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『新しい体をやろう』
『それは元赤の番人のですからね』
『赤と青の融合体であるお前には期待している』
『どうか、パプワ君の思いを・・・』
『ついでに付け加えると、その方が面白いってこともあるが。
 じゃあ、色々頑張れよ~。あ、その体、身体能力が男に劣るけど、
 身を守る分、眼魔砲の威力は青の一族最強にしといたから。安心しろよ。』

一面真っ暗な世界。
赤・青の秘石のバカな会話が終わったら現れた光。
あまりの眩しさに目を瞑る。
焼きついている。

もう一度目を開ける。
自室のしみ一つ無い、無機質な天井が見えた。

「あ゛ー、変な夢を見た・・・」
思わず声に出して呟く。
ん?なんだか違和感を覚える。
俺、こんな声だっけ?
直接自分の頭に響く声と、他人が聞く声は違うというが。
俺は今いつもどおりだぞ?
まあ、いいか。とベッドから起き上がり洗面台へと向かう。

鏡には知らない女が映っていた・・・

は?
今俺は鏡の前に立っている。
つまり、鏡に映っている女は俺ってことだ。
OK?うんOK。そんなのあたりまえじゃないか、と頭の中で
勝手に一人会話が進行していく。

間。

あ、無心ってなれるもんなんだなー。
どうしてもほかの事考えちゃうじゃん?普通はさ。

どうやら頭がこの状況を受け入れられないらしい。
うん。そりゃそーだヨ。

取り敢えず、鏡の前で動く。
右手をあごに持っていった。
当然鏡の中の女も同じ動きをした。

あ、髭がまったくないわ。
あんまり毛深くないから一日ぐらいほっといてもそんな目立たないんだけど、
やっぱ感触が気持ち悪いからさ。
今日は剃らなくていいみたいだ。うん。楽でイイワ。

どーしても現実から、それていく。
今度は、自分の胸を見てみた。
なんか、膨らみが出来てるわ。

・・・。やっぱまだ寝ぼけてるのかなー。
トイレにでも行って来よう

ドアを開き、中に入る。
ドアを閉じる。
スエットをおろす。
・・・・。
・・・・・・・・。

「あ゛ーーーーーーーーーっっ!!!」

ガンマ団本部とは違い、自宅は親子喧嘩で乱発する眼魔砲対策のため強度重視のため
防音処理は特にしていない。
そのため普通の住宅よりは、音は漏れにくくなっているが、アレだけの大声を出せば
家中に響いたであろう。

2つの物凄い足音が聞こえる。
「シンちゃん!」
「シンタロー、どうした!?」
シンタローの叫び声を聴き、駆けつけた父親と従兄弟。
父親といってもシンタロー自身は青の秘石から作られたので血のつながりは全く無い。
従兄弟もしかり。
パプワ島では色々あったが、元は同じ存在。愛憎は紙一重。
最近は何故かシンタローになついていた。

2人がシンタローの部屋で、見たのはシンタローの面影を残した、妙齢の美女だった
長く艶やかな黒髪。切れ長の眼。
「「・・・・・・・・」」
「シンちゃん?」
「シンタロー?」

「と、父さん・・・。キンタロー・・・・・。なんだか、俺、女になったみたいだわ。」
「シ、シンちゃーんvvv」
シンタローに突進するマジック。
我を失っているため、避けきれずにそのままマジックに抱きしめられる。
と、なるハズだったか、女の身ではマジックの勢いを受け止めきれずに後ろのベッドへと二人とも倒れこむ。
「ぐえっ」
潰れるシンタローには気づかず、
「シンちゃん、シンちゃんは女の子だっただね!パパ知らなかったよ!!
 これで、パパと思う世間に堂々と存分に愛し合えるね!」
「叔父貴。シンタローが潰れている。それにいつも外聞関係なくシンタローに抱きついているじゃないか。」
どいてやれ。っとマジックの腕をつかみシンタローから離す。

「で、シンちゃん。なにがあったの?」
マジックに問われ、昨夜見た夢を話す。
アレしか原因がないと。
「秘石も粋な事してくれるねぇ。」
「人の一大事を『粋な事』で済ますなっ」
「でも、女になったからと言って困ることもあるまい。
 弱くなった分、眼魔砲の威力は上げる、といったんだろう?
 実際に女になっているわけだし、威力も大丈夫だろう。
 女で総帥と舐められる事もあるまい。お前に適うヤツがいないんだからな。」
だから、そのままでいいじゃないか。
頼みの綱であるキンタローもマジックと同意見だ。

「いま慌てたところで事実が変わるわけではない。
 とりあえず、今の服装を何とかした方がいいぞ。」

キンタローに言われ、ハタと自分を見下ろしてみる。
南国暮らしから愛用している、タンクトップとスエット。
もとの体と大きく異なる所為で、胸が丸見えだった。
「・・・。」
男だったら別に上半身裸、はよくあることだろう。
昨日まで、男だったシンタローにはなんのリアクションもなかった。
ただ、新たに出来た谷間を俯いて見ていただけだった。

「シ、シンちゃん。パパとしてはちょっとは恥らって欲しいかなぁ~なんて。」
ぴくっとシンタローの耳が反応する。
「親父とキンタロー相手に何を恥らうんだよ。てーか恥らうってなに?」
「恥らう、というのはだな・・・」
とキンタローが薀蓄を始める。
「よし、パパが買ってきてあげるよ。シンちゃんならきっと何でも可愛いよ。」
「キンちゃんはどんな服がシンちゃんに似合うと思う?」
「やはり、和服だと思うぞ。」

常人ならば絶対に起こりえない事態に対し、
二人は嬉々としてシンタローの服について語っている。
何故、こんなに嬉しそうなのだろうか、と思う。
なんか色々嫌な事が脳裏によぎる。
・・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・・
そのあまりのリアルさに目の前が真っ暗になる。

「シンちゃん?」
「シンタロー?」

最後にマジックとキンタローの声が聞こえたような気がする。





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バカ秘石共の所為でこんなになってしまってから、早数日。
あいつ等が夢に出てきたのはあれ一度きりだ。
どうやらもうこのままの性別でこれからの人生を過ごすことになりそうだ。

コタロー目ぇ覚ましたら吃驚するだろーナ。
俺だって未だに信じられない。
親父やキンタロー、グンマあたりはなんの違和感もなく
むしろ嬉々として受け入れてくれているがコタローはどうだろうか?
性別うんぬんより、俺の事を家族として受け入れてくれるのだろうか?
そんな不安が頭をもたげる。
つい先日ガンマ団の幹部を招集して今後の方針と親父の引退、俺が引き継ぐ事を発表したばかりだ。
そのすぐ後にこのザマだ。どうせ面白おかしく俺の体取り替えるんだったらもうちょっと
早くしろってんだよ。秘石共。
他の団員たちにも説明しないとな。泣く子も黙るガンマ団の総帥が女で大丈夫だろうか?
ああ、頭が痛くなるような事が山盛りだ。

『とりあえずシンちゃんのお披露目会を催さなくっちゃね。
 まずは幹部に挨拶だね。その後しばらくしてから、全団員の前で挨拶にしようか。
 それまでのお仕事はパパに任せてよ。行き成りその格好で歩いていたら皆ビックリしちゃうでしょ?
 シンちゃんの就任がちょっと先送りになっただけだし、大丈夫、こう見えたってパパはまだまだ現役だよ。』
マジックの尤もな忠告に従い、暫くは休みを貰った。

自宅に居ても暇だし、体を慣らそうにもキンタローは親父の補佐というか
見学に行っているので相手が居ない。
この姿ではあまりうろうろ出来ない。場所は限られる。
自然、グンマの研究室へと足が向かう。

「ああ、いらっしゃいシンちゃん。ちょっと待っててね。いまお茶用意するから。」
とグンマが向かっていたディスプレイから目を離し、答える。
この個室の研究室は何日間も篭れるように、台所などの一通りのものは全て揃っている。
「まあ、そこに座って。」
グンマの趣味らしいガーデニングで庭に置くような愛らしい花柄の椅子の方を指差す。

程なく用意された2つのお茶。
「シンちゃんホントに女の人になっちゃったんだね~」
俺を見ながらシミジミと呟く。
「ああ、信じられあいことにな。」
そんな事をつらつらと話し合っていた。
グンマとのまったりと流れる時間に気を許し、つい先ほどの不安を口にしてしまう。
「心配ないよぉ。シンちゃんは影の異名が『男殺し』『女殺し』だもん。
 きっと女性になっても異性・同性からモッテモテだよ!
 特に男性からはすごいだろーね。只でさえここには女の人居ないしねー。
 安心してね、僕らもちゃんとシンちゃんのこと守るよ!」
などとグンマが無責任かつ嬉しそうに励ましてくれた。
あまり励ましになってないよーな気がするが、グンマの無邪気な顔を見ていると幾分か和む。
そう思いつつ紅茶が入ったカップを傾ける。

「それにさ~、これでおとーさまと結婚できるじゃない?」
「ブハッ」
飲んでいた紅茶を噴出す。
「な、何を言い出すんだ!オマエはっ!」
「え~、だってシンちゃんブラコンだけど重度のファザコンでもあるでしょ?
 今までこうして頑張ってきたのもおとーさまに認めてもらいたいからでしょ?」
サラサラとカールされた金髪を揺らし、可愛らしく小首を傾げながら俺に向かって聞いてきた。
疑問系を用いているがこれは確実に確認だ。
ぐっと言葉に詰まる。
畳み掛けるようにグンマが言葉を連ねる。
「シンちゃんはさ、おとーさまが本当のお父さまじゃないことがショックだったみたいだけど、
 もうちょっと前向きにとりなよ。どうしてだか、おとーさまのことになると弱気になっちゃうみたいだけどさ。」
思わず目を見開く。あのぼんやりおっとりした、頭に鳩を飼っているグンマに見抜かれていたとは。
そんな俺の反応を見てか、
「コレでもずっとシンちゃんと一緒だったんだからね。バカにしないでよ。」
照れたような、拗ねたような口調で言う。
「だからさ。きっと女性になったのだって秘石からの贈り物だよ。
 別に同性に偏見は無いけれど、異性の方が望ましいと思うし。」

それに、と言葉を続ける。
「シンちゃんの一番が僕じゃないのはちょっと悲しいけど、これからも仲の良い従兄弟でいてね。」
「グンマ・・・」
「あ、でもシンちゃんがおとーさまのお嫁さんになったら、僕のおかーさま?」
それは嫌かも、と冗談交じりに呟くグンマの頭を軽く小突く。
「もぅ、止めてよシンちゃん。」
とグンマが俺の手を払いのける。
「茶ぁ、ご馳走様。俺もう行くわ。」
そう言い立ち上がる。
「うん。また何時でも来てね~。シンちゃんなら大歓迎だよ。」
グンマがにこりと応じてくれた。

「サンキュ、グンマ。」
気恥ずかしいから、去り際に背を向けて小声で言う。
「どういたしまして。」
ドアが閉まる直前、グンマの声が聞こえた。

何だか吹っ切れたような気がする。

H16.4.21

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アレからいつも夢を見た。
抜けるような青空とまるで切り取ったような白い雲。
こちらでは人工的にしかないようなごみひとつ落ちていない白い砂浜と、地平線まで見渡せる決して荒れることのないグラデーションを描いた青い海。
だが今はどうだろう。
好きではないがすっかり定位置となってしまった総帥室の椅子の感触。
常に隣にいる同じ気配を持つ片割れ。通信が入り、真っ先に向かう艦。
あちらの事が気になって、仕方ない。
結局はないもの強請りか……自然とため息がこぼれた。
腕には暖かい感触。
目を開けるとパプワとチャッピーが隣で眠っている。
口を開けば小憎たらしいことばかりでちっとも子供らしくないが眠っているときは歳相応の可愛らしい少年の顔だ。
『いっぱいいっぱい焦っていーんだぞ』
あちらの光景とパプワの大人びた表情が重なる。
パプワにはいつまで経っても敵わない。なんでパプワには全部バレちまうんだろうなぁ。
あれから俺も少しはパプワに胸張って会える様に、と信じる道を突っ走って来たつもりなんだが。
……本当に10歳なのかコイツは、とそっと腕を動かし柔らかそうな頬っぺたをつんとつつく。
起きていたら子供扱いするなと跳ね除けられているだろうが、今はすうすうとかすかな寝息をたて気持ちよさそうに眠ったままだ。
――帰ってきた。
そう実感する。初めてコイツと会ったときも俺、焦ってたよなぁ。今回もそうだ。
カッコ悪いところばかり見せてしまう。なさけねぇな。……パプワにカッコ付けても意味ないか。
どうせ繕っていることなんてコイツには一瞬でバレちまうし。直ぐにそう思い直した。
パプワは俺にとっていつまでも特別な存在であり続けるのだろう。
今回こんな事にでもならなければきっと俺はパプワ島には来なかった、いや来れなかっただろう。
目を瞑ってもぬくもりは手を伸ばせばすぐ届く。

人の動く気配がした。そう頭が認識したとたん目が冴えた。
あわてて起き上がるとリキッドが朝食の支度を始めようと台所に立っていた。
行き成り起き上がった俺に驚いたのだろうか、
「あ、すんません、音、ならべく立てないようにしていたんすけど起こしちゃいましたか?」
人のよさそうなお坊ちゃん顔に済まなそうな表情を浮かべていた。
軽く首を振る。コイツも元軍人なら分かるだろう。
「そうっすか。朝食の準備するんでもう少し横になってて下さい」
にかっと笑いながら腕により掛けてつくりますから、と。
パプワが少し身じろぎをした。今のやり取りも小声だったのだが、パプワを起こしてしまっただろうか?
そう思い目を向けたがチャッピーと一緒に仲良くまだ夢の中のようだ。
目が冴えてしまったのでもう一度寝なおす気にはなれない。かと言ってこのままぼーっとしているのもなぁ。
がしがしと頭を掻く。仕方ねぇか。そのまま台所に向かい食材を並べ始めているリキッドの隣に立つ。
なんすか?と言うような目線を向けてくるリキッドに
「手伝ってやるよ」
と声を掛けた。瞬間、ヤツはざっと半身を引き右の手の甲を口元にもっていき怯えをあらわにする。
そんな態度にムッとし
「なんだぁ?その態度は」
「いえ、まさかお姑さんからそんな言葉が出るなんてっ……」
コイツのいい所は自分に素直なことだ。良くも悪くも。そう、良くも悪くも。
思わず目つきが剣呑になった。が、リキッドは何か凶事の前触れ?!とかなんとか言いながらお玉を右手に右往左往。
わたわたと怯えるリキッドを見ていると自然と笑いがこぼれた。
そう、こいつだから番人に選ばれたのだろう。
変な格好で怯えていたリキッドが呆けた様な表情を浮かべヒトの顔をまじまじと凝視していた。
「なんだよ?俺が手伝うって言うのがそんなにオカシイのか?」
そんなに驚かれたり怯えられるたりすると俺がものすごく酷い人間だと言われている様でムカつく。
「いえ、そうじゃないっすっ!」
そんな俺の気配を察知したのだろうかリキッドはあわてたようにぱたぱたと手を振って否定する。
「えっと、じゃあお願いしますっ」
「よし」
最初から素直にそう言えばいいんだよ。久しぶりにパプワに腕を振るえると思うと気合が入る。
見てろよ、アレから料理にはちょっと凝ってたんだ。4年前の俺ではないっ!
パプワの顔を想像すると笑顔が浮かんでしまう。さっきから俺笑顔の叩き売り状態かも。
ふと視線を感じて横を見るとリキッドがまたこっちを馬鹿面下げて見ていた。
「さっきから何見てんだよ、それ洗って切るんだろ?貸せよ、俺が洗う」
「あっ、ハイ!」
「オマエ大丈夫か?さっきからボーっとしっぱなしじゃないか。まだ眠いのか?」
「いえ、そんなことないっす!」
返事だけはいいだけどなぁ、コイツ大丈夫か?
素直なのもいい事だが、心配を覚えた。こいつ一人で大丈夫なのか?まぁいいけどよ。
いつまでこの状況なのかも分からないのだ。
今度はいつ別れが来ても後悔のない様、ここでの時間を大切にしよう。

H18.11.5
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はぁ~~。
深い、深い、地にめり込んでいきそうなほどのため息が出る。
コタローと入れ替わりにパプワハウスで、同じ屋根の下☆で暮らしているシンタローさんが来てから
今までとは違うため息が多くなった。

パプワ、コタロー、チャッピー。
エグチくんにナカムラくん。
あ~~、奴が羨ましい。イヤむしろ恨めしい。

彼らの共通点。
シンタローさんと仲が良い。
そして、ずばり、『可愛い系』だ。
とくにコタローにはメロメロ(古っ!)だったよな~
あ~、あれはブラコンだから違うのかな?
でも可愛い系だもんな。
可愛い=ファンシー。
そうファンシーだよ。俺が愛してやまない。

俺(といえば)=ファンシー。
ファンシー=(たぶん)可愛い系。
可愛い系=シンタローさんが好意を寄せてくれる。
つまり、略すと、
俺=シンタローさんが好意を寄せるっ!!

だから、新しい次元にとばされる度にこんなに必死に俺の可愛さを、
お気遣いの紳士の協力の元!(←勝手に思い込んでいる)全力で表現しているのに。
何故、貴方は見向きもしてくれないんだ~~~っ!

やっぱり、もっとファンシーにしなきゃダメなのか?
そう思って、こっそり作っていたセーラーも着たのにっっ。
男のロマン、チラリズムまで駆使したのにっ!

チラリズムといえば。
あの空から降って、俺の上の落ちてきたあの時のシンタローさんの格好!
あ、やばい。思い出しただけでも鼻血でそう。
腰パンですよ、腰骨がセクシーです。男の色気です。ムンムンですよ!
思わず、口調がかわっちゃったよ。
それに俺は一体誰にこの心の叫びを言っているんだ?

ふっ、我にかえると目の前には台所の出窓の観葉植物。
シンタローさんが、家の中が殺風景だから、と外から摘んできたものだ。
ああ、植物相手に何を言っているんだ。
・・・アレ?もしかして今アラシヤマと一緒?
いやアラシヤマはあれでもシンタローさんに構って貰っている。
あんなに酷い扱いなのに、羨ましいと思う俺はもう末期なのかもしれない。

ここで悩んでいてもしょうがない。
よっし、シンタローさんに直接、と気合を入れる。
台所から、ちゃぶ台へと視線を移すと、
シンタローさんとパプワが気持ち悪そうに俺のことを見ていた。
え、俺なんかした?
一人台所で、悩んでいただけなんだけど。
と思っているとパプワが一言。
「家政夫、オマエ全部声に出てたゾ。」
「え、嘘!」
動揺のあまり、両手の人差し指をあさっての方向に突き出す変な格好をしてしまう。
そんな俺にお構えなしにパプワが続ける。
「シンタロー、あれを聴いた感想は?」
さすが、ちみっこ。無邪気に無敵だ。
でもこれで、シンタローさんの気持ちがきけるっと胸が高まる。
心臓が脈打つのを感じる。
シンタローさんの黒く澄んだ瞳を見つめる。
シンタローさんも、俺の目を見つめてくれている。
いつもパプワに向けている最上級の笑顔まで!
熱い視線が絡まる。見つめ合う二人。自然と期待が高まる。

「うん、でも俺はお前がキライだ。」

そう言うと、散歩行ってくるわ、と背を向けられた。
離れていくシンタローさんの背中を見つめつつ思う。
ああ、爽やかな笑顔で軽くあしらう貴方も素敵v
なんだか、癖になりそうっ。
アラシヤマとは案外仲良くなれるかも・・・・
今度アラシヤマに会ったら、シンタローさんの隠し撮り写真を譲ってもらおう。
そして、シンタローさん研究を続けよう。

・・・リキッドの報われない努力は続いていく・・・

H16.4.16
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うららかな天気。
パプワハウスでは筋肉質なアニキ二人がちゃぶ台を挟み茶を啜りつつ向かい合っていた。
そこには俗世とは切り離された独特の雰囲気が流れていた。
『 おい、ばーさんや 』 『 なんだい、おじーさん 』の世界である。
酸いも甘いも共に分かち合ってきた二人が居た。
が、ばーさん、もとい、シンタローの何気ない 「 たまにゃお前の言う事もきいてやるよ 」 の一言から
誰がその場に居ても異様と感じる空気へと変った。
「 じゃあ、恋人になってください!! 」
リキッドは何故かすっくと立ち上がり叫ぶ。
じーさんは再び青年、を通り越し、ヤンキーへと変貌を遂げた。
その馬鹿でかい、誰が聞いても無駄に力が入りまくっている声が家全体に響く。
声の気合通りの直立不動の姿勢で、その人へと挑んでいる。ついでにぐっと奥歯も噛み締め、
いつ殴られても良い臨戦態勢だ。
「 …………ほぉ 」
全身全霊を言葉に込めて思いの丈を叫んだリキッドに対し、
言われたシンタローはなんともやる気のなさろうなその一言だった。
ばーさんはばーさんのままだった。立ち上がる気配すら無い。
「 あれ? 」
リキッドは拍子抜けする。
言った瞬間、最悪眼魔砲、最高でも拳は飛んでくると思っていたからだ。
「 あの……? 」
シンタローをそろそろと見る。別に怒りを堪えている様子には見え無い。
その視線に応える要にシンタローは顎をしゃくる。
「 あん?」
「 殴らないんですか? 」
何故かリキッドは自らシンタローの元へと行き、真横に膝をつき身を乗り出す。
「 何? お前殴られたいの?」
じゃあ遠慮なく、と拳を固める。
「 ……っ 」
リキッドはぶんぶんと首がもげそうな勢いで否定する。
いくら好きな相手でも殴られて喜ぶような特殊な趣向ではない。
ひょっとしたらそのうちそれに快感を見出せるようになるかもしれないが、
そこまでの域には達したくないとリキッドは思っている。
「 しっかしお前変わってんな 」
普通、男が男に言う事じゃない。
島の番人になっちまうくらいだしヤンキーか特戦部隊時代に頭のネジを2,3本どこかその辺に
捨ててきたのかもしれないと勝手に納得する。
変態はシンタローのごくごく身近にもいるのでその辺の理解とは言えないが順応は早い。
「 じゃあ俺のお願い聞いてくれるんすか? 」
「 ああ 」
針の先ほどの可能性も無かったその承諾にリキッドはよっしゃ! と歓声と共にガッツポーズをきめる。
「 ただし! 」
シンタローはきっとここ最近で一番の喜びようを見せているリキッドに氷水をぶちまけるような言葉を付け加える。
「 10分間だけな 」
「 え? 10分? 」
「 そう 」
長い黒髪を揺らしながら深々と頷く。
「 なんで10分なんですか? 」
「 何? 不満なわけ? 」
鋭い眼力でリキッドの不満そうな声を撥ね退ける。
シンタローは特に意味があって10分にしたわけではない。
何となく10という区切りの良い数字が浮かんだからだ。
「 い、いいえ! そんな事ないです! 」
そんな事ないわけないが、この機会を逃してたまるものかと勢いのまま応える。
リキッドはただ単にシンタローが自分の感情の浮き沈みを見るのが楽しいだけじゃないか、
それとも新しいイジメ?とそんな考えが頭をよぎるが
僅かでも好意を持ってくれていないとOKはくれないだろうと無理矢理良い方向へ考える。
それに10分もあればあーんな事やこーんな事も出来る!
一人あれこれと妄想を巡らす。
その妖しい考えに顔がでれーん、崩れる。
「 あ、俺に触るのもナシな 」
そんなリキッドのヤバそうな様子に、切れ味抜群の包丁をサクっと刺す。
「 ええーー!それじゃ 」
何の意味も無いと続けようとしたが、シンタローがリキッドにすっと右腕を差し出し、
手の平に青い光を生み出す。
暴力に訴える直前の精神的圧力をかけるのは青の一族の得意技だ。
シンタローも皆まで言わせず黙らせる。
そんな真顔でリキッドを見つめ必殺技をちらつかせる有無を言わせない様子にコレが惚れた弱みか、と
リキッドはうな垂れるが一瞬後再び笑顔全開で立ち直った。
「 じゃあ、シンタローさんが俺に触るのはありっすか?」
「 …まぁ、それならいいけどよ 」
一瞬思案したあと答えた。
その言葉を聞くと、すうっと大きく息を吸い込み、再び叫ぶ。
「 一緒に風呂入ってください! 」
その青空のように澄み切った瞳の奥には、
恋人といえばお風呂でいちゃいちゃぱらだいす! と文字が凄い勢いで流れている。
永遠の二十歳は誤った認識のまま一生をこの聖地で終えそうだ。
シンタローはその文字が見えなかったのか、そんな事なら時々パプワたちと全員一緒に入っている
のだから今更頼む事なのかと首をかしげる。彼は妙なところで鈍かった。



暫く後、シンタローたちが風呂の代わりとして利用している温泉から
盛大な水しぶきと大きな青い光線が天へと昇った。

H17.1.1
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今日も今日とて家政夫業に精を出す。
パプワとチャッピーそしてシンタローさんはオヤツを済ませ夜ご飯の食材を獲りに行っている。
シンタローさんも家事を手伝ってくれるが、彼はこの島にいつまでも居られる訳ではない。
パプワと少しでも多くの時間をすごせる様に主に食材獲りをお願いしている。
普段ならパプワも気が向いたときしか手伝ってくれないのだが、
シンタローさんが来てからというもの毎日一緒に出かけている。

シンタローさんとパプワの仲の良さには、今この島を預けられている番人としては複雑な思いを
抱かないわけではないが、彼らの嬉しそうな顔を見るとそんな思いも吹き飛んでしまう。
それに、その事に感謝してくれてか唯我独尊、天上天下な俺様シンタローさんがオヤツ当番の時には、
俺に何時もより少し多く作ってくれている。
それを少し残しておき、オヤツの後片付け・洗濯の取り入れ後の休憩に食べるのが
俺の至福の時間の一つだ。

シンタローさんが来て、コタローが日本に帰ってしまったから洗濯の量は今までと大差ない。
それにシンタローさんが着ている物をこうやって触れるのは嬉しい。
自然、にへら~と顔が緩んでしまう。
こんな所を誰かに見られたら単なる変態になってしまう。
いかんいかん、と緩めていた顔を締める。
そんな事を繰り返し洗濯物を畳み箪笥にしまう。
休憩しようと先ほどちゃぶ台に用意しておいたチーズケーキへと振り向こうとした。

カサ。

ぴぴくぅ。俺の動きが止まる。
誰しも一度は聴いた事があるであろう、あの音が聞こえた。

カサカサ。

やばい、固まっている場合ではない!慌てて振り返る。
ちゃぶ台の上にヤツはいた。

あんなに小さいのに感じるプレッシャー。
黒光りし、異様に早く動くアレ。人類普遍の敵。
シンタローさんが俺のために作ってくれたチーズケーキが!!ヤツに狙われているっ!!
ゴキブリ目ゴキブリ科。
俺はあんな生き物を節足動物とは認められないっ!
いや、生き物ですらないっ!悪魔だっ地獄の使いだっ!

カサカサカサ。

いや~な音を奏でケーキに向かって突き進んでいる!
俺の為のシンタローさん特製愛情ケーキまであと数センチまで迫るっ!
ダメだ、このままでは敵にやられてしまう!
抹殺っ!
電磁波!!

ケーキと家具を破壊するわけにはいかないからごくごく僅かとなる。
力を抑えると敵に到達するまでの時間が通常より遅くなる。

しかしそれが仇になったのか、

カサササッ。電磁波が着弾する寸前、ブブヴヴヴッッ!足に力を入れ飛び立つ。
生意気にも避ける人類の敵!
よっし、でもケーキからは反れた!
ヤツはそのままケーキの脇を通り過ぎ壁へととまる。
ピタっと動きを止め俺のほうを見た、様な気がする。

甘いんだよ、坊や。

ヤツに鼻なんて高尚なものは無いが、そう鼻で笑われたような気がした。

・・・っ!!くっそ~、下等生物め!
憤っているとそこに、
「ただいま~」
「帰ったぞ。」
「わうぅ」
声と同時にドアが開き入ってくる二人と一匹。
「いや~、今日は魚が沢山釣れたから、鍋にでもすっか。リキッドはどーよ?」
愛しいシンタローさんの声が聞こえたが、答えたくとも答えられない。
いつ飛び立つとも判らないヤツから目を離す事が出来ない。
そんな俺を不審に思ってか、シンタローさんが
「あん?オマエどうしたんだよ」
と声を掛けてくれた。
ヤツから目を離さずに指を向ける。
「ああ、なんだゴキブリか。あれ嫌いなんだ。まあ、好きなやつなんかいないよな。
 意外に可愛いところあるじゃんか。あんなんに怯えて声も出せないなんてさ。」
言うがな、どこからともなくナイフを取り出しとばす。
ヒュンっと風を切り、一直線に飛び壁に突き刺さる。

壁とナイフの間にはまだしぶとくピクピクと動いているヤツが居た。

「す、すごいっす!シンタローさんっ」
俺が感動に打ち震えている間に、シンタローさんは紙を取り出しヤツの始末をした。
台所のゴミ箱に、ソレを投げ入れナイフを洗う。
パプワにするようにぽんっと頭の上に軽く手を置き、髪をくしゃっと軽く撫でてくれた。
そしてそのまま軽く笑いながら、
「俺が居るときなら退治してやるよ。」
っと言ってくれた。

4.19
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