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|単発| |女体化| |リキシンお題| |シン受けお題| |キンシンお題|
--------------------------------------------------------------------------------
二人仲良く並んで夕食の後片付け。
パプワは後ろで仲良く、チャッピーと食後の踊りを踊っている。
洗い終わった食器を隣に立っているシンタローさんに渡し拭いてもらう。
が、さっきから視線を感じる。
チラっと横を見るとシンタローさんとバッチリ目が合ってしまった。
『どっ』
心臓が一瞬止まったかのような錯覚が起こる。
見られているのは分かっていても実際に確認すると吃驚する。
しかも目視線がかち合ったなら尚更だ。
「何だよ?」
見ていたのはシンタローさんで、見られていたのは俺なのに相も変わらず俺様な態度で聞かれる。
「いっいえ、なんでもないっす。」
それ以外どう答えろと・・・心の中でそう言い意識を切り替えまた食器洗いに専念する。
まだ視線を感じる。暫らくするとやっぱり気になる。
どーにも落ちつかない。そのうち食器を落としてしまいそうだ。
そんな失敗をするまいに、と思い切って聞いてみる事にした。
食器をシンクに置き泡の付いた手を洗う。
よっし、と気合を入れて横のシンタローさんに体を向ける。
「なんすか?シンタローさんっ。言いたい事があるなら言って下さい!」
「は?別に無いけど?」
皿を拭く手を止め、きょとんと俺を見る二つの目。
あ、カワイイと思ってしまう。
いやここで流されちゃダメだと口を開く。
「嘘っす!さっきからずっと俺のこと睨んでるじゃないっすか!」
「いや、別に睨んでないけど。」
サラリと言われて、別に怒られている訳ではないのだなと安心する。
「じゃあ、どうして俺のこと見てたんですか?」
悲しい事に怒られる以外で見られる理由が思い浮かばない。
「いいよなぁ。」
ポツリとシンタローさんの声が漏れる。
「え?」
何を言われたか解らないので思わず聞き返してしまう。
「だからコレ。」
皿をカタンと置いて手を俺に向かって伸ばしてくる。思わず体に力が入る。
が、手は頭上で止まり髪を一房つかみ軽くツンっと引っ張る。
「髪、っすか?」
「そう。オマエ染めてんの?やっぱヤンキーだしさ。」
不良に対して誤った偏見がシンタローさんにはあるみたいだ。
俺ってシンタローさんにとったら一生ヤンキーのままかなぁと思い落ち込んでしまう。
名前も殆ど呼んで貰ったことないし・・・
気持ちの下降と共に自然顔も俯いてしまう。
「でも自然な色だよなぁ。」
とまたツンツンと引っ張られる。
髪を引っ張られ顔を上げると、真剣な色を湛えた黒い瞳。
そんな瞳に見られ顔に熱が集まる。
「いえ、元々この色っす・・・」
赤くなったであろうままで答える。
そんな俺の様子には気にもせずにシンタローさん手を引っ込め呟く。
「そうか・・・俺も染めたらそんな色になるかなぁ。」
「え?」
シンタローさんが髪を染める?その姿を想像する。
・・・似合わない・・・
今のままの方がいいっすよ、と言おうとした時。
「僕は今のシンタローが好きだぞ。」
さっきまで踊っていたはずのパプワの声が唐突に掛かる。
その声に俺とシンタローさんはパプワを振り返る。
なっチャッピー、とパプワはチャッピーに同意を求める。
「わうぅ。」
チャッピーも力強くパプワに頷き返す。
「そうか。」
それを見たシンタローさんは破顔した。
「これで俺は俺だもんな。サンキュ。」
と笑みが更に深くなる。
俺が、俺が言おうと思った台詞なのにっ!
横からパプワに引っ攫われたぁ!
しかも笑顔まで!
思わずパプワを見るとそんな俺の心の内などお見通しなのか
ニヤリ。と笑った。
や、やられた・・・・
5.2
|単発| |女体化| |リキシンお題| |シン受けお題| |キンシンお題|
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二人仲良く並んで夕食の後片付け。
パプワは後ろで仲良く、チャッピーと食後の踊りを踊っている。
洗い終わった食器を隣に立っているシンタローさんに渡し拭いてもらう。
が、さっきから視線を感じる。
チラっと横を見るとシンタローさんとバッチリ目が合ってしまった。
『どっ』
心臓が一瞬止まったかのような錯覚が起こる。
見られているのは分かっていても実際に確認すると吃驚する。
しかも目視線がかち合ったなら尚更だ。
「何だよ?」
見ていたのはシンタローさんで、見られていたのは俺なのに相も変わらず俺様な態度で聞かれる。
「いっいえ、なんでもないっす。」
それ以外どう答えろと・・・心の中でそう言い意識を切り替えまた食器洗いに専念する。
まだ視線を感じる。暫らくするとやっぱり気になる。
どーにも落ちつかない。そのうち食器を落としてしまいそうだ。
そんな失敗をするまいに、と思い切って聞いてみる事にした。
食器をシンクに置き泡の付いた手を洗う。
よっし、と気合を入れて横のシンタローさんに体を向ける。
「なんすか?シンタローさんっ。言いたい事があるなら言って下さい!」
「は?別に無いけど?」
皿を拭く手を止め、きょとんと俺を見る二つの目。
あ、カワイイと思ってしまう。
いやここで流されちゃダメだと口を開く。
「嘘っす!さっきからずっと俺のこと睨んでるじゃないっすか!」
「いや、別に睨んでないけど。」
サラリと言われて、別に怒られている訳ではないのだなと安心する。
「じゃあ、どうして俺のこと見てたんですか?」
悲しい事に怒られる以外で見られる理由が思い浮かばない。
「いいよなぁ。」
ポツリとシンタローさんの声が漏れる。
「え?」
何を言われたか解らないので思わず聞き返してしまう。
「だからコレ。」
皿をカタンと置いて手を俺に向かって伸ばしてくる。思わず体に力が入る。
が、手は頭上で止まり髪を一房つかみ軽くツンっと引っ張る。
「髪、っすか?」
「そう。オマエ染めてんの?やっぱヤンキーだしさ。」
不良に対して誤った偏見がシンタローさんにはあるみたいだ。
俺ってシンタローさんにとったら一生ヤンキーのままかなぁと思い落ち込んでしまう。
名前も殆ど呼んで貰ったことないし・・・
気持ちの下降と共に自然顔も俯いてしまう。
「でも自然な色だよなぁ。」
とまたツンツンと引っ張られる。
髪を引っ張られ顔を上げると、真剣な色を湛えた黒い瞳。
そんな瞳に見られ顔に熱が集まる。
「いえ、元々この色っす・・・」
赤くなったであろうままで答える。
そんな俺の様子には気にもせずにシンタローさん手を引っ込め呟く。
「そうか・・・俺も染めたらそんな色になるかなぁ。」
「え?」
シンタローさんが髪を染める?その姿を想像する。
・・・似合わない・・・
今のままの方がいいっすよ、と言おうとした時。
「僕は今のシンタローが好きだぞ。」
さっきまで踊っていたはずのパプワの声が唐突に掛かる。
その声に俺とシンタローさんはパプワを振り返る。
なっチャッピー、とパプワはチャッピーに同意を求める。
「わうぅ。」
チャッピーも力強くパプワに頷き返す。
「そうか。」
それを見たシンタローさんは破顔した。
「これで俺は俺だもんな。サンキュ。」
と笑みが更に深くなる。
俺が、俺が言おうと思った台詞なのにっ!
横からパプワに引っ攫われたぁ!
しかも笑顔まで!
思わずパプワを見るとそんな俺の心の内などお見通しなのか
ニヤリ。と笑った。
や、やられた・・・・
5.2
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さんさんと輝く太陽の下、四羽の鳥がいる。
最初は皆仲がよさそうに地面を突付いていたが、突然一羽がもう一羽へと突っかかる。
鋭いクチバシで突付き、更には追っ払おうとしたのか、クチバシを避けるように逃げていた鳥を
バッサバッサと翼を広げて威嚇する。
残りの二羽はそんな二羽の様子など関係ないように、相変わらずせっせと地面をつつく。
追われた一羽は結局森へと逃げていった。
後は三羽がまた、何事も無かったように地面を突付いていた。
その様子を見守っていたリキッドがだぁーと涙を流す。
「・・・分かる。分かるよ、鳥・・・」
などど独り言をブツブツ呟いている。ハタから見ると危ない人だ。
尚も独り言は続く。
「どーせ、俺はあの鳥だよ。その内俺も森の隅っこに掘っ建て小屋を建てて、ソコに一人で済む事になるんだ。
うん?待てよ。いや、一人じゃないか。コレ幸いと、ウマ子、ウマ子が来る!
『リッちゃん、二人きりじゃね。まるで新婚さんのようじゃの~。結婚したら後はする事は一つじゃけん。
いやじゃ、乙女に恥ずかしか事、言わせ・・・』」
「だぁああーーっっ!!」
勝手に脳内を流れる悪夢の映像を打ち消すかのように、天に向かって力いっぱい叫ぶ。
その声に驚いて、三羽の鳥は何処かへと飛び立つ。鳥の羽ばたきの音で我に返る。
息の続く限り叫び続けたのだろうか、ぜいぜいと肩で息をしている。
息を整わると、鳥にすら見捨てられた様な気になり、地面へと座る。
どこかの誰かがしているような、体育座り。ただし前にデッサン人形はいない。
背中には哀愁の文字が見える。
「お、いたいた。」
突然後ろからリキッドに声がかかる。
「あ、シンタローさん・・・」
一人何も無いところで、体育座りをしているリキッドを不審に思ったのかシンタローが訊ねる。
「お前、こんなところで何してるんだ?・・・それにその座り方。」
アラシヤマを思い出したのだろうか、渋い顔をする。
「いえ、ちょっと」
まさか本人の目の前で言うわけにもいかず、言葉を濁す。
立ち上がり、パンパンと土を払う。
「ふ~ん。ま、いいけどよ。今度からは唐突に居なくなるのやめろよな。」
「え?」
「パプワとチャッピーも心配してたぞ」
リキッドはあの二人が心配してくるなんて、と驚く。そして『も』という言葉に引っかかる。
「・・・ひょっとして心配してココまで探しに来てくれたんすか?」
そんな事は無いだろうと思いながらも口にする。
「じゃなきゃ、誰がこんなところまで来るかよ。パプワたちは入れ違いになったら手間だから残っているけどよ。」
「・・・・・・」
「ほら、帰るぞ。」
まったく子供じゃねーんだからとブチブチ文句をいいながら背を向け歩き出す。
リキッドはその場から動こうとしない。
「どうしたんだよ?」
ついてくる気配のないリキッドを振り返り、シンタローはそのまま固まる。
我に返り、深いため息をつきながらそのまま近寄る。
「おいおい、いいトシして泣くんじゃねーよ。」
「・・・スンマセン。」
子供に様に鼻をぐすぐす言わせながら謝る。
「そんな顔して帰るわけにもいかないだろ。とっとと泣き止め。」
泣くのは悪い事じゃないけどよ、と何かを思い出しながら微かに微笑む。
くしゃくしゃとリキッドの頭をかき回す。
シンタローはそのまま側に佇んでいる。
リキッドは涙を堪える様に空を仰ぐ。
鳥が四羽、気持ちよさそうにはばたいていた。
7.10
|単発| |女体化| |リキシンお題| |シン受けお題| |キンシンお題|
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さんさんと輝く太陽の下、四羽の鳥がいる。
最初は皆仲がよさそうに地面を突付いていたが、突然一羽がもう一羽へと突っかかる。
鋭いクチバシで突付き、更には追っ払おうとしたのか、クチバシを避けるように逃げていた鳥を
バッサバッサと翼を広げて威嚇する。
残りの二羽はそんな二羽の様子など関係ないように、相変わらずせっせと地面をつつく。
追われた一羽は結局森へと逃げていった。
後は三羽がまた、何事も無かったように地面を突付いていた。
その様子を見守っていたリキッドがだぁーと涙を流す。
「・・・分かる。分かるよ、鳥・・・」
などど独り言をブツブツ呟いている。ハタから見ると危ない人だ。
尚も独り言は続く。
「どーせ、俺はあの鳥だよ。その内俺も森の隅っこに掘っ建て小屋を建てて、ソコに一人で済む事になるんだ。
うん?待てよ。いや、一人じゃないか。コレ幸いと、ウマ子、ウマ子が来る!
『リッちゃん、二人きりじゃね。まるで新婚さんのようじゃの~。結婚したら後はする事は一つじゃけん。
いやじゃ、乙女に恥ずかしか事、言わせ・・・』」
「だぁああーーっっ!!」
勝手に脳内を流れる悪夢の映像を打ち消すかのように、天に向かって力いっぱい叫ぶ。
その声に驚いて、三羽の鳥は何処かへと飛び立つ。鳥の羽ばたきの音で我に返る。
息の続く限り叫び続けたのだろうか、ぜいぜいと肩で息をしている。
息を整わると、鳥にすら見捨てられた様な気になり、地面へと座る。
どこかの誰かがしているような、体育座り。ただし前にデッサン人形はいない。
背中には哀愁の文字が見える。
「お、いたいた。」
突然後ろからリキッドに声がかかる。
「あ、シンタローさん・・・」
一人何も無いところで、体育座りをしているリキッドを不審に思ったのかシンタローが訊ねる。
「お前、こんなところで何してるんだ?・・・それにその座り方。」
アラシヤマを思い出したのだろうか、渋い顔をする。
「いえ、ちょっと」
まさか本人の目の前で言うわけにもいかず、言葉を濁す。
立ち上がり、パンパンと土を払う。
「ふ~ん。ま、いいけどよ。今度からは唐突に居なくなるのやめろよな。」
「え?」
「パプワとチャッピーも心配してたぞ」
リキッドはあの二人が心配してくるなんて、と驚く。そして『も』という言葉に引っかかる。
「・・・ひょっとして心配してココまで探しに来てくれたんすか?」
そんな事は無いだろうと思いながらも口にする。
「じゃなきゃ、誰がこんなところまで来るかよ。パプワたちは入れ違いになったら手間だから残っているけどよ。」
「・・・・・・」
「ほら、帰るぞ。」
まったく子供じゃねーんだからとブチブチ文句をいいながら背を向け歩き出す。
リキッドはその場から動こうとしない。
「どうしたんだよ?」
ついてくる気配のないリキッドを振り返り、シンタローはそのまま固まる。
我に返り、深いため息をつきながらそのまま近寄る。
「おいおい、いいトシして泣くんじゃねーよ。」
「・・・スンマセン。」
子供に様に鼻をぐすぐす言わせながら謝る。
「そんな顔して帰るわけにもいかないだろ。とっとと泣き止め。」
泣くのは悪い事じゃないけどよ、と何かを思い出しながら微かに微笑む。
くしゃくしゃとリキッドの頭をかき回す。
シンタローはそのまま側に佇んでいる。
リキッドは涙を堪える様に空を仰ぐ。
鳥が四羽、気持ちよさそうにはばたいていた。
7.10
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--------------------------------------------------------------------------------
「う~~ん」
寝付けなくて、何度も寝返りを打つ。
パプワハウスは一間のみだ。だから皆で仲良く、とは言えないかもしれないが、布団を並べて就寝する。
距離も近く手を伸ばせば隣で寝ているパプワに手が届く。
大人二人がパプワとチャッピーを挟んで寝ている。もう一人の大人とは当然シンタローさんの事だ。
シンタローさんと一番遠いのは、故意なのか偶然なのかは分からない。
いつの間にか、この並びが決まっていた。
シンタローさんにとっては久しぶりにパプワ、チャッピーと過ごせるのだから
わざわざ俺の隣に寝たいとは思わないだろう。 ……自分の思考にちょっと傷つく。
眠れないから、こんなことを考えてしまうんだ。っとまた寝返りを打った。
くるっとまた寝返りを打つ。寝ようと思うと更に眠れない。
ぼぉっと壁を見ていた。いくら見ても壁は壁で眠気を催すものではない。
そのまま壁を見続けているうちに、突然シンタローさんの寝顔が見たくなった。
思いついたら我慢できなくなってしまった。
夜も深い。きっと気づかれないだろう。…別に他意があるわけではないし。と自分に言い聞かせる。
掛け布団だけもって、そぉっと移動する。
下が床だろうが、地面だろうが寝られる自信はある。伊達に特戦だったわけではない。
隣に寝転がる。
真横にシンタローさん。
心臓がばぐばく煩い。
…違う意味で寝られそうも無かった。
眠りたいのに眠れない状況で頭が沸いてしまったのかもしれない。少し考えれば直ぐに分かる事だったのに。
寝られないからって、更に寝られなくなる行動とってどうするんだよ。俺。
思わず手を伸ばしたくなるが、それはぐっと堪える。
すぅと規則正しい寝息が聞こえる。それほど側にいると思うと、更に緊張してくる。
「う…んっ。……コ…タロ……」
コタローの夢を見ているのだろうか。
な、なんて羨ましいっ。夢の中までもシンタローさんを独占できるなんてっ
コタローの夢を見ているならきっと笑ってるんだろーなぁ。
そう考えると顔をもっと良く見たくなって右肘を突いて左半身を起こす。
あ、やっぱり笑ってる。夢の中でコタローに抱きついているのかなぁ。
今回はイロイロ垂らしていないよーだ。
ホントにこの人28? 可愛いなぁ。
……だ、駄目だ誘惑に勝てそうも無い。その笑顔が俺を誘う。
手が勝手にシンタローさんの方へと伸びていく。
そのままペタっと頬を触る。
シンタローさんの体温が直接手に伝わってくる。
…俺、もう一生手を洗わなくてもいいっっ!!
いえ、寧ろ洗いたくありません!!
心の中でうわぁうわぁと連呼する。感動。俺は今、そうまさに今! 感動を味わっている。
無論手はそのままシンタローさんの頬。
シンタローさんは起きる気配は無い。
…いったん手を離す。そのままむくっと起き上がり今度は正座してみた。
じーっとシンタローさんの顔を見つめるが、やはりシンタローさんは笑顔を浮かべたままだ。
……こんな機会は二度とないだろう。
よっし、と気合を入れて、シンタローさんの腕に直ぐ横に両手をつく。
そのままお辞儀の様な姿勢で、そぉっと顔を近づける。
唇が付く直前、パチン、っとシンタローさんが目を開けた。
黒い瞳とバッチリ目が合った。
ばっと慌てて顔を離す。
ダラダラと冷や汗が背中を伝う。…こ、殺される、俺?
「コタロー? 眠れないのか?」
鉄拳も眼魔砲も飛んでこなかった。
来たのは言葉。寝ぼけてコタローと勘違いしているようだ。
…それでいいのか、ブラコン兄貴。俺、コタローと体格めちゃめちゃ違います。とちょっと突っ込む。
同時に、ほっと息をつく。どうやらバレた様子はない。
「ホラ、横になれよ」
っと手を伸ばし、俺の腕を掴むとそのまま引っ張られる。
ぼすんとシンタローさんの厚い胸板。
一気に顔が熱くなる。顔といわず、全身に熱が回る。
ありがとう、コタロー!
女王様に心の中で嘗て無いほど感謝する。
次会ったとき、何でも言う事ききますっ!
血塗られた朝を迎えるだろう。
俺は後悔しない。この幸せの絶頂の為に命を落とすならそれこそ本望だ。
10.30
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「う~~ん」
寝付けなくて、何度も寝返りを打つ。
パプワハウスは一間のみだ。だから皆で仲良く、とは言えないかもしれないが、布団を並べて就寝する。
距離も近く手を伸ばせば隣で寝ているパプワに手が届く。
大人二人がパプワとチャッピーを挟んで寝ている。もう一人の大人とは当然シンタローさんの事だ。
シンタローさんと一番遠いのは、故意なのか偶然なのかは分からない。
いつの間にか、この並びが決まっていた。
シンタローさんにとっては久しぶりにパプワ、チャッピーと過ごせるのだから
わざわざ俺の隣に寝たいとは思わないだろう。 ……自分の思考にちょっと傷つく。
眠れないから、こんなことを考えてしまうんだ。っとまた寝返りを打った。
くるっとまた寝返りを打つ。寝ようと思うと更に眠れない。
ぼぉっと壁を見ていた。いくら見ても壁は壁で眠気を催すものではない。
そのまま壁を見続けているうちに、突然シンタローさんの寝顔が見たくなった。
思いついたら我慢できなくなってしまった。
夜も深い。きっと気づかれないだろう。…別に他意があるわけではないし。と自分に言い聞かせる。
掛け布団だけもって、そぉっと移動する。
下が床だろうが、地面だろうが寝られる自信はある。伊達に特戦だったわけではない。
隣に寝転がる。
真横にシンタローさん。
心臓がばぐばく煩い。
…違う意味で寝られそうも無かった。
眠りたいのに眠れない状況で頭が沸いてしまったのかもしれない。少し考えれば直ぐに分かる事だったのに。
寝られないからって、更に寝られなくなる行動とってどうするんだよ。俺。
思わず手を伸ばしたくなるが、それはぐっと堪える。
すぅと規則正しい寝息が聞こえる。それほど側にいると思うと、更に緊張してくる。
「う…んっ。……コ…タロ……」
コタローの夢を見ているのだろうか。
な、なんて羨ましいっ。夢の中までもシンタローさんを独占できるなんてっ
コタローの夢を見ているならきっと笑ってるんだろーなぁ。
そう考えると顔をもっと良く見たくなって右肘を突いて左半身を起こす。
あ、やっぱり笑ってる。夢の中でコタローに抱きついているのかなぁ。
今回はイロイロ垂らしていないよーだ。
ホントにこの人28? 可愛いなぁ。
……だ、駄目だ誘惑に勝てそうも無い。その笑顔が俺を誘う。
手が勝手にシンタローさんの方へと伸びていく。
そのままペタっと頬を触る。
シンタローさんの体温が直接手に伝わってくる。
…俺、もう一生手を洗わなくてもいいっっ!!
いえ、寧ろ洗いたくありません!!
心の中でうわぁうわぁと連呼する。感動。俺は今、そうまさに今! 感動を味わっている。
無論手はそのままシンタローさんの頬。
シンタローさんは起きる気配は無い。
…いったん手を離す。そのままむくっと起き上がり今度は正座してみた。
じーっとシンタローさんの顔を見つめるが、やはりシンタローさんは笑顔を浮かべたままだ。
……こんな機会は二度とないだろう。
よっし、と気合を入れて、シンタローさんの腕に直ぐ横に両手をつく。
そのままお辞儀の様な姿勢で、そぉっと顔を近づける。
唇が付く直前、パチン、っとシンタローさんが目を開けた。
黒い瞳とバッチリ目が合った。
ばっと慌てて顔を離す。
ダラダラと冷や汗が背中を伝う。…こ、殺される、俺?
「コタロー? 眠れないのか?」
鉄拳も眼魔砲も飛んでこなかった。
来たのは言葉。寝ぼけてコタローと勘違いしているようだ。
…それでいいのか、ブラコン兄貴。俺、コタローと体格めちゃめちゃ違います。とちょっと突っ込む。
同時に、ほっと息をつく。どうやらバレた様子はない。
「ホラ、横になれよ」
っと手を伸ばし、俺の腕を掴むとそのまま引っ張られる。
ぼすんとシンタローさんの厚い胸板。
一気に顔が熱くなる。顔といわず、全身に熱が回る。
ありがとう、コタロー!
女王様に心の中で嘗て無いほど感謝する。
次会ったとき、何でも言う事ききますっ!
血塗られた朝を迎えるだろう。
俺は後悔しない。この幸せの絶頂の為に命を落とすならそれこそ本望だ。
10.30
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きゅぴーんっ。
今、確実に脳内で音が鳴り響いた。
この人の笑顔は反則の必殺技だ。
しかも、無自覚の時が一番キク。あの下心が見え見えな、爽やかな笑顔ではない。
そう、ごく自然な笑顔だ。パプワがチャッピーと仲良く踊っている時、今のような二人の寝顔を伺っている時。
そんな時によくこの顔を見ることが出来る。
シンタローさんは、パプワ達が眠っている横に腰を落とし、
柔らかく微笑んだまま、すーすーと軽く寝息をたてているパプワの髪を起こさない様に優しく梳いている。
気のせいだろうか、パプワもいつもより穏やかな顔のように見える。
「やっぱり、パプワも子供なんだよなぁ。」
少し離れておいてあるちゃぶ台に頬杖をつきながら、
そんな様子をぼーっと見ていた俺に向かって小声で囁くように言う。
普段はスーパーちみっこぶり、妙に達観している所為かつい忘れがちになるが寝顔だけ見ていると
本当にどこにでもいる子供だ。
「そうっすねぇ。」
俺もパプワ達を起こさないように小声で応じる。
聞いているんだかいないんだか、分からないような、そんな微妙な間を置いてからシンタローさんはまた囁く。
「…パプワはさぁ、あんま自分のことは喋らねーし、何だかんだムチャクチャやっている様に見えても
いつも自分より、他の人間のことを優先させちまうだろ?」
「…ええ。」
言われて振り返ってみればそうかも知れない。
パプワはいつも他人を思いやる。特にコタローは初めての同世代の友達だったためか、それがよく見られた。
「それに、寂しがりやだし。パプワ島には友達はたくさんいるが、それでもやっぱり寂しいんだろーなぁ。」
じっとパプワの穏やかな寝顔を見つめている。
「だから、頼むな。」
何を、とは言わなかった。
シンタローさんは、いつか帰る人だ。今はここで生活を共にしているが、
赤の秘石が見つかり、ガンマ団からの迎えが来たら迷わず帰るだろう。
例え、心はここにあろうとも、だ。
シンタローさんが安心できるように、キッパリと言い切った。
「はい。」
梳いていた手を止めると、パプワの柔らかそうな頬に手を伸ばす。
そのままそっと触れる。
気が済んだのだろうか、またゆっくりと手を離す。
俺の方に向き直るとかつてないほど穏やかな口調。
「ありがとう。」
俺に向けられた、初めての笑顔だった。
9.15
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きゅぴーんっ。
今、確実に脳内で音が鳴り響いた。
この人の笑顔は反則の必殺技だ。
しかも、無自覚の時が一番キク。あの下心が見え見えな、爽やかな笑顔ではない。
そう、ごく自然な笑顔だ。パプワがチャッピーと仲良く踊っている時、今のような二人の寝顔を伺っている時。
そんな時によくこの顔を見ることが出来る。
シンタローさんは、パプワ達が眠っている横に腰を落とし、
柔らかく微笑んだまま、すーすーと軽く寝息をたてているパプワの髪を起こさない様に優しく梳いている。
気のせいだろうか、パプワもいつもより穏やかな顔のように見える。
「やっぱり、パプワも子供なんだよなぁ。」
少し離れておいてあるちゃぶ台に頬杖をつきながら、
そんな様子をぼーっと見ていた俺に向かって小声で囁くように言う。
普段はスーパーちみっこぶり、妙に達観している所為かつい忘れがちになるが寝顔だけ見ていると
本当にどこにでもいる子供だ。
「そうっすねぇ。」
俺もパプワ達を起こさないように小声で応じる。
聞いているんだかいないんだか、分からないような、そんな微妙な間を置いてからシンタローさんはまた囁く。
「…パプワはさぁ、あんま自分のことは喋らねーし、何だかんだムチャクチャやっている様に見えても
いつも自分より、他の人間のことを優先させちまうだろ?」
「…ええ。」
言われて振り返ってみればそうかも知れない。
パプワはいつも他人を思いやる。特にコタローは初めての同世代の友達だったためか、それがよく見られた。
「それに、寂しがりやだし。パプワ島には友達はたくさんいるが、それでもやっぱり寂しいんだろーなぁ。」
じっとパプワの穏やかな寝顔を見つめている。
「だから、頼むな。」
何を、とは言わなかった。
シンタローさんは、いつか帰る人だ。今はここで生活を共にしているが、
赤の秘石が見つかり、ガンマ団からの迎えが来たら迷わず帰るだろう。
例え、心はここにあろうとも、だ。
シンタローさんが安心できるように、キッパリと言い切った。
「はい。」
梳いていた手を止めると、パプワの柔らかそうな頬に手を伸ばす。
そのままそっと触れる。
気が済んだのだろうか、またゆっくりと手を離す。
俺の方に向き直るとかつてないほど穏やかな口調。
「ありがとう。」
俺に向けられた、初めての笑顔だった。
9.15
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ガンマ団本部の最上階。
ドーム型のこの部屋はマジックの私室となっている。
全てが見渡せるように、という何ともマジックらしい理由で壁・屋根共に強化ガラス張りだ。
夜ともなれば天も下も光の海となる。
人の暮らす光なれど、それは遠く他に人間は存在しないかのような錯覚を起こさせる。
この部屋に入る事が出来るのは、マジックを除き一人のみだ。
その唯一の人物が広いベッドの上、マジックの隣に横たわっている。
黒髪の人物は、ただ上を見つめている。
視線の先は空。
夜の終わりと朝の始まりが同居している。
左を向けば絶望が、右を向けば希望が待ち受ける。
黒が深い青に飲まれてゆく。
深い青は明るい青、薄い青、そして白くなり、赤くなり、黄色が差し込み、再び鮮やかな青が浮かぶ。
ゆっくりと世界が流れてゆく。
青と赤とは光の下に対となる。
そこには、黒は存在しない。
「シンタローは私との未来は存在しないと?」
逆光でマジックの表情は伺えない。
ただどこか楽しげな揶揄したかのような声が乱れたシーツに吸収される。
その声色はシンタローが自分から逃れられぬ事を確信しているかのようだ。
「いや、そんなことは言っていないだろ。」
それをシンタローも自覚しているのか、軽く否定する。
「今からは、希望だ。」
・・・またすぐに絶望がやってくる。
4.28
|単発| |女体化| |リキシンお題| |シン受けお題| |キンシンお題|
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ガンマ団本部の最上階。
ドーム型のこの部屋はマジックの私室となっている。
全てが見渡せるように、という何ともマジックらしい理由で壁・屋根共に強化ガラス張りだ。
夜ともなれば天も下も光の海となる。
人の暮らす光なれど、それは遠く他に人間は存在しないかのような錯覚を起こさせる。
この部屋に入る事が出来るのは、マジックを除き一人のみだ。
その唯一の人物が広いベッドの上、マジックの隣に横たわっている。
黒髪の人物は、ただ上を見つめている。
視線の先は空。
夜の終わりと朝の始まりが同居している。
左を向けば絶望が、右を向けば希望が待ち受ける。
黒が深い青に飲まれてゆく。
深い青は明るい青、薄い青、そして白くなり、赤くなり、黄色が差し込み、再び鮮やかな青が浮かぶ。
ゆっくりと世界が流れてゆく。
青と赤とは光の下に対となる。
そこには、黒は存在しない。
「シンタローは私との未来は存在しないと?」
逆光でマジックの表情は伺えない。
ただどこか楽しげな揶揄したかのような声が乱れたシーツに吸収される。
その声色はシンタローが自分から逃れられぬ事を確信しているかのようだ。
「いや、そんなことは言っていないだろ。」
それをシンタローも自覚しているのか、軽く否定する。
「今からは、希望だ。」
・・・またすぐに絶望がやってくる。
4.28