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 「シンちゃーん!!一緒にビデオ見よ~~vv」
 突然、俺の部屋の扉がバンッと開き、グンマが部屋に入ってきた。
 「今日はシンちゃんお休みでしょ?僕、近所のT○UT○YAが昨日サービスデーだったからビデオ借りてきたんだよvv」
 そう言って、グンマは少し厚みのある青い袋をヒラヒラと振った。
 「ビデオか・・・(まぁ、暇だからいいか)。で、何見るんだヨ?」
 「これこれッ♪僕、この監督の作品大好きなんだ~♪」
 「へェ、俺、これは見たことないな。別の作品は見たことあるけど」
 「えっ?そうなの!?じゃぁ、ちょうど良かった♪これは、何回見てもいい映画なんだよ~」
 「ふーん」
 そういって、俺は、グンマと一緒に約2時間ほど、そのビデオを見た。
 感想はというと・・・、ストーリーにも引き込まれたし、アクションもなかなか良かったと思う。
 ただ、なんとなく、主人公が殺し屋で、不器用な割りに殺しの技術だけは秀でているところや、「植物しか友達がいない男」などという点が、あの変態(どすえ)を思い出させた。主人公役の男は、渋くてカッコイイ俳優だとは思うのだが。
 「ねぇねぇ、シンちゃん、どうだった??」
 「うーん。よかったと思うけど、俺、もうこれ見ないと思うわ」
 「えっ、どうして~!?また一緒に見ようよ~~」
 「すまん。今度からキンタローと一緒に見てくれ」
 「変なシンちゃん」
 俺も自分でも変かと思ったが、どうもその映画を見ていると現在遠征中でここにはいない“どすえ”のことを思い出し、最悪のことなど色々と考えてしまい、結局あまり映画に集中できなかった。
 できれば“どすえ”がいない時にヤツを思い出させるものは、何であろうと、もう見たくはない。





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ある日の、アラシヤマの部屋でのことである。
シンタローは、本棚前の床に座って本を読んでいた。
「シンタローはーん。本なんて、どうでもええですやろ?わてをかまっておくれやす~」
そう言って、アラシヤマは胡坐を掻いて座っているシンタローの背後から、圧し掛かった。
「ウゼぇ。眼魔砲!」
シンタローは、手に持った本から目を離さないまま、片手で後ろに向けて眼魔砲を撃った。
眼魔砲をくらったアラシヤマはある程度ダメージを受けたらしく、しばらくは静かにしていたが、数分経つと立ち直ったようであり、ブツブツ言い始めた。
 「なんで、いきなり眼魔砲ですのん?わてら、ラブラブ(死語)な恋人同士ですやろ!?しかも、ここはわての部屋どすえ?ちょっとはいい雰囲気になってもいいはずどす!!」
 それに対しシンタローは、
 「オマエと恋人同士になった覚えはねェヨ。そんなことより、今いいとこなんだから邪魔すんな」
 「えッ?恋人同士やないんどすかぁ!?あの時、あんなにかわええ声だしはって、わてに縋りついてきましたのに・・・。あれをオカズに、ご飯3杯は軽くいけますな!!」
 アラシヤマが何かを思い出し鼻血を垂らしつつ妄想に浸っていると、読んでいた本を置き不意に後ろを向いたシンタローは、般若の形相をしていた。
 「さっきから、いちいちウルセーんだヨ!眼魔砲ッツ!!」
 今度は、先ほどよりも威力が増した眼魔砲であり、アラシヤマはかなりのダメージを受けた。
 静かになったアラシヤマを放って置き、シンタローは再び本を読み始めた。
 「シ、シンタローはーん・・・。非道うおす~」
 なんとか復活したらしいアラシヤマは、ズリズリと床を這ってくると、シンタローの背中に自分の背中を預け膝を抱えて座った。今度は、シンタローも何も言わなかった。
そのまま時間が経ち、シンタローが本を読み終わって立ち上がろうとすると、アラシヤマが
 「もうちょっと、そのままで聞いておくんなはれ」
 と言うので、シンタローも膝を抱えて座りなおした。
 「言うの忘れとりましたけど、シンタローはん。わて、あんさんのこと愛しています。だから、あんなことしたんどす」
 「――――ッツ」
 シンタローは、真っ赤になった。
 「あんさんの方は、どうなんどすか?わて、聞いたことがおまへんえ?」
シンタローはしばらく、どう言うべきか迷っていたようであったが、
 「・・・少なくとも、そんなには嫌いじゃねぇヨ」
 そう言って、膝に顔を伏せた。
 「それって、ちょっとは好きってことどすか?」
 アラシヤマがそう聞くと、かなり間が空いた末、後ろでコクリと頷く気配がした。
(か、可愛おす~!!)
 「シ、シンタローはーん!!」
 アラシヤマが思わず立ち上がりシンタローを抱きしめようとすると、シンタローは素早く立ち上がってそれをかわし、ドアのほうに向かった。
 「じゃぁナ。また、本読ませろヨ」
 振り返らないままそう言うと、シンタローは部屋から出て行った。
 (素直じゃおまへんなぁ・・・。まっ、そんな所がシンタローはんの可愛いとこなんどすけどvv)
 アラシヤマは、とても幸せであった。







     お2人に何があったんでしょうか・・・(無責任)。まぁ、たまには薬味アラさんも報われるということで☆


scene1:

 本日の気温は、40度である。
 「何で、こんなにクソ暑ぃんだヨ!」
シンタローは、士官学校に生徒達の訓練の様子をお忍びで見に行く予定であった。しかし、突然緊急に総帥の判断を要する書類が舞い込み、思ったよりも時間がかかったので予定していたよりも遅くなってしまった。
総帥室から士官学校までは建物内を通って行くことができるが、真ん中の広場というか公園(かなり広い)を突っ切っていった方が近道なので、シンタローは現在暑い中公園内を歩いているわけである。普段人が多いはずの公園であるが、炎天下のせいか公園内に人影はなかった。
「あちィ。やっぱ、間違えたかも…」
最近、あまり外へ出る機会が無く、建物の中で過ごすことの多かったシンタローにとってこの暑さはかなりキツイものであった。赤い総帥服はいくら夏用といってもTシャツやその他夏用の普段着に比べると涼しいと言えるものではなく、特に赤い生地は温度が上昇しやすいのでさらに暑かった。
やっと士官学校が見え、「もうすぐだ」と少しホッとした瞬間、急にシンタローの視界がブレた。
(えッ?何だコレ??) 
そう思った瞬間、シンタローの目の前は暗くなり、シンタローは意識を失いその場に崩れ落ちた。


scene2:

その少し前、アラシヤマは特別ゲスト(?)として士官学校の体育館で生徒達の演習の指導を行っていた。
(何でわてが、貴重な休みやのにこんなガキ共の面倒をみなあかんのやろか。わて、子どもは嫌いどす。あぁー。こんなことしてるよりも、シンタローはんに会いとうおますなぁ・・・。シンタローはーん!!)
―――心の中で何を考えていようと、外見上は一応きちんと指導していたアラシヤマであったが、何気なく外を見て何かに気づいたようであり、急に持っていたチョーク(実技後、可動式の黒板に理論を書いて説明していた)を近くに居た指導教官に押し付け、
「わて、急な任務を思い出したんですわ。ここで失礼しますえ?」
 と、有無を言わさぬ迫力で言ったので、上官命令に逆らえない体質の教官は思わず頷いてしまった。
教官が、座って成り行きを見守っていた生徒達に、
 「あー、アラシヤマ上官は、急な任務が入られたようで・・・」
 と言いつつ、アラシヤマが居た方を振り向くと、そこには誰も居なかった。
 生徒達は、小声で、
 「スゲーな、あのダッシュ。さすが幹部だぜ」
 「人間離れしてるよなぁ・・・。あれぐらいじゃないと幹部になれないのかな?俺、将来が不安になってきたかも・・・」
 等々、囁きあっていたが、
 「静かに!それでは、今から授業の続きを再開する!!」
 という教官の一喝に一同は静まり、何事も無かったかのように再び授業が始まった。


scene3:

 「あっ!やっぱりシンタローはんどしたか!!来てみてよかったどす~」
 アラシヤマがダッシュで公園の方まで来てみると、そこにはシンタローが倒れていた。
 「シンタローはん?シンタロー??シンちゃん???」
 (うーん、これは完全に気を失ってますな。いつもやったら“即、眼魔砲!!”な呼び方しても、起きまへんし・・・)
 アラシヤマは、シンタローの鼻と口の上に手をかざした。
 (息はしとりますな。シンタローはんに持病がないことは、ガンマ団内にいるときは欠かさずシンタローはんウォッチングをしているわてが一番よく知ってますし・・・。まぁ、この暑さやさかい熱中症といったところですやろ)
 そう結論付けたアラシヤマは、シンタローを抱えあげ、とりあえず木陰に移動させた。
 「えーっと、熱中症やったら水をかけなあきまへんな。バケツ、バケツ」と、アラシヤマは水を汲んでこられるものを探し辺りを見回したが、この広場はガンマ団の職員によってきちんと管理されているため、その辺に用具類が置きっぱなしにされているはずはなかった。
 「うーん。秘書課か医務室に知らせたほうがええですやろか?でも、今日携帯持ってきてまへんし、公衆電話まで遠うおすからなぁ。シンタローはん、もうちょっと辛抱しておくんなはれ」
 そう言って、アラシヤマは近くで電話を借りようと、立ち上がろうとした。
 その際、シンタローの髪の毛が汗で首筋に張り付いているのがふと目に入り、それが暑そうであったので髪が肌に触れないよう掻き分けてやった。アラシヤマはついでにどれだけ熱があるのか知りたくなり、シンタローの頬に手を当てた。
 「かなり熱うおますなぁ・・・。大丈夫やろか」
 すると、アラシヤマの手が冷たくて気持ちよかったのか、シンタローは無意識にアラシヤマの手を掴みそのまま抱え込んで丸まってしまった。
 「・・・かっ、かわいおす~~vvv」
 その、猫のようなシンタローの仕草に、アラシヤマは鼻血が出そうであったが、どうにかこうにか持ちこたえた。
 その後、彼はしばし何かを考えていたようであったが、
 「確か、熱中症ではめったなことでは死にまへんですやろ・・・。それに、ここから医務室に行くよりも、わての部屋の方が近うおますしな。シンタローはーん!あと少しですさかい、もうちょっとの辛抱どすえ~vv」
 そう言って、アラシヤマはシンタローを抱え上げ、自分の部屋の方角に向かった。







えーっと、一応、続きがあるのですが。15禁ぐらい(全然へタレですが・・・)かなぁと私的には思うので、少し隔離 させていただきます(汗)。バッチコイ☆なお方は、まだ裏がないので、こちらからどうぞ~。→
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    久々に2人のみの任務(麻薬密輸組織の大ボスにおしおき)が終わり、アラシヤマと   シンタローは密林の中で、一夜を過ごしていた。
    とりあえず、もう戦闘は終わったので火を焚いても心配ないと判断し、2人はアラ   シヤマの熾した焚き火を囲んでいた。この辺りは密林といっても、夜間はひどく寒い。
    「シンタローはん、もう任務も終わったことですし、帰りは気が楽でんな」
    「そうだな」
    「・・・・」 
    しばらく、2人の間に沈黙が横たわった。
    「わて、殺さん任務は、殺す任務よりも難しいと思いますわ」
    ふと、アラシヤマがポツリと言った。
    「・・・お前は、ガンマ団を辞めたいのか?」
    「いえ、そういうことやないんどす。わてかて、人を殺すよりは殺さん方がええと思い   ます。・・・ただ、最近考えることが多いんですわ。殺したら、その人のその後の人生   を気にすることなんてあらしまへんやろ。まぁ、そこでしまいですしな。殺さんかったら、   その人は、わてがしたことによって、一生何らかの不都合を抱えて生きていくわけですやろ。   後で、仕返しにくるかもしれまへんし」
    それを聞いたシンタローは、何処か痛そうに顔を歪めた。
    それに気づいたアラシヤマは、慌てて言った。
    「すんまへん。わて、シンタローはんを責めるつもりやないんどす。ガンマ団は、本物の   悪人にしかおしおきしまへんからわては気が楽どす。それに、わては、どんな状況になっても   生きていたいと思いますえ?生きてさえいれば、あんさんの傍に迷惑や言われてもおられます   しな」
    「俺の考え方は、甘いのか・・・?」
    「そうやおまへん。わて、ほんまを言うと、あんさん以外は生きようが死のうがどうでも   ええんどす。殺す方がわては得意ですしな。今まで、殺してきた人のことなんぞ、考えたこと   もおまへん。ただ、シンタローはんが新総帥になって、ガンマ団が変わってから、少し考える   ようになりました。それは、わてにとっては少し苦しいけど、嬉しい変化なんどす。」
    シンタローは、顔を伏せて焚き火の炎を無言でじっと見つめていた。
    「シンタローはーん?シンタロー??・・・あまり、わてに弱みを見せると、つけこんで   しまいますえ??わては、シンタローはんにバーニング・ラブvなんどすから」
    「・・・調子にのってんじゃねぇよ」
    弱々しく呟いたシンタローであるが、アラシヤマはそれでも声を聞けて、ホッとした顔をした。
    気がつくと、東の空の方が白んできており、紫や赤など、色々と複雑な色の変化を見せていた。
    「ほら、シンタローはん、夜が明けてきましたえ?わては、今まで暗闇の中におったように   思うんどすが、そこにあんさんが光を差し入れてくれたんどす。わてだけやのうて、コージはんも、   トットリはんも、ミヤギはんも、みんな同じや思います。他の兵士達ももちろん同じや思いますわ」
    2人はしばらく、無言で暁を見ていた。
    「綺麗どすな」
    「・・・ああ、綺麗だな」
    だんだんと、空が明るくなり、太陽が密林の木々の向こうから姿を見せ始めた。




a

 シンタローは、机の上に置かれている書類を読み進めていたが、次の書類を束の中から取り上げると、不意に、1枚の薄っぺらな紙が間から滑り落ち、机の向こう側にそのまま落ちた。
 シンタローは、別にこのまま放っておいてもいいかと思ったが、どうもそのままにしておくのも気になったので、椅子から立ち上がると、屈んでその紙を拾った。
 シンタローが紙に書かれた数行の短い文を読んでいると、直後、 
 「失礼します」
 と言って、アラシヤマが総帥室に入ってきた。
 「珍しおすな」
 アラシヤマがそう言うので、シンタローが
 「何がだヨ?」
 と聞き返すと、
 「それって、団員の死亡報告書ですやろ。シンタローはんが総帥になりはってから、あまり見たことがおまへんえ?」
 シンタローは、無言で、アラシヤマにその用紙を渡した。
 アラシヤマは、それを眺めながら、
 「あァ、あのジイさん、ついにくたばったんどすな。殺しても死にそうに無いぐらい元気やったのに」
 と言うと、シンタローに紙を返した。
 「一応、恩師だろーが。仕官学校時代、お前が一番迷惑かけたんじゃねェのか?」
 「わては、品行方正な生徒どしたえ~。お世話になったんは、シンタローはんの方とちゃいますの?」
 「勝手に記憶を改竄してんじゃねェヨ!」
 「シンタローはんの方が怒られとったハズどす~。・・・真面目な話、わてらを特別扱いせん珍しいジイさんどしたな」
 「ああ」
 なんとなく、2人はそのまま黙ってしまい、部屋には沈黙が横たわった。


 「戦闘における通信は、最も重要なものの1つで・・・」
 ガンマ団士官学校の室内では、かなり年配の教官が話しながら黒板に、無線・伝令・音・視覚・有線などの通信手段について、項目ごとの説明をチョークで書いており、ほとんどの士官学校生たちは、真剣に話を聞きながらノートをとるのに必死であった。
 その中で、約1名、教官の話を聞かず、ノートを破って何かを書いている生徒が居た。
 その生徒とは、アラシヤマである。
 アラシヤマは、ノートに何やら書き終わると、紙を小さく折りたたみ、教官が黒板に説明を書いている隙に前の方に向かって投げた。

 シンタローは、教官の話が既に知っていたものであったので、退屈であり、少々眠かった。そんな折、頭に何か軽い物が当たり、机の上に落ちてきた。
 (何だコレ?)
 と思いつつも小さく折りたたまれた紙を開いてみると、そこには、
 “シエラ・インディア・ノヴェンバー・タンゴ・アルファ・・・(以下略)”
 と書かれてあった。
 (これって、音標文字だよナ。えーっと、アルファベットに直すと・・・“シンタローのアホ”!?こんなくっだんねェことしやがんのは、たぶんアイツしかいねぇし!!)
 シンタローが後ろを振り返ってアラシヤマの方を睨むと、アラシヤマは知らん顔をしていた。その態度にムカついたシンタローは、自分のノートを思いっきり破ると、すごい勢いでノートに文字を書き始めた。そして、教官が黒板に向かった瞬間、アラシヤマに向かってクシャクシャに丸めて小さくなった紙を投げつけた。
 アラシヤマは、空中でそれをキャッチし、紙を開くと、そこには音標文字でなにやら書かれてあった。
 (どれどれ、なんやて?・・・“アラシヤマのバーカ&変態野郎”!?なんどすか、コレ!失礼どす!!―――わても負けてられまへんナ!もっとすごいこと書いてやりますえー)
 アラシヤマは、ノートを千切りとり、それに何か書き始めたが、ふと、気配がするので顔を上げると、教壇にいたはずの教官がいつの間にか、腕組みをして机の横に立っていた。
 「アラシヤマ。そして、シンタローも、授業を真面目に受ける気が無いようじゃな。―――お前ら2人とも廊下に立っとけー!!」
 教室内に、老教官の怒声が響き渡った。教官は、アラシヤマとシンタローの制服の首根っこを引っ掴むと、2人を教室の外に放り出し、思いっきりドアを閉めた。

 「オマエのせいだゾ!!」
 シンタローが、アラシヤマに向かって少々声のトーンを抑えてがなりたてると、
 「俺は、気づかれるようなヘマは絶対してまへん!シンタローが投げ返した時にジイさんが気付きはったんやろ!あんさんのせいどす!!」
 と、アラシヤマも自分の非を認めようとしなかった。
 「んだと、コラ。やる気か、テメェ!!」
 シンタローがファイティングポーズをとると、アラシヤマも、
 「望むところどすえ」
 と構えをとった。

 授業を進めていた教官であったが、どうも廊下の方が騒がしいので授業を中断し、様子を見に行くと、シンタローとアラシヤマは取っ組み合いのケンカをしていた。
 2人は結局、教官から拳骨をくらい、さらにガミガミと叱られた。
 アラシヤマとシンタローは不貞腐れていたが、その様子を見て老教官は溜息を吐き、
 「お前達2人が、今回の授業内容を既に習得しているのは分かっているが、知っている知識だからと言って疎かにしていいものではないぞ。それに、戦闘は1人で勝手に行動するのではなく、常に仲間がいるということを忘れるな」
 と言ったが、返答は無かった。
 老教官は手を伸ばすと2人の頭をクシャクシャッと撫で、
 「戻るか?それとも、保健室に行って手当てを受けるか?」
 と2人に向かって言うと、
 「・・・こんな傷たいしたもんやおまへん。それに、あのドクターに会うくらいやったら、教室に戻って授業をきいたほうがマシですわ」
 「俺も同感」
 3人は教室に戻った。


 総帥室で、シンタローとアラシヤマは依然として黙ったままであったが、不意に、アラシヤマが沈黙を破り、
 「まぁ、大往生やったんと違いますか?あのジイさんには身寄りが無かったみたいやし、最後までガンマ団員でいられて幸せやったと思いますえ?わては、士官学校のガキどもはムカツキますが、ジイさんはどんなクソ生意気なガキでも面倒を見るのが楽しそうどしたわ」
 と、やけに饒舌に言った。
 「そうだな」
 シンタローは、短くそう答えた。
 アラシヤマはシンタローの手の内にある紙を眺めながら、
 「それにしても、死ぬと、こんな薄っぺらな紙一枚がシンタローはんの元に届くんどすなぁ」
 「オマエは、しぶとそうだから中々死にそうにねェけどナ!」
 シンタローは、そう言うと、一度もアラシヤマの方を見ずに総帥机の方に戻った。
 アラシヤマは一呼吸すると、
 「そうどすえ~。それに、シンタローはんのシャワーシーンをカメラに収めるまでは絶対死ねまへんナ!!かえすがえすも、師匠に燃やされたあの写真、残念どす~」
 と言い、机の方に向かって足を踏み出した。
 シンタローは、アラシヤマから受け取った書類を机の上に置くと、至近距離から、
 「―――眼魔砲ッツ!!」
 眼魔砲を撃った。
 アラシヤマは衝撃で吹き飛ばされながら、
 「あっ、シンタローはーん!今一瞬、ジイさんが川の向こうで手を振ってるのが見えましたわ」
 と言った。







士官学校ということで、“学校=先生”で書いてみましたが、またしても何やら外したような気も・・・。
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