その日はシンタローの誕生日ということでガンマ団総出で誕生祝の宴会が開かれ、シンタローは日付が変わるまで酒を飲まされた。
注がれた酒は律儀に全て飲んだが、自分の部屋の前まで戻った所で記憶が途切れていた。
(なんか、違うんだけどナ。何が違うんだ?わかんねぇけど、いいか・・・)
シンタローは、ぼんやりとした意識の中でそう思ったが、目を閉じたまま手近を探ると、かけぶとんと思しきものがそこにあったので、たぐりよせ、柔らかい布に包まった。
(覚えてねぇケド、ここに布団があるってことは、自分で部屋に入ったのか?)
違和感をやはり勘違いかと思いなおし、少し安心したが、
「みの虫みたいで可愛いおすなぁ・・・」
との聞き慣れた声が聞こえた。その男の声の調子からすると、感心しているようであった。
思わずシンタローは目を開いたが、部屋は暗く、相手の姿は黒い影としか映らなかった。どうやら、影はベッドサイドに座っているらしい。
「何でオマエがここにいんだよ?」
黒い影はその質問には答えず、手を伸ばしてシンタローの顔にかかった髪の毛をそっとどかし、
「シンタローはん、お誕生日おめでとうございます」
と言った。
ベッドサイドの時計に目をやったシンタローは、文字盤の緑色の光が思いがけず明るく感じたので、目を瞬かせた。
「・・・もう、俺の誕生日じゃねーけど?」
「いやわて、何とかギリギリにあんさんの部屋の前に着いたんどすが、あんさん、扉にもたれて眠ってはったんや。せやから、わて、自分の部屋まであんさんを運んできたんどすえ~vvv」
「テメェ、俺の部屋の暗証番号知ってんだろ?」
「知ってますけど、そんなの、もったいのうおます!シンタローはんと接触できる機会なんてそうそうあるもんやおまへんし、ちょっとでも長い時間の方が嬉しおすのに・・・!!」
「そんな機会なんて金輪際ねェし!オマエと喋ってると頭痛ぇ。いいから、もう寝る」
シンタローはこれ以上会話を続けたいとは思わなかったので、目を閉じ、寝返りを反対側にうつと
「あっ、眠らはるんはもうちょっとだけ待っておくんなはれ。なるべく、あんさんの誕生日が近いうちにプレゼントを渡しときたいんやけど、よろしおますやろか?」
影の気配が遠ざかったので、渋々身を起こし、シンタローはベッドの縁に座った。
すぐに、影は何かを抱えて戻ってきた。
「シンタローはん、お誕生日おめでとうございます」
「花か?」
触ってみた感触から見当をつけて、シンタローはそう言った。
「残らんもんの方がええでっしゃろ?」
「それだったら、酒とか何とか色々あんじゃねーの?」
「いや、ほんまは『プレゼントは、わ・てv』とか、特大おたべケーキを焼く、とかそういうのにしたかったんやけど・・・」
「全部却下。やっぱり、花でいい」
「・・・そうなんどすか。とにかく、花屋に行ったら、この花が目に付いたんどす。あんさんに似合いそうな色やし、それに花言葉をきいたら、わてがシンタローはんを思う気持ちにもうピッタリや思いまして。聞きとうおますか??」
「別に聞きたくもねーナ!」
「花言葉は、“純粋な愛情”どすえ」
「・・・花だけもらっとく。言葉はいらねぇ」
「また、そんなイケズ言わはる」
「いらねーもんは、いらねーんだヨ!」
それを聞いた影は困ったようにしばらく黙り、
「電気、点けてもええやろか?」
と言った。
「―――俺は眠いんだ。テメェ、ちょっとは気を遣えよ?」
シンタローがそう言うと、ずっと立ったままでいた影は屈んでシンタローの頭を引き寄せ、口付けた。
2人の間に挟まれた花束のセロハンが、グシャリ、と音を立てた。
シンタローが軽く身じろぎすると、影はすぐに離れた。
「あんさん、ただ照れてはっただけなんどすナ!可愛いおすvところで、わて、誰や分かります?」
「ストーカー、変態、ド下手、のアラシヤマ」
投遣りにシンタローがそう言うと、
「もしかしたら、別人かもしれまへんえ?」
応えた声は幾分笑いを含んでいた。
「さっきから何馬鹿なこと言ってやがんだ、オマエ?いつものことだけど」
シンタローが再びベッドに横たわると、
「ひどうおます~」
などと言いながら、嬉しそうに影も勝手に布団に入ってきた。
シンタローは酔いが体中に回っていたせいか、追い払うのも面倒だったので放っておくと、
「そうどす、アラシヤマどすえ。だから、安心しておくんなはれ」
アラシヤマは真面目な声音でそう言って、背を向けたシンタローを後ろから抱き寄せた。
そして、噛み締めるように、
「ぬくといなぁ。あんさんは、確かにここにおるんやなぁ・・・」
と、呟いた。
返事はなく、しばらくすると規則正しい寝息が聞こえてきた。
アラシヤマは、シンタローの髪を撫でると、
「シンタローはん、ありがとうございます」
そう言って、彼も眠りに就いた。
またまた、シンちゃんを祝えているかどうか不安です・・・。
アラシヤマに祝ってもらって、シンちゃんが手放しで喜べるかど
うかを考えますと、答えは色々難しいような気が。でも、やっぱり
アラシンで祝おうとしたところ、このような話とあいなりました・・・。
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(小ネタ*マジシン)
あぁ、シンちゃん。
パパの足が長いばかりに愛しい愛しいシンちゃんと
6センチも離れてしまうなんて ごめんね。
と言ったら『たかが6センチで威張ってんじゃねェ・・・ッ』
とマジギレされた。
シンちゃんはカルシウムが足りないんじゃないかと パパは思う。
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(小ネタ*マジ←ティラ)
自分が死んだ後のことを考えるようになるなんて、私も歳をとった。
その言葉とそんな事を、口にする彼を見て 一瞬 目の前が真っ暗になる。
あぁ、だけど。
あぁ。
それは、当たり前に来る未来で。その時こそ私は
「―――マジック様は殺しても死にそうにありませんよ」
本当に主を失うのだ。と胸が酷く痛んだ。
もしも私が死んだら、その時は私の時のようにあの子の傍にいてやってくれと、
彼が私に頼む。
この人はいつも『あの子』の事ばかりだ・・・
解かりました、と返事をすれば彼は「ありがとう ティラミス」と礼を言った。
彼に名前を呼ばれると、私は目元が熱くなる。
感情が高まっているせいだろう。
彼はずっとシンタローを想いつづけるに違いない。死ぬまで。
残された私は、私の事を想ってくれなかった相手を ずっと想い続ける事になるのだろう。
もしもその日が訪れても。
私は、貴方が死んだからシンタロー様に仕えるのではない。
貴方の命令だから仕えるのだ。
2番目の主なんて、私はきっとずっと持てない。
貴方は、自分のものは全てシンタローに渡すと言っていたけれど、
貴方のものの中でたった一つ永遠に貴方のもののままのものがいる事を
貴方は知っていますか。
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(小ネタ*元総帥と秘書ズ)
「シンちゃんは一体パパのどこら辺が不満なんだろうか・・・」
「全体的に不満だらけなんじゃないでしょうか。」
「一体どこら辺がーって思ってるあたりでもうダメダメなんだと思いますよ~マジック様は」
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(小ネタ*マジシン1)
誰かを好きになるという事は
誰かのものになりたい、
誰かを自分のものにしたい。
と、同意義だと思う。
独占されたくて
独占したい。
キスされたくて
キスしたい。
押し倒したくて
押し倒されたい。
して欲しい事
したい事が全部一緒なんだ。
だからさ、
オレもアンタに甘えようと頑張ってるんだよ。
一応。
(甘えられるの、嫌いじゃないんだ)
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(小ネタ*マジシン2)
‘年下の彼を落とす100の方法’
と言う本を買った。
今時の子の感覚はよく解からないなぁ、なんて思いながら
ひとまず全部暗記しておこう、と目を通していたら
シンタローに見つかり
案の定屑篭に突っ込まれてしまった。
あ~あ、まだちょっとしか読んでないのに。
と、わざとらしく残念がってみたら
アンタ、もう、必要ないだろ。
なんて言われてしまった。
随分可愛い口説き文句言うねシンタロー。
パパ、ドキドキしちゃいました。
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(小ネタ*マジシン3)
オレはまだ若いし(多分)
結構何でもできるし背も高いし
顔だってイイ線いってる方だから
その気になれば
相手なんてよりどりみどりだと思う。
アイツは馬鹿だし変態だし時々ワケわかんねー事言うし
駄々は捏ねるしワガママだし嫌味だし大人ぶってるけど子供だし
欠点ばっかり目についてイライラするから
マジックに比べればどんなヤツでも人間ができてるように見える。
だけど
あの馬鹿より馬鹿なヤツなんてもう絶対に出てこねーだろうから
オレはアイツで良いんだ。
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(小ネタ*マジシン)
怖い夢を見た。
白いタキシードを着て可愛い花嫁を連れて教会の真ん中を歩いて
神父の前で愛を誓うシンタローを
私は無理やり攫ってヘリで逃走して
そのヘリコプターの中でシンタローにプロポーズしていた。
シンちゃんはやっぱり凄い剣幕で怒ってたけど、私は泣いてた。
夢じゃなかったらどうしようかと思っちゃった☆
と言ったら、
「アンタ、本気でやりそうでシャレになんねぇんだよ」
と、シンタローはとても青ざめていた。
ンもー!やだなぁシンちゃん。
もしもそうなったら、
・・・もちろん本気でやるよ。
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(小ネタ*マジシン2)
アンタが、今、オレを好きなのと同じ位に
昔誰かを好きだったなんて
そんな事絶対に考えたくないのに
どうしても考えてしまう。
比べられてるんじゃないかって、
そんな事ばっかり。
嫌だ、嫌だ、嫌だよ。
オレを好きじゃなきゃアンタじゃないのに
別のアンタが、過去にいるって
それだけで
心が張り裂けそうになる。
オレの事が一番じゃないアンタなんて、
いらない。
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(小ネタ*パパとシンちゃんと、おにーチャンと:1)
「若い頃の自分と息子と一緒に御対面~~って何だかドラマみたいだねぇ!」
「同一人物とはとても思えねぇけどな・・・
アンタこのまんまで育ってくれりゃあ良かったのに。」
「シンタローは未来の僕の息子なのか?」
「色々と面倒くせェ事情があるんだが、
それは省くとして・・・そう、オレはお前の未来の息子だよ。」
「・・・・。」
「どうした?」
「あ・いや、残念だなぁと・・・。
もしシンタローが他人だったらきっと僕は好きになっていたのに。」
「・・・・・・。」
「?ごめんなさい。
まだ日本語を完璧にはマスターしていないから
もしかしたらおかしな事を言っている?
シンタロー、気を悪くした?」
「シンちゃん。言っとくけどパパって男は昔っから黒髪の日本人に弱かったから
このまま成長しても絶対パパ、シンちゃんに手ェ出してると思うよ?」
「そこは自慢げに言う所じゃねぇ・・・!」
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(小ネタ*パパとシンちゃんと、おにーチャンと:2)
「しかし見事に良い所のお坊ちゃん~って感じだな。」
「実際良い所のお坊ちゃんだからね。
それよりもどう!?若い頃のパパは!
シンちゃん好みの金髪美少年だろう?」
「こっちの方が良いなオレ。」
「本当?!シンタロー」
「いや、本当?!シンタローじゃなくてさ!
何で何で何でー!?
こんな人生の酸いも甘いも知らないような
子供よりテクニシャンでお金持ちでたくまし~い
パパの方がシンちゃんを満足させてあげられるよ!?」
「汚れきったオッサンよりも穢れを知らない美少年を
大事にすべきだとオレは思う。」
「シンタロー、有難う!凄く嬉しいよ!」
「じ・・・自分に嫉妬するって何かヤだなぁ・・・」
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(小ネタ*パパとシンちゃんと、おにーチャンと:3)
「じゃあ、親父の事はいつも通り‘親父’って呼ぶことにして
お前の事は何て呼びゃー良いんだろうな・・・」
「僕の名前、マジックって言うんだ。」
「 うんソレは知ってるんですけどね?
・・・やっぱ無難に‘マジック君’、か・・・」
「今パパ心臓キュンってなったよ・・・。
もう1回言ってシンちゃん。」
「お前じゃなくてマジック君に言ってんだよ。」
「利くなァコレ!
シンちゃんパパの事これからそう呼ぶ?」
「あ、それなら僕の事はパパって呼んでくれて良いよ?シンタロー」
「もー何が何だか。」
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(小ネタ*パパとシンちゃんと、おにーチャンと:4)
「未来の僕は、シンタローに手を出してるのか・・・。
親子なのに?」
「親子なのに?
ほら、言われてるぜ。
何か言ってみたらどーだ?」
「愛し合う二人には年齢だとか血縁だとかそんな物は何の障害にもならないんだ。
わかったかな?」
「愛し合ってるのか・・・」
「そう愛し合ってる。
身も心もそれは深く愛し合って
お互いの背中のホクロの位置まで覚えちゃう程に。」
「アンタ背中にホクロなんかねぇだろうがッツ!!?
ガキに何て事吹き込んでやがる!」
「今私がどーゆー事言ってるか意味解かった?」
「え?え?えぇっと・・・??
二人は一緒にお風呂に入ってるって事??」
「ん~~~~~~
それもたまにしてるけどニュアンスがちょーっと違うかな。」
「おーまーえーなぁ・・・ッ」
「え、どーゆー事??教えて、シンタロー」
「おし・・・教えられるか馬鹿ッツ!!!」
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(小ネタ*パパとシンちゃんと、おにーチャンと:5)
「じゃあそろそろ私達は未来に帰るとゆー事で・・・
あーっと。そこの過去の私。」
「?何だ。」
「ベッドの下にエロ本隠すと後々面倒な事になるから
隠すなら本棚の裏だ。くれぐれも注意するんだよ。」
「・・・面倒な事になったのか・・・。」
「ルーザーが引っ張り出して来てね。
今の私にとっちゃあ可愛い思い出なんだけど
当時の私は泣くほど恥ずかしかった記憶がある。」
「エロ本なんて読まないよ僕は。」
『それはない。』
「今は読まなくとも将来必ず読むんだ。
良いかい?これは過去の私のために言ってるんだ。
アドバイスなんだよ。
隠すんだったらベッドの下以外にするんだ。」
「そうだぞ?
お前自分はそんな事しないなんて甘い甘い。
ぜってー抑えられなくなるって。
そして見つかった時の屈辱感ってのは相当なもんだ。
とにかくだ、」
『ベッドの下は絶対見つかる。』
「二人とも初めて息が合ったね・・・・。」
**おしまい**
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web拍手ログ。
いつもは残さず消してしまうのですがマジシンシリーズだけ残す事にしました。
マジシンもおにーチャンも、とっても大好きです。
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ヘリコプターがバラバラと派手に音を立ててパプワ島に上陸する。
真っ赤な薔薇の花束を両手いっぱいに抱えて
『シンタロー!迎えに来たよ!さぁ、パパと一緒に帰ろう?』と親父。
そしてオレは親父が来る度に何度も同じ台詞を言う。
絶対に帰らないし、秘石も返さない。と。
だけどマジックは絶対に諦めないで、
刺客を送ってはまたやって来て
同じ事の繰り返し。エンドレスだ。
『そんなにオレが好きか』と聞いたら
『はい』と即座に答えが返って来る。
『例えオマエがこのパプワ島を出て、また別の場所に姿を晦まそうと
パパは何処までだって追いかけて シンちゃんを連れて帰るよ』
なんて言われてしまった。
厄介な相手に惚れ込まれたもんだ。
だけど絶対『参りました』なんて言ってやるもんか。
逃げて、逃げて、逃げまくって
アンタに余所見する暇も与えてやらねぇから覚悟しろよ、父さん。