19-不死身
「父さん!」
考えるよりも先に体が動いていて、
「消えろ…消えろニセ者!」
声の主に身体を奪われていた。
俺はあの時、一度死んだのだ。
「あれ?」
気付くとそこはきれいな花畑。
「どうしてこんな所にいるんだっけ?」
頭は霞がかかったようにぼんやりとしていた。
「早く行かないと…。」
けれど何故だか、「行かなければ」と言う焦燥感だけがやけにはっきりと頭にあった。
しばらく花畑を行くと前方から、低くて深みのあるどこか懐かしさを憶える声がした。
「何処へ行くんだい?」
声に顔を上げれば目の前には大きな川があり、向こう岸に人影が見える。
「何処へ?…どこだろうな。でも行かなきゃならないんだ。」
頭がぼんやりしてどうにも考えられない。
だが、とにかく行かなきゃいけない。
焦燥感は膨らむばかりだ。
「君はこちらに来たいのかい?」
向こう岸の人が尋ねる。
言われて気付いた、確かに俺の足は向こう岸へと進んでいるようだった。
気付いた瞬間、早く向こう側へ行きたいと強烈に思った。
「そうみたいだ。なぁ!船とか橋とかねぇの?」
俺の焦った声に、
「…何故?」
向こう岸の人は静かに尋ねる。
「何故って…?そっちに行きたいからだよ!」
「何故?君はこちらに来てはいけないのに?」
この時は 意味がわからなかった。
「帰りなさい。君にはまだ役目がある。」
向こう岸の人が手を空にかざした。
空が輝く。
長い金髪が空の光を弾いた。
「…もう来る事はないだろうけど。」
その言葉を聞いたのを最後に俺の意識は沈んでいった。
あの後、いろいろあって俺は生き返った。
アレが臨死体験ってやつだったんだな、と今ならわかる。
そしてあの言葉の意味も、
『もう来る事はないだろうけど』
手をかざし、光の中でそう呟いた金髪の人
「じーさん…アンタは知ってたんだな?」
(あの一回だけが人としての俺に許されたチャンスだった事)
一族のために作られた墓地。
俺はそう言って、携えていた白い花束の内の1本をじーさんの墓に供えた。
空からの光が、きらきらと備えた花を金色に見せていた。
俺は、他の墓にも白い花を一本一本供えていった。
ついに手には最後の一本だけが残された。
「アンタにはこれだ。親父。」
父親の墓にだけ、紅いバラの花を供えてやる。
「派手なアンタのイメージじゃねぇもんな、白い花はヨ?」
真紅のバラは真っ赤な総帥服を着ていた父親のイメージにぴったりだった。
どれほどの刻が過ぎたろう。
それこそ、ジャンの言うように気が遠くなるぐらい長い年月を俺は過ごしていた。
たった一度の機会は運命を知らない俺が人間だった頃。
「あの時成仏してればって思わねぇこともねぇよ。けど少なくともアンタが死ぬまではそばに居てやれたし…」
マジックの墓の前でしゃがみこんでいると、
「シンタロー!!」
墓地の入り口で、紅い服を着た金髪の少年が俺を呼んでいる。
「アンタのこれからも見守ってやれるからな。」
たとえ自分だけが時の中に残されたとしても、 あなたを思い守って生きていけるのならば幸せー
漆黒の髪を翻し、新たな絆に歩を進めた。
☆おまけ☆
「シンタロー。」
「ん?」
「ご先祖様のお墓…。一つだけバラを供えていたよね?」
「ん?あぁ。それがどうかしたか?」
「…真紅のバラの花言葉って知ってる?」
「…。」
「…大事な人だったの?」
「お子ちゃまには関係ねぇ~だろ?」
「むっ。シンタロー!」
「あんだよ?」
「そんな奴僕が忘れさせてやるからな!」
「なっ?!」
そう叫んだ少年に掠めるように唇を奪われ、あっけに取られている間に逃げられた。
「…アンタ、生まれ変わっても俺を振り回す気なのか…?」
(勘弁してくれよ…。)
そう思いながらも俺は微笑んでいた。
以前の貴方とは違うけれど、ここに在る貴方の魂が愛しい。
◇あとのあがき◇
不死身設定だったならば… シンタローさんは、生き返ってから不死身になったってことだろうから、そこらへんのとこを書こう…
というよりライオンパパが出したかっただけです(爆)
いやほらよく言うじゃないですか?「キレーな花畑で死んだじーさんが…」(おい)
正確にはシンタローさん2度3度と死んでるんですがね…
アスとかジャンとかの辺りは死んだというより、吸収された(?)ってほうがしっくりくるかなと…
そこらへんはまたおいおい書いていきたいなぁと思います。
あ、最後に出てきた少年は一応マジックパパの生まれ変わり…らしいです;(えぇー)
生まれ変わりと思ってるので「マジック」ではないんですが、魂レベルで好きだ!ということで…(CLA〇PのWish4巻的展開で…)
○ちなみに明日使えないぷちトリビア?○
真紅の薔薇の花言葉は愛情、情熱、愛嬌、美など。
作中の白い花は百合です。花言葉は純潔、威厳、高貴、偉大など。
他にも色んな言葉がありましたが話に合いそうなものだけ挙げてます。
ギリシャ語で百合は白い、ケルト語で薔薇は赤い、を表す単語が英名の由来だそうです。
へぇ~、へぇ~・・・
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「父さん!」
考えるよりも先に体が動いていて、
「消えろ…消えろニセ者!」
声の主に身体を奪われていた。
俺はあの時、一度死んだのだ。
「あれ?」
気付くとそこはきれいな花畑。
「どうしてこんな所にいるんだっけ?」
頭は霞がかかったようにぼんやりとしていた。
「早く行かないと…。」
けれど何故だか、「行かなければ」と言う焦燥感だけがやけにはっきりと頭にあった。
しばらく花畑を行くと前方から、低くて深みのあるどこか懐かしさを憶える声がした。
「何処へ行くんだい?」
声に顔を上げれば目の前には大きな川があり、向こう岸に人影が見える。
「何処へ?…どこだろうな。でも行かなきゃならないんだ。」
頭がぼんやりしてどうにも考えられない。
だが、とにかく行かなきゃいけない。
焦燥感は膨らむばかりだ。
「君はこちらに来たいのかい?」
向こう岸の人が尋ねる。
言われて気付いた、確かに俺の足は向こう岸へと進んでいるようだった。
気付いた瞬間、早く向こう側へ行きたいと強烈に思った。
「そうみたいだ。なぁ!船とか橋とかねぇの?」
俺の焦った声に、
「…何故?」
向こう岸の人は静かに尋ねる。
「何故って…?そっちに行きたいからだよ!」
「何故?君はこちらに来てはいけないのに?」
この時は 意味がわからなかった。
「帰りなさい。君にはまだ役目がある。」
向こう岸の人が手を空にかざした。
空が輝く。
長い金髪が空の光を弾いた。
「…もう来る事はないだろうけど。」
その言葉を聞いたのを最後に俺の意識は沈んでいった。
あの後、いろいろあって俺は生き返った。
アレが臨死体験ってやつだったんだな、と今ならわかる。
そしてあの言葉の意味も、
『もう来る事はないだろうけど』
手をかざし、光の中でそう呟いた金髪の人
「じーさん…アンタは知ってたんだな?」
(あの一回だけが人としての俺に許されたチャンスだった事)
一族のために作られた墓地。
俺はそう言って、携えていた白い花束の内の1本をじーさんの墓に供えた。
空からの光が、きらきらと備えた花を金色に見せていた。
俺は、他の墓にも白い花を一本一本供えていった。
ついに手には最後の一本だけが残された。
「アンタにはこれだ。親父。」
父親の墓にだけ、紅いバラの花を供えてやる。
「派手なアンタのイメージじゃねぇもんな、白い花はヨ?」
真紅のバラは真っ赤な総帥服を着ていた父親のイメージにぴったりだった。
どれほどの刻が過ぎたろう。
それこそ、ジャンの言うように気が遠くなるぐらい長い年月を俺は過ごしていた。
たった一度の機会は運命を知らない俺が人間だった頃。
「あの時成仏してればって思わねぇこともねぇよ。けど少なくともアンタが死ぬまではそばに居てやれたし…」
マジックの墓の前でしゃがみこんでいると、
「シンタロー!!」
墓地の入り口で、紅い服を着た金髪の少年が俺を呼んでいる。
「アンタのこれからも見守ってやれるからな。」
たとえ自分だけが時の中に残されたとしても、 あなたを思い守って生きていけるのならば幸せー
漆黒の髪を翻し、新たな絆に歩を進めた。
☆おまけ☆
「シンタロー。」
「ん?」
「ご先祖様のお墓…。一つだけバラを供えていたよね?」
「ん?あぁ。それがどうかしたか?」
「…真紅のバラの花言葉って知ってる?」
「…。」
「…大事な人だったの?」
「お子ちゃまには関係ねぇ~だろ?」
「むっ。シンタロー!」
「あんだよ?」
「そんな奴僕が忘れさせてやるからな!」
「なっ?!」
そう叫んだ少年に掠めるように唇を奪われ、あっけに取られている間に逃げられた。
「…アンタ、生まれ変わっても俺を振り回す気なのか…?」
(勘弁してくれよ…。)
そう思いながらも俺は微笑んでいた。
以前の貴方とは違うけれど、ここに在る貴方の魂が愛しい。
◇あとのあがき◇
不死身設定だったならば… シンタローさんは、生き返ってから不死身になったってことだろうから、そこらへんのとこを書こう…
というよりライオンパパが出したかっただけです(爆)
いやほらよく言うじゃないですか?「キレーな花畑で死んだじーさんが…」(おい)
正確にはシンタローさん2度3度と死んでるんですがね…
アスとかジャンとかの辺りは死んだというより、吸収された(?)ってほうがしっくりくるかなと…
そこらへんはまたおいおい書いていきたいなぁと思います。
あ、最後に出てきた少年は一応マジックパパの生まれ変わり…らしいです;(えぇー)
生まれ変わりと思ってるので「マジック」ではないんですが、魂レベルで好きだ!ということで…(CLA〇PのWish4巻的展開で…)
○ちなみに明日使えないぷちトリビア?○
真紅の薔薇の花言葉は愛情、情熱、愛嬌、美など。
作中の白い花は百合です。花言葉は純潔、威厳、高貴、偉大など。
他にも色んな言葉がありましたが話に合いそうなものだけ挙げてます。
ギリシャ語で百合は白い、ケルト語で薔薇は赤い、を表す単語が英名の由来だそうです。
へぇ~、へぇ~・・・
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「真紅のバラの花言葉って知ってる?」
渋面になった顔を見上げながら尋ねる。
「・・・。」
むっつりと黙ったまま答えてくれない。
「大事な人だったの?」
さらに問いを重ねる。
「お子ちゃまには関係ねぇ~だろ。」
心なしか頬を赤くした顔で答えてくる。
(素直に大事な人だって答えればいいのに)
少しむっとした私は、ちょっとした悪戯を思いつき実行した。
「そんな奴僕が忘れさせてやるからな!」
(無理だよ、きっとお前は忘れはしない)
「なっ!!」
触れるだけのキスをしてその場から一目散に逃げる。
光で満ちた墓地を後にした。
****
仄暗い廊下を進む。
遥か昔に打ち捨てられたはずの研究棟。
破棄されたはずの施設は秘密裏に今も存続している。
「経過は良好のようですね」
施設の一室、白い蛍光灯の光の下で白衣の男と顔を合わせる。
定期的な検査だ。
「あぁ。おかげであの子と楽しい日々を送っているよ。」
少年にしては大人びた口調。
これが本来の私だ。
「それもこれもお前が研究を成功させたおかげだ。」
目を細め白衣の男を見る。
「興味深かったからですよ。不死は我々科学者にとっては永遠のテーマですから。」
そう言う男も今や不死者だ。
「だが、これで終わりではないのだろう?高松。」
我々は、今やありあまる時間を手にしたのだ。
「ええ。今度は他のテーマで研究を進めて行こうと思っています。」
「他のテーマ?」
「物質の根源。惑星の持つ力。遺伝子。特異な能力。」
「・・・テーマはつきないようだね。」
「探究心がなくなれば研究者は終わりですよ。」
口元を歪めて男は笑う。
「・・・そろそろ、戻る。」
「そうですね。あまり長くここにいるのは良くないでしょう。」
ここには狂気が淀んでいる。
「マジック様。忘れてはいけませんよ。我々は共犯者だ。」
「共犯者?永遠を望むのはいけない事かい?」
「いいえ。神をも恐れない貴方様らしいお答えです。」
さらに口元を歪め男は嗤う。
見据えた瞳に狂気が見えた。
はたしてそれは、その男の物なのか、男の瞳に映る私の物なのかー
◇あとのあがき◇
19-不死身を読んでから読まないと意味不明だと思われます・汗
読んでも意味不明かもですが・滝汗
ほんのりチャンネル5をにおわせてみたりなんかして・・・
渋面になった顔を見上げながら尋ねる。
「・・・。」
むっつりと黙ったまま答えてくれない。
「大事な人だったの?」
さらに問いを重ねる。
「お子ちゃまには関係ねぇ~だろ。」
心なしか頬を赤くした顔で答えてくる。
(素直に大事な人だって答えればいいのに)
少しむっとした私は、ちょっとした悪戯を思いつき実行した。
「そんな奴僕が忘れさせてやるからな!」
(無理だよ、きっとお前は忘れはしない)
「なっ!!」
触れるだけのキスをしてその場から一目散に逃げる。
光で満ちた墓地を後にした。
****
仄暗い廊下を進む。
遥か昔に打ち捨てられたはずの研究棟。
破棄されたはずの施設は秘密裏に今も存続している。
「経過は良好のようですね」
施設の一室、白い蛍光灯の光の下で白衣の男と顔を合わせる。
定期的な検査だ。
「あぁ。おかげであの子と楽しい日々を送っているよ。」
少年にしては大人びた口調。
これが本来の私だ。
「それもこれもお前が研究を成功させたおかげだ。」
目を細め白衣の男を見る。
「興味深かったからですよ。不死は我々科学者にとっては永遠のテーマですから。」
そう言う男も今や不死者だ。
「だが、これで終わりではないのだろう?高松。」
我々は、今やありあまる時間を手にしたのだ。
「ええ。今度は他のテーマで研究を進めて行こうと思っています。」
「他のテーマ?」
「物質の根源。惑星の持つ力。遺伝子。特異な能力。」
「・・・テーマはつきないようだね。」
「探究心がなくなれば研究者は終わりですよ。」
口元を歪めて男は笑う。
「・・・そろそろ、戻る。」
「そうですね。あまり長くここにいるのは良くないでしょう。」
ここには狂気が淀んでいる。
「マジック様。忘れてはいけませんよ。我々は共犯者だ。」
「共犯者?永遠を望むのはいけない事かい?」
「いいえ。神をも恐れない貴方様らしいお答えです。」
さらに口元を歪め男は嗤う。
見据えた瞳に狂気が見えた。
はたしてそれは、その男の物なのか、男の瞳に映る私の物なのかー
◇あとのあがき◇
19-不死身を読んでから読まないと意味不明だと思われます・汗
読んでも意味不明かもですが・滝汗
ほんのりチャンネル5をにおわせてみたりなんかして・・・
会いに行こう
唐突かもしれないけどそう思うんだ。
無性に君に会いたい。
だって、そういう時ってあるよねぇ?
今、何をしてるのかなぁ?
この時間だと…総帥室で仕事中かな?
忙しくなったお前の、秒単位で刻まれるような1日のスケジュールだってもちろんパパは把握しているよ。
だって愛しているからね!
きっと眉間に皺を寄せて、なれない書類仕事をしてるんだろうねぇ…
お前は根が真面目だから。
一つ一つに時間をかけて真剣に取り組んでいるのだろう。
でも、それじゃ疲れちゃうよ。
パパはお前の事が心配だよ。
もっと休んで欲しいのに、一緒にいて欲しいのに…。
そんなことが頭に浮かぶ。
これって、お前のことが愛しくてしょうがないって事なんだよ?
いつでも、パパはお前の事ばかり考えてる。
でも、ただそう想ってるだけじゃつまらなくなるんだ。
だってお前のこと想ってただじっとしてるよりも-
お前の顔を見ていたいじゃない?
お前の声が聞きたくなるじゃない?
お前と触れ合いたくなるじゃない?
私はね、お前と一緒にいたいんだ。
離れていたくないんだよ。
そうとなったら即行動!
待ってるだけ、想ってるだけなんてつまらない!
会いに行こう。
・・・残念ながらお前からは会いに来てくれないだろうしね。
でも、会いたいと想っているは私だけじゃなかったんだよね。
「シンちゃーんvパパだよ~♪」
「でたな!アーパー親父…。何度言ったら分かるんだ!!仕事中には来るなって言ってんだろ!」
「でたな!」、だなんて…私はヒーロー漫画の悪役かい?
あぁ、でもそれって私が来るのが分かるってことだよね?
なんだかパパのこと考えてくれてるみたいで嬉しいよv
それに、「仕事中には」って、他の時間になら来て欲しいみたいに聞こえるのはパパの思い込みなのかな?
ちがうよね?会いに来て欲しいんだよねシンちゃんはv
素直になれないお前のかわりに、
会いに行こう-
唐突かもしれないけどそう思うんだ。
無性に君に会いたい。
だって、そういう時ってあるよねぇ?
今、何をしてるのかなぁ?
この時間だと…総帥室で仕事中かな?
忙しくなったお前の、秒単位で刻まれるような1日のスケジュールだってもちろんパパは把握しているよ。
だって愛しているからね!
きっと眉間に皺を寄せて、なれない書類仕事をしてるんだろうねぇ…
お前は根が真面目だから。
一つ一つに時間をかけて真剣に取り組んでいるのだろう。
でも、それじゃ疲れちゃうよ。
パパはお前の事が心配だよ。
もっと休んで欲しいのに、一緒にいて欲しいのに…。
そんなことが頭に浮かぶ。
これって、お前のことが愛しくてしょうがないって事なんだよ?
いつでも、パパはお前の事ばかり考えてる。
でも、ただそう想ってるだけじゃつまらなくなるんだ。
だってお前のこと想ってただじっとしてるよりも-
お前の顔を見ていたいじゃない?
お前の声が聞きたくなるじゃない?
お前と触れ合いたくなるじゃない?
私はね、お前と一緒にいたいんだ。
離れていたくないんだよ。
そうとなったら即行動!
待ってるだけ、想ってるだけなんてつまらない!
会いに行こう。
・・・残念ながらお前からは会いに来てくれないだろうしね。
でも、会いたいと想っているは私だけじゃなかったんだよね。
「シンちゃーんvパパだよ~♪」
「でたな!アーパー親父…。何度言ったら分かるんだ!!仕事中には来るなって言ってんだろ!」
「でたな!」、だなんて…私はヒーロー漫画の悪役かい?
あぁ、でもそれって私が来るのが分かるってことだよね?
なんだかパパのこと考えてくれてるみたいで嬉しいよv
それに、「仕事中には」って、他の時間になら来て欲しいみたいに聞こえるのはパパの思い込みなのかな?
ちがうよね?会いに来て欲しいんだよねシンちゃんはv
素直になれないお前のかわりに、
会いに行こう-
その夜、俺はトットリとミヤギ、コージ達と(+隅にいたアラシヤマ)で酒を飲んだ。
気晴らしになるはずだった-
自室に帰り、飲み足りなかった俺はさらに酒を飲んでいた。
そこへ、タイミング悪く奴は来た。
「ずいぶんお酒くさいね。誰と飲んできたんだい?」
俺は親父を無視して熱った身体をソファに沈める。
冷蔵庫から出しておいたビールを一気に煽った。
「まだ飲む気なの?」
隣に座った親父が身体に悪いと咎める。
-気晴らしのはずだったんだ・・・
「飲みたりねぇんだよ・・・。」
(イライラする・・・目が熱い・・・)
もう一本ビールを煽る。
「飲みすぎるとよくないよシンちゃん。」
俺を気遣う親父の声。
その声に、俺の目はさらに熱くなった。
覗き込んでくる親父の顔が涙でぼやける。
「シンちゃん?」
いきなり泣き出した俺に困惑する親父。
「どうしたの?なんで泣いてるの?」
(嗚呼、ぼやけて親父の顔が見えない…)
「親父…。」
俺はマジックの顔を両手で包むとそっと引き寄せた。
「シンタロー…?」
めずらしく戸惑った声を無視して唇を塞いでやった。
「シンちゃん?酔ってるの?」
(シンタローからキスだなんて…)
マジックは少し困惑していた。
(何か合ったのかな?)
酒に強い彼は滅多に酔うことはない。
それに、仕事に備えてか普段はブレーキをかけて飲んでいる。
「酔ってなんかねぇよ…。」
酔っ払いは、自分で酔っているとは言わないものだ。
「こんな積極的なお前はめずらしいからね。」
「あぁ?じゃぁ普段は消極的だって言いたいのか?」
酔っ払いは、なんでも挑発と受け取ってしまうようだ。
「ん~…別にそういうわけじゃないけど…」
「…気に入らない…」
「え?」
シンタローが小さく呟いた。
「俺だってなぁ……」
耳元にシンタローが囁く。
「アンタのこと愛してる・・・」
酒は理性を溶かしてくれる。
その夜、私はシンタローのその言葉に酔っていた。
気晴らしになるはずだった-
自室に帰り、飲み足りなかった俺はさらに酒を飲んでいた。
そこへ、タイミング悪く奴は来た。
「ずいぶんお酒くさいね。誰と飲んできたんだい?」
俺は親父を無視して熱った身体をソファに沈める。
冷蔵庫から出しておいたビールを一気に煽った。
「まだ飲む気なの?」
隣に座った親父が身体に悪いと咎める。
-気晴らしのはずだったんだ・・・
「飲みたりねぇんだよ・・・。」
(イライラする・・・目が熱い・・・)
もう一本ビールを煽る。
「飲みすぎるとよくないよシンちゃん。」
俺を気遣う親父の声。
その声に、俺の目はさらに熱くなった。
覗き込んでくる親父の顔が涙でぼやける。
「シンちゃん?」
いきなり泣き出した俺に困惑する親父。
「どうしたの?なんで泣いてるの?」
(嗚呼、ぼやけて親父の顔が見えない…)
「親父…。」
俺はマジックの顔を両手で包むとそっと引き寄せた。
「シンタロー…?」
めずらしく戸惑った声を無視して唇を塞いでやった。
「シンちゃん?酔ってるの?」
(シンタローからキスだなんて…)
マジックは少し困惑していた。
(何か合ったのかな?)
酒に強い彼は滅多に酔うことはない。
それに、仕事に備えてか普段はブレーキをかけて飲んでいる。
「酔ってなんかねぇよ…。」
酔っ払いは、自分で酔っているとは言わないものだ。
「こんな積極的なお前はめずらしいからね。」
「あぁ?じゃぁ普段は消極的だって言いたいのか?」
酔っ払いは、なんでも挑発と受け取ってしまうようだ。
「ん~…別にそういうわけじゃないけど…」
「…気に入らない…」
「え?」
シンタローが小さく呟いた。
「俺だってなぁ……」
耳元にシンタローが囁く。
「アンタのこと愛してる・・・」
酒は理性を溶かしてくれる。
その夜、私はシンタローのその言葉に酔っていた。
清く、正しく、生まれ変わったガンマ団。
「俺が総帥になったからには、俺のやり方でやらせてもらう。そこんとこよろしくな。」
ガンマ団シンタロー新総帥襲名式。
団員達の前で挨拶とともに、にっと不敵に笑ってみせた彼。
その笑みに、一体何人の団員が忠誠を誓った事だろう。
「よう!お疲れ!悪いな無理させちまって…。」
気遣う彼の言葉に、
「いえっ!自分は職務を全うしただけであります!」
真っ赤になって新兵が慌ててそう叫ぶ。
彼がフロアを行くだけで、
「総帥っ!おはようござます!」
「ん、あぁおはよ。」
「うっわー返事されちゃったよ~!」
「バッカ!シンタロー総帥は誰にでも挨拶返してくれるんだよ。」
「あぁ~今日も笑顔がまぶしいなぁ~。」
「カッコイイ…。」
皆、感嘆のため息をもらした。
「………。キミタチ?お仕事頑張っているようだね?」
そこへ黒いオーラを纏った男が一人。
「マジック元総帥・・・。」
おそるおそる振り向いた先には満面笑顔の元総帥が立っていた。
目は笑っていなかった。
「俺が総帥になったからには、俺のやり方でやらせてもらう。そこんとこよろしくな。」
ガンマ団シンタロー新総帥襲名式。
団員達の前で挨拶とともに、にっと不敵に笑ってみせた彼。
その笑みに、一体何人の団員が忠誠を誓った事だろう。
「よう!お疲れ!悪いな無理させちまって…。」
気遣う彼の言葉に、
「いえっ!自分は職務を全うしただけであります!」
真っ赤になって新兵が慌ててそう叫ぶ。
彼がフロアを行くだけで、
「総帥っ!おはようござます!」
「ん、あぁおはよ。」
「うっわー返事されちゃったよ~!」
「バッカ!シンタロー総帥は誰にでも挨拶返してくれるんだよ。」
「あぁ~今日も笑顔がまぶしいなぁ~。」
「カッコイイ…。」
皆、感嘆のため息をもらした。
「………。キミタチ?お仕事頑張っているようだね?」
そこへ黒いオーラを纏った男が一人。
「マジック元総帥・・・。」
おそるおそる振り向いた先には満面笑顔の元総帥が立っていた。
目は笑っていなかった。