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ms*
【期待】

今日はグンマもキンタローも朝から研究の材料の買出しに出ていて今この家にいるのは、
マジックとシンタローの二人だけだ。

昼食後、シンタローがダイニングテーブルで新聞を広げているところに
マジックが擦り寄って来た。
鬱陶しい、と言うのも最早面倒くさい。
暫く好きなようにさせているとマジックの手が太ももの上に置かれる。
睨み付けると‘キスがしたい’と言われた。
当然拒否する。
しかし何度も強請られ続けて、いい加減怒りも限界に達しそうだった。

キスしてやれば、満足か。

シンタローの言葉に、マジックはにっこり微笑んで頷いた。

『キスだけ』

なんて言われて、本当にそれだけですんだ事はほとんど無い。
解かっているのに結局許してしまう自分がシンタローは嫌だった。

息をするのも忘れそうになるくらいの優しいキスに胸が詰まる。
抱き締められると、マジックのつけている香りがそのまま自分に染み込んでいく気がした。
ぎゅう、と心が痛くなる。
音を漏らしながら、合わせた唇と唇の隙間から赤い舌がちらりと覗く。
男からの甘ったるいキスからやっと解放されても、
大きな掌で、揉むように脇腹を辿られるとそれだけで腹の奥が疼いてしまって
‘やめろよ’と言ってもしつこく首元に接吻を繰り返され、
近い息づかいにぞくぞくと全身に痺れが走る。
一度快感に触れてしまうと、身体はその先にある目まぐるしい悦びを覚えているから
もっともっとと、欲張りになってしまう。
シンタローは今にも暴れだしそうな熱を必死に押し殺していた。
マジックは青い双眼でその様子を見つめながら、唾液で濡れた唇を笑みで歪ませる。

クチは素直じゃないくせに、身体は素直だね。

・・・ご褒美を、あげよう。

穿いている物の上から既に勃起してしまっている処へ手を当てられる。
今まで幾度も与えられた羞恥と興奮が電流のように身体中を駆け巡った。
「机に手をついてうつ伏せになって」



マジックは高く上げた形になっているシンタローの腰を辿ると、
ベルトを緩ませ勢い良く下穿きを残したままズボンを引きずり下ろす。
シンタローのものはもう、苦しい位に張り詰めていた。

こんな、恥ずかしい真似をさせられているのに。

シンタローの下半身は未だ下着を身に着けたままだ。
その状態で、マジックは己の身体をしゃがみ込ませ彼の尻に顔を埋めた。
薄い布地の上から、自分を受け入れてくれる場所へと舌を這わせる。
前に与える刺激も忘れずに、そこを強く吸っては舌でねぶり
下着の隙間から指を入れて中を掻き回した。
シンタローがシャツだけを纏いながら机に顔を押し付けて喘いでいる様子は
実に扇情的だ。
唾液と体液で濡れてしまったものを丁寧に脱がして、充分な程慣らした内部へ
マジックは己の怒張を押し挿れる。
あぁ――――・・・ッ!と、シンタローの悲鳴が部屋中に響いた。
「あ、っは・・・ぃや・・・ぁ・・・、・・・ッん、ん・・・!」
甘い声が上がると、彼の腰を掴んでいるマジックの手に力がこもる。
襞を抉るそれは、中よりも更に熱くて、深く深く奥へ入っていく。
繋がった部分が、重なった部分が、全てが熱くてたまらない。
狭い中を、肉の塊でいっぱいに広げさせられて、先端が内壁に擦れる度に喉が啼く。
いっそこのまま融けてしまえたら良いのに。
「はぁ・・ん・・・・あ、はぅ・・・ッ」
身体を大きく揺さぶられて、そうされながら自身を強く扱かれて
強すぎる快楽に狂いそうになる。
シンタローは夢中で机にかかっているテーブルクロスを握り締めた。
流麗な眉に皺を立てて額に汗を滲ませている。
口をついて出るのは喘ぎばかりで文句の一つを吐こうにも上手く台詞を綴る事ができない。
シンタローの項には、昨夜つけられたばかりの紅い跡がまだ残っていた。
過敏になっているその肌にマジックは自分がつけた跡をねっとりと舌で舐め上げる。
そして、また濃淡の差をつけた所有の印を幾つも残していく。
刺すような焦れた痛み。
だが、それさえも気持ち良くて。・・・感じてしまう。
後で一緒にお風呂に入ろうよ、とマジックは言う。
返事をする余裕など、シンタローにはなかった。
「あ、あッ・・・はぁ・・・あ・・・ッ!」
前立腺を突かれて精液が机に勢い良く飛び、一歩遅れてマジックも、
シンタローの中へ激しく出しきった。


「だから・・・こういう事になるから・・・・所構わず盛るんじゃねぇよ・・・ッ」

行為の末の部屋の成れの果てを眺めつつ、怒りを含ませた声でシンタローはそう告げた。
床や、机を綺麗に洗浄しなくてはならない。
しかし、その前にこの身体をどうにかしなければ。
マジックはシンタローを抱き寄せた。

「じゃあ、お風呂に入ろうか!二人で!」

男の腹に肘を食らわせると、シンタローは己の脱いだものを抱えて脱衣所へ向かった。
後ろにマジックを残したまま。
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シンタローと話していると、実に疑問に思う事がある。

キンタローは、隣で勢い良く酒を注ぐ従兄弟にちらりと視線を向けた。

今日はマジックが、あの例のファンクラブの活動とやらで自宅で何か催し物があるらしく
夜まで家に帰れない。
二人はそれまでの暇つぶしで電車に乗り、色々と外を出歩いて大分空が暗くなってから
その辺の居酒屋に足を運んだのだがシンタローはカウンターについてからと言うもの、
‘オヤジが’‘あの馬鹿は’‘アイツって’と、マジックの事ばかり話している。
眉間にしわを寄せたかと思えば、ふと、照れくさいような、何だか言い表しがたい表情をつくる。
キンタローは、暫らく何も言わずシンタローの話に耳を傾けていたのだが、ふと、一言つい口に出してしまった。

お前はそんなに伯父貴が気になるのか、と。

ぶっ、と。
シンタローが口から酒を噴出した。
汚いぞ、とキンタローが冷静に注意するとシンタローは咳き込みながら‘誰が!’と答えた。
顔がほのかに紅いのは明らかに、酒のせいではなかった。
‘そんなに好きなのか’‘好きだろう’‘どうなんだ’
そんな質問を何回繰り返しただろうか、シンタローは‘だぁー!もう!’と力強く机を叩いた後
‘うるせェよ・・・’と目を伏せてしまった。
キンタローは、何となくそれ以上は聞けなくなり、黙って酒を注いだ。
難しい男だな、とキンタローは思った。





すっかり酔いつぶれてしまったシンタローを何とか電車に乗せる。車で来なくて正解だった。
幸い席はすいていて、電車に揺られて、シンタローの頭がキンタローの肩に乗る。

‘父さん’

と、掠れた声をキンタローは聞き逃さなかった。

・・・シンタロー

オレの事をよく、子供だな、とお前は言うが
シンタロー。お前だって子供だ。
そんなに、いつも、考えているくせに。お前は。
肝心な時にははぐらかしてばかりで、
本人の前では自分の気持ちさえ言えない。
大人って、そうじゃないだろ?
だから、お前も子供だ。





シンタローを支えながら、何とか家に辿り着く。
ドアを開けると、音に気付いたのか廊下からマジックが出迎えに来てくれた。

「おかえり」

風呂に入った後のようで、マジックは既に寝巻きを着ていた。
・・・良い香りがする。

「ただいま」

キンタローが微笑むと、マジックも微笑んだ。
シンタローをマジックに預けると、キンタローは‘今日はいつもにも増して、よく伯父貴を呼んでいた’
と言った。
「いつも?」
「いつも言ってる?この子」
マジックの問いに
あぁ、とキンタローが素直に頷く。
「そう」
「嬉しいよ」とマジックは返事をした。
預けられたシンタローを抱き上げて、寝室へと向かう。
部屋についても、電気はつけなかった。


着ていたジャケットを脱がして、ベッドの上にシンタローを静かに降ろす。
少しの間、マジックはシンタローの寝顔を眺めていた。
長い指で、僅かに開いた唇に触れる。
嫌なのか顔を背けるので、ちょっとだけ強引に顎を向かせる。
下唇を舐めると、熱いため息が、肌に触れた。
舌をゆっくりと差し入れると、‘んー・・・・ん・・・’と声を漏らして、シンタローはマジックのキスに答えた。
舌と舌が押し合って、離れると糸を引いて、近い吐息に融けてしまいそうになる。
あんまりしつこくするものだから、
シンタローは口を離してしまった。
もう一度、マジックがキスを求める。
シンタローは目を閉じたまま、小さく、嫌、と言った。
それが余計、止められなくなってしまって、マジックはシンタローの唇を無理やり奪った。
激しいキスの合間につく息が、たまらなく熱い。
シンタローの着ていたシャツを下から胸までたくし上げて、性急に、マジックは彼の胸にあるものに吸いつくと
シンタローの身体は敏感に反応を示した。
咄嗟に嫌だと拒絶するが、酔いが回っているせいか抵抗らしい抵抗もできない。
マジックが、舌で、乳首を嬲る度に、
指でもう片方のものを抓る度に、
シンタローは拒否を示した。すると、

「ヤなの・・・?ホントに・・・?」

じゃあ、やめちゃうよ・・・とマジックはシンタローの耳元で低く囁いた。
シンタローの顔がカァーっと赤くなる。
恥ずかしさで死んでしまいたい。
思わず顔を隠そうと腕を上げて、それを、マジックに防がれた。
離せよ、と言っても離してくれない。
相変わらずムカついてしょうがなくなる。
シンタローが黙ってしまったので、マジックは掴んでいた手を離して、再び、
彼の胸に顔を埋めた。



「はぁ、あ・・・ッ」

胸にある突起の先を強く噛まれる。痛い。
一糸纏わぬ姿にされてから、どれ位経っただろうか。
身体中を触られてシンタローの中心は既に熱を持っていた。
それに躊躇いもなく、マジックは舌を這わせた。

「はぁ―――・・・ッん、はぁ、あ・・・」

「イイ・・・?」

そう尋ねても、シンタローの口から出るのは嫌だばかりで、
マジックはさも、おもしろくなさそうに

「シンちゃんは嫌しか言えないのかな・・・?」

と、シンタローのものに、少しだけ歯を立てた。
父さん、と甘い悲鳴が上がる。
呼ばれた事が嬉しかったのか、マジックは握っているそれを扱いたり、
吸ったり、舐めたりを繰り返した。
シンタローは何度も、父さん、と彼を呼んだ。

「もう出る・・・ 出る・・・!」

「まだだよ。我慢しなさい。」

冷たく言われて、シンタローの目元が怒りで熱くなった。
こんな、誰のせいで出そうになってると思ってるんだ、とか
そんな文句で頭がいっぱいになる。
ちゅ、とそれにキスを落とされて少しだけ出してしまい、
‘ダメだね’とため息を打たれた。
後ろに指を挿れられて‘痛い’と訴えると‘今はね’と付け加えられてしまう。
一本から、二本へ。二本から、三本へと指を徐々に増やされる。
前立腺のあたりを激しく擦られ、シンタローは堪えきれず吐精してしまった。
出した後も、ぐちゃぐちゃと音を立てる程中を掻き乱される。
内壁に爪を立てられて、指で擦られて、頭の中が真っ白になっていく。

「はぁ、ん・・・は・・・ぁ・・・」

バカになってしまいそうだ。
次第に自分からも腰を揺らしてしまって、恥ずかしいのに止められなかった。

「父さぁ・・・ん・・・っは・・・」

指が抜かれて、待ち望んでいたものが中に埋め込まれていく。
シンタローは夢中で腰をふった。

「可愛いね」

首元を噛みつかれながら、そんな風に口説かれる。
キスがしたくて、たまらなかった。

中で出されて、ビクビクとシンタローの身体が仰け反る。
シンタローもまたお互いの重なった腹に、白濁した液体を飛ばした。
マジックのものが身体から引き抜かれると、狭い内部で放たれたものが太腿を伝って、
それさえも感じてしまって、喘いでしまう。
離れるのが嫌で引き止めるように相手の唇に自分の唇を合わせると、
‘酔ってるんだね’と頭を撫でられた。

シンタローは、無言のままでいた。
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「チェックメイト。」

コン、と軽く音を立ててシンタローはキングをとった。
勝負事は嫌いな方ではないから、マジックがチェス盤を持ってゲームを挑んで来た時は
文句を垂れながらも潔く申し込みを受けとったのだが言いだしっぺの割りに、先ほどから
全く手ごたえの無いプレイを見せる父親にシンタローはさも、不愉快だと言うように
元々愛想の無い顔をさらに無愛想にしてマジックを睨んだ。
ゲームを始めてからもう5回も敗北を決めているにも関わらず、
彼はそれが楽しくてしょうがないような笑顔で『また負けちゃったー!』だの
『シンちゃんってば強すぎ~』だのとノリノリではしゃいでいた。

「アンタ、本気出せよ。」

「ヤだなぁ、シンちゃん。その言い方だとパパがわざと負けてるみたいじゃない。」

「みたい、じゃなくて実際そうだろ。
自分からふっかけといて、舐めた真似すンじゃねーよ。」

「パパは勝負の結果よりも、こうしてシンちゃんと向かい合ってゲームをする時間を大切にしたいんだもの。」

何を、馬鹿な事を。シンタローは鼻で笑い飛ばした。

「あぁ、そうか。アンタ、本気を出してオレに負けるのが怖いんだろ?」

「そんな事はないよ。それにパパが本気を出したらもっと早く勝負がついちゃって詰まらないじゃないか。」

これは暗に、‘私が本気を出せばシンタローなんか直ぐに負かしちゃうよ’と言う意味で
勿論シンタローはそれを素早く読み取り、やはり頭に血が昇ったらしく
マジックに本気で自分に挑んでくるように命じた。

マジックは涼しい顔をしてにっこり微笑む。

「シンタロー。勝負って言うのはね、勝っても自分に何もメリットがない場合は
さっさと降参する方が賢いやり方なんだよ。」

「じゃあ、アンタが本気を出してオレが負けたら、
今日1日アンタの言うこと聞いてやろうじゃねぇか。」

自分ばかりが熱くなっているのがおもしろくないシンタローは、マジックの言葉に
つい我を忘れてとんでもない事を口走った。
しまった!と思うのも後の祭り。マジックの唇の端がそれはもういやらしくつり上がる。

良いよ、シンタロー。
本当のチェスを教えてあげる。

そう言って、彼はさっきまでのチェスがまるで児戯にも思えるような華麗なプレイを決めて
あっさりと勝敗をつけてしまった。

あまりに呆気ない敗北にシンタローが絶句していると、マジックは彼の唇に
すっと人差し指を当て、静かに微笑んだ。

「約束、守ってくれるよね?」

「~~~~~~~~・・・・ッ」

もう絶対、二度と、こいつとはチェスはしない。
シンタローは心の中で固く誓った。







「似合うよシンちゃん。」

ピンク色のフリフリエプロンをつけたシンタローにマジックは満足げにため息を漏らした。
シンタローの顔は真っ赤だ。
無理もない。何故なら逞しい身体に直にそれを纏っているのだから。

「何が似合うよ、だ!こンの・・・変態!」

「今さらだなぁ。それよりほら、何でも言うこと聞くんでしょう?
それともシンタローは自分から言い出した約束を
自分に都合が悪いからって簡単に破っちゃうような、そんなイケない子だったのかな。
大人しく約束を守るなら手荒な事はしないよ。・・・それとも」

お仕置きされたい?

耳元で熱っぽく囁かれて、シンタローの身体がぞくぞくと震えた。
フリルの裾をめくるように太腿を触られて、その刺激だけで
自分が興奮しているのが解かり、恥ずかしくなって赤く染まってしまった顔を
マジックの肩に押し付けて隠した。

「素肌にって言ったのになぁ・・・どうして下着穿いてるのかな?シンちゃん。」

顔を肩に押し付けたまま何も言わないシンタローに苦笑いしながら、
マジックは掌で、下着の上から熱くなり始めたそこを嬲った。
反抗的に、身体を捻って拒絶するがそれでも集中的に攻められれば
腰が勝手に泳ぎだすのは仕方の無い事だった。
直接指が触れているわけでもないのに、下着の上から擦り上げられる刺激に
身体は物足りなさを感じてしまってシンタローはしがみ付く手にさらに力を込めた。
震える項に欲情して、マジックは彼の耳朶を甘噛みする。
きつく歯を立てると、それさえも快感を感じてシンタローはさらに身体を震わせた。

「・・・・ぅ、ん・・・・ッあ・・・・」

前を弄っていた指は、もう、下着を引き摺り下ろして直接的なものに変わっていた。
マジックが長い指で扱いてやる度に、シンタローは甘い声を漏らした。
いつまで経っても前を触るばかりで、ちっとも後ろに指をやらない彼に痺れを切らしたのか
シンタローは顔を上げて、艶っぽい視線でマジックを見た。
キスをして催促しても、彼が指を挿れる気配はない。
これ以上されたら、もう、先に達してしまいそうだとシンタローは懇願した。

「先にイって良いよ。パパはシンちゃんがエプロン汚すところが見たいんだ。」

「何言って・・・・ッ・・・」

「ほら、見せてよ。エプロン、シンちゃんので汚してよ。」

後でパパも汚してあげるから。

最後に小さく付け加えられて、シンタローは顔がまた一層熱くなったのが解かった。

震える身体が悶える腰と相まって揺れている。
もう早く中を探って欲しいのに、こんな意地悪をされるなんて。

「ん、ん、んぅ・・・・――――――・・・・ッ!」

白濁した液体がピンクのエプロンにじわりと卑猥な染みを作る。
吐精した快楽に身をまかせているのも束の間、直ぐに指が中を侵入した。
弱いところを何度も引っかかれて、たまらなくて
指の抜き差しに合わせてシンタローも腰を振った。

「ンはぁ・・・・、ぁ・・・・ん・・・!」

「可愛いよ」

指を抜いて、自身で彼の奥を突いてやると
あまりの快感に耐え切れずシンタローはマジックの肩に縋り付いた。
両手をしっかりと彼の首に手を回して、駄々をこねる子供のようにキスを強請る。
父さん、父さん。
頭の中はそれだけだった。
断続的に突き上げられればそれに合わせて切ない嬌声がシンタローの口から零れる。
床に押し倒されて、さらに中を犯されて無我夢中でマジックの腰に足を絡ませた。
「は、あ、あぁッ、父さん・・・・ッ父さん!」
密着した身体と、エプロンの間でびゅく、と精液が弾ける。
マジックはシンタローの内部から自分のそれを引き抜き、ピンク色のエプロンを熱で汚した。
お互いの汗やら液やらでぐちゃぐちゃになったそれをシンタローから脱がすと
マジックは大事そうに抱えて立ち上がった。
開放の余韻で心身共にまだ回復していないのか、シンタローは床に寝そべったままマジックに
それをどうするつもりだ、と尋ねた。

「大切なパパとシンちゃんのメモリーとして、このままで大事に保管しておこうと思って」

引き止めたい気持ちでいっぱいなのに腰がだるくて立ち上がれないシンタローは
そそくさと部屋を出るマジックを半ば涙目で見送る事しかできなかった。

畜生――――――――――――――――――――ッツ!!!!

シンタローの声が部屋中に木霊したのだった。
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自分を乗せたまま止まってしまったエレベーターの中で、シンタローは深いため息をついた。

あぁ、まったくついていない。

特に急いでいたわけでは無いけれど、それにしたって何もマジックと二人きりで居合わせている時に
止まらなくても良いだろうに。
密室に『二人きり』なんてあまりにも都合が悪すぎる。
シンタローがちらりと目線を横にいるマジックの方に向けると、案の定彼はこの状況を楽しんでいるかのように
顔を綻ばせていた。
・・・絶対に話しかけたくない。シンタローは視線を元に戻すと壁を背にしてその場にしゃがみ込む。
いつものようにしつこく喋りかけてくるかと思っていたら意外にも彼が長いこと黙ったまま立っているので
シンタローは自分の方が何だか落ち着かなくなり、もう一度彼の方に目をやると真っ先にマジックの手が視界に入って
‘男のくせに随分と綺麗に爪を整えているんだな’とシンタローが聞くと

「シンちゃんの中を傷つけないように気を遣ってるんだよ」

とマジックは答えた。
此処がエレベーターの中でなければ、即座に眼魔砲をぶっ放されていたところだろう。
シンタローの顔は怒りと羞恥でひくひくと引きつっていた。
「余計なお節介だ。」
そう嫌味を吐いてやると、マジックはふ・と無邪気に微笑んで見せた。
「あぁ、そうか。シンちゃんは痛い方が好きだもんね。」
揶揄された事に腹を立て、シンタローは勢い良くその場から立ち上がりマジックの胸元を両手で掴む。

アンタなんか、オレがその気になればすぐにでも襲えちまうんだぜ。

どすの利いた声で言ってやると
「そうなんだ。知らなかったな。」
と笑われてしまった。
その人をおちょくった態度にシンタローは怒りを覚えて、気が付けば思わず、彼の首元を痕が残るほど強く噛んでいた。
マジックが低く呻いたのが解かる。
ざまぁみろ、とシンタローは一度噛んだ場所と違う所を同じように強く噛んだ。
それを何度も繰り返している内に腰元を強く抱かれて、シンタローが口を離すと彼は静かに微笑んで見せた。

声が出そうになったら、そうやって噛んでると良い。

囁かれた言葉にシンタローは全身の血の気が引くのを感じた。
マジックの腕から逃れようとしても、こうも腰をがっしりと強く抱かれた状態ではそれも無駄な抵抗に終わるだろう。
ずるりとマジックの指が服の隙間から入り込み、何の前戯も施されていないそこを、遠慮なく貫いた。
「――――――・・・・・ッ・・・!」
激痛に身体が仰け反る。
まさか、こんな事をされるとは予想もつかなかった彼はマジックの肩に顔を埋もれるようにして声にならない悲鳴を上げた。
こんな、いつ動き出すか解からないエレベーターの中で、一体どんな神経をしてるんだと怒鳴ってやりたかったが下半身の痛みでそれも叶わない。
カメラだってあるって言うのに。
荒い息をついて痛みに耐えていると、マジックは冷たくシンタローに言い放った。
「コートも着ているし、最後までしなければ何をしてるかまでは見えないよ」
次第に増えていく指に、シンタローはマジックにしがみ付く事しかできなくなっていった。
内部を弄られながら、中心に手をかけられる。
直接触れてくる手の感触にびくびくと悔しいほど感じてしまい、頬が快感で赤く染まっていく。
熱い吐息が途切れる事なくシンタローの口から零れた。
「はぁ・・・、あッ・・・・」
すっかり濡れてしまっていやらしく蠢く内壁を爪で引っ掻かれる度気持ち良くて、
指だけで腰がこんなにも悶えてしまっている事をマジックに気付かれる事が嫌でしょうがなかった。
啄ばむようなキスの合間につく息が、たまらなく熱い。
「やっぱり痛いのが好きなんだね」と呟く声に、シンタローが何も言い返さなかったのは
肯定を示すためじゃなく、キスをやめたくなかっただけなんだと言う事に彼は、マジックは解かっているだろうか。
深いキスと、肌に触れる指先。
それら全てにシンタローは酔い痴れた。
開放を促されるように、先端を押される。白濁した液体がマジックの服と、掌を汚した。
「くそ・・・ッ」
はぁ、と息をついて彼を見ればやはり笑っていて、おまけに
「シンちゃんも変態だね。パパと同じ。」
とまで言われてしまった。
やるせない気持ちになったが、それでもまた唇を求められてしまえば再び目を閉じてしまう。
このまま時が止まってしまえば良いのにとすら考えてしまう自分は、もしかしたら本当にこいつと同じ変態なのかもしれない。
そう思いながら、シンタローは彼を強く抱きしめた。
扉が開くまで、ずっと。

 辺りを見渡しても岩ばかり、という荒涼とした風景の中、アラシヤマは
 「リッちゃーん!!」
 と叫ぶウマ子を、(いきなり、どないしたんやろか??この女子・・・)と不審に思いつつ、
 「ホラ、直りましたえ」
 鼻緒をすげ替えた下駄を手渡した。それを受け取ったウマ子は少し複雑そうな顔で下駄を見ると、
 「シンタローって、リッちゃんとひとつ屋根の下に暮らす御法度野郎じゃろ?そんな奴のどこがええんじゃ?」
 少し拗ねたように言いながらウマ子は下駄を履いた。なんとなく、アラシヤマは(さっきから、一体何どすの?)と、少々居心地の悪さを感じつつも、歩き出した。
 「一言言っときますが、別にシンタローはんはリキッドを狙うてはるわけやないと思いますえ?気に入って子分にしてはるんは確かやけど。どこがええんか聞かはったけど、とにかくシンタローはんは、強うて、綺麗で、優しおます」
 「そんなん、わしには信じられんわ。シンタローは、リッちゃんを扱き使う鬼姑じゃ!!」
 アラシヤマは、少し困った顔をし、腕を組んだ。
 「まぁ、それも俺様なシンタローはんの一面やと言えるかもしれへん。・・・あんたはんにやったら話してもええやろか。わてとシンタローはんが出会うたんは、ちょうどあんたはんぐらいの歳やったんどす。一目見たときから、シンタローはんは、とにかく他とは全然違ってましたわ」
 なんとなく、アラシヤマは今この場には心在らずといった様子で、何かを懐かしむような顔をした。
 「士官学校に入学した日、わてが一人でご飯を食べてたら、シンタローはんが『仲良くしよーぜ』って話しかけてくれはったんどす。すごい嬉しかったんやけど、何でかその後殴られまして。でも、それ以来、紆余曲折はありましたが今は一番の心友どす!正直な話、わてはシンタローはんのためやったら何でもします」
 アラシヤマはそう言いきった。それは他者が口をはさめるような雰囲気ではなく、少しウマ子は疎外感のようなものを感じた。
 黙ったままのウマ子を見て、アラシヤマはどう思ったのか、
 「・・・あんたはんにはつまらん話やったら、すみまへんな」
 そう言って、少し笑った。
 (なんじゃ、もう!わしだってリッちゃん一筋なんじゃけぇ!!)
 ウマ子は何故か悔しく思った。
 「リッちゃーん!リッちゃーんッツ!!」
 再び大声で叫びだしたウマ子を見て、アラシヤマは少し呆れた様子で、
 「あんたはん、そないにリキッドのことが好きなんどすか?」
 とウマ子に声をかけた。
 「す、好きって・・・、もちろんじゃあ!!!」
 「わてにはよう分からんけど、あんたはんこそあのヤンキー小僧のどこがええのん?」
 「むぅ、リッちゃんほど格好よくて可愛い男はおらんッツ!」
 それを聞いたアラシヤマが、
 「シンタローはんの方が格好よいし、可愛いおますえ!?」
 と断言したのでウマ子はムッとした。
 「リッちゃんは目が綺麗な空色じゃし、髪も金髪で王子様みたいじゃ!」
 「わては、シンタローはんのあの目が、好きどす!いつも睨まれてばかりなんどすが、笑ったり、わてのために泣いたりしてくれはると、もう、おぼこすぎてどないしようか思いますわ。長い髪はシンタローはんの気性みたいに真っ直ぐで手触りがようおますしナ」
 「り、リッちゃんはすごく料理上手な男じゃ!わしはリッちゃんの手料理を毎日食べることが夢なんじゃが、たまにはわしが作ってリッちゃんをドキッとさせてやりたいのぉ・・・」
 「リキッドよりも、シンタローはんの方が料理の腕は上でしゃろ!シンタローはんの手料理は絶品どす!ただ、わてのためには中々作ってくれまへんけど・・・」
 アラシヤマが色々と言っていたが、ウマ子はリキッドのことを思い出しているうちに、もはやアラシヤマのことはすっかり忘れていた。
 「リッちゃんは照れ屋じゃけん。ウマ子のセクシー・コスプレを見て正視できんほどテレまくるし。げに純情で可愛い男じゃ。だから、リッちゃんのためにいつも可愛い服を着とうなるのぉ。ウマ子を近づけようとしないのは、一度ウマ子に触れたら我を忘れて抱きしめたくなるからじゃろvvv」
 そう呟くと、ウマ子の顔は赤くなった。
 「シンタローはんかて照れ屋どすえ?いつもわてがプレゼントしたり何か言うとすぐに眼魔砲を撃ちますが、あんなにおぼこい人はおりまへんナ!と、特に、アノ時なんかは・・・」
 何かを妄想し、鼻血を垂らしているアラシヤマを見て、ウマ子は(なんじゃあ、この男)と、かなり呆れつつ不気味に思った。
 「優しくて、ちみっ子やシンタローに振り回されてばかりじゃけど、リッちゃんは本当は一番強いけん。ウマ子のせいで大事な赤い玉を手放した時も、『ウマ子は責任感じなくてもいい』って言いきることのできる器の広い男なんじゃあ。わしも、今までいろんな男と働いてきたけど、何のためらいもウソもなしにそう言い切ることのできる男なんてなかなかおらん。リッちゃんは男の中の男じゃ。御法度野郎どもも思わず群がるくらい、魅力的なリッちゃんやけど、わしは負けんけぇの!というわけで、シンタローよりもリッちゃんが一番なんじゃ!」
 そうアラシヤマに言うと、アラシヤマも、
 「何を言うてますんや、シンタローはんが一番どす!いくら女子相手とはいえ、そこは譲れへんところや」
 一向に譲る気配はなかった。
 「このままじゃ埒があきまへんナ・・・」
 どれほど歩いたか分からないが、2人が気づくと辺りの風景にどことなく見覚えがあった。そして、少し先には木のようなものが見えた。どうやら迷って元の場所に戻ってきてしまったらしい。
 「こうなったら、シンタローはんとリキッドのどっちが一番か、カシオはんに決めてもらおうやおまへんか!」
 「望むところじゃ!」
 2人は、木の方に向かって走った。


 「また、おぬしらか。先程別れたばかりじゃのに」
 歩く世界樹は、困惑しつつも少し嬉しそうであった。
 「カシオはん、今からわてらの好きな人の話を聞いて、その2人のうちどっちが一番か決めておくれやす!」
 「唐突にそう言われてものう・・・。そう比べられるものでもないじゃろうし、実際に会わないことには、わしにはよくわからんぞ?」
 そう言われた2人は言葉に詰まった。そして、数秒して
 「・・・シンタローはーんッツ!会いとうおますぅ~!!」
 「・・・リッちゃーんッツ!!会いたいよ~!!」
 そう叫ぶと顔を見合わせ、
 「―――こんなとこでボヤボヤしてられまへんナ!早う2人を探しに行かへんとッツ!」
 「そうじゃそうじゃ!」
 アラシヤマとウマ子は頷きあった。
 「それじゃ、わしら探している人がおるけん。カシオくん、元気でね!」
 2人が土埃をあげて走り去っていった方角を見て、
 「一体、何だったんじゃ?」
 あっけにとられた様子の世界樹であったが、
 「でも、あやつらにはまた会えるといいのう・・・」
 そう言うと、彼は1つ大きなあくびをし、うつらうつらと眠り始めた。
 よい夢を見ているのか、深い皺が刻まれたその口元には微笑が浮かんでいた。










i 様ー!いつもキリリクをしていただきほんまにありがとうございます!(涙)
毎度ながら、キリリクの内容に色々副えていないような気がします(泣)が、
もしよろしければ i 様に捧げますので・・・!


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