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無邪気な子ども二人にもはっきりと分かるくらい微笑みはそのままに、
その背後にしょっている凍りつくようなオ―ラが高松へと向けられている。
グンマとシンタロ―を自分の背後に押して、片手を前に―――――。


この日、特大の爆発音が地下から響いたのを何千人、何万人という団員が聞いていた。




グンマも誘ってカレ―を食べた後、
グンマは家?に帰してマジックとシンタロ―は二人きり、マジックの自室にて夕食後のくつろぎタイムをとっている。
いつもならソファにマジックが先に座り、シンタロ―が膝の上で絵本を読んでいたりするのだが、なにせこの体格。
(いつものように)シンちゃん観賞v中の父親の膝に寝転がって自分の伸びた髪をいじって遊んでいる。
ふと、シンタロ―が少し顔を持ち上げ、父親を見る。

「パパ、僕もう戻れないの?」
「不安かい?」

息子の長くなった黒髪を指に絡めながら少し心配そうに聞いてみる。
実際心配ではある。
確かにアノ薬を作るよう命じたのは他でもない自分だ。
シンちゃんが大きくなったらどうなるのかな~vvと、その心中にかなり邪な欲望を含んでの
好奇心からだったのだが。
しかし元に戻れないとなると・・・。
珍しくちこっとだけ罪悪感を感じているマジックに、シンタロ―はにこvと微笑みを向けた。

「ううん!僕、嬉しいの!!」
「え・・・?それは一体何で・・・」
「だって!パパに抱っこしてもらわなくても、ちょっと顔上げるだけでパパの顔見れるんだもん♪」

意外な答えに驚いたが、何にせよ天にも昇る程嬉しい告白。
そのままガバッと押し倒そうな勢いで抱きつこうとした・・・のだが、満面の笑顔だったシンタロ―が、
突然少し寂しそうに俯いてしまったのが気になった。

「でも・・・大好きなパパのお膝に乗れなくなっちゃったのは少し残念かなぁ~・・・」
「何言っているんだい!大きくなってもパパのお膝はシンちゃんのものだよvvv」

ハ―ト撒き散らして、今度こそギュッと抱きしめる。
いつもなら、「パパぁ~、あんまりギュ~~ってすると痛いよぉ~~~」と苦しげな反応を見せるが、
この体格だからか、わぁあ~~いvと父親に抱きつく。
頭を撫でつつ、それにしても・・・・・・とマジックは息子を改めて見る。
長く艶やかに伸びた黒髪、引き締まった筋肉、精悍な顔つきの中にも、引き込まれる幼い笑顔。
何より、こうしてある程度は加減しているとは言え、力いっぱい抱きしめても特に苦しそうな反応もしない。
・・・・・・・・・いけないと思いつつも、つい邪の欲望が湧きあがってくる。
身体は成人していても中身は6歳児。
『精神幼児性的虐待』・・・・・・そんな言葉が浮かんできた。



何だかんだで8時を過ぎると、瞼が重くなってきてついうとうと。

「シンちゃん、寝る前にお風呂入ろうね?」
「うん」

遠征でいない時以外は、必ずマジックとシンタロ―は一緒にお風呂に入る。
マジックの部屋には超特大サイズの風呂が設置されていた。
「おっ風呂♪おっ風呂♪♪」と歌を歌いながら警戒心0で(そりゃそ―だ)
一気に全裸になる息子に対して、マジックの今の心境。

―――持ってくれ!私の理性!!(持ってくれ!妖の多分あるかもしんない良心!!)

しかし暫く一緒に湯船に浸かっていて、ほんのり赤くなったシンタロ―がのぼせ、マジックに
ふにゃ~~~と寄りかかって甘えてきた時マジックの何とか保っていた理性が切れた。

―――もう限界だよ!!!!シンちゃぁぁああああぁあん!!!!!!!!!!!!

我慢出来ずに我子に抱きついた。
がばっ

「シンちゃぁぁあああぁあんvvvvvvvvvv」
「わぁああ!!何!?パパぁ~~~~!!!???」
「眼魔砲!」

ドカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッッッ
マジックに容赦なく青の一族の必殺技を放った、
氷の彫刻のように美麗な男は、実の兄がその実の息子を風呂場で襲っているのを目にし至って冷静にタメなし必殺技を放った。
ちなみにマジックだけを狙ったのでシンタロ―は無傷であった。

「事情を聞いて危険を感じて来てみれば・・・。身体は成人していても中身六歳の実の息子を襲わないで下さい。兄さん」
「サ・・・サ―・・・ビス・・・ゥゥ・・・イキナリ眼魔砲撃つなんて・・・」

がくり
そこでマジックの意識は途絶えた。
イキナリの事が次々と起こって目を白黒させていたが、大好きな叔父の姿を確認すると、
父親ほおっておいて(コラコラ)完全に叔父へと意識を向けた。

「サ―ビス叔父さん・・・どうしたの?」
「高松がお前を元に戻す薬を完成させたんだよ」
「本当!?」
「ああ、これを飲めば元に戻れる」

手にしっかりと持っていた、かなり妖しげなピンク色の薬を手渡す。

「ありがとうv叔父さん!!」
ごくんっ



数日後、集中治療室から出てきたマジックが見た息子は・・・・・・。

「パパ~おはようv」
「ああ、シンちゃん・・・vおは・・・!?――――グハァァッッッ!!!!!!」
ぶぼぉっっ!!
「わああああああぁぁぁ!!パパが鼻血出して倒れちゃったぁ!!!」
「それはそうだろうな」

サ―ビスはどこか遠くを見つめる瞳で言葉を紡いだ。

「今度は“女体化”してしまったのだから」


どうやらあの、元の姿に戻る薬は失敗しちゃったっぽい・・・。




★あとがき★

長ッ!まさかこんなに長くなるとは思わんかったよ・・・。
マジ、裏行きになるところでしたのおっとっと☆な、初のパプワくんでマジシン。
結構さくさくスム―ズに進んでいたんですが、何故かパパンが登場してからめっちゃ苦戦を
強いられました。マジシンなのに、「どこが!?」とかツッコミは入りそうですね~~あうぅ・・・。
ってか元に戻れてないじゃん。
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re


「桜…綺麗だな。アラシヤマ」



 わずかな時間の合間、二人きりで花見に出掛けた。

 団内には、桜が植えられている場所がいくつかある。一番有名なのは、東の通りに等間隔に植えられた桜である。そこは、春の訪れと共に、圧倒されるほど見事な並木通りを作っていた。
 だが、そこは他の団員達も花見に来るため、人通りが多い。そのため、ひと目を避けるようにその場所を回避し、向かった先は、唯一古くから、人知れず植えられていた桜の木だった。樹齢八十年以上のそれは立った一本でも見応えあるものだった。


「風も気持ちいいし、来てよかったぜ」

 おやつとして持って来た桜餅とお茶はすでに腹の中。いい感じに満たされた腹を軽く撫で、頭上を仰ぐと、シンタローは目を細めた。澄み切った青空が淡い紅色の合間から覗ける。心地よさに自然と浮かぶ笑み。
 ご機嫌でいれば、隣にいる相手も珍しく笑っていた。

 春風を思わせる柔らかな微笑。

 心許した相手しか見ることしか出来ないことを知っているから、それが純粋に嬉しい。
 そして、そんな相手を見ているうちに、ふっと浮かぶ悪戯心。



「アラシヤマ…目をつぶれ」




 その言葉に、目を丸めて驚いた顔をしてくれる相手に向かって、にっこりと笑ってみせた。そうして、そっと囁くように告げてみせる。

「いいことしたいんだよ。…けど、恥ずかしいから目をつぶってくれ」

 そう頼めば即座に、これでもかと言うぐらい、きつく目を閉じてくれた。それがおかしくて、笑いが込み上げるが一生懸命噛み締めた。静かにアラシヤマに近づく。吐息が触れるほどの距離まで傍に寄ると、アラシヤマに触れた。






「花びらが髪についてたぜ」






 アラシヤマの髪に触れた指先を、目を見開いて硬直している相手にみせた。
 そこには薄紅の柔らかな花びらがあった。
 春風に運ばれた落し物。

「わざわざとってあげたんたぜ?優しいだろ。いいことはたまにはしないとな♪」

 ニヤッと笑って、がっかりした様子のアラシヤマの目を覗き込む。してやったりだ。

「なんだよ。嘘は言ってないだろ。甘ぇよ♪」

 悪戯成功。
 巧くいったのが気持ちいい。

 ついでとばかりに、すっと指先を額に持っていけば、でこピンをされるかと目をつぶる。その隙に、顔を寄せ、唇に触れた。口に広がる桜味。というか桜餅のアンコと塩漬けされた桜の葉っぱが重なった味。
 三度目の見開かれた目が自分を移す。だが、さすがに三回目の視線は受けとめられなかった。ふいっとそれからそらす。
 その先には満開の桜。




 だからだろう―――自分の頬もまた桜色に染まっていた。

se




 ――――シンタローはん。いつか、わてと一緒に………。



 その後の言葉は何だったのだろう。
 もう今は―――わからない。



 ドーン。


 ぱっと光が溢れた瞬間、地を揺らすほどの轟音が立つ。
 パラパラ……と細かな音が後から降る様に聞こえてきた。
 鮮やかに夜空に咲いた華。
 刹那の光を放ち消え去る儚い命。
 かすかな残像を残し、闇に散った最後の花火を、シンタローはじっと見つめた。そこにはもう何もなく、祭の終わりを悟った人々は、帰路へと歩みを返すけれど、シンタローは、その場に立ち尽くしていた。

「アラシヤマ」

 人の名を呟くけれど、それに応える者はいない。
 自分の隣には、誰もいない。ただ、帰り行く人々が、歩みを止めずに通り過ぎるだけだ。

「アラシヤマ」

 それでも名前を呼んだ。
 先ほどまで、色鮮やかな華を咲かせていた空をじっと見上げて。
 その闇の果てに何かがいることを信じるように、願うように。
 それが無意味なことだと―――誰よりもわかっていても。

「アラシヤマ」

 最後に、言葉を交わしたのはここだった。
 夏の終わりを告げるように開催された花火大会を、二人だけで見に行った。ともに夜空を見上げ、天へ打ち上げられる花火をお互い無言のまま、魅入っていた。
 けれど、終わりが近づいて、何連発者花火が終えて、フッと闇と静寂が戻った時、隣に立っていたアラシヤマが口を開いた。

『シンタローはん。いつか、わてと一緒に―――』

 けれど、その瞬間。

 ドォン!

 地を轟かせるほどの響きとともに、これまで以上に大きな花火が夜空に咲き誇った。
 わぁ、という歓声が一斉に上がる。花火は、終わりではなかったのだ。最後の最後で、最大級の大きな花火が一輪咲いた。
 だが、お陰で、先ほどアラシヤマが言いかけていた言葉が遮られてしまった。

『アラシヤマ、さっき何っていった?』

 祭の余韻でざわめきがあるものの、再び、静かな夜へと戻ったことで、もう一度、先ほどの言葉の続きをねだった。しかし、なぜか彼は、微笑を浮かべて首を横に振った。それは、大したことではない、と言っているようで、それならば、と自分も納得して、その続きを聞くことを諦めた。
 
 だが―――。

 一年経って、今だから思う。
 きっと彼は、自分に何か伝えたいことがあったのだ。何か大切なことを――――。

 けれど、それは聞けない。
 もう、自分は聞けない。

 なぜなら、自分の隣には―――――。


「アラシヤマ………どこに」

 どこにいるのだろうか。
 ここには、彼は、いない。受け取るものもいないまま、無情に響き渡る声だけが、闇に溶けていく。隣は、カラッポのままで、夏の名残も見つからない冷たい風が、通り過ぎる。
 見上げた夜空は、小さな星たちが瞬くだけで、もう華は消え去った。

 先の見えない闇の中、ひとり佇む。
 そして―――。


「アラシヤマ―――会いたいよ」


 あの日の後、新たな任務に旅立ち、そして自分の傍から永遠に消え去ったままの彼の人を呼んだ。

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「眼魔砲」
 ぽつりと呟いた瞬間。一秒前までアラシヤマがいた場所は、素敵なクレーターが存在していた。
「シ…シンタローはん……」
「なんで、素直に死んでくれねぇの?」
 突如として放たれた死の宣告に等しいその熱の塊を、間一髪で避けることができたものの、その幸運を味わうことなく、恐る恐る声をかければ、極上の笑顔が向けられてしまった。しかし、かけられた言葉は、かなり辛らつ……というよりは痛々しいものである。
 恋人――信じられないかもしれないが、二人は所謂そういう関係である――である、アラシヤマでもめったに見たことのない、神々しいまでの綺麗な笑顔がそこにあるのだが、目はまったく笑っていなかった。
 それはまるで、鋭い棘を無数に含んでいるかのようで、あるいは絶対零度まで冷やされた氷がそこにあるかのような、恐ろしいまでに危険な光を宿していた。
「えーと、なんでわてが、死ななあきまへんのやろか」
「『なんで?』。それをてめぇが聞くわけ? 自分が昨日なにやったか覚えてないんだ」
 こちらが、相手に声をかけるたびに、どんどん笑みが深くなる。それに比例するように、彼の周りを取り囲む空気に凄みが増していた。
「あの……それはミヤギはん達とのやりとりでっか?」
 なんとなく、思い当たることがある。それは、昨日のことだが、うっかり……一応、わざとではなく、偶然会ったミヤギやトットリに、自分とシンタローがいかに仲がいいかを話してしまったのだ。
 あちらが、ベストフレンドぶりを見せ付けるので、つい……そう、つい口を滑らせただけである。
 他意はない。自分達が恋人同士であることまでは言ってない。しかし、原因がそれ以外ないようである。
(ミヤギはん達、誰になんて言うたんどすか!)
 自分が発した言葉がどんな変化をもたらしたかはわからないが、滑らした話題が、どういう経路を伝ってか、シンタローの耳に入ったようである。
「てめぇの所業を思い出したか」
「へえ」
 シンタローからの威圧感が高まった。だらだらと体中からあぶら汗が流れる。今のアラシヤマは、ガマの油状態だ。
 しかし、自分の発言が元とはいえ、結局のところ、シンタローの今の状態は、つまりは、簡単に言えば、アレなのだ。別に、怒っているわけではなく、たったひとつの感情によっての行動である。
「アラシヤマ、何か言うことは?」


「――――――――テレ屋なシンタローはんも可愛いどすえ」


 その一言で、命運は決まった。
 にっこりと、それはそれは華やかな笑みを浮かべられる。そして、その口が開いた瞬間、アラシヤマの存在は消えていた。


「MAX眼魔砲ッ~~~!」





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 伸ばされた指先を困惑の表情で見つめてしまった。
「シンタローはん」 
 触れる間際に名を呼ばれれば、怯えるように身体を震わし、自分に触れるはずだった彼の指が、目的を達する前に動きを止めた。
 指先ばかりを注視していたために、相手がどんな顔をしたのかはわからない。ただ、伝わる雰囲気から悲しみを感じとった。
 申し訳ないと思わず謝罪の言葉を吐きそうになったが、それを必死に飲み込んだ。そんな言葉など、自分達には何の意味をもたなかった。
 それならば、どんな言葉が必要なのかと問われれば、戸惑いしか生まれない。そんなことは、欠片もわからないのだ。
 ただ、相手に触れられたくなかった。触れた瞬間、自分の中の何かが壊れてしまいそうな気がしたからだ。
 おかしなことだと思う。彼と触れ合うことはこれが始めてではない。肌と肌を熱く深く重ねたことも何度もある。それなのに、今は許せなかった。
「すまん」
 愛しくて仕方がない相手に深い謝罪の気持ちを告げた。








 最悪。



 お前に触れられるのが怖い。
 自分が自分でなくなるほど、お前に溺れてしまいそうで。





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