赤と緑がクリスマスカラー。
と,言う事は…。
「隊長、今日、明日って何か予定入ってます?」
携帯のスケジュールを開いて問い掛ける。
隊長はタバコの煙を吐き出しながら、
「一族恒例クリスマスパーティー」
今年も二日間やるのか。
隊長の返答にそう思った。
「…去年はシンタロー様いませんでしたよね?」
確か去年シンタロー様は仕事に追われてパーティーに出れなかった。
「あぁ、そういやぁ、そうだな」
で、シンタロー様がいないと分かると隊長もいなくなったけど。
全く、大の大人が可愛らしい恋愛しちゃって。
うらやましいなぁ…。
俺もそんな恋愛したいなぁ…。
今年はどうなるのかなぁと思い、様子を見に行く途中、
「…ロッドか。今行っても会話はできんぞ」
廊下であったキンタロー様に暗い声で言われた。
今年も無理そうって事かな?
シンタロー様がいないと皆テンション下がるんだよなぁ。
まぁ、その方がらしいけど。
とりあえず会って行こうと総帥室に顔を出した。
書類の山とクリスマスカードの山。
そして大量の電報が置いてあり、シンタロー様はいた。
書類に目を通し、印を押しているシンタロー様。
書類だけならパーティーには終わりそうだが、カードまでは手がまわらなそうだ。
「パーティー」
無理そうですね。
言い切る前に、
「俺欠席」
即答された。
恐らくキンタロー様も言われたんだろう。
「パーティーの時間もここにいるんですか?」
俺の問いに短く、あぁ。と返された。
でもそれじゃあ、せっかくのクリスマスなのに…。
「じゃあ、シンタロー様」
俺はここで、考えていた案をシンタロー様に出した。
パーティーの時間。
俺たち特戦も参加させてもらう。
つぅか、親しい人達参加可能。
宴会騒ぎの様なものが好きな一族だからこそだろう。
俺は隊長よりもマーカー、Gよりも早く会場に向かう。
派手に飾り付けられた会場には、種類豊富な料理が並べられてある。
シンタロー様に出した案を実行するためにあたりを見渡す。
「早いんだね?」
グンマ様が誰よりも早く来ていた。
まだ飾り足らないのか、手にはリボンを二種類持っている。
クリスマスカラーの緑と赤のリボン。
俺に気がついたグンマ様は俺の傍までやってきて、
「今年もシンちゃんは欠席。寂しいよねぇ」
しゅんとしたグンマ様はそう言った。
けれどすぐに笑顔を浮かべ、
「でも、楽しまないとね。シンちゃんが責任感じないようにね」
にこりと笑うグンマ様に、そうですね。と同意して、手に持っているリボンを分けてもらう。
どうして?不思議そうに聞いてくるグンマ様に訳を話すと、
「ずるーい。…でも、いい案だね。がんばってね」
笑顔でそう良い、飾り付けをしようと元いた場所に戻っていった。
「あ、隊長」
隊長の軍服を持って、会場に向かう途中で隊長を見つけた。
「…何やってんだ、お前」
不思議そうに言われる。
隊長の隊服とリボン。
そりゃ不思議か。
「隊長、手、貸してください」
隊長はなかなか素直に右手を差し出してくれた。
その右手に赤いリボンを結ぶ。
ますます不思議そうな隊長に隊服を着てもらい、
「会場変わったんですよ、案内します」
そう言って歩き出すと、隊長はしばらく考えて、ついてきてくれた。
俺が向かうのは特別会場。
「ここです」
「ここって…」
隊長ににらまれる。
そりゃそうかもしれない。
だってここは、団の開いてる一室でしかない。
「まぁまぁ、入ってくださいよ」
きっと、隊長の喜ぶものがありますから。
ニコニコ笑って、ドアを開け、隊長を押す。
あぁ?
不思議そうな隊長だがとりあえず言われるがままに中に入ってくれた。
ここで拒否されたらどうしようもない。
「…よ」
赤い総帥服のシンタロー様が、中にはいる。
隊長が驚いたのがよく分かった。
「……なんで、いんだよ」
俺はこっそりと笑う。
だって、隊長が驚いてるんだぜ?
しかも俺の作戦で。
嬉いったらないね。
「…プレゼント、らしいぜ?」
ロッドからの。
シンタロー様が俺を指差して言う。
隊長が振り向く。
「シンタロー様は隊長に、隊長はシンタロー様に」
にっこりと笑う。
隊長は、もしかしてコレか?と右手を出す。
そうですvと笑うと、叩かれた。
いてぇ!と叫んだが、あまり痛くない。
隊長はシンタロー様に近づいて、右手をつかむ。
シンタロー様の右手には緑のリボンが結んである。
「ま、そんなわけなんで、今日はお二人でごゆっくりどうぞ」
俺は一人ドアに向かう。
だってさ、二人ともお互いが大好きなくせに、我慢するんだもん。
少しは素直になったら良いのに。
だから、素直になれない分は俺がプレゼントって事でホロー。
後は、二人だけにしてあげればラブラブなクリスマスを迎えられるだろう。
「それじゃ、メリークリスマス☆」
出て行くときにそう言って手を振ると、
「…メリークリスマス」
とシンタロー様が返してくれる。
シンタロー様は明日お仕事忙しいけど、そこは、我慢してもらおう。
「…今月はちゃんと給料払ってやる」
と、隊長が!
マジですか!?
「早く行け」
はーい。
どうやら二人とも気に入ってくれたらしい。
よかったよかった。
クリスマスカラーは緑と赤。
残念なことに俺は、じゃあ、隊長とシンタロー様の日か。
なんて思ってしまった。
隊長の隊服とシンタロー様の総帥服。
緑と、赤。
真っ先に、思い浮かんだそれ。
そう思ったら、二人で会わしてあげたいなぁ…って。
思った事は即実行。
で、こんなことができたわけ。
隊長以外の皆には我慢してもらって、今日という一日を二人にプレゼント。
だって俺は、隊長とシンタロー様が大好きだからね☆
END
ロッドいいこだなぁ。
一足早いんですが、書きました。
ついでに言えばパソコンで入力したので2ページですみましたよ。
画期的です。
05.12/22
と,言う事は…。
「隊長、今日、明日って何か予定入ってます?」
携帯のスケジュールを開いて問い掛ける。
隊長はタバコの煙を吐き出しながら、
「一族恒例クリスマスパーティー」
今年も二日間やるのか。
隊長の返答にそう思った。
「…去年はシンタロー様いませんでしたよね?」
確か去年シンタロー様は仕事に追われてパーティーに出れなかった。
「あぁ、そういやぁ、そうだな」
で、シンタロー様がいないと分かると隊長もいなくなったけど。
全く、大の大人が可愛らしい恋愛しちゃって。
うらやましいなぁ…。
俺もそんな恋愛したいなぁ…。
今年はどうなるのかなぁと思い、様子を見に行く途中、
「…ロッドか。今行っても会話はできんぞ」
廊下であったキンタロー様に暗い声で言われた。
今年も無理そうって事かな?
シンタロー様がいないと皆テンション下がるんだよなぁ。
まぁ、その方がらしいけど。
とりあえず会って行こうと総帥室に顔を出した。
書類の山とクリスマスカードの山。
そして大量の電報が置いてあり、シンタロー様はいた。
書類に目を通し、印を押しているシンタロー様。
書類だけならパーティーには終わりそうだが、カードまでは手がまわらなそうだ。
「パーティー」
無理そうですね。
言い切る前に、
「俺欠席」
即答された。
恐らくキンタロー様も言われたんだろう。
「パーティーの時間もここにいるんですか?」
俺の問いに短く、あぁ。と返された。
でもそれじゃあ、せっかくのクリスマスなのに…。
「じゃあ、シンタロー様」
俺はここで、考えていた案をシンタロー様に出した。
パーティーの時間。
俺たち特戦も参加させてもらう。
つぅか、親しい人達参加可能。
宴会騒ぎの様なものが好きな一族だからこそだろう。
俺は隊長よりもマーカー、Gよりも早く会場に向かう。
派手に飾り付けられた会場には、種類豊富な料理が並べられてある。
シンタロー様に出した案を実行するためにあたりを見渡す。
「早いんだね?」
グンマ様が誰よりも早く来ていた。
まだ飾り足らないのか、手にはリボンを二種類持っている。
クリスマスカラーの緑と赤のリボン。
俺に気がついたグンマ様は俺の傍までやってきて、
「今年もシンちゃんは欠席。寂しいよねぇ」
しゅんとしたグンマ様はそう言った。
けれどすぐに笑顔を浮かべ、
「でも、楽しまないとね。シンちゃんが責任感じないようにね」
にこりと笑うグンマ様に、そうですね。と同意して、手に持っているリボンを分けてもらう。
どうして?不思議そうに聞いてくるグンマ様に訳を話すと、
「ずるーい。…でも、いい案だね。がんばってね」
笑顔でそう良い、飾り付けをしようと元いた場所に戻っていった。
「あ、隊長」
隊長の軍服を持って、会場に向かう途中で隊長を見つけた。
「…何やってんだ、お前」
不思議そうに言われる。
隊長の隊服とリボン。
そりゃ不思議か。
「隊長、手、貸してください」
隊長はなかなか素直に右手を差し出してくれた。
その右手に赤いリボンを結ぶ。
ますます不思議そうな隊長に隊服を着てもらい、
「会場変わったんですよ、案内します」
そう言って歩き出すと、隊長はしばらく考えて、ついてきてくれた。
俺が向かうのは特別会場。
「ここです」
「ここって…」
隊長ににらまれる。
そりゃそうかもしれない。
だってここは、団の開いてる一室でしかない。
「まぁまぁ、入ってくださいよ」
きっと、隊長の喜ぶものがありますから。
ニコニコ笑って、ドアを開け、隊長を押す。
あぁ?
不思議そうな隊長だがとりあえず言われるがままに中に入ってくれた。
ここで拒否されたらどうしようもない。
「…よ」
赤い総帥服のシンタロー様が、中にはいる。
隊長が驚いたのがよく分かった。
「……なんで、いんだよ」
俺はこっそりと笑う。
だって、隊長が驚いてるんだぜ?
しかも俺の作戦で。
嬉いったらないね。
「…プレゼント、らしいぜ?」
ロッドからの。
シンタロー様が俺を指差して言う。
隊長が振り向く。
「シンタロー様は隊長に、隊長はシンタロー様に」
にっこりと笑う。
隊長は、もしかしてコレか?と右手を出す。
そうですvと笑うと、叩かれた。
いてぇ!と叫んだが、あまり痛くない。
隊長はシンタロー様に近づいて、右手をつかむ。
シンタロー様の右手には緑のリボンが結んである。
「ま、そんなわけなんで、今日はお二人でごゆっくりどうぞ」
俺は一人ドアに向かう。
だってさ、二人ともお互いが大好きなくせに、我慢するんだもん。
少しは素直になったら良いのに。
だから、素直になれない分は俺がプレゼントって事でホロー。
後は、二人だけにしてあげればラブラブなクリスマスを迎えられるだろう。
「それじゃ、メリークリスマス☆」
出て行くときにそう言って手を振ると、
「…メリークリスマス」
とシンタロー様が返してくれる。
シンタロー様は明日お仕事忙しいけど、そこは、我慢してもらおう。
「…今月はちゃんと給料払ってやる」
と、隊長が!
マジですか!?
「早く行け」
はーい。
どうやら二人とも気に入ってくれたらしい。
よかったよかった。
クリスマスカラーは緑と赤。
残念なことに俺は、じゃあ、隊長とシンタロー様の日か。
なんて思ってしまった。
隊長の隊服とシンタロー様の総帥服。
緑と、赤。
真っ先に、思い浮かんだそれ。
そう思ったら、二人で会わしてあげたいなぁ…って。
思った事は即実行。
で、こんなことができたわけ。
隊長以外の皆には我慢してもらって、今日という一日を二人にプレゼント。
だって俺は、隊長とシンタロー様が大好きだからね☆
END
ロッドいいこだなぁ。
一足早いんですが、書きました。
ついでに言えばパソコンで入力したので2ページですみましたよ。
画期的です。
05.12/22
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「…旅がしたい」
書類の山から声がした。
何を言い出すのかと目を向ければ書類が見るも無惨に吹き飛んだ。
「旅がしたいっ!」
書類が消えて見えたシンタローが立ち上がり、拳を握っている。
「旅ねぇ…例えば?」
酒を飲みながら聞けば、暫く沈黙。
「イギリス!」
「俺が案内してやろう」
つっても酒飲める所と食いもん屋だけだが。
「イタリア!」
「ロッドに案内させてやろう」
そのまま中国とドイツが続く。
「もう書類は嫌だぁ~」
さっきまでの勢いは消え、机に突っ伏す。
フーン。と言いながら足元の書類を一枚取る。
もともとじっとしてんのが嫌いな奴だからなぁ。
「じゃあ、行くか」
「へ?」
立ち上がりながら言えば驚いたような分かってないようなマヌケな声。
「旅。行きてぇんだろ?」
よいせ。
シンタローを肩に担ぎ上げて、歩き出す。
こいつ、また痩せたな…。
「ごめん!俺が間違ってた!!」
落ちている書類を踏みながら扉に近付く。
扉が開いて廊下を歩き出す。
「しょるいぃ~!」
ギャーギャー騒ぐシンタローをしかとして、携帯を取り出す。
掛けるのは勿論俺の飛行船に乗っている筈の部下その①。
「おー、俺だ。飛行船直ぐ出せる準備しとけ」
携帯に言った言葉を聞いていたシンタローが叫ぶ。
「もうろくしてんだ!!本気にすんなっ!!」
うるせぇなぁ。
その上失礼だ。
電話の向こうから、
『えっと……準備しときまーす』
の返答。
よし。
さて、どこに連れて行こうかねぇ。
今だ騒いでるシンタロー。
諦めの悪い奴だ。
「いい加減観念しろ」
尻に触りながら言う。
「尻に触れるな!撫でるな!!」
「分かった。分かったから黙れ、シンタロー」
ちょと我慢しとけば何も気にならなくなるって。
「でも!仕事がっ」
「休憩だ休憩。こんだけ騒いでんのに秘書どもが止めに来ないなら大丈夫なんだろ」
うっ。と詰まってシンタローがやっと黙る。
よしよし。
そのまま飛行船に連れていき、短くはないが長くもない旅に出るのだった。
実は騒いでも誰も来なかったのは予め人払いをして置いたからなんだが、シンタローは
知らないだろう。
驚くだろうなぁ。
総帥室に入れば散らばった書類。
総帥行方不明。
まぁ、酒置いてきたから、俺だってわかんだろ。
とりあえずは、小さな旅を楽しもう。
三人余計なもんもいるが。
シンタローが楽しめんなら、まぁ、そこらは目を瞑ろう。
END
隊長、確信犯?
多分どうやって連れだすか考えてたら、鴨がネギ持った状態で…
05.12/01
書類の山から声がした。
何を言い出すのかと目を向ければ書類が見るも無惨に吹き飛んだ。
「旅がしたいっ!」
書類が消えて見えたシンタローが立ち上がり、拳を握っている。
「旅ねぇ…例えば?」
酒を飲みながら聞けば、暫く沈黙。
「イギリス!」
「俺が案内してやろう」
つっても酒飲める所と食いもん屋だけだが。
「イタリア!」
「ロッドに案内させてやろう」
そのまま中国とドイツが続く。
「もう書類は嫌だぁ~」
さっきまでの勢いは消え、机に突っ伏す。
フーン。と言いながら足元の書類を一枚取る。
もともとじっとしてんのが嫌いな奴だからなぁ。
「じゃあ、行くか」
「へ?」
立ち上がりながら言えば驚いたような分かってないようなマヌケな声。
「旅。行きてぇんだろ?」
よいせ。
シンタローを肩に担ぎ上げて、歩き出す。
こいつ、また痩せたな…。
「ごめん!俺が間違ってた!!」
落ちている書類を踏みながら扉に近付く。
扉が開いて廊下を歩き出す。
「しょるいぃ~!」
ギャーギャー騒ぐシンタローをしかとして、携帯を取り出す。
掛けるのは勿論俺の飛行船に乗っている筈の部下その①。
「おー、俺だ。飛行船直ぐ出せる準備しとけ」
携帯に言った言葉を聞いていたシンタローが叫ぶ。
「もうろくしてんだ!!本気にすんなっ!!」
うるせぇなぁ。
その上失礼だ。
電話の向こうから、
『えっと……準備しときまーす』
の返答。
よし。
さて、どこに連れて行こうかねぇ。
今だ騒いでるシンタロー。
諦めの悪い奴だ。
「いい加減観念しろ」
尻に触りながら言う。
「尻に触れるな!撫でるな!!」
「分かった。分かったから黙れ、シンタロー」
ちょと我慢しとけば何も気にならなくなるって。
「でも!仕事がっ」
「休憩だ休憩。こんだけ騒いでんのに秘書どもが止めに来ないなら大丈夫なんだろ」
うっ。と詰まってシンタローがやっと黙る。
よしよし。
そのまま飛行船に連れていき、短くはないが長くもない旅に出るのだった。
実は騒いでも誰も来なかったのは予め人払いをして置いたからなんだが、シンタローは
知らないだろう。
驚くだろうなぁ。
総帥室に入れば散らばった書類。
総帥行方不明。
まぁ、酒置いてきたから、俺だってわかんだろ。
とりあえずは、小さな旅を楽しもう。
三人余計なもんもいるが。
シンタローが楽しめんなら、まぁ、そこらは目を瞑ろう。
END
隊長、確信犯?
多分どうやって連れだすか考えてたら、鴨がネギ持った状態で…
05.12/01
11月11日
さぁ、何の日?
「シンタローさ~ま♪」
やたらテンションの高い男が入ってきた。
シンタローの眉間に皺が寄る。
「オイオイ、こんな日まで仕事かよ」
派手な金髪が目に入る。
それはシンタローの見知った連中。
「…何の用だ、おっさんと愉快な仲間達」
「普通に呼んだ方が早いと思いますよ」
直ぐに要らないツッコミも入る。
シンタローは頭痛を感じながら連中に目を向ける。
「今日は何の日?」
入ってきた時からテンションの高いロッドがニコニコと尋ねる。
はぁ?疑問を浮かべるシンタローに、
「正解は、はい!G君!」
「…ポッキーの日、です」
「そんなわけでポッキーです」
愉快な仲間達の一連の動きに確な頭痛を感じつつ目に入った物に苦笑する。
ポッキーの沢山入ったスーパーの袋。
普通にレジに並んで買ったのかと思うと面白い。
「仕事中断。ポッキーを食え」
シンタローの意見など全く聞く気のないハーレムの言葉。
大きく息を吐いてハーレム達の座っているソファーのハーレムの隣に座る。
「はい、どうぞ」
渡されたポッキーを口にいれなからテーブルを見る。
「結構種類あるんだなァ」
驚く種類の多さ。
ですねぇ、だな、はい、そうですね。
ニュアンスの違う様々な返事。
あぁ、面白い奴等。
暫く経つとシンタローは眠気と戦い出した。
疲れた時には甘い物。
程良い満腹感。
隣に人の体温。
日々の疲れ。
あ、おちる…。
本人自覚の元、眠りに落ちた。
こてん。
肩に触れた温もりと重さ。
ハーレムはシンタローが眠った事を確信する。
「…寝ましたね」
「作戦成功ですね」
暫く起きそうにない顔を見ながら笑い合う。
「無理矢理休ませよう作戦も成功しましたし」
「我々は行きます」
「隊長はどうぞごゆっくり枕になってて下さい」
ロッド、マーカー、Gは口々にそう言い出ていった。
「自己管理くらい、自分でしろよ」
ハーレムは自分の肩を枕に眠るシンタローを見ながら呟く。
すやすやと眠る顔に苦笑する。
「適当適度って言葉をしらねぇのかねェ、このガキは」
流れてくる髪を指に巻いて遊ぶ。
休もうとしないシンタローを休ませる為に今日は来たのだ。
「一人で全部抱えてねェで、少しは回りを頼れよな」
黒い髪の一房に口付ける。
シンタローが目を覚ますまで、ハーレムはそこにじっと座って枕になっている。
本人も暇に耐えかね睡眠に入ってしまったが。
「なぁ、ティラミス。俺達は扉に札を掛けてもう入らないべきだよな」
「そうだな。【只今総帥仮眠中】札をはって入らないようにしよう」
秘書二人、仲良く眠る上司二人の後ろ姿を見て出ていった。
黒と金がくっついて眠る。
二人の前にあるテーブルにはポッキーの山。
END
05.11/14
さぁ、何の日?
「シンタローさ~ま♪」
やたらテンションの高い男が入ってきた。
シンタローの眉間に皺が寄る。
「オイオイ、こんな日まで仕事かよ」
派手な金髪が目に入る。
それはシンタローの見知った連中。
「…何の用だ、おっさんと愉快な仲間達」
「普通に呼んだ方が早いと思いますよ」
直ぐに要らないツッコミも入る。
シンタローは頭痛を感じながら連中に目を向ける。
「今日は何の日?」
入ってきた時からテンションの高いロッドがニコニコと尋ねる。
はぁ?疑問を浮かべるシンタローに、
「正解は、はい!G君!」
「…ポッキーの日、です」
「そんなわけでポッキーです」
愉快な仲間達の一連の動きに確な頭痛を感じつつ目に入った物に苦笑する。
ポッキーの沢山入ったスーパーの袋。
普通にレジに並んで買ったのかと思うと面白い。
「仕事中断。ポッキーを食え」
シンタローの意見など全く聞く気のないハーレムの言葉。
大きく息を吐いてハーレム達の座っているソファーのハーレムの隣に座る。
「はい、どうぞ」
渡されたポッキーを口にいれなからテーブルを見る。
「結構種類あるんだなァ」
驚く種類の多さ。
ですねぇ、だな、はい、そうですね。
ニュアンスの違う様々な返事。
あぁ、面白い奴等。
暫く経つとシンタローは眠気と戦い出した。
疲れた時には甘い物。
程良い満腹感。
隣に人の体温。
日々の疲れ。
あ、おちる…。
本人自覚の元、眠りに落ちた。
こてん。
肩に触れた温もりと重さ。
ハーレムはシンタローが眠った事を確信する。
「…寝ましたね」
「作戦成功ですね」
暫く起きそうにない顔を見ながら笑い合う。
「無理矢理休ませよう作戦も成功しましたし」
「我々は行きます」
「隊長はどうぞごゆっくり枕になってて下さい」
ロッド、マーカー、Gは口々にそう言い出ていった。
「自己管理くらい、自分でしろよ」
ハーレムは自分の肩を枕に眠るシンタローを見ながら呟く。
すやすやと眠る顔に苦笑する。
「適当適度って言葉をしらねぇのかねェ、このガキは」
流れてくる髪を指に巻いて遊ぶ。
休もうとしないシンタローを休ませる為に今日は来たのだ。
「一人で全部抱えてねェで、少しは回りを頼れよな」
黒い髪の一房に口付ける。
シンタローが目を覚ますまで、ハーレムはそこにじっと座って枕になっている。
本人も暇に耐えかね睡眠に入ってしまったが。
「なぁ、ティラミス。俺達は扉に札を掛けてもう入らないべきだよな」
「そうだな。【只今総帥仮眠中】札をはって入らないようにしよう」
秘書二人、仲良く眠る上司二人の後ろ姿を見て出ていった。
黒と金がくっついて眠る。
二人の前にあるテーブルにはポッキーの山。
END
05.11/14
「パパ!ぼくね、おじちゃん大好きなんだーv」
「…サービスかい?」
ヒクヒクと笑顔がひきつく。
「サービスおじさんも好きだけど、ハーレムおじちゃんが一番好きv」
「パパよりもかい!?」
「うん!!」
「やぁ、おかえり。ハーレム」
「…なーにがおかえりだ!真っ先に眼魔砲ぶっぱなしやがって」
「チッ。仕留め損ねたか…」
「おい、コラ」
「ハハ、冗談だよ」
「嘘つけ!何なんだよ、いったい」
「おじちゃん!」
「ん?おぉ、シンタロー」
「おかえりなさーい!」
「ただいま」
抱きつきシンタローを抱きとめるハーレム。
自然に額にキスをする。
笑いあう二人。
「…仲良しだね。二人共」
呟いて、ハーレムからシンタローを奪いとる。
「シンタロー!」
「おじちゃーん!」
ロミオとジュリエット(笑)。
引き離したマジックは、
「眼魔砲ッ!!」
ハーレムに向かって撃った。
結果
「…パパのバカー!!大きらいだー!!」
と言われた。
そしてマジックが崩れていると、
「危なかった~」
ハーレムが無事に現れた。
シンタローが泣き掛の顔で駆け寄る。
瓦礫につまづいてこける前にと、シンタローを抱き上げるハーレム。
「泣くなよ、シンタロー」
ラブラブな二人は瓦礫のやまとマジックをほって立ち去った。
END
頑張った方です。
パパは僕の中で当て馬と言うか、まァ、酷い扱いです。
05.11/5
「…サービスかい?」
ヒクヒクと笑顔がひきつく。
「サービスおじさんも好きだけど、ハーレムおじちゃんが一番好きv」
「パパよりもかい!?」
「うん!!」
「やぁ、おかえり。ハーレム」
「…なーにがおかえりだ!真っ先に眼魔砲ぶっぱなしやがって」
「チッ。仕留め損ねたか…」
「おい、コラ」
「ハハ、冗談だよ」
「嘘つけ!何なんだよ、いったい」
「おじちゃん!」
「ん?おぉ、シンタロー」
「おかえりなさーい!」
「ただいま」
抱きつきシンタローを抱きとめるハーレム。
自然に額にキスをする。
笑いあう二人。
「…仲良しだね。二人共」
呟いて、ハーレムからシンタローを奪いとる。
「シンタロー!」
「おじちゃーん!」
ロミオとジュリエット(笑)。
引き離したマジックは、
「眼魔砲ッ!!」
ハーレムに向かって撃った。
結果
「…パパのバカー!!大きらいだー!!」
と言われた。
そしてマジックが崩れていると、
「危なかった~」
ハーレムが無事に現れた。
シンタローが泣き掛の顔で駆け寄る。
瓦礫につまづいてこける前にと、シンタローを抱き上げるハーレム。
「泣くなよ、シンタロー」
ラブラブな二人は瓦礫のやまとマジックをほって立ち去った。
END
頑張った方です。
パパは僕の中で当て馬と言うか、まァ、酷い扱いです。
05.11/5
「……何してんだ、おっさん」
ようやく仕事を終わらせ、シンタローが自室に戻ったのは午前一時を過ぎた頃だった。
グンマ&キンタローが製作した必要以上に厳重なセキュリティ・チェックをクリアして
その重厚な扉が開いた途端、広いリビングに備え付けられたソファに座り、
なんの許可もなく勝手に酒盛りをしている人物が目に入った。
その獅子の鬣のような髪を見るまでも無くこんな深夜にこの部屋にいるような
非常識な人間は二人しかおらず(二人もいれば充分だが)、
その内一人は自分が現れれば即座に跳びついてくるはずである。
さすがに自室で眼魔砲をぶっ放すわけにもいかないので、そっちの方でなくて僥倖だった、
と思うべきだろうか。こっちはこっちで相手にするのは、肉体的にも精神的にも疲れるのだが。
(……っつーかどっちも来ないのが一番だよな……)
重い溜息を吐きながら、電灯を付けないまま月明かりで移動し、
総帥服を脱いで皺にならないようハンガーに掛け形を整えつつ、
酒を飲むばかりで一切返事をしない叔父にちらりと視線をやった。
どうやらもう相当に飲んでいるらしい。空いた酒瓶が乱立していた。
再び溜息を吐きながら部屋着兼就寝服に着替え、叔父に歩み寄ると
転がっているカラの酒瓶を一つ手に取る。それはシンタロー秘蔵の日本酒だった。
(……こりゃ酒蔵の酒全滅か?)
もともとこのうわばみどころかザルな叔父と飲む予定だったが、勝手に飲まれ、
しかも自分の飲む分が無いのは腹が立つ。それが疲れてる時であれば尚更だ。
「オイ!おっさん、きーてんのかよ!」
座っている叔父の正面にまわりこみ肩へと手を伸ばす。
と、逆に腕を掴まれ、いきなり引っ張られて抱き込まれた。肩に叔父の息を感じる。
「おっさん。……どうか、したのか」
「……………」
シンタローはもう一度溜息を吐くと、叔父の好きにさせてやるべく全身の力を抜いた。
全く、呆れるほど自分はこの叔父に甘い。自分がこの叔父にされることを
どの程度まで許容してしまっているか理解した上でやっているのだろうか?
天然なら救いようが無い程タチが悪い。
そして後者である可能性のほうが高いのだ、この叔父は。
ぎゅぅぅ、と抱き締めるというよりはまるでしがみ付いてくる様に力を込め、
肩に顔を埋めてじっとしたままでいる叔父の頭を撫でる。
月の光を反射しきらきらと光る髪は見た目に反して柔らかく、撫で心地が良い。
……叔父は時折、こういう風に唐突に甘えてくる。
何があったのかは聞いても答えてくれないので知らない。
ただ、やたらとスキンシップをとりたがるのだ。
ずるい、と、シンタローは思う。
何も教えては呉れない癖に、何も答えては呉れない癖に、慰めだけは要求する。
ずるい。本当に……ずるい。
慰めることだけしかさせてくれない。共用することを許してくれない。
何がそんなに叔父を追い詰めているのか、想像どころか妄想すらも出来ないが、
そんなに自分には知られたくない事なのだろうか。だったら何故、自分の所へ来るのだろう。
(……卑怯だ、アンタ)
叔父はシンタローが問い詰めることも拒否することも無いと知っているだろう。
だからいつまでも何も知らないままだ。
(それでも。アンタの事を知りたいと思う俺の、気持ちは――いらない、のか……?)
決して言葉にはしない問いを心の内に封じ込め、遣る瀬無い想いを抱えたまま、
シンタローは切なげに細めた眸を叔父の肩越しに見える月へと向けた。
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切ない感じを出したくて玉砕…。
(2006.05.12)
ようやく仕事を終わらせ、シンタローが自室に戻ったのは午前一時を過ぎた頃だった。
グンマ&キンタローが製作した必要以上に厳重なセキュリティ・チェックをクリアして
その重厚な扉が開いた途端、広いリビングに備え付けられたソファに座り、
なんの許可もなく勝手に酒盛りをしている人物が目に入った。
その獅子の鬣のような髪を見るまでも無くこんな深夜にこの部屋にいるような
非常識な人間は二人しかおらず(二人もいれば充分だが)、
その内一人は自分が現れれば即座に跳びついてくるはずである。
さすがに自室で眼魔砲をぶっ放すわけにもいかないので、そっちの方でなくて僥倖だった、
と思うべきだろうか。こっちはこっちで相手にするのは、肉体的にも精神的にも疲れるのだが。
(……っつーかどっちも来ないのが一番だよな……)
重い溜息を吐きながら、電灯を付けないまま月明かりで移動し、
総帥服を脱いで皺にならないようハンガーに掛け形を整えつつ、
酒を飲むばかりで一切返事をしない叔父にちらりと視線をやった。
どうやらもう相当に飲んでいるらしい。空いた酒瓶が乱立していた。
再び溜息を吐きながら部屋着兼就寝服に着替え、叔父に歩み寄ると
転がっているカラの酒瓶を一つ手に取る。それはシンタロー秘蔵の日本酒だった。
(……こりゃ酒蔵の酒全滅か?)
もともとこのうわばみどころかザルな叔父と飲む予定だったが、勝手に飲まれ、
しかも自分の飲む分が無いのは腹が立つ。それが疲れてる時であれば尚更だ。
「オイ!おっさん、きーてんのかよ!」
座っている叔父の正面にまわりこみ肩へと手を伸ばす。
と、逆に腕を掴まれ、いきなり引っ張られて抱き込まれた。肩に叔父の息を感じる。
「おっさん。……どうか、したのか」
「……………」
シンタローはもう一度溜息を吐くと、叔父の好きにさせてやるべく全身の力を抜いた。
全く、呆れるほど自分はこの叔父に甘い。自分がこの叔父にされることを
どの程度まで許容してしまっているか理解した上でやっているのだろうか?
天然なら救いようが無い程タチが悪い。
そして後者である可能性のほうが高いのだ、この叔父は。
ぎゅぅぅ、と抱き締めるというよりはまるでしがみ付いてくる様に力を込め、
肩に顔を埋めてじっとしたままでいる叔父の頭を撫でる。
月の光を反射しきらきらと光る髪は見た目に反して柔らかく、撫で心地が良い。
……叔父は時折、こういう風に唐突に甘えてくる。
何があったのかは聞いても答えてくれないので知らない。
ただ、やたらとスキンシップをとりたがるのだ。
ずるい、と、シンタローは思う。
何も教えては呉れない癖に、何も答えては呉れない癖に、慰めだけは要求する。
ずるい。本当に……ずるい。
慰めることだけしかさせてくれない。共用することを許してくれない。
何がそんなに叔父を追い詰めているのか、想像どころか妄想すらも出来ないが、
そんなに自分には知られたくない事なのだろうか。だったら何故、自分の所へ来るのだろう。
(……卑怯だ、アンタ)
叔父はシンタローが問い詰めることも拒否することも無いと知っているだろう。
だからいつまでも何も知らないままだ。
(それでも。アンタの事を知りたいと思う俺の、気持ちは――いらない、のか……?)
決して言葉にはしない問いを心の内に封じ込め、遣る瀬無い想いを抱えたまま、
シンタローは切なげに細めた眸を叔父の肩越しに見える月へと向けた。
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切ない感じを出したくて玉砕…。
(2006.05.12)