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|単発| |女体化| |リキシンお題| |シン受けお題| |キンシンお題|
--------------------------------------------------------------------------------
いままさに、という時。
唐突にドアが開かれた。
薄暗い部屋に一筋の光が入り、勢いよく廊下の明かりがなだれ込む。
場違い甚だしい能天気な声がその空間を壊した。
「あれ?どうして明かりも付けていないのかな?シーンちゃーん、パパだよぉ」
よぉの語尾が部屋の奥、光の届かぬ闇へと吸い込まれる。
空間の破壊の次に訪れたのは痛いほどの沈黙。
静寂がこれほどの破壊力を持つものだとこの時初めてシンタローは知った。
「…………………………。」
「…………………………。」
「…………………………。」
誰もこの状態を打ち破れないでいた。
シンタローはマジックの声に反射的に身を起こしかけ、キンタローのむき出しの逞しい肩越しにマジックを凝視し、
キンタローは振り向きもせずシンタローを組み敷いたそのままの体勢。
マジックは目だけが忙しなく二人の間を泳ぎ、足はその場に縫い付けられたように動かない。
「シンタロー、続けるぞ」
キンタローは固まったシンタローを暫くの間見つめていたが、ちらっと振り返りマジックの姿を確認すると
何事も無かったかのようにそう言い放った。
どうやら驚いて真っ白になっていたわけではなくただ単にシンタローが石のように固まってしまったから
それに付き合って動きを止めていただけのようだ。
「はぁ?!おまえアレの姿が目に入らないのかよ?」
この様な状況でもシンタローのツッコミ体質は発揮された。
アレ、と腕を上下に振りまだ石化が解けないマジックを指差す。
「アレ、は伯父貴だ。問題は無い」
「問題ありだろ!大有りだろっ!」
ついついいつものように声が高くなる。
「こういうときは何も無かったようにさり気なく続きをすれば良いのだ」
「何事も無かったように出来るかっ!さり気なくもくそもあるかっ!どーやってこの状況でさり気なくなんて出来るんだよ!!」
「俺は出来る」
あくまでも真面目に答えた。青い瞳は不気味なほど穏やかな光を湛えている。
至近距離にいるシンタローには逆光でも見えたのだろう、猛然と反発し始めた。
「変だ!おまえはおかしい!前から言おうと思っていたんだよ!!」
肩肘を突いて半身を持ち上げていた中途半端な体勢だったが、両手を付きずっと下がると、完全に半身を起こす。
そしてびしっとキンタローに人差し指を突きつけた。
「羞恥心を持て!!」
「当然そんなものは持ち合わせている。おまえが持ちすぎなんだ」
突きつけられた指を片手で掴み手をそっと引き寄せると甲に唇を落とす。
「だ~か~ら~~っっ!!!」
「シンちゃん、キンちゃん、君たちそういう関係だったの?」
マジックは真っ青になって震えた声を絞り出す。
キンタローと夫婦漫才を繰り広げてマジックの事をすっかり失念していたシンタローはその声で我に返り
この心情的危機状況を思い出す。
扉へ向って腕をばっと伸ばし手を開く。
眼魔砲。
それがマジックへの答えだった。
H17.8.24
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いままさに、という時。
唐突にドアが開かれた。
薄暗い部屋に一筋の光が入り、勢いよく廊下の明かりがなだれ込む。
場違い甚だしい能天気な声がその空間を壊した。
「あれ?どうして明かりも付けていないのかな?シーンちゃーん、パパだよぉ」
よぉの語尾が部屋の奥、光の届かぬ闇へと吸い込まれる。
空間の破壊の次に訪れたのは痛いほどの沈黙。
静寂がこれほどの破壊力を持つものだとこの時初めてシンタローは知った。
「…………………………。」
「…………………………。」
「…………………………。」
誰もこの状態を打ち破れないでいた。
シンタローはマジックの声に反射的に身を起こしかけ、キンタローのむき出しの逞しい肩越しにマジックを凝視し、
キンタローは振り向きもせずシンタローを組み敷いたそのままの体勢。
マジックは目だけが忙しなく二人の間を泳ぎ、足はその場に縫い付けられたように動かない。
「シンタロー、続けるぞ」
キンタローは固まったシンタローを暫くの間見つめていたが、ちらっと振り返りマジックの姿を確認すると
何事も無かったかのようにそう言い放った。
どうやら驚いて真っ白になっていたわけではなくただ単にシンタローが石のように固まってしまったから
それに付き合って動きを止めていただけのようだ。
「はぁ?!おまえアレの姿が目に入らないのかよ?」
この様な状況でもシンタローのツッコミ体質は発揮された。
アレ、と腕を上下に振りまだ石化が解けないマジックを指差す。
「アレ、は伯父貴だ。問題は無い」
「問題ありだろ!大有りだろっ!」
ついついいつものように声が高くなる。
「こういうときは何も無かったようにさり気なく続きをすれば良いのだ」
「何事も無かったように出来るかっ!さり気なくもくそもあるかっ!どーやってこの状況でさり気なくなんて出来るんだよ!!」
「俺は出来る」
あくまでも真面目に答えた。青い瞳は不気味なほど穏やかな光を湛えている。
至近距離にいるシンタローには逆光でも見えたのだろう、猛然と反発し始めた。
「変だ!おまえはおかしい!前から言おうと思っていたんだよ!!」
肩肘を突いて半身を持ち上げていた中途半端な体勢だったが、両手を付きずっと下がると、完全に半身を起こす。
そしてびしっとキンタローに人差し指を突きつけた。
「羞恥心を持て!!」
「当然そんなものは持ち合わせている。おまえが持ちすぎなんだ」
突きつけられた指を片手で掴み手をそっと引き寄せると甲に唇を落とす。
「だ~か~ら~~っっ!!!」
「シンちゃん、キンちゃん、君たちそういう関係だったの?」
マジックは真っ青になって震えた声を絞り出す。
キンタローと夫婦漫才を繰り広げてマジックの事をすっかり失念していたシンタローはその声で我に返り
この心情的危機状況を思い出す。
扉へ向って腕をばっと伸ばし手を開く。
眼魔砲。
それがマジックへの答えだった。
H17.8.24
PR
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長いつややかな髪が彼の動きを追うように揺れる。
この日差しの強いパプワ島では、色の濃い髪は光に反射しまるで太陽のように輝いて見える。
今は背を向けて見えない形のよい切れ長の目は、意志の強さを表し見るものを引き付ける。
身長190cm越え、逞しく隆起した筋肉を持つその人が、
普段からは想像もつかないくらい、家庭的にパンっと洗濯物の皺をのばしながら洗濯物を干していようとも、
見守る彼にとっては可愛らしく見える様だ。
「おい。」
最後のシーツを破きそうな勢いで皺をのばす。
シンタローはこめかみに青筋を立てながら押し殺した様な声を出す。
「気持ち悪いから、やめろ。」
「え?なんすか?」
声をかけられたリキッドは本当に何を言われているのか理解できない、
というようなキョトンとした表情で応じる。
やや逆立った金髪が平和そうに風に吹かれ左右に揺れる。
更に我慢強く、シンタローは怒鳴らないように口を開く。
「その恋する女の子のような目で俺を見ること。」
「そっ」
そんなことは無いと否定しようとしたのだが、しっかりと図星だったので否定できず言葉を切る。
両手を拳にし、口の前当てきょろきょろと視線をさ迷わせる。
視界に入るのは、見慣れたのどかなパプワ島の様子だ。
そんなリキッドの反応を見て、シンタローは更に声をおとす。
「しっかり規格サイズ以上に成長したヤローに見つめられても嬉しくない。」
「いいじゃないっすか!見ているだけなんすから!」
リキッドにしては、強気な態度にでる。
触れることが出来ないのだから、見ることまでも拒否されてしまっては堪らないと思ったのだろう。
シンタローは間髪いれず答える。
「よくない。」
「減るわー」
台詞の途中で思いっきり言おうとした事を否定される。
「減るわけじゃない、とか月並みなことをいうな。減るんだよ。俺のセンサイな神経がな。」
シンタローは、はぁと深いため息をつく。
「お前だってヤだろ?ウマ子にじーっと凝視されたら。」
リキッドは脳裏にその様がありありと浮かぶ。
いつも強制的に絞め殺されそうになっているが、何もされずじっと見られるのも物凄く怖い。
こんな穏やかな気候にもかかわらず、一瞬にしてざぁっと鳥肌が立つ。
思わず、という様子で腕を擦りながら頭を左右に振る。
そんなリキッドの様子にシンタローは、したり、というような顔でうんうんと頭を上下する。
「でも、見るぐらいいいじゃいっすか!?」
「お前、何聞いてたんだよ。んな他意の篭った目で見られるのは嫌なんだよ。
何?お前そんなに俺のこと好きなの?」
俺様道を遺憾なく発揮する。
リキッドはさっと朱のはしった顔を隠すため、慌てて下を向く。
幸いな事にシンタローの方がやや背か高いため、リキッドの顔は見えない。
が、赤く染まった耳は見える。
シンタローは、はぁと本日2度目のため息が漏れる。
「まあ、俺ぐらいかっこいいと惚れたくなるかもしれないけどな。」
「いえ、どちらかといえばかわいいです。」
聞こえたら半殺しでは済まないかもしれないので、心の中で反論する。
「お前、兄弟いないだろ。」
行き成り話が変ったので、リキッドは思わず顔を上げる。
「どうよ?」
シンタローが答えを促す。
「ええ、いないっす。それが?」
「いや、そうだろうなって思っただけ。」
気にするな、というように手をパタパタと振る。
「まあな、この愉快な島に俺みたいな常識人がいたら思わず惚れちまうかもしれないわなー」
「常識人?」
リキッドは思わず呟く。果たしてこの島に適応できる人物を常識人と呼んでよいのだろうか?
そんな反応が気に食わないのだろうか、シンタローが凄む。
「んだよ。何か文句あるのか?」
「い、いえ、そんな事無いっす!」
ここは流した方が良いだろうとリキッドは慌て、不自然なぐらい力強く頭をぶんぶんと左右に振る。
「それは、アレだ。極限状態を一緒に体験すると、相手に惚れちまうってやつ。
つり橋なんか渡るとよくなるそうだ。これと一緒。」
しかめっ面が薄れ、パプワ島は常にある意味極限状態だからなーとどこか嬉しそうに言う。
また唐突に話が元に戻ったので、リキッドは暫らく考えて、言葉を発した。
「じゃあ、その極限状態かどうか、見極めるために今まで通り、見てもいいんっすね?」
「は?今までの話を聞いていてどうしてそーゆー結論に達するんだよ!」
お前は馬鹿かっ、と怒鳴る。
「ええー」
情けなさそうに呟く。眉が垂れている。
「わかった。好きにしろ。」
これ以上何を言っても無駄と思ったのか、それともリキッドのあまりの情けなさそうな表情にほだされたのだろうか、
シンタローはさっさと背を向けパプワハウスへと帰る。
「待ってくださいよー」
と刷り込まれた雛の如く慌ててシンタローの背中を追いかける。
ぴこぴことまるでヒヨコのような金色の頭が後をついて行く。
二人が去った後には、真っ白な洗濯物が平和そうにひらひらと風に吹かれていた。
今日もパプワ島は平和だ。
6.3
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長いつややかな髪が彼の動きを追うように揺れる。
この日差しの強いパプワ島では、色の濃い髪は光に反射しまるで太陽のように輝いて見える。
今は背を向けて見えない形のよい切れ長の目は、意志の強さを表し見るものを引き付ける。
身長190cm越え、逞しく隆起した筋肉を持つその人が、
普段からは想像もつかないくらい、家庭的にパンっと洗濯物の皺をのばしながら洗濯物を干していようとも、
見守る彼にとっては可愛らしく見える様だ。
「おい。」
最後のシーツを破きそうな勢いで皺をのばす。
シンタローはこめかみに青筋を立てながら押し殺した様な声を出す。
「気持ち悪いから、やめろ。」
「え?なんすか?」
声をかけられたリキッドは本当に何を言われているのか理解できない、
というようなキョトンとした表情で応じる。
やや逆立った金髪が平和そうに風に吹かれ左右に揺れる。
更に我慢強く、シンタローは怒鳴らないように口を開く。
「その恋する女の子のような目で俺を見ること。」
「そっ」
そんなことは無いと否定しようとしたのだが、しっかりと図星だったので否定できず言葉を切る。
両手を拳にし、口の前当てきょろきょろと視線をさ迷わせる。
視界に入るのは、見慣れたのどかなパプワ島の様子だ。
そんなリキッドの反応を見て、シンタローは更に声をおとす。
「しっかり規格サイズ以上に成長したヤローに見つめられても嬉しくない。」
「いいじゃないっすか!見ているだけなんすから!」
リキッドにしては、強気な態度にでる。
触れることが出来ないのだから、見ることまでも拒否されてしまっては堪らないと思ったのだろう。
シンタローは間髪いれず答える。
「よくない。」
「減るわー」
台詞の途中で思いっきり言おうとした事を否定される。
「減るわけじゃない、とか月並みなことをいうな。減るんだよ。俺のセンサイな神経がな。」
シンタローは、はぁと深いため息をつく。
「お前だってヤだろ?ウマ子にじーっと凝視されたら。」
リキッドは脳裏にその様がありありと浮かぶ。
いつも強制的に絞め殺されそうになっているが、何もされずじっと見られるのも物凄く怖い。
こんな穏やかな気候にもかかわらず、一瞬にしてざぁっと鳥肌が立つ。
思わず、という様子で腕を擦りながら頭を左右に振る。
そんなリキッドの様子にシンタローは、したり、というような顔でうんうんと頭を上下する。
「でも、見るぐらいいいじゃいっすか!?」
「お前、何聞いてたんだよ。んな他意の篭った目で見られるのは嫌なんだよ。
何?お前そんなに俺のこと好きなの?」
俺様道を遺憾なく発揮する。
リキッドはさっと朱のはしった顔を隠すため、慌てて下を向く。
幸いな事にシンタローの方がやや背か高いため、リキッドの顔は見えない。
が、赤く染まった耳は見える。
シンタローは、はぁと本日2度目のため息が漏れる。
「まあ、俺ぐらいかっこいいと惚れたくなるかもしれないけどな。」
「いえ、どちらかといえばかわいいです。」
聞こえたら半殺しでは済まないかもしれないので、心の中で反論する。
「お前、兄弟いないだろ。」
行き成り話が変ったので、リキッドは思わず顔を上げる。
「どうよ?」
シンタローが答えを促す。
「ええ、いないっす。それが?」
「いや、そうだろうなって思っただけ。」
気にするな、というように手をパタパタと振る。
「まあな、この愉快な島に俺みたいな常識人がいたら思わず惚れちまうかもしれないわなー」
「常識人?」
リキッドは思わず呟く。果たしてこの島に適応できる人物を常識人と呼んでよいのだろうか?
そんな反応が気に食わないのだろうか、シンタローが凄む。
「んだよ。何か文句あるのか?」
「い、いえ、そんな事無いっす!」
ここは流した方が良いだろうとリキッドは慌て、不自然なぐらい力強く頭をぶんぶんと左右に振る。
「それは、アレだ。極限状態を一緒に体験すると、相手に惚れちまうってやつ。
つり橋なんか渡るとよくなるそうだ。これと一緒。」
しかめっ面が薄れ、パプワ島は常にある意味極限状態だからなーとどこか嬉しそうに言う。
また唐突に話が元に戻ったので、リキッドは暫らく考えて、言葉を発した。
「じゃあ、その極限状態かどうか、見極めるために今まで通り、見てもいいんっすね?」
「は?今までの話を聞いていてどうしてそーゆー結論に達するんだよ!」
お前は馬鹿かっ、と怒鳴る。
「ええー」
情けなさそうに呟く。眉が垂れている。
「わかった。好きにしろ。」
これ以上何を言っても無駄と思ったのか、それともリキッドのあまりの情けなさそうな表情にほだされたのだろうか、
シンタローはさっさと背を向けパプワハウスへと帰る。
「待ってくださいよー」
と刷り込まれた雛の如く慌ててシンタローの背中を追いかける。
ぴこぴことまるでヒヨコのような金色の頭が後をついて行く。
二人が去った後には、真っ白な洗濯物が平和そうにひらひらと風に吹かれていた。
今日もパプワ島は平和だ。
6.3
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--------------------------------------------------------------------------------
ドアを開けると、先ず眼に入るのが広い部屋の真中にちょこんと鎮座しているテーブルと2脚の椅子。
部屋の大きさに全くあっていないが、
この部屋に来るのは自分を除くとグンマ、たまにマジックが来るぐらいだからまあそれで当然なのかもしれない。
そこまでは、分かる。
が、何故その2脚しかない椅子に、人形が置いてあるのだろうか?
考えるのもおぞましいが、部屋の至る所に、
『シンちゃんがお仕事で毎日パパと会えなくても、これで寂しくないよねv
でも、生身が一番だよ~~vv』
などど頭に年中花が咲いているバカ親父が持っている人形と同じものだ。
いや、コレはあのカンフー服ではない。
最近やっと馴染みつつある真っ赤でド派手な総裁服だ。
自分をかたどったものだから余計にそれを感じるのかもしれないが、
最低限の物しか置いていないこの部屋でソレは一際異彩を放っていた・・・
取り敢えず、目を瞑った。
思考。
この部屋の持ち主が、アレをどうしているのだろうか?
まさか、あの親父と同じように・・・。
いやいやそれはないだろう。
言ってみれば、まだ子供だ。
俺が子供の頃だって、男の子で人形遊びをしていた子も居た。
居たが。
立派な成人男子、しかも金髪碧眼、端整な顔の持ち主。
・・・・・。
それはそれで、とてつもなく恐ろしい。
だめだ、これ以上考えるな。
遮断。
俺は今、人として一番正しい事をしている。
アレを視界に入れないために瞑っていた目を開ける。
自然、俯いていた顔を上げる。
意味もなく、勢いをつけクルっと反転。
ドアを開く。
部屋を見ずに、後ろ手で閉めた。
後は、何事も無かったように、仕事に戻るだけだ。
キンタローの顔を見て、反応しないでいられるだろうか?
・・・無理かもしれない・・・
ごめんなさい。誰ともなしに心の中で謝ってしまう。
俺は人として正しい事を出来ないみたいだ。
H16.4.16
たぶんシン受けお題のどこかに続きます・・・
キンシンお題12へ。
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ドアを開けると、先ず眼に入るのが広い部屋の真中にちょこんと鎮座しているテーブルと2脚の椅子。
部屋の大きさに全くあっていないが、
この部屋に来るのは自分を除くとグンマ、たまにマジックが来るぐらいだからまあそれで当然なのかもしれない。
そこまでは、分かる。
が、何故その2脚しかない椅子に、人形が置いてあるのだろうか?
考えるのもおぞましいが、部屋の至る所に、
『シンちゃんがお仕事で毎日パパと会えなくても、これで寂しくないよねv
でも、生身が一番だよ~~vv』
などど頭に年中花が咲いているバカ親父が持っている人形と同じものだ。
いや、コレはあのカンフー服ではない。
最近やっと馴染みつつある真っ赤でド派手な総裁服だ。
自分をかたどったものだから余計にそれを感じるのかもしれないが、
最低限の物しか置いていないこの部屋でソレは一際異彩を放っていた・・・
取り敢えず、目を瞑った。
思考。
この部屋の持ち主が、アレをどうしているのだろうか?
まさか、あの親父と同じように・・・。
いやいやそれはないだろう。
言ってみれば、まだ子供だ。
俺が子供の頃だって、男の子で人形遊びをしていた子も居た。
居たが。
立派な成人男子、しかも金髪碧眼、端整な顔の持ち主。
・・・・・。
それはそれで、とてつもなく恐ろしい。
だめだ、これ以上考えるな。
遮断。
俺は今、人として一番正しい事をしている。
アレを視界に入れないために瞑っていた目を開ける。
自然、俯いていた顔を上げる。
意味もなく、勢いをつけクルっと反転。
ドアを開く。
部屋を見ずに、後ろ手で閉めた。
後は、何事も無かったように、仕事に戻るだけだ。
キンタローの顔を見て、反応しないでいられるだろうか?
・・・無理かもしれない・・・
ごめんなさい。誰ともなしに心の中で謝ってしまう。
俺は人として正しい事を出来ないみたいだ。
H16.4.16
たぶんシン受けお題のどこかに続きます・・・
キンシンお題12へ。
居酒屋だった。
いかにも、昔ながらの飲み屋という感じの。
木の引き戸と色あせた昔は紺色だっただろう暖簾が年季を物語っている。
シンタローが足を止め、その店を見ながらキンタローに問いかける。
「あー、そういや、お前と外で飲んだこと無いよな?」
今更といえば今更な発言。
わざわざ外に出歩かなくとも、自宅にちょっとしたバーを完備している。
遠征に出る飛行艦も一応完備しているが、総帥が行くわけにも行かない。
お気に入りのボトルを何本か持ち込んでいる。
キンタローとは自宅か、遠征帰りで飲んでいる。
「ないな」
「どうよ?ちょっと寄っていかないか?」
シンタローはその飲み屋を顎で指す。
「いや、遠慮しておく」
キンタローはサックリと誘いを断る。
「なんでだよ?外だと家と雰囲気違って楽しいぞ?」
独りで呑んでもつまんねーから行こうぜ、と食い下がる。
「俺はお前と外では飲みたくないんだ」
「なんだぁ?俺、別に酒乱じゃないぜ?」
よくキンタローと酒を飲むが、舐める程度だ。前後不覚に成る程は呑んだ事は無い。
「別にお前が酒に呑まれるから外で飲みたく無いわけじゃないぞ」
「じゃあなんでだよ」
「いいのか?言っても」
キンタローは妙にもったいぶる。
「いいんだな。怒るなよ」
キンタローは念を押す。
そして周囲をうかがうように視線を巡らせる。それにつられシンタローも目を遣る。
世間では2件目に梯子するであろう時間だろうか。
周りにはほろ酔いかげんの2つ3つの集団がいるだけだ。
シンタローが不思議に思っているとキンタローが話し出した。
「俺は、お前の力のある目が酒が入ると緩む所や、張っていた気が和んで近寄りやすくなる所が」
「わかった。悪かった。俺が悪かったから、頼むからそれ以上言うな」
呑んでもいないのに既に酔いが回っているかのようなキンタローの戯言を押しとどめる。
「だから言ったじゃないか。まだあるぞ?聞くか?」
「言わんで宜しい。帰るぞ」
「ああ。酒は馴染んだ所で呑むのが一番だ」
そういうとキンタローはさっさと前へ行く。
騙されたような気がする、と思いつつシンタローはその背を追った。
いかにも、昔ながらの飲み屋という感じの。
木の引き戸と色あせた昔は紺色だっただろう暖簾が年季を物語っている。
シンタローが足を止め、その店を見ながらキンタローに問いかける。
「あー、そういや、お前と外で飲んだこと無いよな?」
今更といえば今更な発言。
わざわざ外に出歩かなくとも、自宅にちょっとしたバーを完備している。
遠征に出る飛行艦も一応完備しているが、総帥が行くわけにも行かない。
お気に入りのボトルを何本か持ち込んでいる。
キンタローとは自宅か、遠征帰りで飲んでいる。
「ないな」
「どうよ?ちょっと寄っていかないか?」
シンタローはその飲み屋を顎で指す。
「いや、遠慮しておく」
キンタローはサックリと誘いを断る。
「なんでだよ?外だと家と雰囲気違って楽しいぞ?」
独りで呑んでもつまんねーから行こうぜ、と食い下がる。
「俺はお前と外では飲みたくないんだ」
「なんだぁ?俺、別に酒乱じゃないぜ?」
よくキンタローと酒を飲むが、舐める程度だ。前後不覚に成る程は呑んだ事は無い。
「別にお前が酒に呑まれるから外で飲みたく無いわけじゃないぞ」
「じゃあなんでだよ」
「いいのか?言っても」
キンタローは妙にもったいぶる。
「いいんだな。怒るなよ」
キンタローは念を押す。
そして周囲をうかがうように視線を巡らせる。それにつられシンタローも目を遣る。
世間では2件目に梯子するであろう時間だろうか。
周りにはほろ酔いかげんの2つ3つの集団がいるだけだ。
シンタローが不思議に思っているとキンタローが話し出した。
「俺は、お前の力のある目が酒が入ると緩む所や、張っていた気が和んで近寄りやすくなる所が」
「わかった。悪かった。俺が悪かったから、頼むからそれ以上言うな」
呑んでもいないのに既に酔いが回っているかのようなキンタローの戯言を押しとどめる。
「だから言ったじゃないか。まだあるぞ?聞くか?」
「言わんで宜しい。帰るぞ」
「ああ。酒は馴染んだ所で呑むのが一番だ」
そういうとキンタローはさっさと前へ行く。
騙されたような気がする、と思いつつシンタローはその背を追った。
生まれてきてくれて、ありがとう
「生まれてきてくれて、ありがとう」
不意に真面目にそんなことを言う。
折角丁寧に煎れていた紅茶は俺の手元でダバダバと零れ。
振り返った先のあんたはそれでも穏やかに笑っている。
なんで俺の誕生日なのに俺がお茶を用意しているのだろうかとか。
折角焼きたてのパンケーキは紅茶が染みてぐっしょりだとか。
どうでも良いと思うくらい、あんたは満ち足りた顔で笑ってる。
「……なんで、いきなりそう言うこと言うかね」
「だってシンちゃんとお誕生日過ごせないって思ってたし、色々あったしねぇ……。奇跡なんて信じないけど今私がシンちゃんと一緒にいるのってすごい確率だと思ったから言っておこうかと」
なんとか言葉を口にすれば、そんな俺の心境など知らぬと言わぬばかりにさらりと更なる言葉を紡いだ。
確かに遠征先での揉め事が一気に片が付いて。
グンマと高松の恐ろしい帰れコールに急いで帰ってきて。
一族幹部入り交じっての誕生会は凄かった。
シャンパンシャワーを死ぬほど浴びせられた俺とアイツは風呂行きを余儀なくされ。
あがってくれば全員潰れている始末。
主役なのに今日の片づけをしてようやく一息ついたのがこの時刻だ。
誕生日の終わる30分前。
カモミールのミルクティーでなぜかこの男と二人きり。
アイツは高松に連れられていったが大丈夫なのだろうか。
そんな取り留めのないことをぼんやりと考えていれば、ポットから出るお茶は全て無くなっていた。
その様に、声を上げて笑う男。
「なにシンちゃん、そんなに私にドキドキした?やー嬉しいなぁ、やっぱりシンちゃんは私のことがだいす「……ちっげーよ!!」
ちゅどんと。
右手から飛ばす眼魔砲。
壁がガレキと化して男は埋まった。
ああそれでもあんたは笑っているんだろう。
次の瞬間には酷いだのなんだのいつものペースで起きあがって。
だから聞こえないうちに言ってやろう。
「生まれてきたのがあんたのところで、ほんと」
-------------------------------------------------------------
シンちゃん誕生日おめでとう!
と、いうことでハピバ作品をお題で消化してみようと思います。
全部かけるか分かりませんが。
途中で原稿にはいるかも知れませんが。
キンちゃんもちゃんと祝うぞ~。
出来ればグンちゃんも。(すまんかったグンちゃん…!)
今回はマジシンでした。
パプワ島でのことを考えると生まれてきてくれてありがとうってかなり重いよなぁとか思ったので。
06/05/24
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