連中に比べれば苦手でもない。それだけに、新総帥からの要求は高く。通常の業務に加え、他の部署で難航して放り出された案件など、あからさまに誰もが敬遠するような仕事が積み増されて回されているのは気のせいではないだろう。
それでも、こき使われているという心境よりは、とりあえずどういった形であれ心友の役に立てている、と嬉しい気持ちのほうが強い。ほぼすべての戦場で先陣に立つ総帥が、自身をどれほど酷使しているか。それを知っているだけに、ほんのわずかでも力になれればというのは、アラシヤマだけでなく彼と共に戦った仲間の誰もが同じ気持ちだった。
たださすがに、人間の体力には限度というものがあるようで。
通常業務に加え、自分には「別口」からの仕事に対する準備の時間もある。たまに取る代休は、実際にはその仕事に費やしていた。そのためここ二ヶ月ほどまともな休みをとった記憶がなく、なおかつ四時間以上眠った記憶も遠い。そうした現状においてはさすがのアラシヤマも、寮の自室にたどり着いた頃には意識が朦朧となっていた。
だから自室であるはずのそこのリビングで、足を組み漫然と深夜のニュース番組を眺めているその姿を見たときも、咄嗟に状況を認識することができずに。
呆けた表情で一瞬棒立ちになれば、彼の人の手元にあったらしきテレビのリモコンがアラシヤマの額に刺さりそうな勢いで激突した。
「遅いぞ、アラシヤマ」
激しい痛みが、その存在がけして幻などではないことを主張する。
一言の連絡もなく家宅侵入しておきながら、家主の帰宅が遅いと苛立ちを隠そうともしない。労いの言葉など欠片も期待したわけではないが、あくまでいつも通りな己が師匠の言葉に、さすがに切ないため息が出た。
なんでこんなところに、という疑問は寸でで飲み込んで。ズキズキと痛む額を涙目で押さえながら、「すんまへん、とりあえず着替えてきますわ・・・」と小声で告げる。当然のごとくマーカーからの返答はない。
自室で楽な部屋着に着替え、リビングの隅にある簡易キッチンの冷蔵庫からビールを取り出し師の元に戻る。ビールはもちろん、こういうときのために買い置きしてある青島ビールである。
皮製の、部屋に一つしかないソファの中央で足を組み、反り返るように座っているマーカーにグラスの一つを渡すと、アラシヤマはソファと向かい合う形でフローリングの床に直に座った。テレビの音がなんとなく落ち着かなくて、消してもええどすやろか、と尋ねるとマーカーは無言でうなずく。先ほど飛ばされたリモコンは無視して、主電源を落とした。
「いつ、戻ってきはったんどすか」
マーカーがグラスに口をつけたのを確認してから、アラシヤマも一口目を喉に流す。地雷を踏む可能性があるWHATとHOWの疑問はさて置いて、とりあえず無難な話題を振った。
「実際に団に帰着したのは今日の夕刻だ」
「それから、ずっとここにいてはりましたん?」
「いや、隊長たちと街に出ていた。来たのは三十分ほど前か」
その言葉を聞き、疲れを感じたことが原因とはいえ、いつもよりは早く引き上げてよかったとほっとする。そして同時に浮かんだ「だったらそれほど待たせてへんやないどすか」という思いは、心の中で呟くだけにとどめた。
「鍵とかセキュリティーとかゆうんは・・・・・・聞くだけ無駄なんどすやろなぁ」
「当然だ」
ただでさえこの団員寮は、幹部用の貸し家に比べれば警備は驚くほど手薄だ。仕事上のデータは自宅に持ち帰らないことが原則であるし、団の敷地内にあり、なおかつ腕に自信のある男ばかりの寮に保安上の必要性を感じないのは誰もが同じだった。この師匠であれば、公共施設に入る程度の心持で容易に侵入が可能だろう。
別に現実問題として入られて困ることもないのだが、心臓には悪い。せめて侵入者があったときにはできるだけ早くそれを自分に知らせてくれるようなシステムは作れないものか、とぼんやりと本末転倒なことを考えてしまう。
ふと見ると、師匠のグラスは早くも空になっていた。
一本目の小瓶は、二人分を注いだ時点で空になってしまっている。手元に用意しておいた新しい瓶の栓を抜き、かすかに傾けられた師匠のグラスに近づける。
だがそのとき不意に、軽いめまいがアラシヤマを襲った。否、正しく言えば、襲ったようだった。というのも、はっと気づいたのは、床にビールを(わずかだが)こぼした後だったからだ。ほんの一瞬、気を失うようにぼうっとしたらしい。どうやら睡眠不足に加え、夕食をとる間もなくアルコールを流し込んだのがまずかったようだ。
「あ・・・・・・、すいまへんっ」
急いで拭くものを取りに立ち上がろうとする。
だが、その腕をマーカーが押さえつけた。叱責される、と反射的に身を硬くしたアラシヤマだったが、意外にもマーカーはすぐに何かをするわけでなく。ただ、アラシヤマの腕を掴んだまま、鈍く光る蛇にも似た眼光でじっとこちらを見据えてくる。
そのほんの数秒の沈黙を、アラシヤマは何より恐ろしく感じた。
薄い唇がゆっくりと開く。
「――連日、戻りは遅いようだな」
声の質そのものは普通の男よりも高いくらいだろう。なのに、こういうときに発するマーカーの声は、まるで地の底から響くように思えてくるから不思議だ。
ただ、問われている内容そのものは予想外に普通のことだったので、アラシヤマは多少拍子抜けしたように答えた。
「へ、へえ、まあ・・・・・・」
「なぜだ」
「・・・・・・単純に、ただ仕事が終わりまへんのや。団内も今こんな状況どすし、それに一応わても責任者の一人ですよって、いろんなチェックやらなんやらありますしなあ」
「すべてに目を通さねばならんほど、貴様の手駒は信用が置けんのか?――使えん人間を手下に置いておくのは、無能の証拠だぞ」
「ちゃいますて。そういうわけやあらしまへん」
実際、部下を信用していないのかと問われれば、案外そんなこともないのだ。
手前味噌でも、自分の下には有能な団員が揃っていると思う。新総帥から今の立場を任せると聞いたとき、承諾する条件として部下の人選だけは自分の手で行わせてくれと頼みこんだ。それなりの付き合いをするためだけでも、対象にかなりの条件がつくだろう自分の性質には、一応自覚がある。人選はガンマ団内の全団員のリストと首っ引きで行った。手間も時間も、相当かかっている。
だから彼らに対する信頼は自分としては破格なほど高いし、よほどのことでもない限り、仕事を割り振る際にも逡巡はない。ただ、どうしても――最後のチェックだけは自分でしないと気が済まない。それはアラシヤマの性格的なものもあるのかもしれないが。
どれほど部下の仕事を信頼しようと。
それ以上に、些細なミスで彼への負担を増やしてしまうことが、怖い。
「でもまあ、万が一のことでもあって、心友に迷惑かけるわけにはいきまへんし」
「心友、か・・・・・・」
指の跡がつくほどにきつく掴んでいたアラシヤマの手首を離し、マーカーは酒を一口あおる。
「お前が見境もなくシンタロー様を追い回しているというのは、団内でもずいぶんと噂になっているようだな」
「ええっ、師匠の耳にも入らはるほどなんどすの?!」
新総帥の名前が出ただけで、アラシヤマはあからさまに挙措を失す。驚くべき自制心を発揮して、マーカーは手のひらで燻りかけた火種を消した。
「いややわあ、いくらわてとシンタローはんが親密な仲やからゆうて。そない噂になるほどなんて、照れますえ~」
「新総帥のほうは、あからさまに疎んじているとも聞いたがな」
「照れてはるんどすっ。シンタローはんはシャイなお方どすさかい」
とうに成人を過ぎた男が、頬を染めて話す。弟子ならずとも灰にしてやりたいほどの鬱陶しさだ。
だがマーカーが真に腹を立てている理由は、そのことではなかった。ソファの前にあるガラス製の卓に、音を立てずにグラスを置き。
「もう一度聞く――連日遅く帰る理由は、新総帥から命じられる仕事のせいか?」
「――・・・・・・」
そしてほとんど抑揚を持たない、それなのにどこまでも響くような独特の声音で、尋ねる。
アラシヤマにとって、そうだ、と言い切ってしまうことは容易かった。実際、アラシヤマがそう答えたとすれば、マーカーは本意はどうあれ、それ以上の追求はしないだろう。
しかし、幼い頃からこの師匠には、嘘だけはつかぬようにと教え込まれてきた。そして、現実にどんな些細な嘘でも見抜かれてきた経緯がある。そのため、答えるまでに数秒の間があいてしまった。
そのほんのわずかなアラシヤマの動揺を見過ごすはずもなく、マーカーは口元に、まさしく冷笑と呼ぶにふさわしい氷点下の笑みを刻む。
「・・・・・・フン、やはり、な」
「やはり、てなんですの・・・・・・――ッ?!」
その言葉を吐き出しきる前に、唐突に襟首をつかまれ、無理やりに顔を引き寄せられた。
師の思いがけない行動に反応することさえ出来ず、アラシヤマはがくりと膝を折る。
間近に見るマーカーの黒曜の眼は、いつもどおり冴え冴えと冷たい。だが真っ直ぐに己が弟子を見据えるその視線は、まるでアラシヤマの奥底にある「何か」を見極めようとしているかのようだった。
「どこまで『本気』なのだ?――お前は」
「・・・・・・・」
マーカーの質問が意図するものが、やっとアラシヤマにも理解できた。
シャツの襟を持ち上げていた手が喉元に移動し、綺麗に整えられた爪が、アラシヤマの肌に食い込む。気管も頚動脈も押さえつけられているわけではない。だが。
「あの島で、お前は変わったと言ったな。あの時は確かに私もそう思った。だが・・・」
その視線と、長い五本の指から発される圧迫感に、知らず息が止まる。
「牙を抜かれて腑抜けたふりをしようとも、虎は虎だ。猫にはなれんぞ」
夜の室内は、恐ろしいほど静かだ。先刻テレビを消したのは失敗だった、とアラシヤマは頭の片隅で思う。
はぁ、と意識して息を吐き、同時に苦労して上げた口の端は、なんとも不自然にゆがんでいた。わかっていても、それ以外の表情を作るすべを、今のアラシヤマは知らない。
「・・・・・・虎かて一応、猫科どすえ」
「茶化すな馬鹿弟子」
「師匠は、わてを買いかぶっとるんやないどすか」
「阿呆が。お前こそ、己の師を見くびるのも大概にしろ――いいか」
鍛えられた首筋を掴むマーカーの指の強さは緩まない。不穏な笑みを浮かべたアラシヤマにわずかも表情を変えず、マーカーはゆっくりと言葉を舌に乗せる。
「いまだ血の匂いを撒き散らしながら猫を装う、お前の」
間近で囁くように紡がれるその声の、あまりの冷涼さに、知らず肌が粟立った。
「その厚顔さに呆れている、と、私は言っているのだ」
アラシヤマの髪の隙間からのぞく片目がほんの一瞬だけだが見開かれ、同時に室内の空気が静止する。
マーカーの声は穏やかな声音ながら、明らかな怒気を含んでいた。
続く沈黙。
やがて何かを諦めたように重いため息を一つ吐いたあと、アラシヤマは師の黒曜の双眸からふ、と視線をそらした。ゆっくりと身を引き、マーカーの指を首元からはずす。
「・・・・・・ほんま、敵いまへんなあ。師匠には」
口元には苦い笑みが浮かべられている。
それは先ほどまでの、その場凌ぎに作られたものとは明らかに違った。マーカーの腕に浮かされるように、ずっとひざ立ちになっていた姿勢からようやく腰を下ろすことができたアラシヤマは、ガラスの卓に軽く背をもたせ掛ける。
「――確かに、師匠の言うとおり、わてはまだ刺客どすわ」
それは、アラシヤマと、前総帥であるマジックだけが知っている真実。
「シンタローはんのガンマ団には、いるはずのない人間どす」
言って、苦笑したまま伸びかけの前髪をぐしゃ、と掻く。
一年で、全てを変えられるわけはない。いや、五年、十年でもこれだけの組織の全てを変えるにはまだ足りない。
だけど、それでも、あの人は変えたいと欲していて。そして、変えなくてはならないと強く信じていて。
ならばせめて、不要となる部分の中でも、もっとも冥い部分だけは彼の目に見えぬところで消し去っていこうと。そう考えたのがシンタローを溺愛する元総帥であり、その意を酌み、同意したのが自分だったと言う話。
必要なことはわかりきっていた。ありとあらゆる手を使って、負の遺産の処理をする人間が。かつて、団内でおそらく最も多くそうした仕事に手を染めた一人であった自分と、それを命じていた元総帥だから、わかる。ある意味では最も接点をもとうとしない二人ではあったが、その部分に関する認識だけは共通だった。
「醜い部分は見せたくない、とでも言うつもりか?すべてを背負ってこその総帥だろう」
「ちゃいますわ。あんお人はもう十分背負うてはる、ゆうことどす」
ただでさえ、普通の人間だったら壊れてもおかしくないほどのものを、シンタローは抱えているのだ。彼の少年との約束に、偉大なるカリスマの後継としての重圧。己の出生にまつわる秘密を受容するための時間すら与えられずに、彼の運命は回り続ける。最愛の弟を、いつ覚めるともわからない眠りの中に残したまま。
それでもシンタローはただ、前を向いて。常人には不可能としか思えないようなことをやり遂げようと必死に両足を踏みしめているのだ。そんな姿を見ていれば、せめてこれ以上、余計なものを背負わせたくないと考えてしまうのは当たり前のことで。
「わてらのしとることは、完全にお節介どすけどな・・・」
「わかっていながら、わざと、あの男の前では道化て?馬鹿馬鹿しいにもほどがある」
「わざと、てわけでもないんどすわ。あれはあれで、全部本音どす」
怪訝そうな表情をするマーカーに、慣れっちゅうんは怖いどすなあ、と、ひっそりと笑う。
「正直、自分でもようわかりまへんのや。どっちもわてや、としか言いようがないんどす」
「・・・・・・詭弁、だな」
「かもしれまへんなぁ・・・・・・、せやけど、嘘やありまへんで」
そんな弟子の顔を見て、マーカーは先ほどとはまた異なる理由で手の内が燻るような気がした。あえてその手をぐ、と握り、弟子のこめかみから頬の中間を、ほとんど手加減なしに殴ってやる。
「でっ!何しますのん、師匠!」
「もういい――。その間抜け面を見たら、何を言うのも惜しくなった」
そうしてどさり、と始めのようにソファに反り返る姿勢で深く腰掛け、ビールがまだこぼれているぞ、さっさと台拭きなりなんなり取ってこい、と犬でも追い払うように手を振る。アラシヤマはずきずきと痛む頬を押さえながら立ち上がり、ようやく当初の目的であった簡易キッチンに向かった。
マーカーはほんの数秒だけその背に目をやった後、視線を正面に戻して、声だけでアラシヤマに呼びかける。
「アラシヤマ」
「へえ?」
「そう遠くなく、特戦は団を離れる」
淡々と。いつもどおり、遠征に出てくる、と告げるのと全く同じ口調でマーカーはそれを言った。だがその内容はアラシヤマの手を止めるには十分で。いかに簡単そうに言われたところで、それがどれほど重い決定かということは、アラシヤマにもわかる。
団内でも最も多く屍を踏み越えてきた特戦部隊。
団を離れて辿る道は、これまでにも増して険しいものとなるだろう。もとより安穏を望む彼らではないけれど。
布巾を水に濡らしながら、そうどすか、と答えた声は、諦観を含みながらも、いつもよりもやや低く落ち込んでいるように響いた。
あんお人
「痛いとこ、ほとんど持ってってくれはるんどすな。――ハーレムはんは」
「別に、新総帥のためだけを思って、そうするわけではないだろうがな」
濡れ布巾をもったままソファの元に戻れば、マーカーは手酌で残ったビールを自分のグラスに注ぎ入れていた。
「そして、残った部分はお前とマジック元総帥が請け負うのだろう?甘やかしすぎではないか?」
「シンタローはんにはなんとのお、周りの人間を動かすようなもんがあるんどすやろな。まあ、それでも今、誰よりキツい思いしとるんはあんお人やと思いますえ」
ためらいもなく言い放つ。その言い方を忌々しく思いつつ、マーカーはグラスの中身を一気に飲み干した。
本当は、少しだけ思っていたのだ。アラシヤマを、共に連れて行こうかと。
性根を一から叩き直してやりたいという気持ちもなくはなかったし、少なくとも、ここに一人残すよりは、そのほうがまだこの馬鹿弟子にとっても幸せなのではないかと思っていた。
だが、先刻の話を聞いて、そのような気は一切、消散した。どんな修羅道に堕ちようと、本人が幸福だと思い込んでるのなら仕方がない。そういえば昔から、思い込みは激しい性格だった。
空いたグラスをたん、と卓に置き、不機嫌そうな顔つきでマーカーは、「帰るぞ」と唐突に言う。
「へ・・・、これから、艦に戻らはるんですか」
日が短くなっているせいで夜明けはまだ遠いが、時計は既に四時を回っている。
「馬鹿弟子とくだらん話をしたせいで、せっかくの酔いが覚めた。ロッドかGあたりを捕まえて飲みなおす」
そうゆうたかて、ビール四本は空けてはるやないですか、これだけの時間で。そんな弟子の抗議の呟きは完全に無視して、マーカーは立ち上がり、ソファの肘掛に置いておいた皮のジャケットを羽織った。
そうして部屋から出て行こうとしたとき、見送りに出ていたアラシヤマが不意に、マーカーを呼びとめる。
「師匠」
「なんだ」
振り向いた瞬間、アラシヤマが浅く、それでも正式な作法に則った形で、頭を下げた。
「すみませんどした・・・色々と」
その言葉をアラシヤマが口にし終えた瞬間、マーカーの眉間に深い縦皺が刻まれる。
「安い謝罪の言葉を口にするな。行いを正すつもりもないくせに」
「せやから、これからわてがすることも含めて、どすな」
「はなから貴様を許す気などない」
「そうでっしゃろなぁ・・・・・・」
にべもない己が師匠の言葉に、アラシヤマは苦笑する。髪に覆われていない半面に見せる笑顔に、迷いの影は見えない。だがその顔はなぜか、かつて幾度となく見た幼い弟子の泣く寸前の表情に重なって。
当時の面影などほとんど残していないのに、これはいったいどちらの感傷なのかと不思議に思いつつ、マーカーは男にしては細く骨ばった手でアラシヤマの髪をくしゃりと撫でる。撫でるというよりは掴むといったほうが近いような行為だったが、それでも思わず伸ばした手は――きっと。
お互いに変わったと言いながらも、本質的なところで変わることなどできはしない、無駄に器用で、どこまでも不器用な男。そんな不肖の弟子に、嘲りとわずかな憐憫を抱いたからだろう、とマーカーは思った。
了
=================================================================
ある意味、前提(言い訳)作りの一本・・・。
ちなみにこの時点でアラシンはまだお付き合いはしていないという設定です。
アラシヤマはもう自分のことすらきっと、わかってるふりしてよくわからなくなってると思う。
それで師匠は、そんなアラシヤマのことを結構わかっちゃうのがいやだなあと思ってるといいなあと。
(元アラシンお題12.「変態的」)